朝ドラ歴代視聴率ワーストランキングトップ10黒歴史に残るのは?
「朝にドラマを見る」ということを日本人に習慣づかせ、半世紀以上も続いている朝ドラ。テレビドラマ史上最高視聴率を叩き出した『おしん』、沖縄への憧れを高めた『ちゅらさん』、サブカルネタと個性キャラがウケた『あまちゃん』など、いまなお愛される作品が多くあります。
しかし残念ながら、その裏で視聴率が低迷した朝ドラ作品も存在します。そこで今回は、朝ドラ視聴率ワーストランキングトップ10と、低視聴率で終わってしまった理由をまとめてみたいと思います。
朝ドラ【視聴率ワーストランキングトップ10】
※最新版を更新しているため14位スタートなっています。
【14位】純と愛(2012)
平均視聴率 | 17.1% |
ヒロイン | 夏菜 |
ヒロイン相手役 | 風間俊介 |
時代設定 | 現代 |
舞台地 | 沖縄/大阪 |
日テレドラマ『女王の教室』、『過保護のカホコ』などのヒット作で知られる遊川和彦さんのオリジナルストーリーとして作られた『純と愛』。
人の本性が見える力を持つヒロインの結婚相手や、ヒロインへの度重なる不幸(最終回では脳腫瘍でヒロインが寝たきりに!)など、朝ドラらしくない展開に、従来のファンは離れていったようです。
しかし、その実験的なストーリーや設定を評価する声も高く、「うまくいくばかりが人生じゃない!」という現実を見せつけてくれました。
現在放送すれば、もう少し評価されたかも?!
【14位】カムカムエヴリバディ(2022)
平均視聴率 | 17.1% |
ヒロイン | 上白石萌音、深津絵里、川栄李奈 |
ヒロイン相手役 | 松村北斗、オダギリジョー 他 |
時代設定 | 昭和~令和 |
舞台地 | 岡山/大阪/京都 |
意外にも視聴者に好評だった『カムカムエブリバディ』が、ワースト13位にランクイン。
内容は、朝ドラ史上初の3人のヒロインがラジオ英語講座と共に歩みながら紡ぐ、100年のファミリーストーリー。
積み重ねた伏線を鮮やかに回収する緻密な物語で、最終回では19.7%の視聴率を記録するなど、じわじわとファンを増やしました。
時代劇にジャズのBGMをつけるなど画期的な演出も素敵でしたね。
【13位】わかば(2004)
平均視聴率 | 17.0% |
ヒロイン | 原田夏希 |
ヒロイン相手役 | 塚本高史 |
時代設定 | 現代 |
舞台地 | 兵庫/宮崎 |
造園家として阪神大震災からの復興を目指すヒロインを演じたのは、 1913人の中からオーディションで選ばれた原田夏希さん。
全話通して 一度も20%を超えられなかった唯一の作品ではあったのですが、翌年には舞台化されるなど作品の質は良かったのは確か。
この時代は、“朝ドラ暗黒時代”と呼ばれ、視聴者が朝ドラから離れていた時期だったのも要因かもしれません。
【12位】芋たこなんきん(2006)
平均視聴率 | 16.8% |
ヒロイン | 藤山直美 |
ヒロイン相手役 | 國村隼 |
時代設定 | 現代/昭和 |
舞台地 | 大阪 |
田辺聖子さんの自伝的小説をドラマ化した『芋たこなんきん』。
主演は藤山直美さんが務めるも、 田畑智子、小西美帆、いしだあゆみ、菊池麻衣子など過去の朝ドラヒロインが4人も出演。
時代設定はヒロインの現在にし、過去のエピソードを回想していくと手法が取られ、『ふたりっ子』、『てるてる家族』のように、大阪を舞台としたコテコテの笑いを抑えている画期的な作品です。
藤山直美さんはもちろん、夫役の國村隼さんの自然な演技に引きこまれる人が続出。
若いヒロインではないことや、大阪らしさを全面に出した演出では無かったため、視聴率は振るいませんでしたが、作り込まれたストーリーと俳優陣の確かな演技力で今でもファンが多いのも確かです。
『芋たこなんきん』キャスト・相関図!追加キャスト
【12位】虎に翼(2024)
平均視聴率 | 16.8% |
ヒロイン | 伊藤沙莉 |
ヒロイン相手役 | 仲野太雅/岡田将生 |
時代設定 | 昭和 |
舞台地 | 東京/新潟 |
日本初の女性弁護士で後に裁判官となった女性の半生を描いた『虎に翼』。
新しい時代を意識しながら、ヒロインが男子と肩を並べて学び、怒涛の時代の中で道を切り拓いていく姿は圧巻でした。
しかし、痛快だった前半と比べ、後半は、原爆裁判や同性愛、民族差別、尊属殺人、事実婚などのテーマを次々と盛り込まれ、少し重い雰囲気となり視聴者が離れてしまったようです。
朝ドラのセオリーとしては、ヒロインが社会的地位を得て穏やかに終わることが多いのですが、最後まで社会派なテーマを盛り込む展開には、作り手の信念が伝わりました。
【11位】ファイト(2005)
平均視聴率 | 16.7% |
ヒロイン | 本仮屋ユイカ |
ヒロイン相手役 | 瀬川亮 |
時代設定 | 現代 |
舞台地 | 群馬/東京 |
1154人が応募者から選ばれた本仮屋ユイカさんがヒロインを務めた『ファイト』。
悪役があまり出てこない朝ドラですが、ヒロインの友人が なかなか意地悪くて驚きました(笑)。
それから、 準主役が競走馬というのが、視聴者は馴染めなかったのかもしれません。
本仮屋ユイカさん、競走馬・サイゴウジョンコも可愛く、由紀さおりさんの歌も素敵だったんですけどね。
↓朝ドラ歴代主題歌まとめ記事↓
【10位】らんまん(2023)
平均視聴率 | 16.6% |
ヒロイン | 神木隆之介 |
ヒロイン相手役 | 浜辺美波 |
時代設定 | 幕末から明治 |
舞台地 | 高知/東京 |
2023年前期に放送された『らんまん』は、植物研究に没頭した主人公の万太郎が、妻の寿恵子をはじめ周囲の人々に支えられ、様々な困難を乗り越え日本の植物を網羅した植物図鑑をつくるという偉業を成し遂げたお話です。
「雑草という草はない」と優しく説く植物オタクの万太郎をはじめ、彼に尽くす使用人の竹雄、西洋かぶれな田邊教授などキャラクターも個性的。
安定感のある脚本のもと、時に身分差別、男女差別など当時の日本の厳しさもきちんと描かれており、モデルとなった「日本の植物学の父」と言われる牧野富太郎さんの生涯を飽きさせず見せてくれました。
【9位】おかえりモネ(2021)
平均視聴率 | 16.3% |
ヒロイン | 清原果耶 |
ヒロイン相手役 | 坂口健太郎 |
時代設定 | 現代 |
舞台地 | 宮城/東京 |
NHK東日本大震災プロジェクトの一環として制作された『おかえりモネ』。
朝ドラには珍しく、幼少期からではなく、ヒロイン百音が高校を卒業するところからスタート。
登米の雄大な自然と美しい音楽は、朝から癒し効果があって良かったのですが、スローテンポで展開が遅く、脱落する人が多かったように思います。
また、震災をテーマにしているので重苦しいシーンも多く、自然の循環をテーマにしたストーリーは小難しい印象を持たれました。
一方で、百音の恋人となる坂口健太郎さん演じる菅波先生の純朴さと不器用さが話題となり、SNSでは何度も「俺たちの菅波」がトレンド入りしました。
【8位】天花(2004)
平均視聴率 | 16.2% |
ヒロイン | 藤澤恵麻 |
ヒロイン相手役 | 平山浩行 |
時代設定 | 現代 |
舞台地 | 宮城/東京 |
農家で育ったヒロインは保育士を目指す物語の『天花』。
ヒロインの藤澤恵麻さんはカワイイのですが、 演技経験のない新人なので、素人感が強く、違和感を感じた視聴者が多かったようです。
『なつぞら』で久々に藤澤恵麻さんが出演されていましたが、演技はとてもお上手でした。
今の演技力ならもっと評価され、ブレイクしたかもしれない・・・。
また、ストーリーにリアリティがなく、作者が何を伝えたかったのか、いまいち理解できなかったも残念でしたね。
【7位】だんだん(2008)
平均視聴率 | 16.2% |
ヒロイン | 三倉茉奈・三倉佳奈 |
ヒロイン相手役 | 山口翔悟・久保山知洋 |
時代設定 | 現代 |
舞台地 | 島根/京都 |
NHKの朝ドラで唯一ヒロインを2回演じた“マナカナ”こと三倉茉奈さん・佳奈さん。
『ふたりっ子』で人気子役として一世風靡し、再び『だんだん』でヒロインを務めるも、 マナカナちゃんの歌唱力にガッカリする声が多く聞かれました。
朝ドラ定番の“笑いあり”や“涙あり”も中途半端で、とどめは歌手なのに歌がイマイチということでシラケてしまったという声も。
『M』を姉妹でハモッて歌った時は、私も脱落しそうになりました(笑)。
マナカナちゃんが演じるヒロインが歌手でなければ、もっと視聴率が伸びたかもしれませんね。
【6位】ちりとてちん(2007)
平均視聴率 | 15.9% |
ヒロイン | 貫地谷しほり |
ヒロイン相手役 | 青木崇高 |
時代設定 | 昭和57年~平成19年 |
舞台地 | 福井/大阪 |
6位に『ちりとてちん』が入っていることは、意外の一言。
『ちりとてちん』といえば、 “NHKあなたが選ぶ朝ドラ”投票8位、“NHK朝ドラ名シーンランキング”1位を獲得した作品です。
朝ドラ復活の立役者とも言われた『ちりとてちん』は、視聴率とおもしろさは必ずしも比例しないことを証明してくれました。DVDの売り上げも、過去最高を記録したとか。
語り手は上沼恵美子さんで、50代のヒロインが過去を振り返るという設定も斬新でした。
【6位】ヴギウギ(2023)
平均視聴率 | 15.9% |
ヒロイン | 趣里 |
ヒロイン相手役 | 水上恒司 |
時代設定 | 大正15年~平成32年 |
舞台地 | 香川/大阪/東京 |
激動の時代に活躍したブギの女王・笠置シヅ子をモデルとした『ブギウギ』。
主人公は歌手というだけあって趣里さんをはじめ、菊地凛子さんらの歌唱シーンも毎回話題となり、パワフルな大阪弁も朝から元気が出ました。
一方で、弟が戦死したり、相手役の愛助さんが結婚できぬまま病気でこの世を去ったりとコメディタッチななかにも、シリアスなシーンを盛り込み視聴者を引き付けました。
しかし、終盤でスズ子が上京し、ブギウギがヒットするまでは良かったのですが、三浦りょう太さんが演じる新マネージャーのタケシの登場、誘拐騒動、歌手引退などで失速。
史実に基づいて、ジャニー喜多川との接点や、美空ひばりとの確執ももう少し踏み込んで描いてくれたら、より刺激的な内容になったかもしれません。
【5位】ちむどんどん(2022)
平均視聴率 | 15.8% |
ヒロイン | 黒島結菜 |
ヒロイン相手役 | 宮沢氷魚 |
時代設定 | 1964年~200X年 |
舞台地 | 沖縄/東京 |
沖縄の本土復帰50年を記念して制作された『ちむどんどん』が5位となりました。
若草物語をモチーフにヒロインの50年を丁寧に描くとされていましたが、次第にご都合主義があからさまになり、視聴者がついていけなくなりました。
ちむどんどん反省会というハッシュタグも登場し、逆にSNSで盛り上がるという皮肉な結果に。
また、「料理」をテーマにしながらも、制作側からの興味やリスペクトが感じられず、内容の薄さや粗さが目立ちました。
恋愛面においても、騒動が唐突に描かれ、いつのまにかゴールインする展開には「女性視聴者は恋バナが好きだろうと」という思いが透けてみえガッカリ。
何よりも、いつまでも自分のことを「うち」と呼び、結局なにがしたいのか分からないヒロインに共感できなかったのが痛かったです。
【4位】舞いあがれ!(2023)
平均視聴率 | 15.6% |
ヒロイン | 福原遥 |
ヒロイン相手役 | 赤楚衛二 |
時代設定 | 1990年~現代 |
舞台地 | 長崎/大阪 |
前作の『ちむどんどん』とは打って変わって、堅実なストーリーだった『舞いあがれ!』。
それだけに派手さはなく地味な印象でしたが、ヒロイン・舞が夢を叶えるために出会った五島列島の人々、航空学校や浪速大学の仲間との出会いが丁寧に描かれ、一緒に青春を駆け抜ける感覚を味わうことができました。
一方でパイロットを目指したはずの舞が、途中でねじ工場を継いだり、起業したり、最後には空飛ぶ車開発を行うなど、統一性がなかったという意見もありました。
もしパイロットの道を突き詰めていたならば、もう少し共感が得られて視聴率も伸びたかもしれませんね。
【3位】瞳(2008)
平均視聴率 | 15.2% |
ヒロイン | 榮倉奈々 |
ヒロイン相手役 | 真木大輔 |
時代設定 | 現代 |
舞台地 | 東京 |
東京でダンサーを目指す主人公という設定から、中高年の視聴者が脱落。
里親で育ったヒロインが、脈絡もなくヒップホップの道に進むという話になるので、 一体なにが言いたいのかまったく分からなかったのも要因ではないでしょうか。
また、ナレーションがいちいち長くて、役者が物語を進めるというよりは、 ナレーションで話を説明してしまうところも気になりました。
脚本に一貫性をもたせて「ダンス」だけに絞れば、もっと良かったのかも。
【2位】つばさ(2009)
平均視聴率 | 13.8% |
ヒロイン | 多部未華子 |
ヒロイン相手役 | 小柳友 |
時代設定 | 平成7年~平成20年 |
舞台地 | 埼玉 |
演技力に定評のある多部未華子さんが第2位というのは、非常に残念ですが、若さゆえに暴走するヒロインという設定に無理がありました。
凝った小道具で笑わせようとしたり、物理的にありえないシーンがあったりと、新しい部分もあったのですが、高齢者層には受け入れられなかったようです。
しかし、「つばさを応援したくなる」、「新しい朝ドラという感じは評価できる」など好意的な意見もあり、熱烈なファンからは再放送を望む声も多いようです。
【1位】ウェルかめ(2009)
平均視聴率 | 13.5% |
ヒロイン | 倉科カナ |
ヒロイン相手役 | 大東駿介 |
時代設定 | 現代 |
舞台地 | 徳島 |
『瞳』や『つばさ』からの悪い流れを断ち切りたいところですが、倉科カナさん主演の『ウェルかめ』がワースト1となってしまいました。
ヒロイン相手役・大東俊介さんの評判は良く、盛り上がりそうだったのに、 間延びした物語で視聴者が徐々に脱落。
ヒロインは東京から、地元に戻りフリーペーパーを制作するという都落ち感も、ヒロインの成長を楽しめず残念でした。
朝ドラの「オワコン感」が漂っていた時代というのも、ちょっとかわいそうでしたね。
朝ドラ歴代ヒロインの結婚相手役一覧は⇒こちら
朝ドラ平成の視聴率ランキングトップ10は⇒こちら
最後に
朝ドラ視聴率ワーストランキングトップ10を振り返ってみると、2004~2009年は視聴者が朝ドラから離れた時代でもあります。
また、新しい世代の朝ドラファンを獲得しようと、画期的な演出をした作品が裏目に出てしまった印象はあります。
“朝ドラ暗黒期”にヒロインになってしまった方は残念でしたが、いまなお活躍している女優さんも多く、若手の登竜門であることは間違いありません。
『ゲゲゲの女房』以降は絶好調の朝ドラですが、最近の作品では『ちむどんどん』の酷評がありました。
現在放送の『虎に翼』は、どうなるでしょうか?情報が出揃い次第 追記していきます。
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