『女子高生に殺されたい』結末ネタバレ!タイトルの意味は?

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『女子高生に絞殺されたい』は、新潮社から刊行されている古屋兎丸さんによる漫画で、「自分を殺して欲しい」と願う高校教師が異常なる犯罪計画を実行するお話です。精神疾患であるオートアサシノフィリア、二重人格、アスペルガー症候群などを交えながらのリアルな心理描写、緻密に練られたプロットで、コアなファンから支持されています。そこで今回は、映画化も決定している『女子高生に殺されたい』のあらすじから結末ネタバレをご紹介いたします。

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『女子高生に殺されたい』人物相関図

『女子高生に殺されたい』は、「誰かに殺されたい」という願望を持つ 高校教師と元交際相手、彼が顧問を務める「二鷹の遺跡研究クラブ」に所属する3人の高校生、そしめ、謎の少女カオリが主な登場人物となっています。

「女子高生に殺されたい」相関図


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『女子高生に殺されたい』あらすじ

異常な感情

別に僕は死にたいわけではない
やはり死ぬのは とても怖いことだ
だけど どうせ死ぬのなら
美しい女子高生に殺されたい

主人公は、 東山春人 34歳 独身。

ある女子高生に殺されたいと、高校教師となり、彼女がいる学校に赴任してきた。

幼少期より、親に厳しく育てられた兄の反動か、放任主義で育てられ、明るくも暗くもない普通の人生を歩んできた。

ところが、進路を考えだした高校時代。

カワイイ女の子を見る度に「この子に殺されたい」という変な感情が芽生えてきた。

細い腕がぶるぶると震え、自分の首が絞められていることを想像すると性的興奮をおぼえた。

自分は変態だ…」と苦しんだ東山。

ある日、図書館で“オートアサシノフィリア”といって、自分が殺されることに興奮を覚える性的嗜好があることを知る。

しかし東山は、大きな事故やショックを受けるようなトラウマも経験したことなく、自分がこんな欲望をなぜ持つことになったのか不思議に思った。

進路変更

自分の心理状態に興味を持った東山は、心理学を研究する科のある大学に進学し、臨床心理士を目指した。

一方で、オートアサシノフィリアという性的嗜好を持つことを隠し、大学時代には、同じ心理学研究科の 深川五月と交際した。

その後、大学院を卒業し、臨床心理士になるため精神科に実地研修に入った頃、東山は突然、高校教師になるために教員免許を取り、進路変更をした。

同時に、彼女の五月とも別れた。

なぜ、東山が急に高校教師になろうとしたのか?その理由に 謎を解くカギが含まれています。

ターゲット

教員免許を取得し、二鷹高校に赴任してきた東山は、美しい女子生徒・ 佐々木真帆に絞殺してほしいと妄想を膨らませ、その妄想を実行するべく、緻密な計画を練っていた。

しかし、真帆自身も多重人格障害という精神疾患を抱えており悩んでいた。

真帆には、彼女の悩みを熟知している親友・ 後藤あおいが常に側に寄り添い、あまりの仲の良さからレズビアンだと疑われるほどだった。

そんな二人と、真帆に想いを寄せる 川原雪生は、東山が顧問を務める「二鷹の遺跡研究クラブ」入部。

東山は、ターゲットである真帆と親しくなり、真帆もまた東山に男性として好意を持つが、あおいはなぜか東山を警戒していた。

そんななか、東山の元恋人である 深川五月が、彼らの学校にカウンセラーとして赴任してくる。

カオリ

五月は、保健室通学をするあおいと、その親友・真帆に臨床心理士としたカウンセリングしていくなかで、真帆の別人格である カオリが現れたことを確認する。

真帆は、小学6年生のときにあおいと一緒に通学していたところを、大型犬に襲われたことがあった。

そのとき、足を噛まれた直後に記憶を無くし、気が付くと、隣には泡を吹いて横たわる大型犬がいた。

自分よりも大きな犬を殺してしまったことに、真帆は恐怖を覚え、記憶を封印していたという。

五月は真帆を精神疾患から救うため、あおいと雪生に協力を依頼する。

一方、東山は、真帆に自分を絞殺させる計画を具現化しようと、高校に退職届けを提出した。

そして、家財道具を処分し、携帯を解約。

身元が分からないように、毛髪、指紋を念入りに掃除してアパートを出た。

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『女子高生に殺されたい』ここから結末ネタバレ!

真帆の過去の事件

東山は、高校教師になるずっと前から真帆に目をつけていた。

真帆は幼少期から両親に虐待されており、8歳の頃に公団団地に住んでいた。

ある日、真帆が一人で留守番しているとき、同じ公団住宅に住む男がいたずら目的侵入してきた。

真帆はとっさに自分の体重の4倍以上もある大男を絞め殺した。

真帆のなかのカオリだけが呼び出すことができる、狂気の別人格・ キャサリンの仕業だった。

少女が大男を絞殺したという、にわかに信じがたい事件はマスコミを騒がせ、それは当時大学生だった東山の耳にも届いていた。

「あの少女なら、僕を殺してくれるかもしれない…」そんな妄想に憑りつかれた東山は、真帆の住む町に引っ越し、教員試験の勉強を始めたのだった。

計画実行

東山が、人生をかけた長年にわたる計画を実行する日がついにやってきた。

東山は「二鷹の遺跡研究クラブでやり残していた遺跡の調査を手伝ってほしい」という口実で真帆を呼び出した。

しかし、特殊能力で危険を察知したあおいは、真帆に付き添った。

あおいが一緒にという予定外の事態に、東山は計画の一部を変更しながらも、凶行の実行を決断した。

そして東山は、雑木林に二人を誘いこみ。自分の計画を打ち明けた。

動揺し、身動きが取れない真帆。

東山は、真帆の意識の底から狂気の分身・カオリを出現させるために、「キャサリン!キャサリン!」と叫びながら、真帆の首を絞めあげた。

カオリがどうにもならないと判断したとき、キャサリンと人格が入れ替わることを知っていたからだった。

その頃、東山の計画にかねてより気づいていた五月と、真帆に好意を抱く雪生は、スマホのGPSアプリを頼りに真帆の足取りを追っていた。

そして、真帆に手をかける東山を発見すると、雪生は東山に体当たりして阻止した。

驚く東山に、五月は「この子にはもう 狂気の人格・キャサリンを呼び出す力はないわ」と告げた。

結末

真帆がいる高校に赴任してきた五月は、彼女が多重人格障害だと知り、あおいや雪生の協力のもと、カウンセリングを行ってきた。

そして、真帆が両親から虐待されていたことを知った。

そこで、深層心理に眠るカオリを受け入れるように真帆に促し、人格統合に成功していたのだった。

そのため、東山がいくら真帆の首を絞めてもキャサリンは出てこなかった。

東山の凶行から真帆が助かったと知ったカオリは、五月、あおい、雪生に「 私は消えるよ。キャサリンと共に…」と別れを告げ、消えた。

東山は、何年も計画してきたことがが失敗に終わったことで泣き崩れた。

そこで五月は、真帆が東山に渡そうとしていたラブレターを見せた。

「僕のことを、こんな風に想ってくれていたなんて…でも、それを知ったとしても、僕は彼女に殺されたいと願っただろう。」

五月は、「あなたが命を奪われたいと思うのは愛されたいと願うのと同じこと。両親から干渉されずに育ったために現れた重篤な病気なのよ。」と診断し、東山に一緒に暮らそうと提案した。

エピローグ

その年のクリスマス。

真帆と雪生はデートをし、その隣にはあおいがいた。

一方 東山は、五月と同棲し、穏やかな日々を送りながら、 彼女に内緒で臨床心理士の資格の他に、催眠術を勉強していた。

東山も五月とクリスマスデートを楽しんでいたが、その目線の先には楽しそうに談笑する真帆の姿があった。

「そう、僕はまだ….」-END-

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『女子高生に殺されたい』感想

一人の男性の異常の妄想と狂気と欲望の犯罪計画。

次第に、東山や真帆の過去が明かされ、「女子高生に殺されたい」というタイトルに意味が回収されていくスリリングな展開に釘付けになりました。

この世の中には、常人には理解できない性的嗜好を持つ人がいることは知っていましたが、自分が殺されることに対して性的興奮を覚える「オートアサシノフィリア」を持つ東山に、嫌悪するというよりは、少し同情してしまいました。

彼は、欲望を抑えらない犯罪者ではありますが、そこには、両親に愛されなかったという悲しい思いが根底にあります。

人生をけて練った計画で死ぬことが出来なかった虚しさ。

彼が、これから生き続けていくのは救いなのか?

ハッピーエンドではなく、古屋さんらしい後味の悪いバッドエンドで考えさせられてしまいました。

残念ながら、性的嗜好というのは、そう簡単に変えることはできないということ。

性犯罪の再犯率が高いことを暗喩するような結末に少しゾッとしました。

『女子高生に殺されたい』は、センセーショナルなタイトルですが、、どちらかというと静かな恐怖を描いた作品で、グロ系が苦手な方も、心理学に興味がある方にもオススメの作品です。

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