出生前診断5つ方法で分かる障害の種類とは?カウンセリングは必要?

ヘルスケア

最近の日本では、出産した女性のうち4人に1人は35歳以上です。

妊婦さんの年齢が上がっていること、出生前診断の認知が広がりなどから、

染色体の異常を調べる羊水検査も10年前より2倍に増えています。

私も、高齢出産の経験があり出生前診断について色々と調べました。

そこで、今回は出生前診断の方法やそれによって分かること、

また問題点や遺伝カウンセリングは受けるべきかについて、まとめてみました。

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出生前診断とは?妊娠すると受ける検査は?

妊娠をすると、産婦人科やクリニックで様々な検査をうけることになります。

出生前検査には、全ての妊婦さんが受ける検査もありますし、

希望者のみ受ける検査もあります。

出生前検査とは?

妊娠し、検査をする理由は大きく分けて3つあります。

①妊婦さんが健康であるかをみるため。
②お腹の中の胎児が順調に成長しているか。逆子ではないか。
③胎児の染色体異常、病気、奇形などを調べるため。

すべての妊婦さんが対象となる検査は①と②と③の一部となります。

妊婦検査で受ける超音波検査で、赤ちゃんの病気や形態異常が発見されることもあります。

もう少し、詳しく調べてみたいときは、この3つの中の③にあたる

胎児の染色体異常、病気、奇形などを調べます。

この染色体異常や病気、奇形の検査を出生前検査と呼び、

その検査を行って診断することを出生前診断といいます。

主な出生前検査の一覧

検査名 検査時期 対象者 検査で分かること
超音波検査 10~13週 全妊婦 命に関わるような大きな形態異常(全身のむくみ、頭蓋骨の欠損、尿道閉鎖など)
11~13週 希望者 13・18・21トリソミーの確立
18~20週
28~31週
全妊婦 全身の様々な形態異常(大脳、小脳、顔面、心臓、肺、肝臓、胃腸、腎臓、膀胱、腹壁、脊柱、外性器、四肢など)
羊水検査 15週以降 希望者 主として染色体異常
絨毛検査 11~15週 希望者 主として染色体異常
母体血清マーカー
(クアトロ検査など)
15~18週 希望者 18・21トリソミー、神経管閉鎖不全の確率
NIPT
(新型出生前検査)
10~22週 臨床研修対象者 13・18・21トリソミーの有無

出典:新版 安心すこやか妊娠・出産ガイドより
※全妊婦対象の超音波検査で分かることは、施設の方針や医師の専門性によっても異なります。

出生前検査で分かる染色体異常の種類

出生前検査で分かる上の表の染色体異常の種類について詳しく説明します。

21トリソミー(ダウン症)

21番染色体が通常より1本多い3本あります。

ダウン症の症例の約95%は21トリソミーによるものです。

赤ちゃんは、通常よりも運動や知的な能力の発達がゆっくりしています。

生まれつき心臓などの合併症がありますが、現在の医療の発達により

平均寿命は60歳くらいまで伸びています。

障害の程度によっては、企業で働いたり音楽やアートの部分で能力を発揮している人もいます。

18トリソミー(エドワード症候群)

18番染色体が1本多いのが18トリソミーです。発育の遅延がみられ、心臓病、横隔膜ヘルニアなど重い

合併症によって新生児の時に亡くなることが多く、1歳まで生きられる赤ちゃんは10%ほどです。

13トリソミー

心臓や脳などの病気の症状が複数あらわれる場合があります。呼吸にも障害が出る場合もあるので、

呼吸を補助することが必要になることもあります。

お腹にいる時に亡くなることも多く、1歳まで生きられる確率は10%未満とのことです。

日本では、19歳まで生きられた事例もあり個人差があります。

ターナー症候群

女性だけにあらわれるのがターナー症候群です。

身長が平均よりも低かったり、思春期の体の変化が自然に起こらなかったり、不妊症となることもあります。

成長ホルモン治療や女性ホルモン治療などで対処できます。

知的な遅れ寿命が短いなどの症状はないとされています。

クラインフェルター症候群

男性だけに現れるものです。

手足が長く、思春期の体の変化が遅く無精子症などで不妊症になる場合があります。

糖尿病や甲状腺機能の低下、乳がんになる確率が通常よりも高くなります。

男性ホルモンを投与する治療を行いますが、不妊症に関しては効果はありません。

出生前診断5つの方法から分かること・リスク


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出生前診断の方法が5つあることが分かりましたが、

それぞれの方法から分かることと、そのリスクについてまとめてみました。

1.超音波検査とは

超音波検査はエコー検査とも呼ばれますが、ほとんどの産婦人科で行う検査で

お腹の赤ちゃんの成長や、心拍、逆子ではないかなどを確認します。

赤ちゃんの頭囲、胸囲、推定体重など詳しく計測してくれる病院もあります。

また、赤ちゃんの形態異常も確認する目的で行われています。

私が通っていたクリニックにもありましたが、4Dエコーといって赤ちゃんが立体的に見えたり

赤ちゃんの断面を詳しく見られるような医療機器もあります。

これによって、赤ちゃんの形態異常がより発見しやすくなってきています。

専門性の高い病院でしたら、脳、心臓、血流など細かく調べてくれるため、

細かな異常も発見できる可能性もあります。

リスク

残念ながら超音波検査では、上の表にあったように染色体異常などすべてが

分かるわけではありません。また、病院の施設の専門性や医師の技術によって

異常を発見する確率が変わってきます。

超音波検査で心配なことがあれば、超音波専門技術をもった

医師に相談するのも良いかもしれませんね。

日本超音波医学会HP

2.羊水検査とは

お母さんの子宮の中には羊水が満たされており、羊水の中には赤ちゃんの細胞も含まれています。

その赤ちゃんの細胞を取り出して、染色体に異常がないかを調べるのが羊水検査です。

病院によって実施する時期は異なりますが、妊娠15~19週に行うことが多いようです。

羊水検査では、13・18・21トリソミー、ターナー症候群、クラインフェルター症候群などの

異常があるか診断されます。

検査の精度はなんと99%以上です。

検査方法

超音波装置を用いて、赤ちゃんの位置を確認しながら妊婦さんのお腹に針を刺し、

子宮に羊水を20mlほど採取します。

検査の時間は、数十秒から数分と短い時間で終了します。

その後、エコーでお腹の赤ちゃんに異常がないか確認し、

30分ほど安静にしたのち、異常がなければ家に帰れます。

羊水から取り出された赤ちゃんの細胞は、培養されて染色されます。

専門の医師が、顕微鏡で染色された細胞を見て異常を判断します。

リスク

日本では人工中絶が22週以降は禁止されています。

羊水検査は実施時期が、妊娠15~19週ですので、異常が分かった場合は

中絶するか、しないかの判断の時間が短いので

判断を下すにも時間が足りない場合があります。

また破水、子宮内感染、出血などにより流産する確率が0.3%あるとされています。

3.絨毛検査とは

絨毛というのは、胎盤の一部でお母さんと赤ちゃんの栄養交換をする機能があります。

絨毛と赤ちゃんの細胞は、ひとつの受精卵が分裂して出来たものなので、

絨毛を採取して検査をすれば、染色体異常や遺伝子異常を発見することができます。

検査は11~15週に行われることが多く、妊娠の早い段階で出来ますが、

高度な技術を必要とするので、実施している病院も限られています。

羊水検査と同じで分かることは、13・18・21トリソミー、ターナー症候群、

クラインフェルター症候群などの異常があるか診断されます。

検査方法

超音波検査で赤ちゃんの位置をみながら、絨毛を採取しますが

その方法は2つあり、お腹に針を刺す方法と、子宮にチューブを入れて採取する方法があります。

採取する時間は数十秒から数分で、採取後は少し安静にし問題なければ帰宅できます。

採取した絨毛は、専門の医療関係者が細胞を培養して診断し

結果が分かるまでに2~3週間かかります。

リスク

破水、子宮内感染、出血などにより流産する確率が1%あるとされています。

不育症でアスピリンの投与をしている場合は、出血が止まらなくなることがあります。

ですのでアスピリン投与を一時中断することもあり、その場合は流産するリスクも出てきます。

医師の説明のもと十分に納得したうえで、検査しましょう。

4.母体血清マーカーとは

お腹の中の赤ちゃんに18・21トリソミー(ダウン症)、神経管閉鎖不全のがある場合、

お母さんの血液の中に含まれる一部のタンパク質やホルモンの濃度が変化したりします。

このようなマーカーとなる物質のうち4つ(AFP・hCG・uE3・インビヒンA)を

検査するのがクアトロ検査。

物質3つ(AFP・hCG・uE3)を検査することをトリプルマーカー検査といいます。

検査結果は、18・21トリソミー(ダウン症)、神経管閉鎖不全などの病気や障害ごとに

「何分の一」という確率で出されます。

検査方法

妊婦さんの血液10ml程度を採取して、専門の検査機関に送り判定してもらいます。

結果が出るまでに約10日ほどかかります。

リスク

採血だけとなるので、流産などのリスクはほとんどありません。

5.NIPT(新型出生前検査)とは

NIPTは、正式には無侵襲性出生前遺伝子学的検査と言います。

お母さんの血液の中には、胎盤から漏れ出た赤ちゃんのDNAの断片が含まれています。

それを利用して赤ちゃんの染色体異常を調べる方法です。

13・18・21トリソミーの有無を“陽性”、“陰性”で示されます。

赤ちゃん由来のDNAの断片は、妊娠9週にもなればお母さんの

血液に出てきます。比較的早い時期に検査できるのも特徴です。

子宮に針を刺さないので、流産の危険もなく検査の正確性から

最近、注目をされている検査方法です。

2011年にアメリカで開始し、日本ではジーンテックという会社が

国内の病院で検査を行っています。

日本産婦人科学会は、認定を受けた施設のみで臨床研究のみで行うように

求めていますが、一部ではそれを無視してNIPTを実施している病院もあります。

検査方法

妊婦さんの血液を注射器で10ml採血し、検査会社に送って判定してもらいます。

例えば赤ちゃんがダウン症であれば「21トリソミー:陽性」と出ます。

血液を送ってから1~2週間で結果が出ます。

リスク

採血だけとなるので、流産などのリスクはほとんどありませんが、

妊婦さんの年齢によって検査の精度が変わってきます。

妊婦さんの年齢が20代前半の場合は、ダウン症が陽性と出た場合、それが正しい確率は50%。

妊婦さんの年齢が40歳程度で陽性と出た場合は、その確率は90%です。

もし、陰性と出れば年齢関係なくダウン症でない確率は99%以上です。

NIPTで陽性が出たとしても、それが本当に正しいかどうかの検査は、

羊水検査や絨毛検査で再度確かめる必要があります。

出生前診断の問題点・遺伝カウンセリングは受ける?

出生前診断の問題点

妊婦さんの血液だけで分かるような母体血清マーカー検査やNIPT は、

とても簡単に実施できるため、妊婦さんが検査の意義や結果などをよく理解しないまま行うと

結果によっては、混乱や動揺し冷静な判断ができなくなる場合があります。

また検査で分かる赤ちゃんの障害や病気はごく一部で、自閉症かどうかなどは

出生前検査では分かりません。

検査によって感度が違うことを知らずに、結果だけを見て

妊婦さんが、赤ちゃんに障害があると思い込んで、判断を下してしまう場合があります。

また障害の可能性のある赤ちゃんを排除する行為は、

障害を持っている方の生きる権利と命を否定することに繋がります。

そうならないためにも、妊婦さんには事前にカウンセリングを受け

正しい知識と認識をもってもらうことが必要です。

遺伝カウンセリングを受ける意味

遺伝カウンセリングはどの施設にもあるものではありませんが、

出生前検査の知識がないまま実施すると、病気によっては遺伝からくるものもあり

夫婦や両家の関係が悪化したり、障害を理由に離婚を告げられたりする場合があります。

そんな事態を防ぐためにも、遺伝カウンセリングを受け、ネットや書籍だけの情報ではなく

専門家から直接ていねいに説明を受けることが大切です。

検査を受けるかどうかや、検査そのものに正しい知識、検査結果への向き合い方、

などを納得いくまで話を聞いてもらうことができます。

それをきっかけに、夫婦や家族でよく話し合い、お互いの考えを理解した上で

判断を下すことができるようになるのです。

最後に

妊娠すると「赤ちゃんに障害があったら・・・」と心配になるのは無理もありません。

だからといって安易に新型出生前診断を受けることは、妊婦さんや家族にも

かなりの負担になり場合もあります。

新型出生前診断を受ける人も受けない人も正しい知識を身につけて

夫婦や家族の考えをよく理解していき、

自分たちの意思を持って後悔しない判断を下したいですね。

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