『Fukushima50』キャスト一覧・相関図と実在モデルと感想

映画

東日本大震災時の福島第一原発に残り、決死の戦いを続けた作業員たちを描いた映画『Fukushima50(フクシマフィフティ)』。今回は『Fukushima50』のキャスト一覧・相関図、登場人物の実在モデルと感想をご紹介いたします。

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『Fukushima50』相関図

※無断転載ご遠慮ください。

『Fukushima50』キャスト一覧

福島第一原発所の人々

伊崎利夫
演・佐藤浩市
福島第一原発 1・2号機当直長。原発内に残り原子炉制御に奔走する。吉田とは同い年で“吉やん”と呼ぶ。幼少期に、福島第一原発の建設を目にして憧れるように。
吉田昌郎
演・渡辺謙
福島第一原発 所長。大阪府出身。親分肌で、偉ぶらず、部下や作業員にも気さくに話し鼓舞する。
前田拓実
演・吉岡秀隆
福島第一原発 5・6号機当直長。

野尻庄一
演・緒形直人
福島第一原発 発電班長。
大森久夫
演・火野正平
福島第一原発 管理グループ当直長。1号のベント行う際に名乗り出て、危険を顧みず建屋に入った。
平山茂
演・平田満
福島第一原発 第2班当直長。

井川和夫

演・萩原聖人
福島第一原発 第2班当直副長。

福原和彦

演・田口トモロヲ
福島第一原発 ユニット所長。
本田彬
演・和田正人
福島第一原発 第1班当直主任。

内藤慎二
演・三浦誠己
福島第一原発 5・6号機当直副長。
西川正輝
演・堀井新太
福島第一原発 第1班補機操作員。

宮本浩二
演・金井勇太
福島第一原発 第1班補機操作員。

浅野真理
演・安田成美
福島第一原発 緊急対策室総務班職員。

東都電力幹部

小野寺秀樹
演・篠井英介
東都電力 常務。吉田に強い口調で指示を出す。

竹丸吾郎
演・段田安則
東都電力 フェロー。

内閣・政府関係者


内閣総理大臣
演・佐野史郎
首相官邸内の危機管理センターにて陣頭指揮を執り、突如自ら福島第一原発へ向かうが、そのタイミングの悪さと感情的な発言で吉田をイラつかせる。

内閣官房長官

演・金田明夫
内閣官房長官。
経済産業大臣
演・阿南健治
経済産業大臣。

作業員たちの家族


伊崎遥香

演・吉岡里帆
伊崎利夫の一人娘。避難先の富岡町の避難所にて音信不通となった父の身を案じる。伊崎にバツイチ男性・滝沢との結婚を反対されている。

伊崎智子
演・富田靖子
伊崎利夫の妻。遥香と義理父ともに避難所に避難し、伊崎を心配する。
伊崎敬造
演・津嘉山正種
伊崎利夫の父。
前田かな
演・中村ゆり
前田拓実の妻。子どもと一緒に避難した避難所で夫を案じる。

滝沢大
演・斎藤工
遥香の恋人。会津若松で遥香の無事を願う。

その他


福島民友新聞記者
演・ダンカン
福島民友新聞記者。

ジョニー
演・ダニエル・カール
在日米軍 将校。

辺見秀雄
演・前川泰之
陸上自衛隊 陸曹長。

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『Fukushima50』の実在モデル

『Fukushima50』は実話を元にした作品ということで、多くの実在の人物が出てきます。

吉田昌郎→吉田昌郎
1、2号機当直長・伊崎利夫→伊沢郁夫
第2班当直長・平山茂→平野勝昭
東電フェロー・竹丸吾郎→武黒一郎

総務班・浅野真理→佐藤眞理
内閣総理大臣→菅直人元首相
内閣官房長官→枝野幸男
経済産業大臣→海江田万里

主人公の一人である吉田昌郎さん以外は、名前を変えており、政府関係者にいたっては、個人名ではなく役職で登場します。見ている人は、総理大臣が菅直人さんだとすぐに分かるのですが、官邸から指摘されるのを恐れたのか、名前は伏せられています。

物語は、福島第一原発へ留まって、命がけで対応業務に従事した約50名の作業員たちの奮闘と、政府や官僚と東電の対立を描いています。

確かに、上に屈せず、自分たちの意見を押し通す吉田所長のリーダーシップや作業員たちの勇気には引きこまれるものがありました。また、中操や緊対での緊迫したやりとりや、施設や内部の操作パネルを忠実に再現している部分などは、非常にリアリティを感じさせるものででした。これには、映画を見た当事者たちも、フラッシュバックをおこすほどだったと言います。

ストーリーの流れでは、どちらといえば東電側の美談として描かれている部分も多く、事実と違う部分も多く登場します。例えば、「総理が、急に現地へ行くことになったのでベントが遅れて被害が拡大した」というシーンがありますが、実際は、「停電のためベントは手動でやらなければならず、準備に時間がかかったから」というのが事実です。

また、映画では、総理は東電上層部にヒステリックに「逃げられないぞ!」と叫んでいるだけの場面があります。これは東電の最終報告書に記載された、「菅総理は極めて高圧的態度で怒り狂って喚き散らしている状況」という吉田所長の証言を参考にしたもののようですが、菅さん本人によれば、

2号機を放棄すれば、1号機、3号機、4号機から6号機。さらには福島第二サイト、これらはどうなってしまうのか。チェルノブイリの2倍から3倍のものが10基、20基と合わさる。(中略)皆さんは当事者です。命を懸けてください。逃げても逃げ切れない。情報伝達は遅いし、不正確だ。しかも間違っている。皆さん、委縮しないでくれ。必要な情報を上げてくれ。(中略)金がいくらかかっても構わない。東電がやるしかない。日本がつぶれるかもしれない時に撤退はあり得ない。会長・社長も覚悟を決めてくれ。60歳以上が現地に行けばよい。自分はその覚悟でやる。撤退はあり得ない。撤退したら、東電は必ずつぶれる。

と、きちんと説明しながら話したということも明かされています。

もし、政府・官邸の無能ぶりや、右往左往する電力会社本店上層部のお粗末さを描くなら、反対に地震列島の日本で「原発は本当に安全だったのか?」「原発は、地域振興を名目に地方に交付金をつぎ込んでいるだけ?」という原子力政策全体の問題にも、もう少し踏み込んで描いて欲しかったと思います。

さらに、原子炉建屋内に“決死隊”と称してベント作業を行う人々を美談として描いていますが、どこか第二次世界大戦の特攻隊を思い出させ、日本の自己犠牲の精神は変わっていないのか…と少し複雑な気持ちになりました。

とはいえ、映画作品として成り立たせるために、多少 脚色はされていますが、実際にあの現場で自分達の仕事に誇りとプライドを持って戦い続けた人たちがいると言うことは紛れもない真実です。

私は物語を見終えて感じたことは、当時テレビの中継でみていた裏で日本を守るため命がけで対応されていた現場の方々がいること。原発が一度制御不能になれば、人間がコントロールすることは困難であると経験しながら、今なお日本は、安全とは言い切れない原子力を使い続けていること。そして、原発問題は何ら収束していないということを改めて認識させてくれる作品でした。震災を経験した人もしていない人も一度は観ておくことをオススメします。

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本作品の配信情報は2021年6月時点のものです。配信が終了している、または見放題が終了している可能性がございますので、現在の配信状況については各動画配信サイトのホームページもしくはアプリをご確認ください。

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