『太陽は動かない』原作のあらすじ・ネタバレ!ラストの結末
映画化される『太陽は動かない』原作のあらすじと結末ネタバレをご紹介します。
『太陽が動かない』は、『怒り』『悪人』などで知られる吉田修一さんによる同名小説が原作です。
ただ、組織や多くの人間が複雑に入り組んだ、ストーリ―となっていますので、なるべく分かりやすく簡潔にお伝えしたいと思います。
『太陽は動かない』原作の登場人物
映画版『太陽は動かない』キャスト・相関図は⇒こちら
◆鷹野一彦・・・AN通信情報部情報員。31歳。
◆田岡亮一・・・AN通信情報部情報員。鷹野の部下。
◆風間武・・・AN通信情報部部長。鷹野の上司。ある事件により車いす生活をおくる。
◆青木優・・・AN通信上海支局の文化記者。
◆北園富美子・・・風間の自宅で働く家政婦。
◆AYAKO・・・謎の美女。
◆デイビット・キム・・・鷹野の商売敵の韓国人エージェント。
◆アンディ・黄・・・香港トラスト銀行頭取。
◆ジミー・オハラ・・・中国国営総合エネルギー巨大企業CNOX社員。
◆アラン・ホワイト・・・大学教授。スタンレー情報コンサルティング顧問。
◆張豪(ジャンハオ)・・・中国雑技団を主宰。闇社会の情報通。鷹野を助ける。
◆張雨(ジャンユウ)・・・雑技団員。鷹野と行動を共にする。
◆シャマル・・・ウィグル反政府過激組織の首領。武闘派。
◆一陣風・・・アジアで人気のある中国人歌手。
◆グォジェン・・・中国共産党の若手政治家。
◆中尊寺信孝・・・元自民党代議士で政界の重鎮
◆五十嵐拓・・・民主党の代議士。静岡県選出の一回生議員。
◆丹田康祐・・・五十嵐の第一秘書。元は大学の後輩。
◆松野香織・・・五十嵐の高校の同級生で、現在は不倫関係にある
◆広津一義・・・静岡県御殿場市で医療器具の製造工場を経営。
◆広津陸・・・一義の息子。機械いじりが得意。
◆小田部憲三・・・京都大学教授。マイクロ波研究の第一人者。
◆小田部和子・・・・憲三の妻。
◆小田部菜々・・・憲三と和子の一人娘。
◆河上満太郎・・・日本の大手電機メーカーMETの取締役。
◆河上麻子・・・満太郎の妻。亡くなった息子を鷹野に重ねあわせてみる。
『太陽は動かない』原作のあらすじ
油田の利権争い
ベトナムの油田開発の利権争いが行われるなか、サイゴン病院に入院していたCIAの連絡係だった真島裕之が、何者かに射殺された。
サイゴン病院での銃撃事件がニュースで流れ始めた頃、鷹野はパークハイアット・サイゴンのレセプションパーティーに潜入していた。
そこには、米国大使館夫妻をはじめ、そうそうたるメンバーが招待されており、鷹野の商売敵である韓国人エージェントのデイビット・キムやアンディ・黄のパートナーAYAKOの顔も見える。
AN通信は、表向きはアジアのネットニュースを扱う小さな会社を装いつつ、裏では国や企業などの情報をエージェントがあらゆる手段で手に入れ、売買している。
AN通信のエージェントは裏切り防止と情報漏洩の防止から、心臓に起爆装置が埋め込まれ24時間ごとに本部に連絡しなければ、爆死させられるという命がけの任務背負っている。
そして、エージェントの鷹野一彦と田岡亮一は、今回 ジュンガル油田の利権争いと、サイゴン病院襲撃事件の関連を探り、機密情報を手に入れ高値で売買するという司令を受けている。
鷹野がパーティーで手に入れた情報から推測すると、ウイグル自治区にある「新源(しんげん)石油」は中国政府を無視し、日本の「興和」と韓国の「南星」と提携し、新しい油田の共同開発を企ていた。
一方で、日本や韓国と提携する地方財閥・新源石油の暴走を食い止めるため、中国政府とCIAはウィグル過激派に依頼し、 天津スタジアムの爆破を計画していた。
爆破成功が実現すれば、ウィグル民族の現状が露見し、世論の批判がウイグル新源石油に向かう。
そうなると「興和」と「南星」の提携を断念せざる負えなくなり、ウイグル新源石油は孤立し、中国中央政府が主導して油田開発を行うことができるのだ。
しかし、鷹野には一つ気になることがあった。
中国大手企業CNOX(中国海洋石油)のトップと、CNOX側の香港トラスト銀行頭取・アンディ黄が油田の利権争いに名乗りを挙げていないことだ。
アンディ・黄にいたっては、 油田よりも魅力的なものを狙っているとも考えられる。
AN通信ホーチミン支局に戻った鷹野は田岡と共に、上司でAN通信情報部部長・風間武に、これまでの情報を報告した。
3人で検討した結果、「興和」「南星」にこれまでの情報を売るよりは、ウィグル過激派のリーダーに中国政府の介入を知らせ、「興和」と「南星」に寝返ってもらい、両者を引き合わせる形で、興和と南星側に金の交渉をして高く売った方が良いという結論となった。
上海でシャマルと交渉
次の日、鷹野と田岡は上海に飛ぶと、現地ではAN通信の青木優という女性が迎えてくれたた。
彼女は、AN通信の裏の仕事は全く知らない いわばダミーの社員だが、運転が恐ろしいほど荒く、ホーチミン支局の女の子とは違う雰囲気を持っている。
鷹野は早速、中国雑技団を主宰し、闇社会の情報通である張豪(ジャンハオ)の元を訪ねた。
鷹野からこれまでの話を聞いた張豪だったが、すでにデイビット・キムに鷹野の知っている情報を流すように交渉されていた。
しかし、鷹野は倍の金を支払うことで張豪からの協力を得て、ウィグル反政府過激組織の首領・シャマルという女性に会えることになった。
シャマルは、薄い色の瞳を持つ冷たく美しい女性だった。
鷹野はシャマルに「今回の爆破事件を実行しても、新源石油は日韓両国の別の企業と提携することになっています。あななたちは関係のない天津スタジアムの観客たちをころすだけで、新源石油にダメージを与えることはできない」と伝えた。
しかしシャマルは聞く耳を持たず「私たちが爆破を中止しても日韓企業が助けてくれることはないでしょう。新源石油の計画を阻止できなくても、次の段階でまた潰せばいいもの。」と答えた。
ウィグルの悲しみと共に闘っているシャマルと、鷹野との交渉は 決別する形で終了した。
一方、鷹野と別れホテルに戻っていた田岡は、部屋でくつろいでいたところ、部屋に訪ねてきた何者かに拉致されてしまった。
連絡がとれなくなった田岡を不審に思った青木優が、田岡の部屋に入るとヒドイ刺激臭と、田岡の見たこともない機種の携帯電話が残されていた。
そんななか、ホテルに戻ろうとしていた鷹野の前に、田岡を拉致した男たちが現れた。
連れられていった場所には、鷹野が情報を売ろうとしていた「興和」の上海支社長・新井と、「南星」のアジア支社長・パクが待っていた。
彼らはデビット・キムから爆破計画を知らされ、シャマルと鷹野の交渉の成功を期待していた。
しかし、それが失敗したことを知り、鷹野にもっと本気でシャマルと交渉して爆破を阻止してもらおうと田岡を人質にとったのだ。
さらに田岡は、三日後に爆破されるとされる天津スタジアムに運ばれる予定で、鷹野が爆破阻止しなければ田岡は爆死してしまう。
とりあえず、田岡が生きていることを本部にいる風間に知らせなければ胸の起爆装置が発動してしまうので、青木の力を借りて田岡に似ている男を探し顔を殴り「田岡は薬物中毒でケガをして入院している」と写真を添えてメールで連絡した。
天津スタジアム爆破の日
爆破予定の当日ー。鷹野は張豪の組織の若手・張雨(ジャンユウ)を連れて天津スタジアムに潜入した。
シャマルは、サッカーの試合で国歌を歌うことになっているアジアで人気の中国人歌手・一陣風(イッジェンフォン)のスタッフとして爆破計画を進めていた。
そして爆破時刻まで残りわずかというところで、一陣風のスタイリストが、恐怖に耐えきれず「みんな逃げて!ここに爆弾が仕掛けられている。」とパニックを起こした。
それを聞いた人たちに次々と恐怖が伝染し、人々は大混乱のなか避難を始めたため、シャマルの爆破計画は予定通り行われたが、死人は出ず、被害は最小限で済んだ。
一方で、鷹野と張雨は、スタジアムの地下のごみ集積所で、かろうじて息をしている 田岡を発見し助け出した。
鷹野たちが車に乗り込み発車しようとすると、シャマルが前に立ちふさがり「取引よ!損はさせない」と叫んだ。
鷹野はシャマルに「乗れ!」と言い、スタジアムから連れ出してやるのだった。
次の章では、『太陽が動かない』のネタバレ・結末を含む記載があります。まだ小説を読んでいない方や結末を知りたくない方はご注意下さい。
『太陽は動かない』原作ネタバレ!結末はここから
デイビットとAYAKOの協力
鷹野たちがジュンガル油田の利権争いに巻き込まれいるなか、東京ではデイビット・キムとAYAKOが顔を合わせていた。
デビットが「CNOXやアンディ・黄が、今回のベトナム新油田に関わっていないのはなぜなんだ?」と問うと、AYAKOは「もし彼らが油田よりも、もっと良いものを狙っていたら、どうする?」と意味深に答えた。
デイビットは、その情報に興味を持ち、AYAKOと協力することを決めた。
その頃、鷹野の部屋に青木優が訪れ「私も、鷹野さんと同じ仕事がしたい。私の父は情報戦に負けて生き残れずに自殺しましたが、再チャレンジしなかった父を恨んでいます。私は勝つ側の人間になりたい。何でもやります。」と言い出した。
鷹野は試すように「じゃ、そこで今すぐ服を脱いでみろ。」というと、青木は震えながらも一糸まとわぬ姿になった。
鷹野は一言「無理だな。」と話し、青木を追い出した。
CNOXの陰謀
ある日、鷹野は、日本国内最大大手電機メーカーである「MET」の取締役・河上満太郎に呼び出されていた。
「MET」はここ最近、自然エネルギー事業に力を入れており、大規模な太陽光発電事業の中でも、太陽の光がない時でも蓄電しておける、 蓄電池技術に力を入れていた。
しかし、この情報が日本の原子力推進派の政治家や電力会社に知られてしまうと、潰される恐れがあるので、資本力のあるCNOXと提携事業を結びたいと言うのだ。
鷹野はこの依頼を受けたが、1つ気になる点があった。
CNOXはなぜ今さら新しい油田には手を出さずに、目新しくもない太陽光発電事業を、日本の大手電機メーカー『MET』と組もうとしているのかという点だ。
これについて調査した鷹野は、CNOXの真の目的を知ることになった。
それは「宇宙太陽光発電」で、宇宙に衛星を飛ばし衛生の羽の部分に太陽光を集めて、それを地球に送るというものだ。
CNOXは フェイクで、METと太陽光発電事業を進めるフリをしながら、蓄電池技術だけを頂こうと企んでいたのだった。
日本ではすでにフェイクであるCNOXとの太陽光発電事業が、政治家や内閣をを巻き込み国家プロジェクトとて進められており、今さら後戻りできない状況になっていた。
CNOXは、旧式の太陽光発電事業を広げておいて、中国で宇宙太陽光発電を大々的に発表し巨万の富を得ようとしているのだ。
これにより、エネルギー事業でトップを走っていた日本は、二流、三流の国にまで落ちぶれてしまうと予想された。
そのCNOXが進める宇宙太陽光発電に必要なものは3つある。
①人工衛星
②地上の受信装置(レクテナ基地)
③マイクロ波技術
中国側はすでに人工衛星とレクテナ基地は保有しており、 ③のマイクロ波技術だけは日本が保有していた。
もし、日本のマイクロ波技術が中国の手に渡れば、日本はエネルギー事業の敗北国となる。
そのマイクロ波研究の第一人者は、京都大学の小田部憲三 教授だった。
デイビットが小田部教授に接近
韓国エージェントのデイビット・キムは、その小田部教授の娘に接近していた。
その目的は、小田部憲三の開発した太陽光をマイクロ派に変換して地上へ送る実験が、日本の種子島で予定しており、それを中止させること。
この日本政府の実験が成功すれば、宇宙太陽光発電が現実味を帯びてきて、大手企業やMET側に付けなかった政治家が、この計画を推し進めようとする。
そうなると中国のCNOX側は、日本のマイクロ波技術が手に入らなくなり、先を越されてしまう恐れがあるから困るのだ。
そのためCNOX側のデイビット・キムは、小田部教授の娘・菜々を騙し、小田部教授に種子島の衛星打ち上げを中止させた。
鷹野のカウントダウン
鷹野と張雨は中国のレクテナ基地をヘリで視察していたが、二機のヘリに撃たれ何とかパラシュートで助かるも、CNOX側の人間であるジミー・オハラに拉致されてしまった。
ジミー・オハラは残忍な人間であり、「AN通信の人間は、毎日正午に居場所の確認が取れないと自爆するそうじゃないですか。目の前で爆死する人間を一度見たかったんですよねぇ。」と言った。
何もできないまま時は過ぎ、鷹野の胸の起爆装置が爆発するまで、あと7分となった。
その時、大型ダンプカーで轟音と共にシャマルが助けにきてくれ、鷹野は何とか爆死を免れたのだった。
発明品
民主党の代議士で静岡県選出の一回生議員の五十嵐拓は、高校の後輩であり、医療器具の製造工場を営む・広津一義の息子の陸から 新型太陽光パネルの発明について相談されていた。
その太陽光パネルは、従来の太陽光パネルに比べ性能は100倍で、チラシ一枚の大きさで家一軒分の電力をまかなえる画期的なものだった。
広津陸は、国家レベルの事業で使ってほしいと国会議員の五十嵐に頼んだのだった。
五十嵐がこの太陽光パネルを売る選択肢は、
①中国のCNOX(AYAKO)
②日本のMET(鷹野)
だった。
秘書の丹田は、莫大な利益の出るCNOX側に売ろうと提案したが、それは日本を裏切ることになってしまうと五十嵐は迷っていた。
しかし、日本側に売ったとしても中国には勝てない。
そこで五十嵐は太陽光パネルを日本側で生かすために、鷹野と田岡に接触することにした。
鷹野は、「METと手を組み、日本で宇宙太陽光発電の開発を進める道も残されている。」と言い、それを聞いた五十嵐は興奮した。
鷹野たちと五十嵐が話をしている最中、なんとそこにAYAKOが姿を現した。
AYAKOは、「あなた方が会う約束を青木優が知らせてくれてね。彼女は今、 私の下で働いているの」と言った。
そして五十嵐に「太陽光パネルのご連絡おまちしております。」と名刺を置いて立ち去った。
鷹野に捨てられた青木優は、拾った田岡の携帯の暗号を解読し、情報を得ていたのだった。
サンフランシスコ
五十嵐は、太陽光パネルを鷹野が提案するMETに売る決断をした。
しかし、秘書の丹田は、五十嵐の青臭い考えに納得できず、勝手にAYAKOと連絡をして広津陸とAYAKOを引き合わせていた。
丹田の独断で決められたこととは知らず、広津は信頼する五十嵐の提案だと信じAYAKOとアメリカのサンフランシスコに飛んだ。
AYAKOは、太陽光パネルの存在をアンディ・黄には報告せず、CIAのアラン・ホワイトを通じて アメリカに売ろうと企てていた。
待ち合わせ場所に着くと、そこにはアンディ・黄の手下が待ち構えており、AYAKOと広津は拉致されてしまった。
その頃、五十嵐は、顔見知りだった中国共産党の若手政治家・郭健(グォジェン)と会っていた。
鷹野は、今から日本が宇宙太陽光発電を始めるには遅すぎるので、有利な条件で中国の宇宙太陽光の計画にMETを参入させようと考えていた。
そのため、入手したCNOX内部の賄賂資料を五十嵐から郭健(グォジェン)に渡してもらい、中国共産党幹部とアンディ・黄を収賄罪で逮捕してもらおうと考えたのだった。
焦るアンディ・黄
順調に計画が進み、新エネルギー事業へのフィクサーを確信していたアンディ・黄の元に、CNOXに力を貸していた政治家たちに収賄の嫌疑がかけられるとの情報が入ってきた。
後ろ盾になってくれている政治家が消えてしまうと、CNOXと対立する政治家が変わりについてしまう。
そうなっては、宇宙太陽光事業からアンディ・黄が率いる香港トラスト銀行は締め出されてしまう。
焦ったアンディ・黄は、政治家たちが逮捕されてしまう前に宇宙太陽光発電を発表してしまおうと考えたが、別の計画で大津の太陽光パネルが採用されてしまうと脅威になる恐れが出てきた。
部下であるジミー・オハラは、「だったら、太陽光パネルと情報を知っている人物をまとめて海に沈めてしまえばいいんですよ。」残忍な提案をした。
ちょうど広津とAYAKOは、太陽光パネルと共にコンテナ船に乗せられ東京からマニラに運ばれようとしていたのだ。
アンディ・黄は、すぐにコンテナ船を沈没させるよう指示を出した。
救出
海上のコンテナ船にAYAKOと広津がいることを突き止めた鷹野と田岡は、古い廃船で救出に向かった。
銃撃戦の末に、コンテナ船に乗り込みAYAKOと広津を見つけるも、船は沈みかけていた。
一か八かで、鷹野たちは船から冷たい海に飛び込み、出来るだけ遠くに泳いだ。
すると海上からヘリの音が聞こえ、救命胴衣が落とされ、上を見ると、そこにはデイビット・キムの姿があった。
鷹野はほっとした横顔のAYAKOに「助けた礼はしてもらうぞ。」というとAYAKOは「誰が頼んだ?」と憎まれ口をたたいた。
鷹野の過去
その頃、五十嵐は、AN通信という組織がどんなのものなのか突き止めるために、軽井沢の風間武が住んでいる別荘に立っていた。
そこで風間から、鷹野の出自について書かれたファイルを渡された。
4歳の鷹野は2歳の弟と母親と小さなワンルームマンションに住んでいたが、母親は子どもを捨てて男と出ていってしまった。
見つかった頃には、鷹野のはどうにか生きたものの、弟は餓死をしてしまっていた。
AN通信で働いている諜報員は、虐待死したと伝えられた子どもで、AN通信はその子どもたちを引き取るかわりに厳しい訓練と組織への服従を強いてるのだった。
五十嵐は、嗚咽を漏らしながら泣き崩れた。
結末とエピローグ
鷹野と田岡はモンゴルにいた。
田岡は、今回の一件で不思議に思うことがあった。
「鷹野さん。なぜあのAYAKOの動きが全部分かってたんですか?」すると鷹野は「ちょうど、その理由がこっちに向かってきてるよ。」と言うと、白馬に乗った青木優がやってきた。
実は、鷹野に部屋から追い出された青木優は、半裸で廊下でドアを叩き続けたため、鷹野は仕方なく仲間にしたのだった。
鷹野は、その 青木優をAYAKOに送り込み情報を収集していたのだった。
そして、これまでの次世代エネルギー争奪戦の結果が朝刊に載った。
METは5日、中国国家化工集団との間で、次世代太陽光発電(宇宙太陽光発電)分野での業務提携で基本合意したと発表した。
もともと宇宙太陽光発電計画は中国の総合エネルギー企業CNOXによって進められていたが、先月CNOX側からの収賄容疑で太和グループの幹部が解任、党籍はく奪処分を受けたことにより、業務計画がそのままこの中国国家化工集団に引き継がれていた。
今回の提携でMETは京都大学で開発されたマイクロ波送信技術および、新型高性能太陽光パネルを提供し、4年後の実用化をめざす
鷹野たちの死闘が夢だったのかというような短い文章だった。
METと手を組んだ鷹野たちの仕事は、成功し幕を閉じた。
最後に
吉田修一さんの作品のなかでも、かなりエンターテイメント性の高い作品である『太陽は動かない』。
2021年には藤原竜也さん、竹内涼真さんにより映画化もされますので、期待が高まります。
映画版『太陽は動かない』キャスト・相関図は⇒こちら
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