『藁にもすがる獣たち』原作の結末までのあらすじを相関図付きでネタバレ

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曽根圭介さんによる『藁にもすがる獣たち』は、1憶もの金を巡り、欲望に駆られ地獄から抜け出そうとする人間たちの狂騒を描いた作品です。今回は崖っぷちに立つ人々の思惑が交錯しやがて集束していくノンストップサスペンス『藁にもすがる獣たち』の結末を相関図付きでご紹介いたします。

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『藁にもすがる獣たち』あらすじ

「サウナ・湯トピア」のアルバイト店員・赤松寛治は、客がロッカーに忘れていったボストンバッグに気づき、中身が約1憶円の現金であることを知る。

そんな訳アリの大金は、金にだらしない悪徳警官、夫のDVに怯えながら風俗に身を鎮める主婦ら欲望にまみれた者たちの運命を狂わせていく。

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『藁にもすがる獣たち』登場人物&相関図

登場人物

赤松寛治・・・59歳。親から継いだ理髪店を畳み「サウナ・湯トピア」で働くアルバイト店員。店にやってきた客が忘れたボストンバックのなかに大金が入っていると知り…。
江波戸良介・・・生活安全課の刑事。金にだらしなく暴力団と癒着関係にある。韓国人・崔英姫に騙され2千万円を郷田組から借り借金返済に追われている。同級生の折尾純に目を付け金の工面をしようとするが…。
庄田美奈/タバサ・・・FXで失敗し借金返済のため週2回「人妻の園」で働いている。夫の竹男からのDVに怯えている。
武藤真哉・・・20歳。タバサ(美奈)を指名してきた客。ガソリンスタンドで働くフリーター。美奈に惚れ、彼女のために竹男を事故に見せかけ消そうとするが…。
庄田竹男・・・美奈の夫。DVモラハラ夫。製薬会社の研究員。
西條しのぶ・・・「人妻の園」オーナー。夫から暴力を受ける美奈に手を差し伸べる。
郷田 巌・・・郷田組組長。江波戸に借金返済を迫る。
デメキン・・・郷田組の組員。江波戸と食事や酒を共にする。口が軽く組の内輪話を話す。
エリンギ・・・郷田組の組員。郷田の指示に忠実なサイコパス。
折尾 純・・・江波戸の高校の同級生。投資顧問会社の社長。医科大学で多額の損失を出したあと行方不明に。
崔英姫・・・江波戸の恋人。江波戸に借金を背負わせ失踪する。足に虎のタトゥーがある。
肥後勝次・・・警視庁の刑事。江波戸とコンビを組みを組み折尾の行方を追う。

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相関図

※無断転載ご遠慮ください。

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『藁にもすがる獣たち』結末をネタバレ

勤務していたサウナ店を辞めた赤松寛治は男性客が忘れていった現金入りのボストンバッグを持ち帰る。

ヤクザに借金がある警察官の江波戸良介は、返済工面のため同級生で投資顧問会社の社長の折尾 純に近く監査が入ると嘘の情報を流し現金を持ってこさせ、交流のある組員・デメキンに盗ませる計画を立てる。

足に虎のタトゥーがある身元不明の女性のバラバラ遺体が発見されたことで、江波戸は捜査に駆り出され折尾を迎えに行くことができず、そのまま折尾との連絡は途絶える。

この流れで読者は、赤尾が持ち帰ったバッグの持ち主が折尾ではないか、そしてバラバラ遺体が江波戸に借金をおしつけ行方をくませた崔英姫だと予想する


投資に失敗し夫・竹男からDVを受ける主婦・庄田美奈は、夫に内緒で勤める風俗店の客・武藤真哉に好意を持たれ深い関係となる。
美奈がDVされていると知った武藤は、竹男を交通事故にみせかけ命を奪い、山に埋めて遺棄する。
しかし、車で轢いた男は竹男ではなく別人だった。(竹男でなければ誰?)

徐々にバラバラだった登場人物が繋がっていくうちに、読者は武藤が轢いた男は行方をくらました折尾ではないかと思う。

江波戸が暴力団組長の郷田に借金返済を詰められ、警視庁からきた刑事・肥後勝次に疑われているなか、バラバラ遺体にされたと思われていた崔英姫が江波戸の前に現われる。(うだつの上がらない肥後だが、時折鋭い指摘をするので油断ならない)
なし崩し的に英姫を許してしまった江波戸は、肥後に彼女の存在を知られ紹介する。(スケベ親父 肥後の懐に入っていく英姫。また何か企んでいる?)

バラバラ遺体が英姫でないとすれば、被害者は一体誰なのか?(足に虎のタトゥーがあるのに…)


別人に手をかけてしまい自首すると取り乱す武藤を反射的に殺してしまった美奈のもとに、美奈が勤めていた風俗店のオーナー西條しのぶが現れる。
しのぶは武藤の遺体を埋め、車を窃盗団に売り渡し、美奈を自分のアパートに住まわせた。
その後、しのぶは美奈が受け取った竹男の生命保険9千万円の一部である500万で殺し屋を手配して、竹男は自殺にみせかけて殺害。
しのぶに心酔していった美奈は、しのぶの足に入ったタトゥーと同じ虎を自分の足にも入れた。(しのぶは美奈が受け取る保険金目当てで親切にしていた?)

ここで、しのぶ英姫と言うことが判明。ちなみに武藤が車で轢いたのは地元の名士・興梠政吉の息子・雅十郎で性犯罪で何度も逮捕歴のある男。

しのぶ(英姫)は、自分の身代わりとして美奈に目をつけ殺害し、バラバラにした遺体を捨てた。
そして美奈が受け取った9千万円をボストンバッグに入れてトランクルームに隠す。(冒頭の男が持っていたボストンバッグでは?)

英姫が借りたトランクルームから現金入りのボストンバッグを発見した江波戸は、その金で暴力団の借金を清算しようとするが、英姫は自分が組長・郷田 巌と交渉すると言い出す。
しかし英姫は郷田を殺害し、その罪をきせられた江波戸は組員に追われ、ボストンバッグを持って逃走。
サウナ店に駆け込みボストンバックをロッカーに隠すが、サウナ店を出た際に郷田組に組員に見つかり拉致して殺害される。

サウナ店のアルバイト店員の赤松は、客の男が忘れたボストンバッグを発見し保管庫で預かる。
その後 男が戻ってこなかったため、バイトを辞めてボストンバッグを持ち帰る。

冒頭でサウナ店にボストンバッグを持ち込んだ男は警察官の江波戸。あの1億円近い金は美奈が受け取った夫の生命保険で、英姫→江波戸に渡ったものだった。

時系列バラバラの構成と、バッグの持ち主や、武藤が轢いた男性、バラバラにされた女性遺体のミスリードによって先の読めない展開に。

そしてこの後、赤松寛治に渡った現金の行く末が明かされます。(このまま赤松が大金を得てハッピーエンドになるとは到底思えない。)

結末

英姫は女性刑事に扮し、江波戸とコンビを組んでいた警視庁刑事の肥後勝次を引き連れ赤松の自宅を訪れた。

赤松の母で認知症の富子は英姫が刑事でないことを見抜いたばかりか、彼女がかつて赤松の妻の同級生だったトモエだと気づいた。(英姫は昔から胡散臭い女だった)

英姫は寛治と富子にナイフを突きつけ縛りあげ、富子の通帳とバッグを持って家に火を放つが、寛治とトモエの反撃にあう。

寛治が振り回したツッパリ棒で殴られた英姫は、ボストンバッグを抱えたまま崩れ落ちる。

寛治は火が迫るなか英姫の抱えたボストンバッグを持ち出そうとするが、英姫は瀕死にもかかわらずナイフの刃を向けてきたため諦めて家から出た。

なんとか金を見つけ出した英姫だったが、その強欲さから金と共に火に包まれ命を落とした。

寛治の自宅は全焼し、焼けたあとからは理容店と営んでいた頃のハサミだけが見つかった。

皆が犯罪を犯してでも追い求めた現金は灰になるというバッドエンド。お荷物だった認知症の母に助けられた寛治だけが理容店を再開しようとする希望のある最後でした。

著者の曽根圭介さんは、巧みに時系列をずらした構成で、読者を翻弄するのが本当にうまく、まんまと騙されました。

点と点がつながったところから一気に加速し、しっちゃかめっちゃかのままラストに突入していく疾走感がたまりません。

登場人物は大なり小なりみんなクズだけど、どこか憎むことができなない。

エリンギのグジュグジュだけは、どこにも共感できませんでしたがw

グロい描写もありますが、バラバラだったピースがピタッとはまっていく爽快感がある作品ですので、映画化で気になった方はぜひ原作も手にとってみてくださいね。

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