保冷ゆりかご(カドルコット)とは?死産した赤ちゃんとゆっくりお別れを

保冷ゆりかご(カドルコット)という言葉をご存知でしょうか?
待望の赤ちゃんを授かり、お腹の中で大切に育てるも・・・
死産されたお母さんやお父さんの悲しみは計りしれません。
そんな亡くなった赤ちゃんと安らかにお別れする手段として
保冷ゆりかご(カドルコット)はあります。
日本ではあまり知られていませんが欧米では、徐々に広がりつつある
保冷ゆりかご(カドルコット)について調べてみました。
保冷ゆりかご(カドルコット)とは?
カドルコットとは、死産した赤ちゃんの体を数日間保存できる保冷ベビーベッドのことです。
カドルコットは、“cuddle(カドル)”=寄り添う“cot(コット)”=ベビーベットという意味で、
直訳すると、寄り添うベビーベッドと名づけられています。
その名の通り、死産したお母さんに寄り添えるようにと作られたものです。
カドルコットはどのように使用する?
出典:http://www.tpr.org/post/cuddle-cots-comfort-parents-stillborn-babies
カドルコットの重さは約3.6㎏。
マットレスの下に冷却装置から冷気を送り、赤ちゃんの体を冷たく保つことで
体の組織を長持ちさせ劣化を防ぎ、より長く赤ちゃんを見栄えの良い状態に置いておく仕組みです。
保冷ゆりかご(カドルコット)がもたらす効果
このカドルコットという装置が無ければ、遺体安置所に赤ちゃんは置かれ、
悲しみに打ちひしがれる両親は、そこでしか赤ちゃんとのお別れが出来ません。
赤ちゃんと、ほんのわずかな時間しかお別れできないままになると、
両親は、気持ちの整理がつかず孤独な状況に置かれ鬱などを発症する場合があるそうです。
そんな両親の気持ちに応えて、開発されたのがカドルコットです。
保冷ベビーベッドさえあれば、遺体安置所に置いておく必要もなく
抱っこしたり、写真を撮ったり、自宅に連れて帰ることも可能となります。
一緒に過ごし亡くなったとはいえ、安らかにお別れする時間が作れ、心に残る思い出を残すことができます。
赤ちゃんと自分の納得するタイミングでお別れできるということは、非常に大切なことです。
日本での死産の確率は?
出典:https://pregnantchicken.
死産の定義は、妊娠12週目以降の亡くなった胎児の出産ということです。
ちなみに、12週目未満で赤ちゃんが亡くなった場合は流産といいます。
日本の死産の確率は、他の国に比べてとても低いとはいえ
1000人の出産に対して0.9人の死産が確認されています。
出典:https://mainichi.jp
この数字をどう思うかは、人によって違いますが、どれほど医学が発達しても
死産は偶発的に起きてしまうことで、妊娠すれば、誰でも起こりうる可能性があるものです。
日本でも死産によって家族が赤ちゃんと、最後のお別れをするために
カドルコットを利用したいという方が、すこしづつですが増えています。
「保冷ゆりかご」カドルコットの価格は?
保冷ゆりかご(カドルコット)、アメリカでまだ普及しはじめたばかりで、
1台2764ドル、日本円で約30万円となります。
アメリカでは、カドルコットを寄付する活動もあり、個人にとっては高額ですが、
病院規模なら、どこでも装備できる金額ではないでしょうか。
まとめ
カドルコットの存在は、日本ではまだまだ知られておらず
気持ちの整理がつかず赤ちゃんとお別れしている両親が日本には少なからずいらっしゃいます。
赤ちゃんとの思い出だけでなく、その死を受け入れ、お別れの決心をつけられる
非常に有効なものだと思うので、日本の産科医院やクリニックでも普及して欲しいものです。
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