『あの星が降る丘で、君とまた出会いたい。』結末までのあらすじをネタバレ

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女子中学生が75年前の終戦直前にタイムスリップし運命的な出会いをする『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』のその後を描いた『あの星が降る丘で、君とまた出会いたい。』の結末までのあらすじをご紹介いたします。

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『あの星が降る丘で、君とまた出会いたい。』あらすじ

中学2年の夏休み直前という中途半端な時期に転校した宮原 涼は、どこか大人びた同級生・加納百合と出会う。

初めて会ったはずなのに「やっと見つけた」と懐かしく不思議な感情を持つ涼。

そして百合の凛とした姿、真っ直ぐな瞳にどんどん惹かれている涼だったが、彼女には75年前の戦時中に忘れられない人がいた。

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『あの星が降る丘で、君とまた出会いたい。』登場人物

登場人物

宮原 涼・・・中学2年の転校先で百合と出会う。サッカー部所属。なぜか百合に懐かしさを感じる。
加納百合・・・独特な雰囲気を持つ涼の同級生。中二の夏に75年前の終戦直前にタイムスリップし、その後 現代に戻ってきた。

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『あの星が降る丘で、君とまた出会いたい。』結末ネタバレ

特攻隊の話が出れば涙ぐみ、クラスメイトが軽々しくつかう「死」という言葉に過剰に反応する百合

百合は75年前の戦時中の日本の状況を、まるで自分が体験したかのようにリアルに話した。

涼は、彼女は祖父母から戦争時の話を聞きいたことがあるのだと思っていた。

同時に、そんな百合と過ごせば過ごすほど、彼女のことを前から知っていて、ずっと探していたような気がするのだった。

プロのサッカー選手になるのが夢だったが、両親からはプロになれなかったときのために塾に行って進学校に行くように勧められる。

親に逆らえない涼は塾に通うことを承諾するが、百合は夢を諦めないでと励ます。

そんな百合をみて涼は思わず「好き」だと告白

そこから百合は思ってもいないようなことを話し始めた。

百合は今年の夏の初めに母親とケンカをして家に帰らず防空壕で眠っていたところ、70年前の終戦直前の日本にタイムスリップしたという。

そこで飢えに苦しむ人、空襲で焼かれて亡くなる人、戦争で召集されて帰らなかった人…たくさんの犠牲者を目撃した。

そのなかでも百合が忘れられないのは、自分を助けてくれた特攻隊員のアキラという20歳の大学生。

慣れない生活と過酷な戦時中だったが、百合はアキラと交流し束の間の温かな時間を過ごした。

しかし急にアキラの出撃が決まり、百合は必死で引き止めるが、国の命令に背くことなどできるわけもなく…アキラは空の彼方へ消えていった。

それ以来 百合は現代に戻っても、アキラのことを忘れられず、ずっと会いたいと願ってきた。

それを聞いた涼は、自分の告白が受け入れられるわけがないと落ち込んだ。

しかし百合は、涼がアキラの生まれ変わりだと言った。

涼にとってはすぐに理解すること出来なかったが、以前から百合の咲く公園の夢を見ていたことを思い出した。

その公園があった場所は、75年前に出撃が決まったときアキラと百合が言葉を交わし、別れた場所だった。

涼はその偶然に驚きながらも、百合はアキラを涼に重ねているだけで、自分自身を好きなわけではないと感じ「俺には無理だ…」と百合に告げた。

再会

数年後ーはサッカーに力を入れている進学校に進み、受験勉強もがんばり大学に通っている。

そんななか居酒屋でバイトしていた涼は、客として偶然やってきた百合の中学時代の友人から百合の話を聞いた。

次の日、涼は特攻資料館に出かけ、胸ポケットに百合の花を挿した「 佐久間 彰」という青年の写真を見つける。

そして彰が百合に宛てた手紙を読むと、記憶がないのにこの気持ちを心が覚えていることを感じた。

自分は彰の生まれ変わりだということを受けい入れた涼は、特攻資料館を飛び出すと、すぐに百合に電話をかけた。

思い出の公園で待ち合わせた二人。

百合も現在は大学に通い、戦争や紛争をなくすため国際関係学科で勉強していた。

魂で繋がっている感じた涼と百合は、気持ちを確かめ合い、これからは離れることなく一緒にいようと約束した。

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『あの星が降る丘で、君とまた出会いたい。』感想

「あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。」の続編となる「あの星が降る丘で、君とまた出会いたい。」は、タイムスリップした女子中学生が現代に戻ったその後を描いたものです。

読み始めれば、すぐに主人公の涼が彰の生まれ変わりということが分かってしまので、特別 驚くような展開はありませんが、前作のファンからすれば亡くなってしまった彰と百合の恋愛の続きが楽しめる作品となっています。

また、戦争体験者ともいえる生々しい体験が百合の口から語られ、前作と同じく戦争の悲惨さは変わらずに描かれています。

例えば「死」という言葉に異常なまでに反応する百合。

その様子一つをみても身近に命の危険を感じ、誰かが亡くなるのを見てきた彼女だからこそ、冗談で「死」という言葉を使う同級生が許せないというのが分かります。

そして、戦争のせいで勉強もスポーツも恋だってなにもかも思うようにできない生活を知っているからこそ、涼の夢を応援し、未来を想像できる幸せが当たり前ではないことを今に伝えてくれます。

一方で、彰の生まれ変わりだと言われ百合への気持ちに戸惑いを感じる涼や、後悔させないように涼を応援する百合の想いなどが感動的に描かれ、恋愛の方は前作よりもふんだんに盛り込まれています。

最後は、涼が「彰の分と自分の分まで愛していい」と、百合の気持ちを受け入れる感動的な締めくくりとなっています。

本作は戦争ものではありますが難しい表現はなく、恋愛や学校生活などを通して戦争の悲惨さを学べる作品となっています。

普段、歴史について興味のない若者にとっても読みやすい小説なので、ぜひ映画で興味を持った方は前作も含めて一緒に読んでみて下さいね。

前作『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』あらすじから怒涛の結末は⇒こちら

戦時中にタイムスリップ『終りに見た街』あらすじと結末は⇒こちら

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