『シャドウワーク』あらすじから結末を相関図付きでネタバレ

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小説『シャドウワーク』は、夫の暴力から逃げるように風代わりなDVシェルターにたどり着いた女性と、同じく夫からの支配に苦しめられながらある事件を追う女性刑事を描いたミステリーサスペンスです。今回はドラマ化も決定した佐野広美さんによる『シャドウワーク』の結末までのあらすじをご紹介します。

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『シャドウワーク』あらすじ

夫の暴力から逃れるために江ノ島を望むDVシェルターを運営する施設に辿りついた紀子

この施設は元教師の志村昭江と看護師の間宮路子が共同運営しており、入居者は昭江が運営するパン屋で働き賃金を得ていた。

ここは地方自治体が運営するシェルターのように安全面が確保できないため、路子が受け持った患者のなかから選ばれた女性4名だけ入居できるというものだった。

この施設を出るタイミングは自分で決めることができ、一人が退所すると一人が入所するというシステムになっている。

紀子は昭子や他の入所者と共同生活を送るうちに生きる自信を取り戻していくが、この施設にはある秘められたルールがあった。

一方、刑事のは、溺死体で発見された今井美佳子という女性の捜査にあたっていた。

実は薫もまた同じ警察官である夫の北川晋一から暴力を受け、離婚調停を申し立て告訴するが、告訴状は取り下げられ異動を言い渡されていた。

警察スキャンダルにしたくない上層部は、薫に裏切者のレッテルを貼り、晋一も執拗に薫を追っていた。

そんななか今井美佳子に暴力をふるっていた交際相手の松原幸次が心不全で亡くなったと連絡が入り、薫は二つの死には何か関連があるのではないかと疑う。

薫は美佳子に関わりのある人物に聞き込みを行っていくうちに、かつて美佳子が入院していたときの担当看護師間宮路子と接触し、江ノ島を望むDVシェルターを訪れることに。

そこで薫は彼女たちにある共通点があることを知り…。

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『シャドウワーク』登場人物&相関図

登場人物

紀子・・・専業主婦。30歳。五年間夫の暴力に耐えてきたが、入院した際に看護師の路子と知り合い、DV被害者が共同生活をおくる施設を紹介してもらう。
・・・警視庁捜査一課の刑事。四年間 同じ警察官の夫の暴力に耐えてきたが、限界に達し離婚調停を申し立て告訴するが、スキャンダルを嫌う上層部によって異動を命じられる。
間宮路子・・・看護師として働く傍ら、20年前から志村共にDV被害者施設の運営を行う。
志村昭江・・・江ノ島でDV被害者の支援を行う施設と彼女たちが働くパン屋を運営。
奈美・・・志村が運営する施設で暮らすDV被害者。31歳。
洋子・・・志村が運営する施設で暮らすDV被害者。24歳。
雅代・・・志村が運営する施設で暮らすDV被害者。45歳。
久美子・・・志村が運営する施設に最初に暮らしていた少女。現在は施設を出ている。
西山千栄子・・・弁護士。
清明・・・紀子の夫。紀子にDVを行っていた。
北川晋一・・・薫の夫。警視庁捜査二課の課員。薫に暴力を振るっていた。薫から離婚調停をたてられ告訴されたことに逆上し、執拗に追い詰める。
荒木・・・薫の部下で相棒。
今井美佳子・・・溺死体で発見された女性。
松原幸次・・・美佳子と同居していたが、彼女が亡くなったあと心不全で亡くなる。生前 美佳子に暴力をふるっていた。

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相関図

※無断転載ご遠慮ください。

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『シャドウワーク』結末までのあらすじをネタバレ

彼女たちのルール

紀子が身を寄せるDVシェルターを運営する施設には「持ち回り」と呼ばれる暗黙のルールがありました。

それは施設に匿った女性の配偶者や交際相手をこの世から葬ること。

そして手を下すのは男の妻や恋人でもなく、他の入居者でもありません。

実は昭江が運営するような施設は全国に何か所かあり、それぞれの代表は手紙を連絡手段に、ターゲットを持ち回りで殺害していたのです。

直近では奈美の夫も事故死として処理され亡くなっていましたが、奈美の夫を消したのは、無関係な他の施設の女性たちでした。

そしてある日、紀子にも順番が回ってきて、昭江路子の指示のもと遠く離れた京都で暗殺を行いました。

施設の秘密を暴く薫と薫を追う夫

今井美佳子が亡くなったのは、昭江たちの仕業だと疑っていた薫は、施設を訪れた際に入居者たちの顔や名前を手入れ、身辺調査を行いました。

すると彼女たちの夫や配偶者すべてが、ここ何年かの間に事故や病気で亡くなっているという共通点を見つけました。

そんななか薫を監視していた夫・晋一が施設を訪れ、昭江たちの犯罪を黙っている代わりに薫を始末して欲しいと取引を持ち掛けてきます。

そこで路子は薫に連絡を取り、休みを利用して観光がてらにもう一度 施設に来ないかと誘い、薫も彼女たちのことをもっと知りたいと承諾しました。

施設を再び訪れた薫は、出されたお茶を飲んですぐに意識を失ってしまいます。

そして目覚めた薫の前には晋一が!

薫は激しい暴力をふるわれた後、ネクタイで首を絞められ苦しみますが、ふいに締め付けが緩みました。

薫が目をやると、雅代と洋子が素早く晋一の腕を押さえつけ、紀子が麻酔薬が入った注射器を首に突きさしていました。

昭江は美佳子を殺したのは自分ではなく交際相手の松原で、美佳子がもう一度施設に入所したいと言ったのに断ったことを悔やんでいると話しました。

そして美佳子の遺体が発見されたと聞いた昭江たちは、松原を拉致して美佳子殺しを白状させ、心不全に見せかけて消したいうのが真相でした。

結末

昭江たちによって助けられた薫は、自分が彼女たちを裁く資格があるとは感じられず、「逮捕する」という言葉を発することができませんでした。

自分を痛めつけ支配しようとする男から逃げるための唯一の手段を選択ひた昭江たちの行動に共感すらおぼえたのです。

新しい人生をやり直すため…たった一度だけ…

そして薫は晋一の足を持ち上げ、もう片方を紀子が持ちました。

それから昭江の夫が眠る花壇の横に皆で穴を掘り、晋一を生き埋めにしました。

一年後ーどこかの「仲間」によって夫を始末してもらった洋子と雅代は施設を去りました。

紀子の夫も病死として処理され、昭子や新しい入居者に見送られながら紀子は施設を出ました。

そして真っ先に向かったのはのもと。

紀子はこれから仕事を見つけ一軒家を借り、昭子と路子が作った家と同じような施設を薫と運営したいと考えていました。

紀子から連絡をもらった薫は自分が下した決断に後悔などは一切なく、これかから紀子と共にDV被害者に寄り添っていこうと決意するのでした。

『シャドウワーク』感想

4日に1人、妻が夫に命を奪われている

『シャドウワーク』はそんなDVというセンセーショナルな内容を題材にしたミステリーです。

頭ではフィクションだと分かっているのですが、凄まじい暴力描写に思わず目を背けたくなります。

男たちは支配欲を満たすため女性に激しい暴力を振るう一方で、直後はとても優しくなります。

女性はそんな男の優しい一面を見て、「そのうち変わってくれるだろう」「悪いのは私」だと感じ、自分が被害者であることになかなか気づきません。

物語に登場する薫もまた刑事でありながら、夫に最初に暴行された際には「妻としての務めを果たさなかった私が悪い」と思っていたのです。

気絶するほどの暴力から逃れるようにたどり着いた家。ようやく居場所を見つけた女性たちは、奇妙な共犯関係のもと犯罪に手を染めていきます。

彼女たちが行ったことは許されることではないですが、このままだと命を奪われてしまうことを考えると、絶対にダメだとは言い切れず、むしろ男たちに天罰が下ったと思ってしまう自分がいました。

殺さなければ殺される。相手の男が生きている限り自身の身の安全は保証されない。

「世界は法律で裁けない悪意に満ちている」

法で守ってもらえない女性たちがやむ得ず選んだこの手段を、この国では簡単に非難できない現実があります。

自分のなかで善悪がかなり揺らいだ『シャドウワーク』。

被害者がここまでの決断をしなくて済むように、DVをめぐる厳罰化と法整備は絶対に必要だなと思わせてくれる作品でした。

平凡なパート主婦たちが犯罪に手を染める『OUT』あらすじと結末は⇒こちら

佐野広美原作『誰かがこの町で』結末までのあらすじは⇒こちら

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この情報は2025年9月16日時点のものです。配信が変更、終了している場合もありますので詳しくは公式サイトをご覧ください。

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