『邪神の天秤』ネタバレ!あらすじ~結末を相関図付きで解説!犯人は?

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麻見和史さん著『邪神の天秤 警視庁公安分析班』は、公安部に異動した刑事が、エジプト神話を模した猟奇殺人事件に挑む姿を描いた作品です。シリーズとしては第2弾となり、青木崇高さん主演で2022年にWOWOWで放送・配信されます。そこで今回は小説『邪神の天秤 警視庁公安分析班』のあらすじから結末を相関図を交えながらネタバレしていきます。

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『邪神の天秤』相関図

『邪神の天秤』相関図

鷹野秀昭が、前警視庁捜査一課十一係から公安部に異動したため、主人公の周囲の人物はガラッと変わります。

捜査を指揮するリーダー佐久間一弘、鷹野と共に捜査をする氷室沙也香、鷹野を目の仇にする能見義則、最年少で「IT担当」の溝口晴人が新たにシリーズに登場です。


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『邪神の天秤』あらすじ~結末ネタバレ

爆破事件の最中に、与党大物議員・ 真藤健吾の殺害事件が発生する。

遺体からは臓器が抜かれ、心臓と羽根を乗せた天秤と、古代エジプトで使用されていたヒエログリフの板が残されていた。

後輩が殉職した事件を探るため、公安部に異動したばかりの刑事・ 鷹野秀昭は、持ち前の推理力で、この猟奇的事件に向き合おうとするが、刑事部とは違い、公安警察では秘密主義で緻密な捜査が要求される。

鷹野も、上司の 佐久間和弘に従い、同僚の氷室沙也加らと共に、公安のやり方で事件を追っていくのだが….

爆発物から分かったこと

現場の爆発物を調べてみると、過去に左翼団体「日本国民解放軍」が使用していたものと同じことが分かった。

さらに、5年前に市役所爆破事件を起こし服役し、現在は出所した 郡司俊郎という男が浮かびあがった。

郡司のアジトを捜索すると、上顎と下顎に包帯が巻かれた奇妙なワニのイラストを発見した。

鷹野は所轄にいた頃、殺人現場に、このイラストがよく残されていたことを思い出した。

私設秘書の素性

殺された真藤の私設秘書・森川が怪しいと感じた鷹野たちは、森川とテロ組織に繋がりがないか調査することにした。

そんななか、鷹野は森川と個人的な付き合いのある塾講師・ 小田桐卓也に話を聞く機会を得た。

ネットを通じて、共通の趣味を持つ森川と知り合った小田桐は、森川がかつて次亜塩素酸ナトリウムを購入していたことを証言した。

さらに、班長の佐久間は、 森川は森川ではなかったという情報を入手した。

森川聡は「背乗り」されていたのだ。

つまり、真藤の私設秘書として警察に証言していた森川は、森川聡の戸籍を乗っ取った別人だった。

世界新生教

数日後、鷹野と氷室は本物の森川の実家を訪れた。

森川の父のよると、息子は10年前に家を出て行ったきり行方不明だという。

そんななか、鷹野は森川の両親の家に、不自然にリフォームされた部屋があることに気づいた。

そして、森川夫妻に気づかれないようにその部屋に潜入すると、そこにはミイラになった森川聡が横たわっていた。

森川の父は、「 先生の教えで聡は10年前から即身様になり、こうして拝んでおけば蘇るんです。」と言った。

森川夫妻は世界新生教という新興宗教の信者であり、聡の戸籍を世界新生教に渡したという。

世界新生教は、以前から公安部の監視対象になっている宗教団体で、今後テロを起こす可能性もある。

鷹野たちのグループは、教団への調査態勢を強化することにした。

スパイ

鷹野は、偽・森川の友人である小田桐を再度訪ねた。

小田桐は、森川に世界新生教に勧誘されたことがあると話した。

やはり公安の読み通り、偽・森川は、教団と繋がりがあった。

一方、氷室沙也加は、北条毅彦という男性に金を渡し、スパイとして世界新生教に潜入させていた。

しかし、教団幹部は慎重になっており、なかなか爆破テロ計画の尻尾を出さなかった。

爆破計画

偽森川が、オフィスを個人契約している情報を掴んだ鷹野たちは、森川の会社の侵入した。

そこで、A4に手書きで書かれた奇妙な図を発見する。

紙の上の方には《★群馬 SSK本譜より》という走り書きもあった。

世界新生教は練馬に本部があるので、偽森川は教団に与党大物議員・ 真藤健吾の情報を流しやりとりを行っていたようだった。

さらに、資料のなかから、日本国民解放軍のアジトにあった上顎と下顎に包帯が巻かれた奇妙なワニのイラストも見つかった。

これを見て、鷹野と同じ班の溝口は、「鑑定士」という名前を口にした。

鑑定士とは、過去に暗躍していた正体不明の殺し屋だった。

テロ

教団がいつ爆破テロを起こしてもおかしくないなか、鷹野たちは、潜入中に見つけた奇妙な図の解析を進めていた。

そんななか、氷室沙也加のもとに、“S(エス)”と呼ばれる協力者・ 北条毅彦から暗号のようなメールが届いた。

それによると、目黒の公園に爆弾が仕掛けられているらしい。

さらに、森川のオフィスにあった図は爆破場所の地図を、表わしていることが分かった。

そして、鷹野たちより連絡を受けた爆発物処理班が、すみやかに爆発物を処理した。

テロを未然に防いだことで、安堵する公安だったが、そのせいで北条毅彦は教団からスパイではないかと疑われてしまう。

北条は、氷室に助けを求めるが、秘密厳守の公安が関わることはできないので、北条に自首することを勧め、身の安全を守るように指示した。

第二の事件発生

爆破未遂から3日後、公安部は世界新生教の家宅捜査を開始した。

部屋には、ミイラ化した遺体が5体あり、教祖の阿矢地明星と幹らは逮捕されることになった。

しかし、阿矢地明星たちは黙秘を続け、偽・森川も証言をしなくなった。

そんななか、明慶大学医学部教授・ 笠原繁信が殺された。

手口は第一の被害者・真藤と同じように、心臓をえぐりとられ近くには天秤が置かれていた。

その後、真藤と笠原との接点は見つからなかったが、真藤が殺された近くの 防犯カメラに容疑者が映っていたことが判明した。

犯人は、あのワニのイラストが付いた帽子をかぶっており、その男は 鑑定士と呼ばれる殺し屋の可能性が出てきた。

実は、公安部は9年前、厚生労働省の官僚に爆発物が仕掛けられたテロ事件を捜査している際に、鑑定士の存在を知った。

当時、左翼幹部は鑑定士に、爆破の実行を依頼していた。

それを聞いた鷹野は、9年前爆破テロが起こった場所の近くで、相棒だった後輩が男に刺され、殉職した事件を思い出した。

つまり、後輩を殺害したのは鑑定士の可能性が高かった。

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犯人

事件に進展がないなか、鷹野は、何か手がかりを探そうと、現場を映したデジカメ画像を見ていた。

すると、真藤が殺された廃ビルの横を通る建設会社の車両が事件当日、周辺を走行していることを発見する。

すぐに、その車のドライブレコーダーを確認すると、そこには廃ビルに向かう若い男性が映っていた。

犯人は、偽・森川の友人の 小田桐卓也だった。

鷹野たちが小田桐に話を聞くと、小田桐は 鑑定士から200万円で雇われ殺人を犯していた。

遺体から臓器を取り出したのは鑑定士で、小田桐はメールで連絡を取っていたため、鑑定士の顔も声も知らないと言う。

小田桐は、「鑑定士は、社会に不満を持つ、俺にとって大切な存在だった。“よくやってくれた”と褒めてくれたよ。嬉しかった。」と語った。

鑑定士は圧倒的な影響力を利用して、不満を持つ人間の心の隙間に入りこみ、遠隔操作で殺人を実行させていたのだ。

また、犯人は元々、天秤にのせるための心臓だけを取り出す予定だったが、真藤がベルトに隠していた何かを飲み込んだため、胃を持ち去る必要があった。

ただ、胃だけ持ち去ると、目的が分かってしまうため、ダミーのため他の臓器も取り出したようだった。

しかし、鑑定士が何者なのかは今もわからず、現場に残されていた羽と心臓がのせられた天秤の意味も解明はできなかった。

閉塞した社会に不満を持った若者は、ネットで鑑定士を信奉し、神のように崇めている。

鷹野は、こんな状況が続けば第3の殺人が起こるのも時間の問題だろうと思った。

そして、そうならないためにも、捜査に全力を尽くしていこうと誓うのだった。ーEND-

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『邪神の天秤』感想

「邪神の天秤」は、11係にいた鷹野が、後輩の殉職した事件の真相を探るため公安部に移り、配属された直後、爆破事件と現職政治家の殺人事件が同時に発生。

全く風土の違う部署にきた鷹野は、操作方法を始め、考え方の違いに戸惑いながらも事件を追っていくという物語。

刑事の頃はエースだった鷹野も、勝手が違う公安部ではミスをし、序盤は班のメンバーから冷ややかな視線を送られますが、次第に古代エジプト文明と新興宗教の存在に気づくなど、今まで培ってきた分析力を発揮していきます。

女性刑事・如月塔子さんが登場しなくなったのは残念ですが、公安部のメンバーも前作同様に個性豊か。

班長の・佐久間は仕事に厳しく、ある意味プロフェッショナル。紅一点の氷室沙也加は、クール美人で過去に何かを抱えている?追跡のプロの能美は、何かにつけて鷹野を目の仇に。

メンバーの詳しい素性も、もっと知りたかった。

また、鑑定士の正体、相棒の死の真相、政治家・真藤が飲み込んだブツが何なのか?それらを含め、次作の「偽神の審判」を読むのが楽しみになりました。

最後に

『邪神の天秤』の概要をまとめてみると、

犯人は塾講師・小田桐卓也
遺体が損壊されたのは、心臓を天秤に乗せるためと、被害者が飲み込んだ物を胃ごと持ち去るため
鑑定士と呼ばれる人物が、小田桐を操り遠隔殺人をさせた
鑑定士の正体、政治家が飲み込んだもの、天秤の意味は分からないまま

という結末になりました。

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