『憎しみに微笑んで』最終回までのあらすじ・結末を相関図付きでネタバレ

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1993年に放送されたドラマ『憎しみに微笑んで』は、資産家で奔放な父を持つ異母兄弟が、金や女性を巻き込んで繰り広げるドロドロの愛憎劇です。柳葉敏郎さんが珍しくヒールに徹し、柳葉さん演じる兄を憎む弟役を保阪直樹さんが好演。また、X JAPANの主題歌「Tears」のヒットしました。そこで今回は、知られざる傑作『憎しみに微笑んで』のあらすじから結末を振り返ってみたいと思います。

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『憎しみに微笑んで』登場人物&相関図

登場人物

牧野敦・・・牧野家の長男で不動産会社・牧野地所の跡取り。裕美子と政略結婚し、父と後妻・啓子と同居する。
牧野幸治・・・槙野家の次男で父の二番目の妻・美紗子の子。イルカの研究に冒頭し、大学卒業後も水族館に足を運ぶ。母が亡くなった原因が敦だと思っており、敵視している。
牧野信一郎・・・敦と幸治の父で不動産企業社長。好色で自分勝手。かつてトラブルが元で部下に足を刺され不自由になり杖をつく。
菅原啓子・・・敦の元恋人。ニューヨークで敦と5年同棲していたが別れを切り出され、信一郎に接近して三番目の妻の座に納まり、敦夫婦と同居する。
牧野美紗子・・・信一郎の二番目の妻で、幸治の実母。敦と船で出掛けた際に海難事故に遭い遺体となって発見された。
村木裕美子・・・敦と政略結婚した資産家の娘。同居する事になった啓子の嫌がらせにあい、入籍したい一心から妊娠したと嘘をついてしまう。
吉岡めぐみ・・・幸治の恋人で同僚。水族館で飼育係兼イルカのトレーナーをしている。
内海和枝・・・信一郎の秘書で愛人。
赤浦仙吉・・・かつて信一郎の部下で信一郎を憎み刃物で刺した。現在、パチンコ屋を経営し成功している。

相関図

※無断転載ご遠慮ください。

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『憎しみに微笑んで』第1話から最終回までのあらすじ

1話「許されざる者たち」

牧野幸治は、水族館でイルカの生態を研究している。そんな彼は、8年ぶりに米国から帰国した異母兄弟の兄・敦と会う。ところが、幸治は兄・敦との再会を喜ぶことはなかった。2人の間には複雑な事情があり…。出展元:U-NEXT

幸治は、母が海難事故で亡くなった原因が、兄・敦であるという疑念から憎悪していた。

2話「悪い種子」

敦を追ってアメリカから帰国した啓子は、嫉妬心から、敦と裕美子の縁談を妨害する。その一方で、敦は父である牧野信一郎の会社の専務に就任。すると、非情とも思われるほど大胆な人員整理を行う。出展元:U-NEXT

どうしても敦を諦めきれない啓子は、信一郎に接近し…。

3話「禁断の家族」

啓子は、敦と政略結婚をする予定である資産家の娘・裕美子に対し、敦との関係や彼に近づくために信一郎の後妻になったことを告白する。さらに啓子は、敦と裕美子の結婚を阻止しようと行動をエスカレートさせる。出展元:U-NEXT

4話「死んだ母の真相が…」

牧野家の長男で牧野地所の後継者である敦を助けた異母弟の幸治は、犯人だと疑った信一郎に激しく追及される。ところが、敦の新しい秘書が真犯人を連れて現れた。これによって幸治への疑いが晴れる。出展元:U-NEXT

啓子は敦と裕美子が入籍しないように妨害し、敦にしつこく迫る。

5話「ダブル妊娠」

嫉妬深く、執着心の塊のような女・啓子の妊娠が発覚した。ところが、お腹の子の父親は、信一郎なのか、敦なのか、判断がつかない。さらにその翌日、敦と結婚することになっている裕美子も妊娠していると発言する。出展元:U-NEXT

啓子のお腹の子は血液型から信一郎の子と判明。

啓子は逆上し、そのせいで流産してしまう。

6話「天国と地獄」

牧野家の当主・信一郎の下で新プロジェクトのスタッフとして行動することになった敦。彼は自分の力で事業を成功させることを誓う。敦は心の中で、父・信一郎を見返してやろうとたくらんでいたのだ。出展元:U-NEXT

7話「悲しみのウエディングベル」

新プロジェクトのスタッフとして行動することになった敦は、「信一郎との婚姻届をいまだに出していない」と啓子から聞かされ、驚きを隠せない。その時、信一郎は、息子と啓子の会話をドア越しに聞いていた。出展元:U-NEXT

8話「さらば愛しき人」

政略結婚をすることになっていた敦と裕美子は結婚初夜を迎えた。裕美子は、妊娠を偽ったのは、敦と結婚するためだったと打ち明ける。その2人の会話を盗み聞きした啓子は憎悪の念を燃やし、陰謀をめぐらせる。出展元:U-NEXT

9話「罪と罰」

敦が融資を当てにしていた興北物産で内部問題が発生した。これにより、敦の事業が難航してしまう。そんな中、敦は15年前に母の生命保険金によって、信一郎が事業を再建したという事実を知る。出展元:U-NEXT

かつて幸治の実母・美沙子は、生前 敦に乱暴されそうになったことがあった。

そのことについて謝罪しようとした敦は、美沙子を誘って船で海に出るが事故にあってしまう。

敦は海に落ちた美沙子に手を差し伸べるが、自ら手を離して亡くなってしまったというのが、美沙子の死の真相だった。

10話「家族の行方」

事業が苦しくなってきた敦は、会社の資金繰りに奔走する。ところが、なかなか思うようにはいかなかった。そんな中、政略結婚で敦に嫁いだ裕美子は、父の不始末にいたたまれなくなり、牧野家を後にする。出展元:U-NEXT

牧野地所は倒産した。

敦は父に代わって破産宣告はせずに、何年かかっても責任をもって負債を返済していくことを発表する。

敦は、継母殺しを疑われたときに、ただ一人庇ってくれた父・信一郎に認められ、恩返ししたいと思ってきた。

しかし、信一郎があのとき敦をかばったのは、美沙子の保険金が欲しくて、どうしても事故にみせかけたかったということだった。

「俺にも幸治にも、お前の汚い血が混じっている。」敦は信一郎に詰め寄るが、信一郎は脳溢血で倒れてしまう。

『憎しみに微笑んで』最終回の結末をネタバレ

最終回(11話)「恩讐の彼方」

牧野家の当主である信一郎が脳出血で倒れ、病院に運ばれる。その夜、長男の敦は異母弟の幸治に対し、自分が継母をいかに愛していたかを語った。さらに、敦は大切にしてきた形見の時計を幸治に渡す。出展元:U-NEXT

かつて敦は、自身の義母で幸治の実母・美紗子に想いを寄せていたが、父の妻であり自分の母という立場の女性を愛してしまった苛立ちから、気持ちとは裏腹に美紗子に暴力を振るっていたことがあった。

ある日、気持ちが抑えられず美沙子に襲いかかった敦だったが、ちょうど父・信一郎に見つかり殴られる。

そんな時でも、美沙子は敦を庇い、信一郎を諫めてくれた。

どうしても謝りたかった敦は、美沙子と幸治を誘ってボートで海に出たが、天気が急変。

ボートは転覆し、3人は海に投げ出されたが、幸治と敦はなんとか浮き輪や板につかまることができた。

敦は美沙子に「掴まれ」と手を伸ばすが、2人がつかまると板が沈んでしまうと美沙子は「もういいの…」と言い残し、差し伸べられた手を離した

敦の手には、美沙子の腕時計だけが残されていた。

すべてを話し終えた敦は、美沙子の形見となった腕時計を、泣きじゃくる幸治に手渡した。

一方、愛人・和枝が薬を大量に飲み、自ら命を絶ったことを知らされた信一郎だったが、憶を失ってしまったせいで、すべてのことを忘れてしまっていた。

啓子は、自分が信一郎の面倒を見ながら敦とこれからも暮らしていきたいと縋るが、敦は「自分の人生を生きろ」と彼女を思って別れを告げた。

裕美子は、敦との離婚には応じず「あなたが振り向いてくれるまで、支えていきます」と言い、牧野家の残ることを決めた。

しばらくして、敦は幸治と墓参りに行き、「アメリカでイルカの研究を続けろ」と飛行機のチケットを渡した。

2週間後、渡米のため空港についた幸治の前に、地元に帰ったはずのめぐみが現れる。

敦は、めぐみに幸治が出発する便を知らせていたのだった。

そして二人は共に、アメリカに向かった。

敦は、車椅子に乗った信一郎、妻・美沙子と共に、生まれ育った家を売り払って、再出発を誓うのだった。-おわりー

『憎しみに微笑んで』感想

1993年に放送されたTBSドラマ『憎しみに微笑んで』は、昼ドラ並みの男女のドロドロ愛憎劇で衝撃的なシーンも多かったのですが、なぜかあまり知られていない隠れた名作です。

X JAPANの「Tears」が主題歌だったドラマと言った方が分かりやすいかもしれません。

ギバちゃんが継母に恋するヒールな兄、保阪尚輝さんがその弟、好色な父を津川雅彦さん、田中好子さんが今でいうストーカー的な役を演じていました。

津川雅彦さんは、成金のスケベじじい役で、敦の元恋人・啓子と3度目の再婚。

その啓子は、敦と一緒にいたいがために、彼の父と年の差婚するほどの執着ぶりで、敦はそんな啓子を追い払いたいくせに、ズルズルと関係を持ってしまう。

こんな乱れた家系で唯一まともなのが、保阪尚輝が演じる弟の幸治。

幸治は、敦から幼少期に暴力を振るわれ、母を奪われ、恋人も乱暴されるなど完全な被害者。

一応、最後に兄との誤解が解け、和解したものの、牧野家を憎悪するのも納得です。

あと、フランス人形に囲まれて暮らす、津川さんの愛人役の高橋ひとみさんも良い味出してました。

「マモーミモー」で知られる ちはるさんが幸治の彼女役、バラエティーで活躍していた辺見えみりさんもチョイ役で出演しています。

ナイフで刺したり、刺されたり、同じ屋根の下で父と息子と寝る嫁、継母に欲情する息子など衝撃的な内容ではありますが、みなさん演技が上手なのでトンチキにならず、ちゃんとお話が成立していて素晴らしい。

やっぱり1990年代のドラマは熱量もあって、見ごたえある作品が多いですね。

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