『神様、もう少しだけ』最終回までのあらすじを相関図付きでネタバレ
1998年にフジテレビで放送された『神様、もう少しだけ』は、HIVに感染した女子高生と生きる意味を見いだせない音楽プロデューサーの純愛を描いた作品です。今回は、今なお強い印象を残すラブストーリー『神様、もう少しだけ』の最終回までのあらすじを相関図付きでご紹介いたします。
『神様、もう少しだけ』キャスト&相関図
◆登場人物・キャスト
◆石川啓吾(金城武)・・・人気音楽プロデューサー。恋人が亡くなったことで、心に隙間ができ、思うような曲が作れずにいる。過去のヒットのプレッシャーも感じるなか真生と出会い…。
◆叶野真生(深田恭子)・・・どこにでもいるギャル系の女子高生。啓吾のファンで啓吾の曲を聞いて日々を過ごしている。
◆叶野義郎(平田満)・・・真生の父。真面目で不器用。家庭のことはすべて妻の弥栄子に任せっきり。思春期真っ只中の真生との間に会話はない。
◆叶野弥栄子(田中好子)・・・真生の母。パート先の職場で伊沢と互いに恋い慕っている。悟の受験後に離婚を考えていたが、真生の病気を知り…。
◆叶野 悟(佐々木和徳)・・・真生の弟。中学受験勉強中の小学生で反抗期で家族に不機嫌な態度をとる。
◆日比野イサム(加藤晴彦)・・・真生と仲が良く、良き理解者でもある。若者向けの服を販売しているショップ「GARAKUTA BOEKI」のアルバイト店員。
◆織田麻美(矢沢心)・・・真生の一番の親友で啓吾のライブにも一緒に足を運ぶ。真生がHIVに感染したことに戸惑う。
◆瀧村 カヲル(仲間由紀恵)・・・啓吾がプロデュースしている女性歌手で啓吾の元恋人・リサの妹。姉が亡くなったあと啓吾に想いを寄せる。
◆瀧村リサ(宮沢りえ)・・・啓吾の元恋人。啓吾の下積み時代を支え、その後啓吾との子供を妊娠するが死産し、自身も妊娠中毒症で亡くなってしまう。
◆久保 隆(東根作寿英)・・・啓吾のマネージャー。
◆野口孝明(永堀剛敏)・・・真生が援助交際しHIVに感染させられた相手。女性経験は風俗でしかない会社員。
◆田村香奈(田中有紀美)・・・イサムのバイト仲間。イサムに好意を抱く。嫉妬から彼女の学校の友人に真生がHIVに感染していることをバラす。
◆伊沢浩之(竹下宏太郎)・・・弥栄子が交際をしている相手で彼女との将来を真剣に考えている。
◆有田佳克(益岡徹)・・・啓吾が所属する「ケーズ・ミュージック・コーポレーション」の社長。
◆相関図
※無断転載ご遠慮ください。
『神様、もう少しだけ』1話から最終回までのあらすじ
1話◆「命を懸けた恋が今始まる…エイズウイルス感染の告知」
「啓吾!啓吾!」。熱狂的なコールを浴びても、人生に満たされないものを感じる啓吾(金城武)は無感動だった。サラリーマンや若者、ルーズソックスの女子高生らが行き交う東京・渋谷の街。トイレで着替え、化粧する女子高生らのなかに真生(深田恭子)がいた。真生は、そんな周囲に最近ついて行けなさを感じてもいた。真生にとって啓吾はカリスマ的存在だった。その啓吾がプロデュースする歌手・カヲル(仲間由紀恵)のCDをCDショップで見つけた真生は、視聴用CDをちょっとイイ仲のイサム(加藤晴彦)に聞かせる。その頃、啓吾はコンサートのリハーサル中だった。気に入らない演奏をしたギタリストを怒鳴りつけ、啓吾はワンマンそのもの。だが、啓吾は心の空しさを埋めるため、傲慢に振る舞っていた。真生は啓吾のコンサートチケットを買う。しかし、財布ごと電話ボックスに置き忘れ、どうしてもコンサートに行きたい真生は、友達の麻美(矢沢心)と相談。ダフ屋から買うには5万円ぐらい必要と、H無しの援助交際で金を稼ごうとする。危険な目にも遭いやっと見つけたカモの青年。青年は喫茶店で粘った挙句、約束の金を払おうとせず、真生は“サイテーな奴”と憤然とするが、「石川啓吾の曲が好き」と青年から聞き、二人はラブホテルへ───。ベッドに置かれた5万円。真生の心に空しさが広がった。実は、チケットはイサムが拾っていたのだった。真生の家族は、家族にはすっかり諦めきった父親義郎(平田満)に、母の弥栄子(田中好子)、中学受験を目指す弟の悟(佐々木和徳)。翌日、真生は啓吾のコンサートに行き、ファンの渦の中にいた。援助交際の空しさを吹き飛ばそうとカヲルが歌う啓吾の曲に酔う真生だが、啓吾は「この中にホントに歌を聞いているヤツが何人いる」と、客席の熱狂を感じながら冷たく言い放つ。啓吾はコンサートが終わったカヲルを怒鳴りつける。カヲルが歌詞を違えて歌ったためだった。帰宅しようと真生と麻美が乗ったタクシーが、啓吾のワゴン車に出くわした。真生はタクシーを降り、雨の中、啓吾のワゴン車を必死に追った。信号待ちのワゴン車に追いた真生は「I LOVE KEIGO」の布を歩道橋の上で高々とかざす。そんな必死の表情の真生と啓吾の視線が絡んだ。一人とぼとぼと帰る真生の前に、ワゴン車で走り去ったはずの啓吾が突然現れた。信じられない真生。どちらが誘い、誘われるという風もなく真生は啓吾の部屋へ。啓吾の前で逆立ちするなど、あどけなく振る舞う真生から戸惑うように目をそらす啓吾。そんな啓吾を真生は、母のように抱き締め、啓吾にとって真生は忘れられない存在になった。一方、真生にとっても啓吾との出会いは人生を一変させた。そして3か月、二人を待っていた現実は、HIV感染という事実だった。出展元:(C)フジテレビ
2話◆「好き…貴方が命を奪ったとしても」
「HIV感染」、「エイズ」。真生(深田恭子)の頭の中は、医師・平塚(伊佐山ひろ子)の言葉が巡っていた。「まさか!」「死ぬ!」。真生は虚ろな足取りで病院を出てきた。その頃啓吾(金城武)は、約束の時間が過ぎても現れない真生にがっかりしていた。やっと家にたどり着いた真生。だが、誰もいない。ひとりぼっちの真生。麻美(矢沢心)に呼び出されクラブ・セナで仲間たちと合流した真生は、一人落ち込んでいた。エイズ撲滅キャンペーンコンサートに啓吾が出演することを知った誰かが「一番危ないのは啓吾じゃない?」の一言に、真生はハッ!。真生は店を飛び出し、啓吾が収録のためにいるテレビ局へ。局から出てきた啓吾はファンに囲まれ、急ぎ足で車に乗り込む。近付こうにも近付けない真生。スタッフの一人に、真生がいたことを知らされ啓吾がしばらくして真生の前に戻ってきた。「乗れよ」。促されるままに車に乗り込み、啓吾の家に来た真生は、涙をためながら「明日死ぬとしても恨まない」と唐突に啓吾に言い、啓吾が止めるのも聞かず去っていく。家族も、真生の様子のおかしさに気付くが、父の義郎(平田満)は「今に始まったことじゃない」と取り合わない。学校を休み、真生はイサム(加藤晴彦)に検査をするよう勧める。理由の分からないイサムだが、真生は真剣。啓吾には忘れられない女性がいた。ピアノの上の写真と、真生が忘れていった血染めのハンカチを見ながら、啓吾は写真の女性と真生を重ね合せていた。そんな啓吾が思い詰め真生のケータイに電話。「なんであんなこと言うんだ。死ぬなら勝手に死ねよ」と捨て鉢な啓吾に、真生は「啓吾に会って人生が変わったよ。生き生きした」と真生は本心をぶつける。またまた分からなくなる啓吾だった。イサムの検査結果はシロ。イサムの励ましに真生はHIV感染であることを一時忘れるが、二度目の検査結果もクロだった。真生がショックで部屋に閉じこもっていると、啓吾がオープンカーで訪ねて来た。恐る恐る啓吾にHIVについて尋ねると啓吾はシロという。啓吾のコンサートに行くため、一度のウリでHIVに感染したことを真生は知る。そんな真生に啓吾は優しい。その優しさを振り切るように、真生は啓吾にHIVキャリアであることを打ち明けるのだった・・・。出展元:(C)フジテレビ
3話◆「生きている…その喜びと悲しみよ」
真生(深田恭子)は二度目のHIV検査もクロだった。一方、ある女性の死からいつ死んでもいいと思う啓吾(金城武)だったが、真生からHIVに感染していると聞かされ、死に対して真正面に向き合うことになった。イサム(加藤晴彦)に二度目もクロだったと知らせに行ったことから、真生がHIVに感染していることをイサムの今の恋人・香奈(田中有紀美)が知る。真生は自分がHIVに感染していることを知っても、変わらないイサムに心を和ませるのだった。イサムに見せられたカヲル(仲間由紀恵)のファンクラブの会報で、真生は自分にHIVを移した男を見つけ、その男を探し始めた。しかし、男は仕事を辞め住所も移し、居所が分からない。啓吾は、自分もHIVキャリアであるかもしれない、死に向き合った自分に苛立ちの日々を送っていた。街を歩き、ファンにぞんざいになってしまう啓吾。真生が啓吾のマンションにやって来た。中をうかがっていると啓吾が帰ってきた。「検査受けた?」と聞く真生に、啓吾は「どっちでもいいだろう。人は死ぬ時が来たら死ぬんだ」と捨て鉢。そんな啓吾に「私はさ・・・、ムチャクチャ生きていたい。死にたくないっ!」。真生は真顔で言い放つのだった。真生の誕生日が近付き、母の弥栄子(田中好子)は「本当に困ったことがあったらなんでも話して」と優しく言う。心をぐらつかせる真生だが、HIV感染については話せない。学校では、香奈が「真生 要注意!」と広め、真生はイジメに会う。ひとりぼっちの真生。そんな時、弥栄子からのバースデープレゼントを見て、真生は弥栄子に悩みを打ち明けようと、弥栄子の店に出向くと、弥栄子が不倫相手の浩之(竹下宏太郎)から、キスを受ける場面を目撃、ショックを受ける。孤独感の中、ベッドに突っ伏した真生に啓吾からケータイに電話。「疲れちゃった」「仲間が欲しいよ」。初めて啓吾に弱音を吐く真生。そんな真生に啓吾は愛しさが込み上げてきた。真生に対する学校でのイジメは続いている。全体から無視される真生。真生は心配する親友・麻美(矢沢心)にHIV感染を告白、麻美は呆然とするだけだった。家庭でのバースデーパーティー。孤独感を深める真生は、家に入れず、いつの間にか、啓吾のマンションに来ていた。啓吾はいない。いつしか雨が降り出し、一人待つ真生の前に啓吾。啓吾のHIV検査はシロ。その事を話そうとしない啓吾だが、真生は偶然知り「啓吾がシロで嬉しい」と言葉を残し、夜の街に彷徨い出て行くのだった。出展元:(C)フジテレビ
4話◆「最後の愛を失った時少女は…」
啓吾(金城武)がHIVに感染していないことを真生(深田恭子)は知り、安心すると同時に、啓吾は健康な“別世界の人”と、気持ちを吹っ切るように啓吾の部屋を出てきた。その帰り道、HIVを移した青年を真生は偶然街で見つけ、後を追った。青年・野口(永堀剛敏)はうらぶれたアパートに一人住んでいた。「知ってたの?」と食ってかかる真生に、HIV感染のせいで体力が低下している野口は、入院して知り、郷里の両親にも話せず、仕事を辞め、貯金を取り崩しながら生活している、と真生に告げるのだった。野口の孤独な生活に、真生はいたたまれなくなる。その頃、弥栄子(田中好子)は、偶然真生の教科書を見て、真生の異変に気付いた。帰った真生を問い詰める弥栄子に「自分も外に男を作って」と真生。弥栄子に動揺が走る。真生へのイジメはエスカレートする一方。母親にも裏切られた思いの真生は孤独感を深めるが、真生の苦悩する姿を啓吾がじっと見つめていた。啓吾は突然真生の前に現れ、真生を励まし、独りでないことを伝えようとケータイの番号を教えるのだった。啓吾の励ましで心強くした真生は珍しくルンルン。そんな真生に弥栄子は、不倫を打ち明けるが、真生は「お父さんは仕事一方だし、いいじゃない」。しかし、心の中で真生は寂しかった。啓吾は、新曲ができず悩んでいた。何もしてやれず死んだ恋人リサ(宮沢りえ)のことが啓吾の心を塞ぎ、啓吾は新曲が作れずにいた。真生は学校で、体育の授業のため脱いだ制服がごみ箱に捨てられてしまう。陰湿化する真生へのイジメ。啓吾の声を聞き元気になろうと、ケータイに電話すると、繋がらなかった。啓吾は、気持ちのもやもやを払おうとリサの墓参りに来ていたのだった。墓の前でリサを思う啓吾。そこへリサの妹で、啓吾の歌を歌うカヲル(仲間由紀恵)が現れた。学校から帰った真生は、弥栄子が父・義郎(平田満)に別居を言い出すのを立ち聞き、寂しさが募る。カヲルは啓吾を愛し始めていた。「同じ恋なんてない」と、啓吾のマンション近くまで送ってもらったカヲルは、車の中で啓吾にキス。その様子を、啓吾に会いにきた真生が目撃する。事情を知らない真生は、深い失望感と喪失感で逃げる様にその場から走り去る。啓吾は真生を追うが・・・。出展元:(C)フジテレビ
5話◆「心開いてご覧…君は一人じゃない」
啓吾(金城武)がカヲル(仲間由紀恵)とキス。母、弥栄子(田中好子)の不倫。再び孤独の中に突き落とされた真生(深田恭子)は、轟音を立て走る電車に、ふらふらと向かっていった。その真生を、間一髪イサム(加藤晴彦)が救った。リサ(宮沢りえ)への思いが残る啓吾は新曲ができず窮地に立っていた。真生の事故が、自殺未遂と知り、病院に駆け付けた義郎(平田満)や弥栄子は心中穏やかでない。病院のベットで目覚めた真生は、そんな両親に捨て鉢に「自分はエイズだ」と宣言する。義郎、弥栄子、弟の悟(佐々木和徳)は呆然。原因はセックスと続ける真生に、義郎は怒りを爆発させた。新曲ができず悩む啓吾は荒れるが、どこか覚めていた。啓吾とカヲルの関係が、スポーツ紙や雑誌で取り沙汰され始め、真生も気にしていた。「あんたにも関係があるだろう」とイサムから真生の入院を聞いた啓吾は、真生を見舞った。「人に期待して愛されない腹いせに死ぬなんて最低だ。死ぬならもっと本気で生きろ」と真生に話す啓吾。一方、真生も「啓吾は本気で生きているの。人にできない音楽があるのに」と話す。二人は知らず知らずお互いを励ましていた。真生の言葉が勇気をくれたように啓吾は、新曲作りを始めた。退院し久々に家族4人で夕食を囲む真生。そこへ弥栄子に電話がかかった。真生は不倫相手からと察知し、「お母さんは浮気している」と、家を飛び出していく。その真生を追う弥栄子。弥栄子は不倫も解消する決意でいた。「あなたが元の体に戻るなら、お母さん、何でもする」と追いついて話す弥栄子だが、そんな弥栄子を突き放すように真生は、売春してHIVに感染と話すのだった。虚しい真生。真生が盛り場をうろついていると、啓吾の声がラジオから聞こえてきた。「彼女のために、この曲を作った」と話す啓吾。真生は次第に気持ちが落ち着いてくるのだった・・・。一方、その頃啓吾には、「高校生と援助交際?」と取材が入っていた。出展元:(C)フジテレビ
6話◆「生きるための闘い…勇気を下さい」
啓吾(金城武)の新曲をリリースしてくれる会社はなかなか見つからなかった。真生(深田恭子)との付き合いを嗅ぎ回るマスコミも気になる啓吾。一方、真生は治療を受ける気になり病院へ。「生きる目標を持つことは、感染とは関係ないはず」。医師・平塚(伊佐山ひろ子)の言葉が心に突き刺さり、苦悩してきた真生に生きる力が湧いてきた。病院の帰り、CDショップに寄った真生は、麻美(矢沢心)らにばったり。気まずさを感じる真生に「謝りたかった」と麻美が駆け寄ってきた。家では、義郎(平田満)と弥栄子(田中好子)が険悪なムード。「彼とは別れた。今、あの子を本気で支えられるのは私たちしかいない」。弥栄子の話を、立ち聞きした真生は胸が熱くなった。意を決し学校へ通い始めた真生。登校すると、真生へのイジメは続いていたが、麻美が「ガキっぽいこといい加減によしたら」とクラスメートに向かって言ってくれ、真生を庇う。麻美の言葉で、真生の回りに友達が戻ってきたが、真生は以前のようには打ち解けられなかった。真生は強くなっていたのだ。そんな思いを話そうと、真生は啓吾に会いに行った。張り込む記者の目を巧みに避け、啓吾はレコーディングスタジオから真生を連れ出した。真生は、あるがままの自分を知ってもらうため感染したことを公言したくなったと啓吾に話すが、啓吾は「世の中甘くない。上っ面だけ見て、切り捨てていくのが世間」と反応。そんな啓吾に真生はがっかりする。義郎も「世間が知ったら」「世間から見たら」と、世間、世間を口にする。そんな大人たちに、自分らしく生きようと自覚した真生は反発心が生まれていた。啓吾がレコード会社と契約切れ状態であることをラジオで知った真生は、終業式の朝、啓吾に会いに行った。「自分らしく生きたい」と話す真生に啓吾も「自分の人生の責任は、自分でしか取れない」と真生に同意、その力強さに心を動かす。真生らに停学処分が発表された終業式。啓吾が見守る中、真生は一人壇上に上がり、HIVに感染していることを公言した。「感染し、生きていることの素晴らしさを知った」。堂々と話す真生に感動の輪が広がった。スキャンダルの発覚は啓吾の命取りに繋がる。しかし、堂々と話す真生に、啓吾もある覚悟を固めるのだった。その様子を見逃さなかった記者により、啓吾のスキャンダルは全国を駆け巡ることに。二人の今後は・・・。出展元:(C)フジテレビ
7話◆「好きじゃなきゃ、生きていけない」
薬の副作用が、真生(深田恭子)に出始めた。一方啓吾(金城武)は、真生との関係がマスコミに取り沙汰され、新曲発売が頓挫、その上、真生が受けた取材がもとで、週刊誌に2人の関係が興味本位に取り上げられ、所属事務所にもいられなくなる。真生がHIV感染を宣言したことを、父・義郎(平田満)は「病気と戦うことと、言いふらすことは違うんだ!」と、真生を強く叱った。悟(佐々木和徳)が自分のせいでかつ上げされるのを目撃した真生は、心からすまないことをしたと思うのだった。窮地に立った啓吾は、アメリカで出直す覚悟を固めた。そんな啓吾に、カヲル(仲間由紀恵)は未練がましく迫るが、啓吾は相手にしない。真生も週刊誌を読み、啓吾や家族にかけた迷惑に心苦しい。そんな真生を弥栄子(田中好子)は「好きな人がいて良かった。その気持ちを大切にして」と励ますが、立ち聞きした義郎は愛人との関係のことと誤解し、家を出る。真生のHIV感染は家庭崩壊を招くことに。母に励まされ啓吾の役に立とうと音楽出版社を訪ねた真生は、副作用のせいで倒れた。最後のコンサートのリハーサル中だった啓吾はそれを聞き、カヲルの制止をよそに真生の家へ向かった。その頃、気分の良くなった真生は、見舞いに来たイサム(加藤晴彦)に手伝わせ、啓吾の曲をかけてくれるようラジオ局にハガキを書いていた。疲れて眠る真生の部屋に啓吾。ハガキを見て心を揺らす啓吾は、コンサートのチケットを置き、部屋を出る。その啓吾を真生が追いかけてきた。息を切らす真生に、啓吾はアメリカに行くことを告げ、「もう自分にはかまうな。迷惑だ」と突き離す。啓吾の言葉が信じられない真生。立ち去る啓吾を真生は無言で、見送るだけだった。啓吾は真生が自分の中で、大切な存在になっているのに「迷惑だ」と言った自分が信じられなかった。そんな啓吾に、追い討ちをかけるように最後のコンサートが中止になった知らせが入る。やはりスキャンダルのせいだった。アメリカに行く準備に専念する啓吾が思い起こすのは、真生のことばかり。啓吾がふらりと訪れた、誰もいないはずのコンサート会場に─────。出展元:(C)フジテレビ
8話◆「お前を死なせない」
中止になったコンサート会場に、一人いた真生(深田恭子)を強く抱き締める啓吾(金城武)。2人だけの時間が流れ、真生に力が蘇ってきた。しかし、やはり真生は高校生。家に帰りつくと死の恐怖から逃れようと母・弥栄子(田中好子)に抱きつくのだった。その頃啓吾も自宅で、死を前にしたリサ(宮沢リエ)に何もしてやれなかった自分を思い出していた。真生に何がしてやれるのか、迷いもある啓吾だった。啓吾にニューヨークで仕事があるという知らせが入った。先方は急いでいるらしい。決断を迫られる啓吾だが煮え切らない。カヲル(仲間由紀恵)も「どうして?」と、啓吾をなじるが、啓吾は真生のことが気掛かりだったのだ。真生には、発病を遅らせる薬がなかなか見つからなかった。医師・平塚(伊佐山ひろ子)も焦るがどうしようもない。真生はHIVを感染させた野口(永堀剛敏)に会い、いつしか野口を励ましていた。啓吾への愛が真生に力を与えていた。今度こそ副作用のない薬であるようにと祈りながら、真生は新しい薬を試す。最愛の人だったリサの死。今、自分に救いを求めている真生。気持ちが整理できないまま、啓吾は渡米の手続きを進めていた。そんな啓吾とリサの関係を、啓吾を訪ねた真生はカヲルから聞く。飛び出して行く真生を追ってきた啓吾の腕の中で真生は気分が悪くなる。最後の望みだった薬も真生に効かなかった。薬が効果なかったことに弥栄子のショックも大きかった。その気持ちを紛らわそうと弥栄子は、別れた恋人の浩之(竹下宏太郎)を訪ねてしまい、その上、浩之に送られ帰宅するところを、家を出た義郎(平田満)にたまたま目撃されてしまう。真生のHIV感染のせいで、塾に行けなくなった悟(佐々木和徳)。叶野家は崩壊寸前だった。カヲルが、真生に傾く気持ちを押しとどめ、アメリカ行きを決断させようと、啓吾の部屋で自殺未遂事件を起こす。そのせいもあり、渡米を決意した啓吾は、真生を訪ねた。「優しくしないで。辛いから」という真生に啓吾は何も言えない。ただアメリカへ行くとだけ言い去ろうとする啓吾に真生は「会えて楽しかったよ」と、悲しみをこらえながら話すのだった。出展元:(C)フジテレビ
9話◆「運命が愛を踏みにじる」
成田から引き返してた啓吾(金城武)は、真生(深田恭子)を追って「アメリカに一緒に行こう」と告げた。啓吾の言葉は真生をこの上ない幸せにした。自宅に帰り弥栄子(田中好子)に、話すと「真生の幸せは私の幸せ」と弥栄子は真生を応援してくれた。幸せいっぱいの真生は、街で見つけた安物だがお互いのイニシャルの入ったペンダントを啓吾と交換し合う。そんな幸せ気分の中、真生は麻美(矢沢心)に出会った。啓吾を見てびっくりする麻美だが、真生にスタイリストを目指しているとはっきり言う麻美。真生は、父・義郎(平田満)を会社に訪ね、啓吾と一緒にアメリカに行く、と打ち明けた。無論、義郎はイエスとは言わない。一方、弥栄子は元恋人・浩之(竹下宏太郎)から届いた新規開店のハガキを見て、辛い気持ちでいた。真生のHIV感染で、浩之との交際を諦めた弥栄子。真生は弥栄子の表情から何か察し、弥栄子を励ます。啓吾のアメリカ行きは、真生のHIV感染のため難しい問題があった。スキャンダルを気にする音楽関係者、感染者に部屋を貸し渋る不動産業者。治療のための病院探しなど・・・。その逆風の中、真生を大切に思う啓吾は戦う。「愛一直線。お前らしい」と、イサム(加藤晴彦)にも励まされる真生は嬉しい。義郎が自宅に戻って来た。義郎は、真生のアメリカ行きを承服できなかったが、父親の役割を果たせなかった自分を深く反省していた。父を誘い真生は久々に河原を散歩した。真生は、その無力さを率直に語る義郎に、心を動かされる。家に戻ると啓吾がいた。自分らしい仕事がしたいと宣言した麻美、悟(佐々木和徳)には、自分で決めたら東大頑張れといった自分、その上、父・義郎の気持ちにも触れ、自分らしさを見つけようと思う真生は、アメリカに行かないと啓吾に言う。戸惑う啓吾だが、真生には、部屋探しなどの障害については話さず「(成田で)待っている。気持ちが変わったら」と言い残し、去って行った。義郎は、考えあぐねた末、子ども達の前でそれぞれ正しいと考えた道を歩むべきだと、弥栄子との離婚を語る。真生にも体だけは大切にしてほしいと涙ながらに話す義郎。弥栄子も涙が止まらない。その両親の励ましに、真生は、再び啓吾と一緒にアメリカに行く決意を固め、空港に行く。そこにはカヲル(仲間由紀恵)がいた・・・。出展元:(C)フジテレビ
10話◆「二人、結ばれる夜」
啓吾(金城武)がアメリカに旅立ち3年。カヲル(仲間由紀恵)の嘘から、啓吾と真生(深田恭子)は、引き裂かれたのだが、啓吾に捨てられたと思う真生は、やっとその辛さを乗り越え、インテリアコーディネーターを目指し専門学校に通い、今、就職活動をしていた。そんな真生を、弥栄子(田中好子)と義郎(平田満)は、心から応援していた。元気に就職活動する真生だが、体の免疫力は低下、発病の危機に立たされてもいた。アメリカで成功した啓吾が凱旋公演のため帰国。空港で啓吾は、スキャンダル記者・江崎(山西惇)から真生が結婚すると聞く。イサム(加藤晴彦)が江崎を追い払うため話したデマカセだったが、なぜ真生はあの時来なかった?悩み続けていた啓吾は意を決し、真生の家を訪ねた。そこで啓吾は、真生宅に出入りするようになったイサムから、「真生は3年前アンタに捨てられて」と聞かされる。「捨てられて・・・?」。「違う!」。啓吾は初めてカヲルの嘘に気付くのだった。真生にやっと内定通知が届いた。会社に行くと、同じ高校の出身者にバッタリ。体のことを聞かれハッ!とした真生は、隠すのはやめようと、HIVに感染者であることを告げる。「大丈夫」。案内役の社員は言ってくれたのだが・・・。真生は、啓吾のことは、もう過去のこと、と思いつつもコンサート会場にやって来た。看板を見上げる真生の姿を控え室の窓から啓吾が見つけ追った。追うのを諦めかけた時、啓吾の視線の先に真生。3年ぶりに見詰め合う啓吾と真生。二人は、お互いの気持ちを探るように話し始めた。2人はこの3年間、悩み、苦しみ、辛さを乗り越える努力を、それぞれしてきた。穏やかに話しをするうち2人とも、その苦しみがわかり合えてくるのだった。真生は、経営の悪化を理由に内定を取り消される。HIV感染者であることを打ち明けたせいと真生は落ち込み、外を歩いていると啓吾がいた。「どうした」。啓吾の声に真生は、涙がドッと溢れ、そんな真生を啓吾は優しく抱き締めた。「お前と一緒にいたい。1分、1秒もムダにしたくない」。今度こそ一緒にアメリカへ行こうと啓吾は真生を誘うのだった。その夜、真生は啓吾に抱かれた。2人の前に幸せが広がるかに見えたが・・・。出展元:(C)フジテレビ
11話◆「命を削る新しい命」
「神様、もう少しだけ」という啓吾(金城武)の祈りも虚しく、真生(深田恭子)はついにエイズを発症した。啓吾はアメリカに戻ることを迫られていたが、「俺がついている」と、死を意識し不安いっぱいの真生をつきっきりで励まし続けた。一方、弥栄子(田中好子)や義郎(平田満)は半ば覚悟していたこととはいえ、真生の発症で受けたショックは大きかった。そんな逆境を真生は、啓吾に見守られていることが力になり、持ち前の元気さもあり乗り越えることができた。しかし、退院も間近に迫ったとき、真生は啓吾の子を妊娠していることが判明する。「啓吾の子を生む」。真生は元気づくが、啓吾は前の恋人リサ(宮沢リエ)を妊娠中毒症で失っており、その上、真生がエイズを発症し免疫力が低下していることなどから、素直に頷けない。弥栄子も出産には反対。そんな周囲に真生は悲しく、やるせない。イサム(加藤晴彦)から「赤ん坊もHIVに感染しているかもしれないんだろう」と言われるまでもなく、真生はエイズを発症している自分が子どもを持つことに大きな不安を感じていた。啓吾は真生のせいでアメリカ行きが遅れていることから、損害賠償を求められる窮地に立っていた。それでも真生を大切に思う啓吾はアメリカに戻ろうとしなかった。そんな啓吾の将来を案じ、カヲル(仲間由紀恵)は真生に会い、啓吾の苦境を説明。「アメリカ行きを勧めてほしい。あなたに万一のことがあると、啓吾は生きられない」と熱く説得する。辛い決断だったが、真生は子どものことは諦め、堕すことを決意、音楽があってこその啓吾と、啓吾にアメリカ行きを勧めた。その思いを込め、小さな星のついたMのペンダントを啓吾にプレゼントする真生。「この星は私たちの子」と切なく話す真生に啓吾は愛しさが増す。堕胎のため訪れた病院で真生は「叶野さん」と呼ばれ動けなくなる。堕したくない。揺れる真生の前に啓吾が現れた。「体の前に心がズタズタになるだろう」。啓吾の一言に真生は決意を翻し、啓吾の子を生む気持ちになる。弥栄子も内心、真生が好きな人の子を生むことを応援していたよう。啓吾はコンサートのためアメリカに旅立った。それから半年、真生は苦手な牛乳をお腹の子のために飲み、啓吾も行く先々から、真生を励ますビデオを送ってきた。真生は母子ともに順調だった。そして半年後・・・・。出展元:(C)フジテレビ
『神様、もう少しだけ』最終回の結末をネタバレ
12話(最終回)◆「I FOR YOU…愛と命の輝きのために」
帰国する啓吾(金城武)のため、夕食を作り、花を買いに出た真生(深田恭子)は、突然苦しみ出しそのまま病院に運ばれた。エイズを発症しての妊娠は、真生の体に大きな負担をかけていた。弥栄子(田中好子)と義郎(平田満)は、医師から子どもも真生も予断が許さない状態であると聞かされた。刻々と時間が過ぎる。そこへ啓吾がやっとやってきた。真っ青な真生の顔を見て死を予感する啓吾だが、啓吾が触れた瞬間、真生がゆっくり目を開けた。「遅いよ」という真生に「ずっと元気でいる。そう約束したじゃないか」と啓吾は励まし、真生の指に約束の指輪をはめてやるのだった。真生は、啓吾の愛に包まれ体力を回復、二人だけで教会で永遠の愛を誓う。幸せな二人。だが再び真生は陣痛に襲われた。「この子だけは生みたい。私はどうなってもいい」。真生の切実な言葉が頭をよぎり、啓吾は弥栄子らが聞いていることを承知で「万一のときは子どもを助けてやって下さい」と分娩室に向かう医師に告げる。辛い決断だった。切迫した空気の中、赤ん坊は産まれた。女の子。赤ん坊はチアノーゼを起こしており、真生同様危険な状態だった。体力を使い切った真生だが、「赤ちゃんが見たい」「元気づけたい」と言う。真生自身、動くことは大変危険だったが、啓吾は意を決し、真生を抱き上げ、保育器にはいる赤ん坊を真生に見せるのだった。危篤状態に陥った真生。時間だけが過ぎる。ただ祈るしかない啓吾は、後悔の思いでいっぱい。そんな苦しむ啓吾に、弥栄子が真生が撮った子どもへのメッセージビデオを見せた。必死に母であろうとする真生。啓吾は感動し、涙が止まらない。「真生。目を覚ませ」。集中治療室で啓吾はベッドの真生に必死に呼び掛けた。願いが通じたのか啓吾が落とした涙に起こされるように真生が目を開けた。「何泣いてるの?」と真生。真生は奇跡的に元気を取り戻した。啓吾の愛に包まれ、真生の生きようという気持ちが病に勝ったのだった。それから1か月、幸(さち)と名付けた子どもと真生は無事退院。3人の幸せな新生活がスタートした。しかし、真生はエイズであることの不安から逃れられず、時折落ち込む。そんな真生に、啓吾は音楽学校を作る夢を話し「俺がいる。幸がいる。お前がいる。それで十分。それだけで幸せだ」。今、この一瞬を精一杯生きようと清々しく諭すように語るのだった。再び数か月、2人は家族、友人、知人を招き、結婚式を開く・・・。出展元:(C)フジテレビ
結婚式に会場となった教会で、ベビーベッドから転落しそうになった幸に駆け寄り、ウェディングドレスに身を包んだまま息絶えた真生。
翌日に葬儀が行われた後、幸はエイズに感染していないことが分かった。
数年後、天国にいる真生を含む、家族の画を書く幸。
そして、啓吾と成長した幸は真生のお墓参りに訪れるのだった。ーおわりー
『神様、もう少しだけ』感想
女子高生が援助交際でエイズに感染してしまうというセンセーショナルな設定が注目され、ヒットしたドラマ『神様、もう少しだけ』。
その女子高生と心を通わせる音楽プロデュサーを『恋する惑星』『レッドクリフ』などに出演する国際スター・金城武さんが演じていることも話題になりました。深キョンは当時15歳。
LUNA SEAが手掛けた主題歌”I for You”も印象に残っている方も多いはず。
ちなみに瀧村カヲルの歌声は工藤静香さんが担当。
令和に見ると物語の展開はベタすぎるし、詩的なセリフは臭いけれど、金城武さんの美しさだけで最終回まで突っ走れますwww。
脇役も何気に豪華で、パーマ姿が珍しい仲間由紀恵さん、回想で出演の宮沢りえさん、チョイ役で小日向文世さんも出演しています。加藤晴彦さんはどこへいった?
また1998年といえば、バブルの余韻もおわりきった平成大不況。
ドラマに出てくるコギャル、携帯の光るアンテナ、厚底サンダル、キャミソール、タイタニック…アラフォー世代には全部が懐かしいですね。
最終回は、結婚式の翌日がお葬式という容赦ない結末。
そして、真生が自分の子供に残したビデオレターで涙腺崩壊。
『神様、もう少しだけ』は、浮世離れしたストーリーではあるものの、エイズを認知させ、偏見を正すという意味で社会に貢献した作品でもあるので、ぜひ今の若者にも観て頂きたいです。
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