『君とゆきて咲く新選組青春録』ネタバレ！手塚治虫の隠れた名作の結末は？

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手塚治虫の『新選組』は、幕末の新選組を舞台に、父の仇討ちを目的に剣の腕を磨く少年の葛藤と友情を描いた漫画です。今回は、ドラマ化も決定した手塚治虫の傑作『新選組』のあらすじ～結末をご紹介いたします。

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手塚治虫『新選組』あらすじ

手負いの武士を匿った際に父を斬殺された深作丘十郎は、偶然その場に居合わせ、助けてくれた近藤勇のいる新選組に入隊する。

父を斬った土佐訛りのあった男を探しながら、剣の腕を磨く決意をする丘十郎。

そして、入隊試験で知り合ったのがクールで剣の腕が立つ鎌切大作。

丘十郎と大作は、年頃も近いこともあって気心の知れた親友になっていきます。

仇討ちを目的に新選組に入隊した丘十郎でしたが、局長の命令で人を斬ったりするうちに、人を殺めることに虚しさを感じるようになっていきます。

一方近藤勇も、権勢をかさに着て、数々の暴挙を働く仲間・芹沢鴨を粛正するよう京都守護職より命じられて…。

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手塚治虫『新選組』登場人物

◆登場人物

◆深草丘十郎・・・土佐なまりの武士に父を殺され、仇討ちのために新撰組に入隊。修行を重ね隊士として戦うなかで、「なぜ人を斬るのか」という疑問が膨らんでいく。
◆鎌切大作・・・若いながら神道無念流免許皆伝の腕を持つ少年。丘十郎と同期入隊し親友となる。
◆近藤勇・・・新撰組の局長。勝手気ままに振る舞い品行の悪い芹沢鴨を暗殺するよう、京都守護職より命じられ、仲間であるがゆえに苦しむ。
◆沖田総司・・・天然理心流免許皆伝。丘十郎に剣道においての「自然体」を教える。
◆芹沢鴨・・・新撰組の局長。酒に溺れ、権勢をかさに着て、数々の暴挙を働くため、丘十郎と大作によって討たれる。
◆坂本龍馬・・・丘十郎に広い視野を持ち、敵討を止めるように諭す。
◆庄内半蔵・・・土佐藩の武士で、丘十郎の父を斬り殺した人物。
◆松永八重・・・新選組の隊士・松永主計の娘。アメリカ製の短銃を武器に丘十郎を父の仇としてつけ狙う。
◆松永主計・・・長州藩にいた浪人で新選組隊士。隊内に潜む間者の掃討により、丘十郎に斬られる。
◆仏南無之介・・・八重に想いを寄せ、助太刀する浪人。名刀「村雨丸」を持つ剣豪。丘十郎をたびたび窮地に追い込む。

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手塚治虫『新選組』最終回の結末ネタバレ

丘十郎は、新選組の過酷な稽古と、何かと自分に辛くあたる芹沢鴨のせいで、辛い日々を送っていた。

一方で、親友である大作の励ましや近藤勇や沖田総司の厳しくも温かい指導に助けられることもあった。

ある日、新撰組隊士への暗殺未遂がきっかけで新撰組の長州間者への取り締まりが強化されることになった。

隊内に潜む間者の掃討を命じられたた丘十郎は、やむなく松永主計を斬ってしまう。

そのため松永の娘・八重の恨みを買い、皮肉にも自分が仇として狙われる立場になってしまった。

自分に想いを寄せる浪人・仏南無之介の助けを借りながら、執拗に自分を追う八重の気持ちは痛いほど理解できるが、丘十郎は、父の仇を討つまで戦いを止めるわけにはいかなかった。

ひょんなことから知り合った 坂本龍馬にも、敵討を止めるように忠告されるが、聞き入れることができずにいた。

それから丘十郎は、さらに稽古に打ち込み、ついに父を斬り殺した人土佐の庄内半蔵を討つことに成功する。

しかし、残ったのは虚無感。

丘十郎は人を殺めることのむなしさに気づき、気持ちが揺らいでいた。

そんななか、親友の大作が長州の間男（スパイ）だったと判明した。

丘十郎は、土方歳三から「斬れ」と命令され、大作からは自分が信じてきた正義（＝幕府を守るということ）が古い考えだと否定され、苦悩する。

運命のいたずらか、止むなく丘十郎と大作はお互いの死を賭けた戦いを行うことになった。

決闘の場である河原の向こうには美しい花火が上がっていたが、こちらでは親友同士が剣を突き合わせている。

そして、丘十郎は大作を斬った。

決闘のあと、丘十郎は泣きながら刀を川に投げ捨てるが、その場にいた坂本龍馬が川に入って刀を拾った。ーおわりー

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手塚治虫『新選組』感想

手塚治虫の創作と新選組の史実（時代考証はめちゃくちゃです…）がうまく融合した作品で、「なぜ人を斬るのか」と疑問を持つ主人公と親友の人間ドラマが主となるお話でした。

キャラクターでいえば、局長の芹沢鴨がとても嫌らしい人物として描かれていたり、美少年キャラの沖田総司が昆虫みたいな微妙な顔だったのが印象的でしたwww。

丘十郎に親友である鎌切を斬れと命令するときの

「今の世の中は優しい人間は用がない。親が子を斬り子が親を斬り。弟子が先生を斬ってもやむを得ん時代だよ」

というセリフが今の時代の内戦や紛争に重なって、かなり重い言葉に感じました。

そして最後に訪れる大作と丘十郎との決闘は、切なくも迫力があるシーンでした。

丘十郎は局長から斬れと命じられても、大好きな親友は斬りたくない。

一方、大作も丘十郎との友情を壊したくないが、長州藩のスパイとしての仕事を全うしなければならない。

少年が抱える苦悩としては大きすぎて、「二人で逃げちゃえ！」と何度思ったことか。本当に苦しい最後でした。

少年漫画といえども読みごたえがある手塚治虫の『新選組』ですが、池田屋襲撃のところで終わったのはとても残念で、出来れば戊辰戦争まで見たかったですね。

それでも、少年たちの儚い宿命と熱い友情は痛いほど感じられる作品なので、ドラマで興味を持った方はぜひ原作も読んでみて下さいね。

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