『神の雫』ネタバレ！ワインリストと遺産相続の勝者は？

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ワイン漫画として一世風靡した『神の雫』。今回は父が遺言として残した13本のワインリストをネタバレ有りでご紹介いたします。

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『神の雫』登場人物

◆登場人物

◆神咲雫・・・ビール会社「太陽ビール」の営業一課の社員。世界的ワイン評論家の神咲豊多香の息子。幼少期より父からソムリエとしての訓練を受けたが、ワイン自体は一滴も飲んだことがない。
◆紫野原みやび・・・フランス料理店でソムリエ見習いとして働く女性。雫の父の遺言である『十二使徒』と『神の雫』の探求を手伝うこととなる。雫に淡い恋心を抱く。
◆神咲豊多香・・・雫の父。世界的なワイン評論家。がんで67歳で亡くなる。20億円以上も市場価格を持つワインコレクションの遺産は、キーワードから13本のワインの銘柄を当てた者に譲るという遺言をのこす。
◆遠峰一青・・・「ワイン界のプリンス」と呼ばれる若手ワイン評論家。ワインコレクション目当てで亡くなる直前の神咲豊多香と縁組みし養子となった。雫の義理兄にあたる。プライドが高い。
◆霧生涼子・・・神咲豊多香の遺言状作成を手伝った女性弁護士。
◆藤枝史郎・・・ワインバー「モノ・ポール」を経営するソムリエ。紫野原みやびの師匠のような存在。雫の相談相手となる。
◆美島壮一郎・・・みやびが勤めているフランス料理レストランチェーンのオーナー。
◆土肥ロベール・・・日仏ハーフの老人。公園で暮らすホームレスに見えなくないが、実は資産家。買い取った公園に高級ワインを何本も埋めて保存しているワイン道楽者。
◆セーラ・・・日仏ハーフの人気モデルで太陽ビールのCMにも出演。遠峰一青の異父妹。ワインの知識も豊富。

ビール会社営業マンの神咲雫は、世界的ワイン評論家の父・神咲豊多香が遺した遺言に従い、若手ワイン評論家・遠峰一青文と「十二使徒」と「神の雫」の探索を競うことになった。

銘柄ではなく自らの舌で当てなければならいのは、心象風景で表現された偉大な12本(十二使徒)とその頂点にたつ「神の雫」と呼ばれる幻のワイン。

これらが、何年作のどのワインであるか1年後にすべて的中した者が遺産を相続できるという。

豊多香の偉大なるワインコレクションは、実の息子・雫と養子の遠峰が争うことになった。

オフィシエ(将校)立会いの下でテイスティングをしていくライバル同士の二人。

雫は、幼少期より父の指示でソムリエとしての修行をしてきたが、ワイン自体は一滴も飲んだことがない。

しかし、ワイン評論対決をきっかけに、父に教え込まれていたワインテイスティングの基礎が開花した雫は、みやびやソムリエの藤枝に助けられながら、「十二使徒」と「神の雫」の謎に迫ってゆく。

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『神の雫』『十二使徒』ネタバレ！ワインリストと勝敗の結末

◆『神の雫』ワインリスト

幻のワインと呼ばれる「神の雫」とはどんな銘柄なのか？とても気になりますよね。

雫と遠峰が一つづつ選んだ「神の雫」の詳しい選出方法については漫画の方で楽しんで頂くとして、ここでは銘柄を簡単にご紹介します。

※以下ネタバレですので未読の方はご注意下さい。

【神の雫】
◆シャトー・シュヴァル・ブラン(1982)神咲雫セレクト
◆クロ・ド・ラ・ルッシュ(2002)遠峰一青セレクト

雫がセレクトしたカベルネ・ブランは、果実感、完熟感、控えめなタンニンが絶妙なバランスを醸し出している一品。年代が違うものを見つけましたが、なかなか手に入れられる価格ではありません。（以下の画像は年代違いのものです。）

また遠峰がセレクトしたクロ・ド・ラ・ルッシュは、ジャッキー・トルショーが手掛け、高い評価を得ています。彼は2005年に醸造を引退し畑も売却していますので、こちらも入手困難となっています。ワイン専門店やワインオーナーの秘蔵品として扱われている幻のワインです。

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◆『十二使徒』のワインリスト

次は、十二使徒のワインリストです。

◆第一の使徒：ヒントは天・地・人

【第一の使徒】
〇シャンポール・ミュジニー・レ・ザムルーズ(2001)神咲雫
×シャンポール・ミュジニー・レ・ザムルーズ(1991)遠峰一青

レ・ザムルーズはフランス・ブルゴーニュ地方の１級畑の赤ワインです。遠峰がセレクトした1991年のものは天候に恵まれ出来は良かったのですが、天候に恵まれなかった2001年は醸造家が工夫してことで欠点はあっても美味しいワインがつくられました。十二使徒は完璧さだけを求めているわけではないことが分かります。

雫　1勝

遠峰　０勝

◆第二の使徒：ヒントはモナ・リザ

【第二の使徒】
×シャトー・パルメ(2002)神咲雫
◯シャトー・パルメ(1999)遠峰一青

格付け的には3級となるシャートー・パルメですが、ワイン好きには格付け以上のクオリティーとして知られ1級と2級の間ほどの価格で取引されています。特に1990年は絶賛されており、作品のなかでは母なるモナ・リザに例えられ、まろやかで包み込むような優しさに溢れた女性的なワインと表現されています。

雫　1勝

遠峰　1勝

◆第三の使徒：ヒントは団らん

【第三の使徒】
◯シャトー・ヌフ・デュ・パプ　キュヴェ・ダ・カポ(2000)神咲雫
×シャトー・ヌフ・デュ・パプ　キュヴェ・ダ・カポ(2000)回答放棄遠峰一青

1987年にポールと娘のローレンスが独立し、1989年に立ち上げた醸造所でつくられたワイン。樹齢100年のぶどう樹から生み出される重厚でクラシックな味わい。ぶどうの収穫量が極めて少ないうえに質の良い当たり年にしか醸造されないため、「奇跡のワイン」と評され、パーカーポイント100点満点を付けられました。

雫　2勝

遠峰　1勝

◆第四の使徒：ヒントは母親

【第四の使徒】
×シャトー・ラフルール(1992)神咲雫
◯シャトー・ラフルール(1994)遠峰一青

豊多香が遺したキーワードは「島崎藤村」と「初恋」。遠峯はこのワインを飲んで「初恋の人の涙の味がした」と表現しました。カベルネ・フランで造られたその赤ワインは、女性的な柔らかい印象を受けます。

雫　2勝

遠峰　2勝

◆第五の使徒：ヒントは試練と達成感

【第五の使徒】
×モンラッシュ(2000)神咲雫
◯シュヴァリエ・モンラッシェ(2000)遠峰一青

雪山マッターホルンを登りきった時の試練と達成感と喩えられたシュヴァリエ・モンラッシェ。コラン夫妻が引退し、2004年から代代わりして兄弟に引き継がれ分割された為、父ミッシェルの残すワインは年々稀少になっています。

雫　2勝

遠峰　3勝

◆第六の使徒：ヒントは本当の優しさ

【第六の使徒】
◯バローロ・カンヌビ・ボスキス(2001)神咲雫
×バローロ・ロッケ・ファレット・レゼルバ(2001)遠峰一青

まろやかで熟したダークフルーツの甘美でタンニンを覆う濃密な味わいがあるイタリアワイン。パワフルで男性的なエネルギーを持ちます。本作ではイタリア産であるけれども弥勒菩薩半跏思惟像に喩えられのが印象的です。

雫　3勝

遠峰　3勝

◆第七の使徒：ヒントは仲間

【第七の使徒】
×アモン・ラ・シラーズ(2003)神咲雫
◯ザ・イノーギュラル・イレブン・コンフェッションズ・シラーズ(2003)遠峰一青

アメリカのカリフォルニアの小さなワイナリーですが、手掛けるワインはシラーとグルナッシュ主体のワインが中心でカリフォルニアで最もローヌ品種で成功している造り手です。雫はガウディの文明に対するアンチテーゼをうまく解釈できず負けてしまいました。

雫　3勝

遠峰　4勝

◆第八の使徒：ヒントはマドンナ

【第八の使徒】
◯ジャック・セロス・キュヴェ・エクスキーズ・セックNV神咲雫
×キュヴェ・エリザベス・サルモン・ブリュット・ロゼ(2000)遠峰一青

シャンパーニュ好きなら名前を知らない人はいないジャック・ロセス。人気生産者のジャック・セロス氏がレストランからの要望を受けて造ったシャンパンでワイン原酒をブレンドするアッサンブラージュの工程で比較的若いワインをしていることが特徴です。豊多香が憧れた高潔な「マドンナ」を想像させる万人を虜にする官能の芳香がポイントです。

雫　4勝

遠峰　4勝

◆第九の使徒：ヒントは生命力

【第九の使徒】
×ボッジョ・ディ・ソット・ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ(2005)神咲雫
◯ボッジョ・ディ・ソット・ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ(2005)遠峰一青

イタリア・トスカーナのブルネッロで造られ、世界中にファンがいる赤ワイン。繊細でエレガント、重層的な味わいはまさにイタリアワインの女王です。60ヶ月もの熟成期間を設けたうえで、いつコルクが抜かれても最高のポテンシャルを発揮するように造られているのが特徴です。二人とも同じものを選びましたが、表現の差で遠峰が勝利しました。

雫　4勝

遠峰　5勝

◆第十の使徒：ヒントは誕生

【第十の使徒】
◯グラン・エシェゾー(2002)神咲雫
×グラン・エシェゾー(2007)遠峰一青

フランス・ブルゴーニュのピノ・ノワールで造られた赤ワインで1960年に創業した小さな醸造会社です。40人の人員が手作業で収穫を行ない手間暇を惜しまない高品質のワイン。

雫　5勝

遠峰　5勝

◆第十一の使徒：ヒントは残照

【第十一の使徒】
×テロワール・アル・リミット(2008)神咲雫
◯フェレール・ボベ・セクレチオ・エスペシャル(2008)遠峰一青

スペインカタリューナ州の醸造家のラウル・ボベ氏が醸造するワインで、パートナーはスペインの大富豪フェレール・セルジ氏。醸造技術 × 資本力、そして樹齢100年を超えるカリニェナの古木と粘板岩の土壌から高品質のワインが生み出されています。

雫　5勝

遠峰　6勝

◆第十二の使徒：ヒントは輪廻

【第十二の使徒】
◯シャトー・ディケム(1976)神咲雫
×シャトー・ディケム(1975)遠峰一青

ボルドーが世界に誇る９大シャトーの中で、唯一の白ワイン。ホワイトハウスの迎賓用として出されることでも知られています。ちなみに日本初のイケム愛好家が明治天皇だそうです。一青は「走馬灯」、雫は「魂の継承」と表現し、雫が選んだ1976年は未完成であるがゆえに人生そのものを表わしているとして勝利しました。

雫　6勝

遠峰　6勝

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