椎名林檎がなぜオリンピック開閉会式の演出を?3つの理由とは

2020年の東京オリンピックの開会式・閉会式の演出を手掛ける、クリエーティブ スーパーバイザーに椎名林檎さんが選ばれました。
アーティストとしては、他の追随を許さない唯一無二の存在感と世界観の椎名林檎さんですが、なぜ2020年オリンピックの大役に抜擢されたのでしょうか?
その理由を椎名さんの音楽から迫ってみたいと思います。
なぜ椎名林檎がオリンピック演出に選ばれたのか?
椎名林檎さんといえば、日本のトップアーティストの一人で、真似できない独自のメロディと歌詞、常に新しい演出により、確固たる世界観を構築してきた方でもあります。
また、2018年にはデビュー20周年を迎え、紅白歌合戦の出場6回にものぼる、抜群の知名度を誇る歌手でもあります。
そんな椎名林檎さんが2020年東京オリンピックの演出に抜擢した理由を調べてみました。
①リオ引き継ぎ閉会式での評価
まず理由の1つに、リオオリンピック閉会式で椎名林檎さんが音楽監修を手掛けた 、“2020年東京オリンピックの引き継ぎ式“が高く評価されたことにあります。
その時に動画は、以下のものです。

東京五輪のエンブレムなどが現れたパフォーマンスのフィナーレで使用された曲は、椎名林檎ワールド全開の「望遠鏡の外の景色」という曲です。
この「望遠鏡の外の景色」という曲は、2015年野田秀樹さん演出で、パリの国立シャイヨー劇場でも公演が行われた
「エッグ」という舞台のために書き下ろされた曲です。
舞台「エッグ」は、 「スポーツと音楽」をテーマに、オリンピックの出場を夢見るアスリートや女性シンガーソングライターを通じて、批評的に社会を描いた物語です。
そんな音楽とスポーツに関わるような曲を椎名林檎さんが作曲していたとは、オリンピックと何かしらの“縁”を感じてしまいますね。
ともあれ、リオの引き継ぎ式のような「和」と現代のテクノロジーの調和が、楽しめる演出に期待です。

②日本文化を意識した楽曲やファッション
椎名林檎さんの楽曲の多くに、日本の地名特に“東京”というフレーズが、多く出てきます。また、歌詞にも日本的な言い回しが組み込まれていたり
ファッションも、着物や歌謡曲の時代のような雰囲気がかなり強い気がします。
影響力があるが故に、何かと曲を発表すると世間から騒がれたこともありました。
「NIPPON」という曲が右翼的と騒がれる
NHKのサッカーW杯のテーマソングとなった「NIPPON」を発表すれば、日の丸を背負ったPVや歌詞が、特攻隊や純血思想を思わせると
一部で批判されました。
また、アルバム「日出処(ひいずるところ)」では韓国では、 ナチスの旗のような「戦犯旗」を思わせるとされている旭日旗を使用していると騒ぎになりました。
これに対して椎名林檎さんは、
〈いま大戦中でもないのに、人に「どっちなんだ!? 右なのか、左なのか」と問うこと自体、ナンセンスだとは思います〉
〈踏み絵ですよね。完全に。〉
〈(作品について右左を言うのは)すごくつまんないと思います〉
〈そういう読解力の方とは、縁がないって思っちゃう〉
と批判を一蹴しています。椎名林檎さんの曲を色々と聞けばわかると思いますが、彼女は右翼的な思想ではなく、むしろリベラルな考えの持ち主であることはすぐにわかると思います。
椎名さんは、「日本文化」「伝統の継承」という発言も多くしていることからも、音楽やファッションを通して「日本文化」を守っていきたいと思っているだけなのです。
着物でギターをかき鳴らす姿を見てください!かっこよすぎでしょう!
日本人のアイデンティティがどこにあるか、ということを常に自覚させてくれるような曲を作る、椎名林檎さんならば、他の国に日本の良さをきっとクールに伝えてくれるでしょう。
↓各局のオリンピック歴代テーマソングはコチラ↓

③オリンピック参加への思いが強い
2020年東京オリンピックが決定した当初は、「AKBが出演するのでは?」という噂もあり、私は「それだけは、やめてくれー」と思っていたのですが、椎名さんも、同じような危機感を抱いていたようで、こんな発言をしています。
「2020年の東京オリンピックが決まったとき、浮かれ気分もありながら、皆さん『だいじょぶなのか東京』と、不安を覚えたでしょう? 開会式の演出の内容がおっかなくて仕方ないでしょう?」
「せっかく他国から多くの人が日本に来てくださるわけですから。だって、昔から脈々と続く素晴らしいスポーツの祭典が東京で開催されるんですよ。(中略)J-POPと呼ばれるものを作っていい立場にあるその視点から、絶対に回避せねばならない方向性はどういうものか、毎日考えてます」
本当にAKBが出演するとなったら、おっかなくて見るに堪えなかったかもしれません。
こんな踏み入った発言やオリンピックへの強い思いが評価され、大抜擢されたのかもしれませんね。
また、 外国から見ている日本のカルチャーのギャップをもう一度考えなおして、J-POPを世界に発信したいという気持ちも読み取れます。
なお、過去のオリンピック開会式の歌手については以下の記事にまとめましたので、興味がある方はご覧になって下さい。↓

そんな椎名さんの楽曲が聴ける4年後が待ち遠しいというあなたに・・・
椎名さんが編曲・返詞を手掛けたピチカートファイブの「東京は夜の七時」を聴いて、東京オリンピックの高揚ときらめきを想像しながら盛り上がりましょう。
そして、開会式で演出の他に気になるのが、日本代表の衣装です。
過去には酷評されたものもあり、2020年の東京オリンピックは、どうか演出に負けないようなクールでスタイリッシュなものを希望します。

まとめ
椎名林檎さんの音楽観やファッション、オリンピックの思いの強さなどを、知れば知るほど、音楽監修には椎名林檎さんは適役なように思いました!
総合統括の狂言師・野村萬斎さんが「シンプルかつ和の精神に富んだオリパラになるよう全力を尽くしたい」。
と記者会見で述べていたように、「和のアーティスト」ともいえる椎名林檎の世界観がどのように反映されるのか、楽しみでなりません。
この記事へのコメントはありません。