『カンパニー』ネタバレ!原作のあらすじから結末まで

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小説『カンパニー』は、会社でも家庭でも戦力外通知を受けたサラリーマンが、レッスン(努力)&パッション(情熱)&カンパニー(仲間)で、バレエ団の公演の成功を目指すお仕事作品です。今回は、2021年に井ノ原快彦主演でNHKでドラマ化も決定している『カンパニー』のあらすじから結末までをご紹介いたします。
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『カンパニー』あらすじから結末までネタバレ!

登場人物

青柳誠一・・・47歳。有明F&Pの窓際部署キャリア創造支援室に出向となった会社員
瀬川由衣・・・有明F&Pのキャリア創造支援室に出向。高野のトレーナーを任される。
高野悠・・・世界的に活躍するバレエダンサーで有明F&Pのイメージキャラクター。
高崎美波・・・敷島バレエ団のダンサー。実力があるが本番に弱い。
水上那由多・・・ボーカル&ダンスユニット「バーバリアンJ」の2軍に所属するパフォーマー。バレエ歴4年。
有明紗良・・・有明F&Pの社長令嬢。バレエをやっており親のコネで主役を獲得。
長谷山蒼太・・・敷島バレエ団の若手団員。
脇坂英一・・・有明F&Pの取締役。
山田正芳・・・有明F&P健康増進課、アスリートを支援する部署を統括。
敷島瑞穂・・・敷島バレエ団主宰。高野悠のかつてレッスンする。
田中乃亜・・・敷島の秘書。
青柳悦子・・・誠一の元妻。

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突然の出向

有明製薬の総務畑を25年間歩んできた47歳の青柳誠一は、入社当時の上司で現在は取締役でもある脇坂からバレエのチケットを3枚渡され「行ってきてくれ」と頼まれた。

青柳は、3か月前に家を出ていった妻の悦子と娘の佳奈を誘ったが、案の定 断られたため、両隣に空席を作って最前列でバレエを鑑賞した。最初はバレエに全く興味のなかった青柳だったが、気が付くと何もかも忘れ熱狂したのだった。

次の日、出社してすぐに青柳は脇坂から、「有明製薬」が「有明フード&ファーマシューティカルズ」という社名に変わり、新体制になることから「キャリア創造支援室」の バレエ団への出向を命じられた。この部署への配属は、戦力外通告に等しいことだった。

有明F&Pは、社名変更告知キャンペーンの最後を飾るイベントとして、世界的に活躍するバレエダンサー高野悠の公演を企画していた。そして青柳は“なんでも屋”となり、高野悠、バレエ団、有明F&Pを調整する仕事を任された。もし、公演が成功したならば、本社に戻り、また脇坂の下で働けるという。

突然の出向を受けて、青柳は心の整理がつかないまま、バレエ団=カンパニーの主催者との打ち合わせに同行することになった。

世界の恋人のスキャンダル

青柳は都内の高級ホテルで、敷島バレエ団を主宰する敷島瑞穂と秘書の田中乃亜と挨拶をかわした。

瑞穂は、有明F&Pに今後、支援を打ち切られてしまうと、敷島バレエ団は存続することが出来ずに解散するだろう。これからも支援を続行してもらうために、今回の公演は絶対にハイレベルなものを作りますと力強く語った。

世界的に活躍する高野悠を招いた、年末のバレエ公演は、青柳にとっても瑞穂にとっても、成功しなければ後がないものだった。

そんななか、乃亜が思い出したように「悠を、客室まで起こしに行ってくれませんか。」と青柳に頼んだ。青柳が最上階の高野の部屋に行くと、大きなサングラスをかけた女性が出てきた。

青柳が部屋に入ると、高野が裸でベットにうつぶせで寝ていた。聞けば、シャワーを浴びてる途中に、知らない女性が突然押しかけ押問答しているときに、腰を痛めたようだった。

ユイユイ

瀬川由衣は、元バレーボール選手で、現在は有明F&Pのトレーナーをしている。

瀬川はマラソン選手の鈴木舞の専属トレーナーとして、「マイマイ&ユイユイ」として二人三脚でオリンピックを目指していたが、ある日、舞の妊娠が発覚した。上層部からは、妊娠をあきらめるよう舞を説得しろと言われた瀬川だったが、舞の母になりたい強い思いを複雑な気持ちで受け止め、舞の引退を後押しした。その後、有明F&Pが資金援助した「プロジェクトMII」は解散となり、瀬川は会社での居場所を失った。

そんな頃、瀬川は、有明F&P健康増進課を統括する上司の山田から呼び出された。そこで、バレエ団に出向している青柳と一緒に、年末の公演を成功させるため、 高野悠のトレーナーになるよう指示された。

しかし、高野は「知らない人に自分の体を触られたくない。」という理由から、瀬川がトレーナーになることを断ったが、瀬川は高野の担当になった今、他に仕事はない。そこで、高野が必要としていたドライバーの仕事を引き受けた。

もう1つの白鳥の湖

有明F&Pが資金援助する敷島バレエ団の演目は「白鳥の湖」に決定していたが、高野は青柳に「腰にまだ違和感があり、白鳥の湖を全幕主役として踊り切る自信ががない。」と言った。

高野が出演しないなら、年末の公演は取りやめとなり、カンパニーは解散し、青柳や瀬川も会社を去らなければならない。

そこで高野は、敷島バレエ団の瑞穂振り付けの もう1つの「白鳥の湖」をやってはどうかと提案した。

瑞穂版の「白鳥の湖」は

今の王家に滅ぼされたかつての王家の末裔ロットバルトが、王子の守り役として宮廷に入りこみ、王子を呪い結婚を遠ざけ、世継ぎを作らせないようにしていた。しかし、王子は常に傍にいるロットバルトに、恋をしてしまう。そんなある日、夜の湖でオデットという女性に一目ぼれした王子は、お妃選びのパーティーに来ればオデットに愛を誓うと約束した。ところが当日、オデットだと言って現れたのは黒鳥・オディールだった。王子はオデットに詫びてロットバルトを倒して、彼女の呪いを解こうとする。しかし王子は、恋慕っていたロッドバルトにトドメを刺すことができない。ロッドバルトは王子を抱きしめ、強引に口づけをするようにして首を絞める。王子は哀しげに微笑み湖に沈んでいった。王子が亡くなったあと、ロットバルトは、オデットを伴い湖に向かい王子が沈んでいった場所を見つめる。

という話だった。

そして高野は、準主役である王子を倒錯の愛に誘い込むロットバルトを演じたいと言った。ロットバルトは、高度な技術を必要とするが、主役の王子より出番は少ないので身体の負担は少ないのだ。

しかし瑞穂版「白鳥の湖は」は曰くつきだった。この演目は瑞穂が、バレエダンサーの内縁の夫のために作った作品だったが、彼は ロットバルトの初演後に命を絶ってしまった。それ以来、瑞穂版「白鳥の湖」は封印された。

そのため、亡くなった夫が亡くなる間際に演じたロットバルトを、瑞穂が高野に躍らせるはずがないだろうと考えられた。

青柳の心配をよそに、高野は瑞穂の自宅に向かい、「この作品を世界に送り出したい。僕は負けませんよ。」と直談判した。瑞穂はそんな高野の熱意に負け「そこまで言うのなら、許しましょう。しかし、悠が主役を演じないといえば有明F&Pは許さないでしょうね。」と言った。

青柳は、高野に言われた“黒が優勢でも、隅の対角にもう1つ白を打てば状況は変わるオセロの話を思い出しながら、脇坂に交渉できる案を探し始めた。

高崎美波

ある日、青柳が敷島バレエ団の練習を覗くと、美しく踊る高崎美波というダンサーが目に留まった。

美波は、敷島バレエ団の生徒の中で高野の次に、容姿も技術も申し分のない優秀な生徒だったが、海外留学から帰ってくると精彩を欠いていた。本人も稽古場では上手くやれるのに、本番やオーディションになると人の記憶に残らないことに悩んでいた。

美波は、バレエだけでは食べてはいけないため、アルバイトを掛け持ちしていた。その1つであるコンビニのバイトで、客として訪れていた青柳を以前から知っていたという。

そして美波は青柳に「悠さんが客演してくれる年末の公演に期待しているんです。主役は社長令嬢のバレエダンサー有明沙良さんで決定ですが、他の配役は実力勝負。もし大きな役を掴むことができたら、それをきっかけに 引退しようと考えています。」と打ち明けた。

主役の王子

青柳は、瑞穂版「白鳥の湖」で高野悠が準主役を踊るということを引き換えに、若者に絶大な人気を誇る「バーバリアンJ」の研究生・水上那由多を王子役にすることを会社に提案した。

ボーカル&ダンスユニット「バーバリアンJ」は、有明F&Pの新社名変更のCMで流れている曲を担当しており、そのメンバーが高野悠と踊るとなれば、若い客層も注目し話題になることは間違いなかった。

これが、オセロゲームで青柳が対角に打った白の1枚だった。

しかし高野は、「バレエダンサーではなくアイドルの水上那由多が、少し練習しただけで主役を務められるはずがない!」と反対した。しかし、公演を主宰する敷島瑞穂は「バレエという枠にとらわれる必要はない。華のある那由多さんが王子を演じる。資金も潤沢。 私はこのチャンスを逃したくないのよ。」と乗り気だった。

高野は、芸術性よりも話題性ばかり優先する青柳や瑞穂に嫌気がさし、その場を後にした。

高野失踪

そんななか、青柳と瀬川の元に、アイドルと踊ることになった高野悠は、降板するつもりでウィーンに帰ってしまったと連絡が入った。

それを聞いたトレーナーの瀬川は、いてもたってもいられず飛行機に乗り、高野のいるウィーンに乗り込んだ。高野を見つけた瀬川は「高野さんは大きな才能を持つ人だから、どんどん人が集まって大きなプロジェクトになっています。私や青柳さん、瑞穂先生、バーバリアンJだって高野さんに都合を押し付けてて…そして、現役時代は自分が思っている以上に短い。もしウィーンに戻ってきた理由に身体の不調があるなら、 最後に一度だけケアさせて下さい。」とお願いした。

子どもの頃から他人に身体を触られるのが嫌いだった高野だったが、瀬川の熱意に心を動かされ、ケアを承諾した。瀬川は高野の体をほぐしながら、腰の痛みは以前ケガをしていた膝から来ていることを見つけ、テーピングをして冷やすことで対処した。

そして高野は、降板はせずに、帰国することを青柳に連絡した。

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チケットの売れ行き

「世界の恋人」高野悠の相手役を務めるのがバーバリアン・スピリッツの水上那由多であることが記者会見で発表されると、すぐさまワイドショーに取りあげられ話題となった。

チケットもすぐに売り切れると、誰もが予想した展開だったが、発売開始してもチケットの売れ行きはイマイチだった。

その理由は、

・高野悠は、長時間踊ることができず高額なチケットを購入しても、すぐに降板するだろうという噂があること。
・那由多のファンは中高生が多く、1万円を超えるチケットを買う余裕がないこと。
・本来のバレエファンが瑞穂版「白鳥の湖」、しかも芸能人アイドルが王子を踊ると聞いて購買意欲を無くした。

と考えられた。

そんななか、青柳は離婚した悦子の残していった家財道具をバレエ団の団員に譲ることにした。そのついでに、高野を含む団員たちと話し合いの場を持つことにした。

青柳の自宅に、高野、那由多、敷島バレエ団の若手実力派の長谷山蒼太、社長令嬢で今回のオデットを演じる有明沙良などを含め10名ほどがやってきた。高野は圧力鍋、美波は妻が育てていたサボテンなどを引き取ることにした。

それから、皆で和気あいあいと話していると、SNSを利用して公演の関心を高め、チケットの売り上げを伸ばそうという案が出た。

そこで青柳は「バレエ体操」を作り、その「バレエ体操」を踊った映像をSNSに送ると、審査が行われ入賞すると有明F&Pの商品が贈られるキャンペーンと、企画を活気づけるため有明F&Pの社長以下の上役を踊らせて、SNSで公開するなどの企画書をまとめ、脇坂と瑞穂に提案した。

すぐに、有明F&Pの社長以下の上役が踊る「バレエ体操」をホームページで公開すると、上品な社長の横で、キレの良い動きで踊る山田が話題となり、瞬く間に拡散されていった。

それを境に、「バレエ体操」のコンテスト参加者も増え、ホームページの閲覧数も増えていった。

さらに青柳は、新宿アルタ前で、公演メンバーたちが フラッシュモブをした映像を撮影して公開することにした。

フラッシュモブ当日ー。そこにはダンサーの他に一般参加者もいた。青柳はその中に別れた妻・悦子がいることに気づいた。悦子は「私たちは夫婦は卒業したけど、娘の親として…友達として関係を続けていきたい。」と言った。そこに、青柳にほのかな好意を抱いていた高崎美波が「誠一さん時間ですよ」とやってきた。

美波は悦子に「頂いたサボテン大事にしています。」とお礼を言うと戻っていった。悦子は「誠一さんなんて馴れ馴れしい。どうして私の鉢植えを彼女が持っているワケ?」とムッとした。

青柳は「バレエ団の人は下の名前で呼ぶんだ。サボテンは処分していいと言ったから大切にしてくれる人に譲ったんだ。そして 僕が欲しかったのは友達じゃない家族なんだ。」と言うと、悦子は「あなた変わったわね。」と言って、去っていった。

その後、アルタ前でバレエ団とバーバリアンJのメンバーが踊る本気のフラッシュモブを公開すると、大反響を呼び、ついにチケットは完売した。

舞踊劇

年末の公演まで1か月を切った頃、水上那由多は白鳥の湖の公式サイトで「白鳥の湖」が「舞踊劇 白鳥の湖」になっていることを気にしていた。那由多は青柳に「バレエから舞踊劇に変えたのは僕のせいですか?僕はバレエをやった証が欲しいんです。リフトでも何でも今以上に必死にやりますからバレエの文字を入れて欲しい。」と懇願した。

青柳が「今回は感情表現に重きを置いたものだから」と説明すると、高野がやってきて「バレエと一言入れば気がすむなら瑞穂先生に話してやる。でも俺は舞踊劇なんて気にしない。 俺が踊ればバレエだ。」と言った。

本番

三日間の公演のうち、一日目の公演は無事に終えることができた。

そんななか、バーバリアンJのリーダーである阿久津がやってきて「ネットの評判が良いものばかりではないですよ。高野さんと、うちの那由多がねっとり官能的に踊った後に、ご令嬢の有明沙良さんが正統派に踊ると教科書通りすぎて、情念とかが感じられない。大根に見える。そこで提案したいのですが、バレエっぽく 那由多が沙良さんをリフトしてはどうか?

これには高野もウンザリして「これは学芸会じゃない。稽古でやれないことを本番でやろうだなんてプロでなはない。」と言い放った。バカにされた沙良も「そもそも那由多は力不足なのよ。あなたの代役で控えている長谷川蒼太なら片手でだって私を持ち上げられるわよ。私のことを大根呼ばわりしてくれたけど、男ばかりで集団で踊るだけのあなた達に言われたくない。」と上から目線で話した。

二日目の公演で、沙良は阿久津に言われたことがよほど悔しかったのか、見事に感情を乗せつつ清純で儚げなオデットを踊りきった。一方、那由多は最終日に高難度のオデットのリフトに挑戦するとSNSで宣言した。

トラブル

公演の最終日。予告した通り沙良をリフトした那由多だったがバランスを崩してしまった。よろめいたどうにか受け止めたものの、その際に那由多の指が沙良の肋骨に入ってしまい、沙良は動けなくなってしまった。

一方の那由多も、沙良の肋骨に指がめり込んだ感触が消えず、吐気に襲われたいた。那由多は、沙良にケガを負わしてしまったことを、社長を始めスタッフに頭を下げた。

高野は「リフトの失敗は男性だけの責任ではない。女性が身体をうまく引き上げれば多少は防げた事故。それが分かっているから沙良も那由多を責めてはいない。お前はよくやったよ。だからまだ踊れる。やれ!」と那由多を鼓舞した。

沙良は、那由多に濃厚な口づけをして「 ひきがえるだって私がキスすれば王子になるのよ。那由多が王子になれないわけがない!」ほほ笑んだ。

そして沙良の代役は、高崎美波が務めることになったが、公演再開の時間が迫っても美波は姿を現さなかった。心配になった青柳が探しにいくと、美波は機械室にいた。

美波は「怖くなってきました…。こんな大きなチャンスなのに。」と震えていた。

青柳は「高野さんが踊りの発祥は祈りだと言っていて、岩戸隠れの話を思い出したんです。太陽神が岩戸に隠れて、日本中が闇に沈んだとき、一人の女神が岩戸の前でダンスを踊った。それを神々が楽しそうに笑っているのを聞き、太陽神が岩戸をそっと開けたことで、日本に光が戻ってきたという神話を。希望や光というものをカタチにしたら、きっとあなたの踊りの中にあるんです。 美波さんのダンスを見て私は希望を見いだせました。行きましょう世界が待っています。」そう言うと、青柳は機械室のドアを開け、美波を舞台へ連れていった。

その後、再開した舞台は大成功のうちに終わり、終幕の那由多と絡む高野の耽美な動画は広く知れ渡り、高野も新境地を開いたと高い評価をうけた。

結末

公演から2か月後ー。

高野美波は、公演で黒鳥と白鳥を見事に演じ分けたことで自信を持ち、海外のカンパニーのオーディションを突破して東欧に渡り、大きな役を掴んだ。

トレーナーの瀬川は、年末付けで会社を辞めていたが、山田が関西のトレーニングスタジオの中途採用の試験を紹介してくれ、東京を離れることになっていた。公演を終えた後、高野にきちんと挨拶が出来ていなかったことが心残りだった瀬川は、青柳が作ったアルバムと皆の寄せ書きを、ウィーンにいる高野に届けることにした。

そして瀬川がウィーンの空港でお茶を飲んでいると「会社辞めたんだって?」高野が現れた。公演が終わったら瀬川の待遇が良くなると思っていた高野は、会社を辞めた瀬川を不思議がった。

瀬川が「選手が競技のことだけに集中できるように、マネジメント力をつけておおきくなりたいんです。」と言うと、高野は「急いでくれよ。俺の現役が終わる前に」と手を差し出した。そして、二人は握手をして別れた。

一方、青柳は、山田が統括する部署へ異動することが決定し、荷物整理をしていた。すると、そこにふらっと高野が現れ「有明F&Pを辞めて、僕と事務所を作りませんか?」と誘った。ためらう青柳だったが「前にオセロの話をしましたが、高野さんは僕にとって対角に打った白なんです。すべてを変えてくれた。」と言った。

そして高野と青柳は車に乗り込み、瀬川のいる関西のトレーニングスタジオに向かった。

最後に

レッスン(努力)&パッション(情熱)&カンパニー(仲間)と聞いて青臭い小説なのかと思いきや、主人公は妻からも会社からも戦力外通告され、身の置き所がない中年おじさん青柳。しかも青柳は、バレエ公演を成功させなければリストラにあってしまうという崖っぷちの立場にあります。
企業にしがみつくためにバレエ団に出向した青柳でしたが、そこで巡り合った、世界的名ダンサーの苦悩に寄り添ったり、挫折したバレリーナと心を通わせるうちに、次第に仕事の面白さに目覚めていく様子は本当に清々しい。読み終えたあとは、登場人物のように読者も幸せにしてくれる作品でした。
ちなみに『カンパニー』は、2021年1月には井ノ原快彦主演で、NHKでドラマ化も予定されていますので、この機会にお手に取ってみてはいかがでしょうか。

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