ナイル殺人事件(1978)相関図キャストとあらすじ〜結末ネタバレ

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アガサ・クリスティによる名作『ナイルに死す』が、2020年にケネス・ブラナー監督によってリメイクされます。

そこで今回は、予習のためピーター・ユスティノフがポアロを演じた1978年『ナイル川殺人事件』のキャスト・相関図・あらすじから結末ネタバレをご紹介いたします。

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『ナイル殺人事件』相関図

※無断転載ご遠慮ください。

『ナイル殺人事件』キャスト一覧


エルキュール・ポアロ

演・ピーター・ユスティノフ
私立探偵。これまでに数々の難事件を解決してきた名探偵。神経質でこだわりが強い。

リネット・ドイル

演・ロイス・チャイルズ
アメリカ生まれ。多額の遺産を相続した若き富豪。親友のジャクリーンの婚約者を奪い結婚。

サイモン・ドイル

演・サイモン・マッコーキンデール
ジャクリーンの婚約者だったが、リネットに乗り換え結婚。

ジャクリーン

演・ミア・ファロー
親友に婚約者を奪われ、嫉妬から二人を付け回すように。

ルイーズ

演・ジェーン・バーキン
リネットのメイド。婚約者がいたが持参金が必要で、約束の5年間の奉公が終わり、給料を請求するが断られる。リネットに婚約を破談させられ恨みがある。

アンドリュー

演・ジョージ・ケネディ
リネットの叔父で財産の管理者。リネットが結婚をしたことで、横領した金がばれないか焦っている。

マリー・スカイラー

演・ベティ・デイヴィス
富豪の老婦人。熱狂的な宝石収集家。リネットが持つ、高価な真珠のネックレスを欲しがっている。

バウァーズ

演・マギー・スミス
スカイラーの看護師。使用人の階級ではないためスカイラーと喧嘩が絶えない。リネットの祖父により父が破産に追い込まれた過去を持つ。

サロメ

演・アンジェラ・ランズベリー
作家。「色情狂のメスヒヒ」と称してリネットをモデルに小説を書くが、名誉棄損で訴えられる。アル中。

ロザリー・オッタボーン

演・オリヴィア・ハッセー
サロメの娘。母親想い。母を侮辱されたことや、美しく恵まれたリネットに嫉妬している。

ジェームズ・ファーガスン

演・ジョン・フィンチ
資産家でありながら、その財産を捨て社会主義者になった。ブルジョア階級を憎悪。ロザリーに好意を抱き結婚を申し込む。

ベスナー医師

演・ジャック・ウォーデン
スイスに研究所を持つ医師。リネットの親友がその研究所で廃人同様の状態にされてしまい藪医者呼ばわりされ恨んでいる。

ジョニー・レイス大佐

演・デヴィッド・ニーヴン
ポアロの友人。捜索に協力。

『ナイル殺人事件』あらすじ

略奪婚

アメリカ生まれのリネットは多額の遺産を相続し大富豪となりました。

人々は彼女を「太陽のように光輝く女」と称し羨望と嫉妬の目でみていいました。

そんな中、リネットの元に、親友・ジャクリーンが「婚約者のサイモン・ドイルが失業したので手を貸してくれないか」と相談にやってきます。

しかし、リネットはハンサムなサイモンを見るなり恋をしてしまい、サイモンも、リネットの美貌と金に目がくらみ、ジャクリーンを捨て、リネットに乗り換え電撃結婚をしてしまうのでした。

親友に婚約者を奪われたジャクリーンは嫉妬にかられ、二人を付け回し暴言を吐いたり、嫌がらせをするようになり、ついにはエジプトのハネムーン旅行にまでやってきます。

それから、サイモン・ドイルとリネットは、逃げるようにナイル川の豪華客船の川下りに参加したが、どこから聞きつけたのか、そこにもジャクリーンが姿を現します。

ドイル夫妻はジャクリーンの付きまといに、恐怖といら立ちを覚え、偶然居合わせた私立探偵のエルキュール・ポアロに「ジャクリーンを遠ざけてほしい」と依頼しますが、ポアロはそれを休暇中だとして断りました。

ポアロはジャクリーンに「愛のために身を亡ぼすのはおやめなさい。あなたには未来がある」と諭すも、ジャクリーンは「これは運命なの。止められない。」と聞く耳を持ちません。

豪華客船の乗客は他に、ポアロの友人レイス大佐、リネットの叔父で管財人のアンドリュー・ペニントン、リネットのメイドであるルイーズ・ブルジェ、富豪の老婦人マリー・ヴァン・スカイラーとその使用人バウァーズ、作家サロメ・オッタボーンとその娘ロザリー、社会主義の青年ジェームズ・ファーガスン、そしてスイスの医師・ベスナーなどリネットと関係する訳アリの人間が乗り合わせていました。

事件発生

夕食後、船内のサロンには、サイモンとリネット夫妻、そしてジャクリーンとジャクリーンに引き留められたロザリーが残っていました。

酩酊状態になったジャクリーンは、サイモンを非難し罵りはじめ興奮したあげく、銃でサイモンの脚を撃ってしまいます。

サイモンは大ごとにしたくないと、ロザリーにリネットを客室に連れていくように指示をし、そこに社会主義の青年・ファーガスンもやって来て、事態の収拾に協力します。

ロザリーとファーガスンは、取り乱し自殺をほのめかすジャクリーンに付き添ってもらうためスカイラーとその使用人バウァーズを呼んだり、ベスナー医師に、サイモンの治療を頼みます。

その後、ファーガスンはサロンに戻り、ジャクリーンが落とした銃を探しにいきますが、その銃は無くなっていました。

次の日の朝、リネットのメイドのルイーズの叫び声が響き渡ります。

船室のベットで、リネットが首を撃たれ、変わり果てた姿で発見され、壁には血で「J」の文字が残されていました。

リネットを撃ったのは誰か?ジャクリーンの銃はどこに消えたのか?「J」の文字の意味するものは?

以下からネタバレを含みますので、まだ作品を見ていない方や結末を知りたくない方はご注意下さい。

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『ナイル殺人事件』結末ネタバレ

捜査開始

すぐに、ポアロと友人のレイス大佐が捜査に乗り出し、

・リネットは銃を直接押し当てられ撃たれていた
・犯行時刻は0時から2時の間
・殺害に使われた銃は小型
・壁には「J」という血文字が残されている
・リネットの真珠のネックレスが消えている

ということが分かりました。

恋人を奪われ、サイモンに銃を発砲したジャクリーンが一番怪しいのですが、ジャクリーンは昨夜から朝にかけて、ずっとバウァーズに付き添われていたというアリバイがありました。

ポアロは、凶器や現場の状況から、何者かがジャクリーンに罪をきせようとしているのでは…と推測します。

犯行時刻にアリバイのあるジャクリーンと、脚を負傷し動けないサイモンは容疑者から除外されました。

それ以外の乗客には明確なアリバイがなく、全員リネットに何らかの恨みがあり、動機のある人物でした。

ポアロが一番不可解だったのは、ジャクリーンがサイモンを撃った銃がなぜ無くなってしまったかということでした。

すると…ナイル川の底から、ジャクリーンの銃と、血のついたハンカチ、灰皿、がストールにくるまれて発見されたのです

第2、第3の事件発生

脚を負傷し寝たきりになっているサイモンは、ポアロに頼み「ジャクリーンと話がしたい。彼女は僕を撃って罪の意識に苛まれている。謝らせてあげたい。」と言います。

そしてポアロを気をきかし、ジャクリーンを呼び、サイモンと二人きりにさせてあげるのでした。

銃が発見されてまもなく、リネットのメイドのルイーズが紙幣の切れ端を握りしめ、ベスナー医師のナイフで刺され殺されてしまいます。

それと同時に、作家のサロメが、ルイーズを殺した犯人を見たと言い出し、ポアロの元にやってきます。

そして「その犯人は…」と言ったところで、船室のドアの外から銃で撃たれ亡くなってしまいました。

短い間に行われた犯行に、驚くポアロでしたが犯人の目星はついていました。

そして、ポアロは乗客を全員サロンに集め、自身の推理を披露し、犯人を明らかにすることにしました。

犯人

まずポアロは、犯人が銃を隠したのは「殺害以外に発射された、未知の一発を隠すためだった。」と言います。

そして、「犯人はサイモン。あなたです。」告げました。

まずジャクリーンがサイモンの脚を撃ったのは、偶然ではなく計画的なものでした。

ジャクリーンが撃った弾は、サイモンの脚には当たっておらず、ハンカチにインクを染み込ませ、あたかも血が出ているように見せていました。

そして、ロザリーがジャクリーンを船室まで連れていくのを見届けるや、急いでリネットの部屋へ走り射殺。

リネットの指に血をつけ「J」という文字を書きました。

すぐに、またサロンに戻り、今度はストール越しに自身の脚を撃ちぬき、用意した別のカートリッジを入れ、2発しか撃っていないように見せかけ、銃、ハンカチ、灰皿をストールに包み川へ投げ入れたのです。

そして、ポアロは、犯人はサイモンだけではなく共犯者がおり、首謀者はジャクリーンだと明かしました。

サイモンとジャクリーンは、今も愛し合っており、金に困っていたためリネットの相続金を奪う計画をたてました。

ジャクリーンは、サイモンとリネットを引き合わせ結婚させ、殺害し、夫となったサイモンにリネットの莫大な遺産を相続させようとしていたのです。

しかし、二人の計画に邪魔が入ります。リネットのメイド・ルイーズです。

ルイーズは、サイモンとジャクリーンの計画を知り、バラされてたくなければ金をよこせと脅し、婚約者への持参金にするため、ジャクリーンから金を受け取りました。

そして、金を数えているところを、ジャクリーンによって殺害されました。

また、作家のサロメはジャクリーンが犯人だと気づき、ポアロがいるサイモンの部屋にやってきます。

サイモンはとっさの機転を聞かし、ジャクリーンに聞こえるように「サロメさん!あなたは妻をころした犯人を見たんですか!」と大声を出します。

それに気づいたジャクリーンは、急いで銃を取りに行き、船室の外からサロメを射殺しました。

結末

ポアロの見事な推理に、追い詰められた二人は、犯行を認めます。

「ごめんよ。ジャクリーン。」

「いいのよ。サイモン。愚かなな勝負をして、あたしたち、負けただけよ。」

そして、乗客たちは、次々と下船をしてききます。

そして、ジャクリーンはポアロに、「もう二度と会えないかもしれないからキスをさせて。」というと、担架に乗せられたサイモンの傍にいきキスをします。

それと同時に、隠し持っていた銃で、サイモンと自分を撃ち、自殺をしてしまうのでした。

一緒に捜査に当たっていたジョニー・レイス大佐は「ポアロさん。あなたは知っていて…」というと、ポアロは「単純には割り切れません。」と答えるのでした。

2020年版『ナイル殺人事件』相関図・キャスト・あらすじは⇒こちら

最後に

『ナイル殺人事件』は、サイモンを愛するリネット、リネットを愛するふりをしてジャクリーンを愛するサイモン、サイモンを愛するジャクリーンという歪んだ偽りの三角関係の上に、莫大な遺産が絡んだ犯罪でした。

やはり、一番悲しい結末となったのは、光り輝くような美しさと財産を持ちながら、愛されずに亡くなったリネットではないでしょうか。

この『ナイルに死す』は、アガサクリスティーの作品のなかでも、1,2を争う傑作ですので、ぜひ気になった方は見てはいかがでしょうか。

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