ドラマ『とんび』最終回までのあらすじと結末&キャスト相関図
日曜劇場のなかでもトップクラスの人気を誇ったドラマ『トンビ』。2013年に放送された本作は、妻を失った不器用な男が、男手一つで息子を育てる感動の親子の物語で、最高視聴率20.3%を叩き出した名作です。そこで今回はドラマ『とんび』の最終回までのあらすじとキャスト相関図をご紹介いたします。
ドラマ『とんび』相関図
ドラマ『とんび』キャスト
市川安男◆内野聖陽
天ヶ崎通運に勤めているトラックの運転手。美佐子との間にアキラを授かる。不器用な性格で、肝心なことは照れて言えないことがある。美佐子が亡くなりアキラを男手一つで育てていく。
市川旭〈26〉◆佐藤健
ヤスと美沙子の一人息子。名前は小林旭にちなんで名づけられた。頭が良く勉強が出来きる優秀な子。素直で優しいが、一度決めたらやり通す頑固さもある。父のことを尊敬している。現在は、徳田出版「小学ジャンボ2年生」のふろく担当をしている。
市川美佐子◆常盤貴子
ヤスの妻でアキラの母親。ほがらかで優しく情にあつい。人が食べているところを見るのが大好き。アキラが3歳のとき、不慮の事故でこの世を去る。
曽根崎照雲◆野村宏伸
薬師院の跡取り息子であり、ヤスの幼なじみ。幼少期からヤスと共謀していたずらをしては、父親である海雲和尚に叱られていた。真面目だが少々鈍くさく、いわゆる天然。アキラを養子にしたいほど可愛がっている。
曽根崎幸恵◆加藤貴子
お嬢様育ちでおおらかな性格。アキラの母親代わりとして、たえ子とはライバル関係にある。
曽根崎海雲◆柄本明
照雲の父親であり、薬師院の住職。普段は優しいが、怒るとゲンコツをするなど厳しい一面もある。まともな説法はしないが、時として信じられないほど深い言葉を吐く。
たえ子◆麻生祐未
ヤスの行きつけの居酒屋『夕なぎ』を女手ひとつで切り盛りをする。ヤスと同じ団地で育った幼なじみであり姉のような存在。バツイチ。アキラを我が子のように可愛がる。
葛原鉄矢◆音尾琢真
天ヶ崎通運で働くヤスの弟分。何かというと、とばっちりを受けてヤスに殴られている。チャラい性格。
萩本◆高橋和也
ヤスが働く天ヶ崎通運の営業課長。妻を亡くしアキラを一生懸命育てるヤスを優しく見守っている。
松本京◆本田翼
徳田出版学年誌編集部のアキラ後輩。アキラに好意を抱く。
坂本由美◆吹石一恵
徳田出版のファッション誌のデスク。やり手の編集者だが、バツイチ子持ち。
ドラマ『とんび』第1話から最終回までのあらすじ
第1話◆「昭和を生きた家族の愛と命の感動物語」
昭和47年(1972年)の晩夏。トラック運転手のヤスはもうじき子どもが産まれることもあり、ご機嫌で歌を歌いながら仕事に励み、大好きな酒や博打も絶っていた。それでも仕事が終わると姉のような存在のたえ子(麻生祐未)が切り盛りする居酒屋・夕なぎへ行くのがヤスの日課だった。幼い頃に母親を亡くし、父親にも捨てられた自分にも、今は大好きな妻がいて、子どもが産まれるということに自分自身が照れてしまい、家に帰る前に一呼吸置こうと夕なぎに顔を出すのだった。だが、幼馴染の照雲(野村宏伸)らにからかわれることもしばしば。ある日、墓参りの帰り道、階段の上で陣痛が始まり動けなくなった美佐子を、ヤスは抱えて産婦人科に運ぶ。生まれた子の名前は、小林旭から旭と名付けられる。幼い頃から親というものを知らずに育ったヤスと美佐子は、愛する息子・アキラを必死に育てながら、幸せな日々を噛み締めていた。
アキラが3歳になった頃、休日にヤスが1人で職場で働いていると、「おとしゃんの会社が見たい」というアキラを連れて美佐子がやってくる。その日の朝、些細な事でケンカをしてしまった3人だったが、そこで「日本中をトラックで一緒に回ろう」と大きな夢を話すのだった。そして、再び仕事に戻ったヤスだったが、タオルを忘れていることに気付いたアキラがそれを届けようとヤスのもとへ駆け出すと、プラットホームに不安定に積まれた木箱にタオルが引っかかってしまい、アキラの上に積荷が崩れ落ちてくる。咄嗟にアキラをかばった美佐子は木箱の下敷きになってしまい亡くなってしまうのだった。
第2話◆「最愛の決断」
6歳になり保育園に通うアキラ(荒川槙)を、たえ子(麻生祐未)が迎えに行くと、周りの子どもたちのお迎えに母親が来る姿を見て、どこか寂しそうな表情を見せていた。母親がいないことで寂しいと思うアキラとヤス(内野聖陽)は一緒に銭湯に行くと、番台のおばちゃん(青木和代)から「アキラに母親を作ってやれ」と見合いをすすめられるが、「今さらいるか!」とつき返す。
風呂に入ったアキラは「保育園で家族の絵を描くことになったからお母さんの写真を貸して欲しい」とヤスに告げる。その帰り道、両親に手をつながれて歩いている子どもを見たアキラは、ヤスと手をつないでいない手をそっとポケットにしまうのだった。翌日、保育園で美佐子(常盤貴子)の写真を見ながら絵を描いていたアキラは、周りの子供たちに写真を回し見され、不安になって1人の男の子と喧嘩をしてしまう。喧嘩を先生たちに止められるが、寂しさや不安な気持ちでいっぱいになり、美佐子の写真をビリビリに破いてしまう。この事件からアキラがおねしょを繰り返すようになり、母親が欲しいのかと思ったヤスはお見合いすることを決意する…。
第3話◆「父と子の反抗期」
アキラ(福崎那由他)が11歳の5月。夕なぎで酒を飲むヤス(内野聖陽)は、たえ子(麻生祐未)らから父親らしくキャッチボールぐらいやってやれと冷やかされるが照れて拒む。
そんな中、会社の後輩・葛原(音尾琢真)から、アキラの小学校が選抜チームを作って他校と野球の試合をすることになっていることと、アキラが転校生にエースの座を奪われてしまっていることを聞き、練習に付き合おうとするがアキラの姿がどこにもない。
ヤスが必死で探す中、アキラは高校時代に野球部だった照雲(野村宏伸)と2人で練習をしていたのだった。親子のように練習する2人の姿を見たヤスは、アキラが嬉しそうに上達したことを報告しても、愛想の無い返事しかできないでいたのだが…。
第4話◆「本当のお母さん」
ヤス(内野聖陽)は、11歳のアキラ(福崎那由他)が自分に内緒で照雲(野村宏伸)や社長(ベンガル)らに母・美佐子(常盤貴子)の事故の真相について聞いてまわっていると知り驚きを隠せなかった。その一方で、たえ子(麻生祐未)がある男から「娘に会ってやってほしい」と言われていた、との噂を聞く。たえ子に娘がいるとは知らなかったヤスはその事実を聞こうと夕なぎを訪ねるが、逆にアキラに事故の真相をそろそろ話した方がいいのではと言われ、本当の話なんてできないとさらに悩むことになる。
その時、ヤスの元に、たえ子の元夫・肇(小林隆)と娘・泰子(徳永えり)が訪ねてきて、たえ子と会えるように協力してほしいと言われ…。
第5話◆「さらば愛しき人」
平成元年。入院している海雲(柄本明)の見舞いにヤス(内野聖陽)は毎日のように病院に通う一方で、アキラ(佐藤健)は高校の野球部でレギュラーを決めるテストを控え、一度も顔を出せずにいた。ある日、ヤスは照雲(野村宏伸)から実は海雲が癌で先が長くないために、アキラに意識のあるうちに会いに来るよう頼まれる。
ヤスは見舞いに行くよう頼むのだが、「今は野球の練習が大事だから」と断るアキラ。
そんなアキラの一方的な態度にヤスは腹を立ててしまう。悩んだヤスは、アキラを見舞いに連れて行こうと野球部の練習を訪れると、偶然にも後輩・山本(大内田悠平)らの尻をバットで叩くアキラの姿を目撃してしまう。
止めようと駆けつけたヤスはアキラと言い争いになり、思わずアキラを殴ってしまう。
第6話◆「父と息子の最期」
平成2年、冬。ヤス(内野聖陽)は、家から通える地元の国立大学を受験すると言っていたアキラ(佐藤健)から東京の早稲田大学を受験したいと伝えられる。はじめはアキラが早稲田を受ける事を喜び、たえ子(麻生祐未)や照雲(野村宏伸)、社長(ベンガル)らに自慢するヤスだったが、「東京に行ったら戻って来ないのではないか」という葛原(音尾琢真)の言葉を聞いて一転、ショックを受けてしまう。
そしてある夜、些細な事でアキラと口論になってしまったヤスは「行きたいんだったら勝手に東京に行け!」と言い放ってしまう。翌朝、家にはアキラの姿はなかった――。
第7話◆「父と子の巣立ち」
平成4年。東京で大学生活を送るアキラ(佐藤健)から電話で「雑誌の編集部でアルバイトをしていて、将来的には雑誌の編集者になりたい」とはじめて明かされたヤス(内野聖陽)。法学部で法律を学んでいるアキラは弁護士になるものだと思っていたヤスは、編集者になることを認めないと激怒して電話を切ってしまう。
怒りが収まらないヤスは、面と向かって話をしようと考えている矢先、アキラが働く編集部から仕事中にアキラに怪我をさせてしまったという謝罪の電話が入る。アキラのことを心配するも、東京に行くことをためらうヤスの代わりに照雲(野村宏伸)がアキラの様子を見に東京を訪れることになり…。
第8話◆「父と息子の遺言状」
平成8年。ヤス(内野聖陽)は、ヤスの父親の息子と名乗る島野(内倉憲二)から突然電話で「父親が会って詫びたいと言っているので、東京に来て頂けないですか?」と相談される。父親とは50年近く音信不通でまさか生きているとも思っていなかったヤスは、何の感情も湧かず再会することを悩み、照雲(野村宏伸)らに相談するが、アキラ(佐藤健)と東京には行かない約束をしているため断ろうとする。
そんな矢先、たえ子(麻生祐未)から幼い頃の話をされて東京に行くことを決意し、葛原(音尾琢真)が運転するトラックに同乗して島野のもとを訪れることに…。
第9話◆「突然の終わり…」
平成10年。ヤス(内野聖陽)はアキラ(佐藤健)から「結婚したい人がいるから会って欲しい」と相談される。その女性が年上で慶応大卒の美人と聞き、たえ子(麻生祐未)や照雲(野村宏伸)ら町中の人に自慢して回るヤスは、きっと美佐子(常盤貴子)に似ている女性に違いないと上機嫌。
しかし帰省当日、アキラとともに現れた由美(吹石一恵)を見て、年齢が予想以上に上であり、美佐子にも似ていないことにヤスは機嫌が悪くなってしまう。その様子に耐えられなくなった由美は、アキラより7歳年上であるだけでなく、離婚経験があり子供もいることを打ち明けると、ヤスは結婚に猛反対。言い争いになったアキラは由美を連れて東京に帰ってしまうのだが…。
ドラマ『とんび』ここから最終回ネタバレ
最終回◆「終幕〜父が息子へ30年の愛と命の物語が起こす奇跡の贈り物」
平成11年・冬。ヤス(内野聖陽)は走っているフォークリフトの積荷の下敷きになりそうになった葛原の嫁(橋本真実)の孫を助けようとして、代わりに下敷きになってしまう。茫然とする葛原の嫁、社員たちは必死に荷物を退かし、ヤスは救急車で病院に運ばれる。
事故の知らせを受けたアキラ(佐藤健)やたえ子(麻生祐未)は急いで搬送された病院へ向かう。
ヤスは骨折もせず数針縫うだけの傷で、命に別状はなかった。
そんななか、ヤスに天ヶ崎通運本社の研修センターの講師として東京勤務の話が持ち上がる。
それを聞いたアキラは、ヤスもこれから年を取って心配になること、妻の由美(吹石一恵)の勧めもあり、ヤスを東京に呼んで一緒に暮らそうと考えた。
そして アキラは、天ヶ崎通運常務の萩本(高橋和也)に協力してもらい、偶然を装って家に泊まらせ、ヤスに「こっちで一緒に住みませんか? 由美さんに2人目の子供が生まれる。みんな親父と暮らしたいって言っているんだ」と切り出した。
ヤスは急なことで答えることが出来ず、地元に帰ったが、後輩の葛原から「リストラされた」ことを知らされる。
それから、タエ子や曽根崎照雲の勧めもあって、ヤスはアキラ家族と一緒に暮らすことを決意する。
東京にやってきたヤスだったが、「 俺は、やっぱりここに住めねぇ。お前が東京でうまくいかなかなくなったら逃げる場所を作ってやりたい。親だから遠くで笑ってなきゃいけないんだ。」と、やっぱり田舎に戻ることにした。
そして、ヤスは天ヶ崎通運の東京務めを断り退社。代わりにリストラされそうな葛原を萩本に推薦してやった。
そんななか、由美がアキラとの子どもコウスケを出産したが、由美と前夫の子ども健介は、アキラはコウスケの方が可愛いんじゃないかと不安になり家出してしまう。
健介がいないことに気づいたアキラは、ヤスに電話をし「そっちにアキラが行ってない?」と尋ねた。すぐにヤスは外に出て健介を探すと、健介は1人で電車に乗ってヤスのいる田舎にやってきていた。
泣く健介を見て、ヤスは「でかした!ケンちゃん小さいのに、1人でここまで来て立派だ!」と褒めた。
そして、健介は、アキラがコウスケの方が可愛いんじゃないか?とヤスに尋ねたが、ヤスはそれを否定し、曽根崎照雲も「血の繋がらない子の方が可愛い場合もあるんだ。ぼくの親父も、僕よりヤスを可愛がってた。」と語った。
次の日、ヤスは健介に「お父さんと由美さんは、ヤッさんのためにコウスケを作ってくれたんだ。オレの血を引く子どもをってな。だから、健ちゃんに寂しい思いをさせたのはヤッさんなんだ、ごめんな。」と言った。それを聞いた健介は「うん。」と笑った。
そして、アキラと由美が東京からやって来た。ヤスは「俺に、コウスケを抱っこさせてくれ。お前たちは、あっち(健ちゃん)を抱っこしてやれ。」と言った。
「子育てって難しいな。平等に接していたつもりなんだけどな。」と落ち込むアキラに、ヤスは「偉そうに育てようとするからいけないんだ。子育てなんて間違いの連続だけど、子どもは勝手にまともに育ってくれるんだ。大丈夫だ。」と励ました。
そして、ヤスは「親が一つだけしてやらないといけないのは、寂しい思いをさせないことだ。寂しさは雪のように降り積もっていくと心がガチガチにするんだ。だから親は海になって笑ってなきゃいけない。 海に雪は積もらないからな。」と言うと、アキラは「俺にとって、 親父は海だったよ。」と答え、アキラが編集した“とんび”という本を手渡した。
ヤスは、美佐子のことを思い出しながら、「なぁお母さん。こんなに家族が増えちまったよ。」と、アキラ家族を目を細めながら眺めた。その上には、トンビかタカが飛んでいた。ーENDー
ドラマ『とんび』感想
重松清さんによるベストセラー『とんび』は、妻を失った不器用な男が、男手一つで息子を育てる感動の親子の物語です。
2度ドラマ化され、2022年には映画化されることも決定している本作は、これまで、実力派と言われる俳優さんたちがヤスとアキラを演じてきました。
2012年NHKドラマ | |
堤真一 | 池松壮亮 |
2013年TBSドラマ | |
内野聖陽 | 佐藤健 |
2022年映画 | |
阿部寛 | 北村匠海 |
映画『とんび』キャスト相関図と見どころは⇒こちら
ヤスのぶっきらぼうだけど愛に溢れたキャラクターと、その愛を一身に受け、素直で真面目に育ったアキラ。
周りは「とんびが鷹を生んだ」と言うけれど、物語が進むにつれて「どっちが鷹でどっちがトンビなのか?」と思わずにはいられません。
それくらい、泥臭くも真っ当に生きるヤスの人間的魅力が溢れています。
そして、和尚家族や小料理屋の女将などヤスを取り巻く人々もみんなあったかい。根っからの悪役は登場せず、人情味あふれる物語は、どこか寅さんや北の国からに通じるモノを感じました。
「涙で目が腫れる」「吐くほどに泣ける」と涙なしには見られない作品ですが、悲しい涙ではなく、毎回、あったかい涙を流せる稀有な作品ですので、家族や親子もの、人情ものが好きな方にはぜひお勧めしたいです。
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