『オードリー』最終回までをキャスト&相関図付きでネタバレ

2000年~2001年にかけて放送された朝ドラ『オードリー』は、生みの親、育ての親がいる複雑な環境で育ったヒロインが、映画に人生をささげていく姿を描いた作品です。今回は岡本綾さん主演の朝ドラ『オードリー』のあらすじ結末を相関図を交えて振り返ってみたいと思います。
『オードリー』あらすじ
ヒロインの佐々木美月(岡本綾)は、幼少期より隣で老舗旅館「椿屋」を営む吉岡滝乃(大竹しのぶ)によって育てられた。
アメリカ育ちの父親(段田安則)に「オードリー」と呼ばれ、生みの母(賀来千香子)、育ての母二人の母親がいる複雑な環境に置かれた美月は、やがて思い悩むようになっていく。
ある日、滝乃の幼なじみで「椿屋」で働く宮本君江(藤山直美)は、気晴らしにと美月を京都太秦にある大京映画撮影所に連れていく。
そこで映画に魅了された美月は女優の道を志すことになるが…。
『オードリー』相関図
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『オードリー』キャスト
◆佐々木家
佐々木美月◆岡本綾
実の両親よりも隣に住む老舗旅館「椿屋」女将・吉岡滝乃によって育てられたも同然の生活をおくってきた。幼少期に映画の撮影所に遊びにいったことがきっかけで映画に興味を持ち女優を目指す。
佐々木愛子◆賀来千香子
美月の実母。浮世離れした夫とは違い常識人だが、美月を産んですぐに、滝乃によって引き離され、複雑な思いを抱いている。
佐々木春夫◆段田安則
美月の父。翻訳家。12歳のときにロサンゼルスに移民。カリフォルニアの大学を卒業後故郷の京都に戻る。滝乃の勧めで愛子と見合い結婚し、翻訳や観光ガイドで生計をたてる。長いアメリカ生活で身に着けた個人主義のため、日本では浮いてしまう。美月にオードリーというあだ名をつけるが、美月はそのあだ名のせいでイジメられ娘から嫌われる。
佐々木梓◆茂山逸平
美月の弟。姉と違い実両親のもとでスクスク育つ。おっとりしているが、勘は鋭い。
◆老舗旅館「椿屋」
吉岡滝乃◆大竹しのぶ
老舗旅館「椿屋」女将で美月の養母。春夫の元恋人でもある。美月を愛子から引き離して自分の子供同然に育てる。昔から何かと佐々木家に介入し、「椿屋」と佐々木家を自由に行き来できるように渡り廊下を付けて改築まで行う。美月を束縛するなど自己中心的な性格だが、美月からは「おかあちゃま」と慕われている。
滝乃の幼少期◆戸田恵梨香
宮本君江◆藤山直美
滝乃の幼なじみ。「椿屋」で住み込みで働く。山鹿の農家で生まれるが、早くに両親を亡くし10歳で奉公のため「椿屋」にやってきた。大雑把で楽天家。複雑な家庭で育った美月の相談役で、しばしば美月を大京に連れて行く。スター俳優の幹幸太郎のファン。
麻生祐二◆沢田研二
滝乃の元恋人。妻と死別後に滝乃にプロポーズをする。
花尾 武◆桂米朝
「椿屋」を書斎代わりにしている学者。先代からの常連客で気遣いの完璧な滝乃を娘のように思っている。
◆大京映画撮影所
黒田茂光◆國村準
大京映画の社長。映画への情熱は人一倍。
関川 徹◆石井正則
生真面目なプロデューサー。黒田の秘書も務める。美月の母・愛子に想いを寄せている。
杉本英記◆堺雅人
助監督。イケメンで君江やもみじなどファンが多い。映画不振のなかテレビシリーズの監督を務めて注目される。美月を密かに想っている。
幹 幸太郎◆佐々木蔵之介
新進気鋭の看板スター役者。葉隠尖鋭」「若侍七変化」などの人気作の主演を務める。
中山晋八◆仁科貴
大部屋俳優。美月の幼なじみで彼女の相談にのる親友。貧乏なため滝乃から煙たがられる。
錠島直也◆長嶋一茂
大部屋俳優。戦後のどさくさのなか親に捨てられ施設で育ったため心を閉ざしている。二枚目スター俳優の候補だったが、ささいなことで監督を殴り、以来斬られ役専門となっている。美月と恋人同士になるが…。
栗部金太郎◆舟木一夫
大京のスター俳優。クリキンの愛称で親しまれている。“東の御大”と称される豪邸を京都の東山に所有する。
桃山剣之助◆林与一
大京のスター俳優。“モモケン”の愛称で親しまれている。“川の御大”とも呼ばれる豪邸を鴨川に所有している。
雀蓮◆三林京子
謎の尼僧で予言が良く当たるため、黒田から頼りにされている。
青葉城虎之介◆菊池隆則
大部屋俳優で、錠島のライバル。短気だが熱血漢。大京では切られ役ばかり演じている。
二階堂樹里◆井元由香
若手女優。色気を武器に杉本や錠島をはじめとした男を利用し、売れるためなら他人を蹴落としたりするため同僚から嫌われている。
朝倉もみじ◆三田篤子
大部屋女優。入社したての美月をいじめる。
岬 曜子◆岡田薫
大部屋女優。後に「椿屋」で働くことになり、梓と…。
『オードリー』最終回まであらすじと結末
◆女優になる
幼少期より足繁く大京映画撮影所に通っていた美月は、助監督の杉本英記(堺雅人)や子役の中山晋八(仁科貴)、スター俳優の幹幸太郎と顔見知りになっていきました。
そして高校の卒業式の帰り道、美月は育ての母・滝乃(大竹しのぶ)、生みの母・愛子(賀来千香子)、父・春夫(段田安則)の前で「私、大学にはいかへん。女優になる」と宣言。
滝乃は猛反対しますが、美月はそのまま大京映画の黒田茂光社長(國村隼)のもとを訪れ、吉岡美月の芸名で大部屋女優として採用されました。
いざ撮影所に通い始めると、先輩女優・ 朝倉もみじ(三田篤子)らからのいじめが待っていました。
そんななか、映画「無頼人」で端役を与えられた美月は、もみじによって撮影のときに転倒させれそうになってしまいます。
それを助けたのが、大部屋俳優の錠島尚也(長嶋一茂)でした。
それ以来、美月は錠島が気になるようになり、次第に惹かれていきます。
錠島は親に捨てられ施設で育ったため荒んだ生活を送っていましたが、美月にだけは優しい笑顔を見せるようになり、徐々に心が解きほぐされていきました。
両親と滝乃は、錠島との交際に反対しますが、二人は心を通わせ恋人になります。
一方で映画「無頼人」は興行的に振るわず、大京映画は大きな赤字を抱えてしまい、黒田は杉本にテレビ時代劇の監督を命じて起死回生を図ります。
杉本は、晋八を殺陣師に転向させ、錠島を「惨殺浪人・夢死郎」に主役に抜擢。
美月も「駒」という役をもらいましたが、いざ撮影が始まると錠島との息が合わずNGを連発。
二人の心には溝が出来てしまいます。
そして、怒った錠島は、あっさり美月に別れを告げるのでした。
「惨殺浪人・夢死郎」は高視聴率を叩き出すも、内容に触発された殺人事件が発生し、世論の反発のため続編は頓挫してしまいました。
大京映画は規模を縮小せざる負えなくなり、杉本は助監督に降格、錠島は大京映画を去ってしまいました。
◆女将になる
女優業を諦めることになった美月のもとに、滝乃と元恋人の麻生祐二(沢田研二)の結婚話が舞い込みます。
「椿屋」を畳むといった滝乃に、美月は「女将になる」と決意します。
滝乃を想っていた春夫はショックからアメリカに逃亡し、それを見た愛子は春夫に離婚を切り出しました。
そんな父を探しに、美月の弟・梓(茂山逸平)は渡米。
精神的に安定した春夫は、アメリカのテレビ局でプロデューサーを務める甥・リチャード佐々木とともに、日米合作映画の企画を携えて帰国します。
監督には杉本が選ばれ、行方不明だった錠島が見つかり主役に抜擢されます。
しかし、円のレートが急激に変動し、採算が取れないことになったため映画の制作は中止に追い込まれました。
そして失意のなか春夫は亡くなり、愛子は悲しみに暮れるのでした。
数年後ーー美月は愛子や晋八たちの力を借りながら、なんとか「椿屋」を切り盛りしていました。
一方、滝乃は麻生との結婚生活に息苦しさを感じるようになり、離婚して「椿屋」に戻り女将に復帰。
女将の責任から解放された美月は、再び映画に携わりたいと思うようになっていきます。
◆映画監督へ
大京映画でアルバイトとして働くことになった美月。
大京映画はバラエティー、CM、子ども番組などを制作して凌いでいましたが、映画への思いを断ち切れない黒田は、映画「巌流島異聞」の撮影を企画します。
しかし、資金調達が難航したため映画の企画はお蔵入りとなってしまいます。
そんななか、滝乃が心筋梗塞が原因で亡くなってしまいます。
時代は平成に入り、大京映画の社長には杉本が就任。
美月を宮本武蔵をテーマにした映画の監督に抜擢します。
美月は監督として悩みながらも、錠島、杉本、晋八たちに支えられて、ついに映画「MUSASHI」を完成させたのでした。
◆最終回
美月は、杉本のプロポーズを断り、錠島にも一緒にはなれないことを伝えました。
そして映画「MUSASHI」の試写会の日がやってきました。
美月は春夫、愛子、滝乃の席も用意していました。
するとそこに、幽霊となって3人がやってきて映画を一緒に鑑賞します。
これまで色々なことがあった美月でしたが、これからも監督として映画やドラマを作り続けていきたいと思うのでした。-おわりー
朝ドラ『オードリー』感想
ヒロインを務めた岡本綾さんが引退したこともあり、これまでなかなか見返すことができなかった『オードリー』が2024年4月1日より再放送されることになりましたね。
『オードリー』といえば、なんといってもキャストが豪華。
まだ若手だった堺雅人さん、佐々木蔵之介さん、沢田研二さん、子役だった戸田恵梨香さんも登場します。
また、ヒロインの相手役に選ばれたのは、長嶋一茂さん。
演技力は微妙なんですが、いまバラエティで拝見している長嶋さんとは思えないほどの二枚目です。
それにしても貧乏で崩壊家庭育ちのニヒルな大部屋俳優役って…長嶋さんと境遇が正反対すぎて、なんでこの配役にしたのは未だに謎。
あげくに美月にDVしちゃうし。
大竹しのぶさん演じた滝乃も、なかなかぶっ飛んだ女性でしたね。
隣人のもとに生まれた娘を強引に母親から引き離して育て、渡り廊下で自身の旅館とを繋いで改築。
美月の進路や恋にもことあるごとに口出しし、挙句の果てに結婚するからと旅館をおしつけちゃうサイコっぷり。
二人の母親、ヒロインの結婚、出産なしなど、朝ドラにしては特殊な設定が目立ちましたが、ドロドロよりも爽やかさが勝っていたのは、さすが大石静さんの脚本です。
ヒロインの岡本綾さんは、静けさのなかに芯の強さも感じられる演技が魅力的で、改めて良い女優さんだと感じます。
ぜひソフト化もされていない隠れた名作『オードリー』を、再放送されるこの機会に楽しみましょう。
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