『落日(湊かなえ)』ネタバレ!結末や感想を相関図付きで解説

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これまでイヤミスを数多く手掛けてきた湊かなえさんですが、今回ご紹介する『落日』はミステリーでありますが、ヒューマン要素が強い作品です。後味の悪さは抑えつつ、登場人物の巧みな心理描写やさまざまな伏線は、ザ・湊かなえ全開で、過去の真実を探る物語には心打たれること間違いなしです。そこで今回は、ドラマ化も決定している『落日』のあらすじから結末を相関図付きでご紹介いたします。

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『落日』登場人物と相関図

登場人物

甲斐真尋・・・主人公。売れない脚本家。
甲斐 千穂・・・真尋の優秀な姉。ピアニスト。進学校で沙良と同じ笹高出身。
長谷部香・・・新進気鋭の映画監督。千尋の姉・千穂と同じ幼稚園に通う。幼少期に亡くなった沙良の隣人だった。「笹塚町一家殺害事件」を調査し、映画化したいと考えている。
立石沙良・・・高校三年生のとき兄に刺殺される。
立石力輝斗・・・沙良の兄。「笹塚町一家殺害事件」の犯人で死刑囚。引きこもりだった。
森下広哉・・・笹高生徒会長で人気者。立石沙良の彼氏。
佐倉俊平・・・森下と同じ部活の友達。
神池正隆・・・真尋の秀才の従兄弟で現在はボストンで外科医をしている。香と千穂とは幼稚園が一緒。笹高特進科。
橘イツカ・・・正隆の元カノで現在は教師。沙良とは親友だった。笹高陸上部。
下山兼人・・・ 香と同級生で進学塾のクラスメイト。自殺する。
大畠凛子・・・恋愛ドラマの女王と呼ばれたこともある大物脚本家。真尋を雇う。
佐々木信吾・・・映像制作会社社員。真尋の元恋人。真尋を香に紹介する。
明神谷源之助教授・・・著名な精神鑑定医で、立石力輝斗を担当。彼に責任能力があったと診断。

『落日』相関図

『落日』では、主人公の脚本家の家族、女性監督の家族、事件が起こった家族、それらの同級生など、多くの人物が登場します。

混乱するほどではないですが、それぞれの関係性に謎が隠されていますので、相関図で確認してみて下さいね。

『落日』あらすじ

売れない新人脚本家・甲斐真尋は、大物脚本家である大畠凛子の弟子をしながら勉強をしていた。

そんなある日、真尋は今をときめく映画監督・長谷部香から新作の相談をうけることに。

香は、真尋の故郷で15年前に起こった「笹塚町一家殺害事件」を題材にして映画を撮りたいと言う。

この事件は、引きこもりの兄が高校生の妹を自宅で刺殺後に放火して両親も死に至らしめ、判決も確定していた。

なぜ香は、「笹塚町一家殺害事件」に注目したのか?

調査、脚本を依頼された真尋は、事件を探っていくうちに衝撃の真実にたどり着く。

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『落日』ネタバレ

小さな田舎町で起こった「笹塚町一家殺害事件」がきっかけで出会った新人脚本家の真尋と新進気鋭の映画監督の香。

本作は、この事件が解決するまでを真尋から見た章と、香の幼少期からの生い立ちを一人称で描いたエピソードで構成されています。

映画監督・長谷部香の生い立ち

物語のもう一人の主人公ともいえる長谷部香は、小学校に入る前に笹塚町のアパートに住んでいました。

香の母は勉強に厳しく、香がミスをすると雪がチラつく日でもベランダに閉め出すことがありました。

そんなある日、香がベランダで体育座りをしていると防火壁の下から、香と同じ位の子どもの手が伸びてきました。

実は隣に住んでいたのは、「笹塚町一家殺害事件」の当事者である立石家。

そして、その一家の娘・立石沙良も虐待され、ベランダに出されていました。

二人は、言葉を交わすことはなかったものの、防火壁の下から手を握り合い励まし合いました。

香は、このベランダでの交流があったからこそ、母からの厳しいしつけにも耐えることができたのでした。

しかし、それから間もなく香の父が海で自殺をしてしまい、香と母親は笹塚町を去り、沙良ともそれ以来会うことはありませんでした。

香の命の恩人ともいえる沙良は、なぜ殺されてしまったのか?香は真実を知りたい一心で、笹塚町出身の脚本家である真尋に連絡をしてきたのです。

売れない脚本家の真尋の生い立ち

新人脚本家の真尋は、恋愛ドラマの女王とも称される大物脚本家・大畠凛子のもとで働いていますが、なかなか芽が出ず焦っていました。

もし、香の新作映画の脚本を任されることがあれば、世に出る大チャンスです。

また、物語のなかで、真尋は自身に何かあるたびに、「お姉ちゃん…」とピアニストの姉・ 千穂にメールで報告するのですが、中盤あたりから真尋の一方的な報告に、読者は違和感を抱いていきます。

実は、真尋の姉・千穂は、高校一年生のときに交通事故で亡くなっています。

でも、真尋をはじめ、父や親せきも千穂が生きているかのように話をします。

なぜ、真尋は今でも姉にメールで連絡をするのでしょうか?

そんな千穂の死には、事件を解く重要な秘密が隠されていました。

クラッシャーの立石沙良

幼い頃の香と心を通わせた沙良は、兄・立石力輝斗によって無残に命を絶たれた哀れな女性です。

しかし、沙良の同級生から話を聞いた真尋は、香が持つ沙良のイメージと正反対だと感じました。

沙良には虚言癖があり、陸上部の親友にわざと怪我をさせたり、文武両道な彼氏を翻弄した過去がありました。

周囲には、自分の両親は本当の親ではなく虐待を受けており、乱暴な兄から暴力を振るわれ、怯えて暮らしていると嘘をつき、同情を集めていました。

沙良の彼氏だった森下広哉は、生徒会長を務めるほどの人気者でしたが、沙良の策略で三角関係に巻き込まれた末に親友を失い、その後の人生を狂わされました。

「わたしのこときらいになったでしょ。これからは、無視してくれていいから。ていうか、こっちから無視するけど」

こんな風に沙良は、相手を傷つけても反省もせず、罪悪感も抱くことがありませんでした。

沙良はクラッシャーと呼ばれる癖があり、特別才能がある人を引きずり下ろすことで快感を得るような歪んだ人物でした。

沙良の親友だった 橘イツカも、優秀な陸上選手でしたが、彼女のせいで選手生命を絶たれ、今でも杖を手放せない生活をしています。

死刑囚・立石力輝斗

沙良の兄である立石力輝斗は、20歳を超えても引きこもりで、アルバイトも長続きしないことをバカにされ、妹を刺殺しました。

さらに、両親も一緒に亡くなればいいと、家に放火までして死刑判決を受けました。

沙良の過去を知り、違和感を持った真尋は兄妹を知っている人に話を聞くと、父親が違う力輝斗のほうが虐待され、両親は妹の沙良ばかりをかわいがっていたことが分かりました。

香が幼い事、防火壁の下で手を握り合っていたのは、沙良ではなく力輝斗だったのです。

また力輝斗は、家にも居場所がなく公園などでほとんどの時間を過ごし、猫にエサをやるなどして可愛がっていました。

近所の子どもたちは力輝斗のことを「ネコ将軍」とバカにしていましたが、実は心の優しい人物だったのです。

千穂の秘密

真尋の姉・千穂は交通事故で亡くなりましたが、母はその死を受け入れることができず、千穂は生きていると思い込むようになっていきました。

それ以来、父も真尋も親戚も、母を刺激しないように、千穂が海外で生きていると話を合わせてきました。

今では、真尋も姉にメールで報告をすることが日課となり、父や親せきとも「千穂は海外でバイオリンを弾いている」と普通に話すようになっていったのです。

しかし、真尋は「笹塚町一家殺害事件」の真実を追ううちに、「自分は姉の死から逃げ、ちゃんと向き合っていなかった」ことに気づきます。

そして真尋は、姉が交通事故にあった日のことを詳細に調べるため、彼女のメールや日記に目を通しました。

すると千穂は、ピアノレッスンに行く途中の公園で出会った男性に恋をしていたことが分かりました。

千穂は、彼に逆上がりを教えてもらったお礼にお菓子を持っていったり、「R」というイニシャルのマグカップを購入したり、猫好きな彼のために、猫柄のレターセットで手紙交換していました。

猫好きで「R」から始まる男性といえば、もうお分かりですね。

千穂が恋をしていたのは、立石輝斗でした。

千穂の交通事故の仮説

真尋は、千穂の日記や手紙をもとに「笹塚町一家殺害事件」を自分なりに解釈しました。

当時、ピアノの技術が伸びず悩んでいた千穂は、家に居場所のない心優しい少年・力輝斗と出会います。

二人はお互いの境遇を励まし合い、100通もの手紙でやりとりしていました。

しかし、二人の関係を知った千穂の母は、力輝斗に「一流のピアニストになる娘の夢を邪魔しないで」と忠告。

力輝斗は「ピアノ、おうえんしています R」というメッセージを残して姿を消しました。

そんななか、千穂と力輝斗が仲良くしていたことを知った沙良。

沙良といえば、才能ある人物を引きずり下ろすのが大好きなクラッシャー。

音楽の才能に恵まれた千穂と、自分より容姿が整った兄は格好の標的でした。

そして、沙良は力輝斗が自分の兄だと言って千穂に接近。

ある日、「お兄ちゃんが家で自殺未遂をした。駅まで自転車で迎えに行くから、家に来て!」と千穂に頼みました。

心配した千穂はすぐに自転車に乗って家を飛び出し、沙良の後をついて あの交差点にさしかかりました。

沙良は信号が黄色から赤に変わる瞬間に猛スピードで交差点を横切りましたが、千穂は赤信号のまま直進してしまい車に轢かれ亡くなりました。

このとき、沙良は罪悪感がなかったわけではありませんでしたが、目撃者もいなかったため、そのまま家に帰りました。

事件の日

千穂が亡くなったこを知った力輝斗は、バイトでミスを繰り返し、次第に家に引きこもるようになっていきました。

そして事件当日のクリスマスイブ

アイドルオーディションの不合格通知を受け取った沙良は、オーディションに落ちたのは引きこもりの兄のせいだと、包丁を持って力輝斗に詰め寄りました。

沙良のいつもの暴言を、のらりくらりとかわしていた力輝斗でしたが、

「その顔だよ。常に誰かを貶めてやろうとたくらんでいる、その裏の表情を、何万人もの少女を見てきた選考委員のおとなは見抜くことができるのだ。」

とポツリと話しました。

整った顔立ちの力輝斗にコンプレックスを抱いていた沙良は、その言葉に逆上し、

「自殺してよ。あんたの好きだった彼女のところへ行ってよ。あんたの大切な人を、わたしが殺してやった。どんくさいあんたはそれに気付かず、ただ悲しみにくれているだけ。」

交差点で彼女を自転車ごと車に向かって突きとばしたと嘘までついて、力輝斗を最大限に傷つけました。

力輝斗は頭が真っ白になり、気づいたら沙良を何度も刺していました。

それから逮捕された力輝斗は、反論などもせずに、すべて「はい」とだけ答えて死刑が確定しました。

結末

脚本を書き上げた真尋は、香に会うため笹塚町にある喫茶店「シネマ」を待ち合わせ場所に指定しました。

香は、真尋がなぜこの喫茶店に自分を連れてきたのか尋ねました。

亡くなった香の父・裕貴は映画好きで、実はこの喫茶店「シネマ」の常連だったのです。

そして、香は「シネマ」のマスターから、裕貴は「シネマ」の客の顔なじみから夕日がきれいな海岸を教えてもらい、そこで足を滑らせて亡くなったと聞かされました。

父が自殺ではなく、事故で亡くなったことを知った香は、真尋から受け取ったタオルで溢れる涙をぬぐいました。ーEND-

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『落日』感想

「落日」という言葉は、「衰え」や「没落」などあまり良いイメージがなく、読み始めはイヤミスかな?と思っていました。

しかし、湊かなえさんによれば、彼女はミュージカル「屋根の上のバイオリン弾き」のテーマ曲「サンライズ,サンセット」が好きで、日が昇って、日が沈むことで明日が来るという人間の営み=「再生」を描いたそうです。

本当にその通りで、虐待や殺人事件を扱った重く辛い物語ではあるのですが、ラストの喫茶店のシーンを読み終えたあとは「落日」という言葉がどこか希望に満ちたイメージに変わりました。

真尋と香里が、ただ「知りたい」という一心だけで真実にたどり着き、お互いの問題を昇華していく姿は美しいと思いました。

その他の登場人物も魅力的で、過酷な生い立ちでありながら優しさを失わない力輝斗、脚本家・大畑先生の器の大きさ、嫌味だけど実はいい奴な正隆、目標を失いながらも明るく生きる橘イツカなども印象に残りました。

浮気したお調子者の真尋の元彼には、お灸をすえて欲しかったですがwww。

また、本作では裁判や精神鑑定の問題についても触れられており、

当事者の言葉もないまま語られていることを、鵜呑みにしてしまうようなバカななり下がってしまうところでした

という言葉には、ハッとさせられました。

自分も、ニュースで流れる事件を一方的な角度で見て、分かったふりをしている部分があるなぁと気づかされました。

この記事では、それぞれの登場人物の背景などは、かなり省略して解説しています。

見事なまでに回収されていく伏線や、事件の真実を知った時に新たな脚本が完成するという構成はとても素晴らしいので、ぜひ詳細は小説でお楽しみ下さいね。


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