『ババヤガの夜』あらすじからラストまでを相関図付きでネタバレ

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『ババヤガの夜』は裏社会を舞台に、喧嘩最強の女と暴力団の娘が運命に抗いながら絆を深めていくバイオレンスアクションです。今回はイギリスの「ダガー賞」を受賞して話題になった『ババヤガの夜』のあらすじをネタバレ有りでご紹介いたします。

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『ババヤガの夜』あらすじ

仕事の帰り道にチンピラと暴力沙汰を起こした新道依子は、規格外の体格と圧倒的な喧嘩の強さを見込まれ、関東最大級の暴力団・内樹會にスカウトされる。

依子に与えられた任務は、内樹會会長の美しい一人娘・内樹尚子ボディーガード

異国の血を引く野性的な依子に、お嬢様育ちで花嫁修業を淡々とこなす尚子は反発するが、共に行動するうちに二人は打ち解けていく。

そんななか依子は組の若い衆たちに薬を盛られて犯されそうになり、発見した尚子は男たちを追い払い、女にとって最大の屈辱だと憤った。

若い衆たちはその後、尚子の婚約者で拷問好きの豊島興業の組長・宇田川剛によって処分されたのだった。

依子と尚子は学校や習い事の合間に、喫茶店でおしゃべりをするなど交流を深めていたが、ある日 尚子が見知らぬ男に腕を掴まれたため、依子は衝動的に男を殴り飛ばしてしまう。

運の悪いことに その男は宇田川だったため尚子の父で内樹會の会長・内樹源造は、依子と依子をスカウトした柳永洙を宇田川に差し出すことにした。

依子が激しい拷問を受けると知った尚子が父に必死に助けてほしいと懇願していたところ、逃げていた尚子の母情夫のマサが見つかったと連絡が入る。

内樹は妻とマサを生け捕りにしてくれば、柳の命は奪わず、依子も利き腕1本切り落とすだけで済ませると告げた。

依子は久しぶりのヒリヒリするような暴力の予感に興奮していたが、ふと尚子の部屋に入っていく足音を耳にした。

依子が尚子の部屋の襖をあけると、そこにはおぞましい光景が広がっていた。

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『ババヤガの夜』登場人物&相関図

登場人物

新道依子・・・生花店の配達中にヤクザと喧嘩をしてしまい暴力団興津組に拉致され、尚子の運転手兼ボディガードをすることになる。女性だが屈強な肉体を持ち喧嘩が異常に強く暴力性を内に秘めている。赤茶けた髪と薄茶の目をしている22歳。
内樹尚子・・・内樹會会長の一人娘。大学生。
内樹源造・・・関東最大規模の暴力団興津組の直参内樹會の会長。尚子を座敷犬のように愛でる。妻は若頭の情夫と家出し、二人を血まなこになって探している。
柳永洙・・・内樹會の若頭補佐。韓国にルーツがある。依子の腕っぷしの強さを見込み尚子のボディーガードとして興津組に連れてくる。
西・・・内樹源造の部屋住み。依子が気に喰わず嫌がらせを行う。
隅田・・・内樹源造の部屋住み。
宇田川剛・・・内樹尚子の婚約者。内樹源造の兄弟分。豊島興業の組長。残虐で人をいたぶることが大好きなサイコパス。
芳子・・・化粧工場で検品の仕事を行う中年女性。正と共に夫婦を装い生活している。
斉藤正・・・小さい家具製作所の腕の良い職人。

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相関図

※無断転載禁止

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『ババヤガの夜』結末ネタバレ

叙述トリック

本作は、依子が尚子のボディーガードになるパートと逃亡生活をおくる芳子と正という中年男女のパートが交互に出てきます。

読者はヤクザの追手から逃げて潜伏する芳子と正が、尚子の母と情夫だと思いこんでしまうのですが、これはミスリード。

芳子と正は、依子と尚子の5年後~20年後の姿なのです。

尚子の母親は内樹由紀江柴崎政男という名で、内樹が可愛がっていた若頭の政男は“マサ”と呼ばれていたこことから、正が“マサ”だと思ってしまいますよね。

また、正は読みが“ショウ”であり、尚子“ショウコ”の読みと同じになっているとこからも、正は男装して年をとった尚子だと後から分かります。

逃亡生活の結末

父である内樹が娘の尚子の体を弄んでいるところを目撃した依子は、とっさに内樹の首にボールペンを刺し眼球に指を入れてしまう。

それでも反撃しようとする内樹に尚子が弓を放ちとどめを刺した。

依子はすぐに尚子の手をとり、柳との対決を制して雨のなか逃走した。

2人の潜伏先や名前を変えながら逃亡生活は40年にもおよび、依子は60代、尚子は女を捨て中年男性の姿になっていた。

そんななか宇田川とその舎弟が追手として現れるが、宇田川は病に侵されあの頃の勢いはなくなっていた。

尚子が矢じり先を宇田川の股間に狙いを定めると、宇田川は観念したようにうなだれた。

そして依子と尚子は彼らの車で去ろうとするが、宇田川が銃口を尚子に向けて撃った。

尚子の太ももから血が流れだした瞬間、土砂崩れが起こった。

それからしばらく経った頃、依子は海沿いの道をカートに乗せた尚子を押しながら歩いていた。

二人はかつて約束した「鬼婆になる」という夢を叶えるため、依子の故郷である北海道で暮らそうと笑った。

しばらくするち尚子は静かになった。

「尚子さん、お嬢さん。寝ちまったの……尚子」

依子には寄せては返す波の音だけが聴こえていた。

『ババヤガの夜』感想

野獣のような女が、束でかかってくる血気盛んな男たちを相手に暴れまくる…冒頭から暴力と狂気の渦に引き込まれた『ババヤガの夜』。

ババヤガとはスラブ民族に登場する子供を食べる恐ろしい魔女です。

北海道の僻地で祖父母に育てられた依子は、祖父より実戦で使える暴力の技術を教え込まれ、18歳になる頃には熊しか喧嘩相手がいなくなったほどの逸材。

そんな依子が出会ったのが儚く今にも消えてしまいそうな令嬢・尚子。

同じ女性とは思えないほど正反対の二人が心を通い合わせ、友達や恋人など型にとらわれない関係を築いていく姿がとても良かったです。

依子も尚子も特殊な環境で育ったがゆえに社会に馴染めなないはみだし者で、行きつく先が地獄と分かっていながらも、二人が手を取り合って運命に抗おうとする姿に胸が熱くなりました。

名前の読みや時間軸のズレの仕掛けが織り込まれ、スピード感あるバイオレスアクションにページをめくる手が止まりませんでした。

また、読者の性の固定概念に気づかせてくれる王谷晶さんらしいトリックも素晴らしかったです。

突き抜けた暴力シーン、魅力的な登場人物…まるでタランティーノ映画のようなスタイリッシュさを感じる作品でしたので、Netflixあたりで映像化される日日も近そうです。

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