『仮想儀礼』ネタバレ!あらすじ~結末を相関図付きで解説

「信者が30人いれば食っていける。500人いればベンツに乗れるーー」職を失った男二人が金儲けのために立ち上げた宗教団体を通して、信仰ビジネスの闇、集団心理の恐ろしさを描いた篠田節子さんによる小説『仮想儀礼』のあらすじから結末をご紹介します。
『仮想儀礼』あらすじ
ゲーム作家に憧れて都庁でエリート公務員職を失った鈴木正彦は、同じく失業者の矢口 誠と共に、金儲けのため新興宗教「聖泉真法会」を立ち上げる。
桐生慧海と名乗り教祖となった正彦は、密教を基にした継ぎはぎだらけの教えをネット上で公開。
すると悩める女性たちが一人…また一人と集まり、教団は予想外に勢力を拡大していく。
そんななか ある惣菜会社社長が信者となり、巨額の金銭を得た「聖泉真法会」は飛躍的に成長。
当初の目的である金儲けに成功した正彦たちだったが、次第に営利や売名目的とした人物の仏像や不動産をめぐる詐欺、信者によるリンチ、週刊誌によるスキャンダルなど度重なるトラブルに翻弄されていく…。
『仮想儀礼』登場人物&相関図
◆登場人物
◆鈴木正彦・・・ゲーム作家に憧れ、エリート公務員の地位をなくしていたところ、矢口と共に「聖泉真法会」を立ち上げ桐生慧海と名乗り教祖となる。
◆矢口 誠・・・元・ゲーム会社社員。不倫相手に去られホームレスとなるが、鈴木と再会して金儲け目当ての教団「聖泉真法会」を創設。
◆山本広江・・・主婦。家庭に不満を持ち入信。口うるさいが常識人。
◆徳岡雅子・・・幼少期より大物議員の父と議員秘書の兄から性的虐待をうけていた女性。
◆サヤカ・・・IT社長にホテルで飼われていたが捨てられ入信した若い女性信者。
◆伊藤真実・・・金髪の10代の女性。両親に不満があり入信。
◆島森麻子・・・元大手教団の信者だった女性。息子がサヤカと心中事件を起こす。
◆竹内由宇太・・・高校生。いじめを受け、家庭での居場所もなく入信。修行や瞑想にのめり込みオカルト的な思考を持つ。
◆中山和哉・・・大学院生。親からの期待を鬱陶しく思っている。頭が良く真面目だが、年下と口論するなど意外に切れやすい。
◆板倉木綿子・・・夫に裏切られ、自分の胸を刺した女性。40代半ばの美女。
◆如月秋瞑・・・占い師の女性。霊感がある。
◆森田源一郎・・・・広江が連れて来た総菜屋「モリミツ」のオーナー社長。会社の一角に「聖泉真法会」の礼拝所を建てる。
◆森田健太郎・・・源一郎の息子。「モリミツ」インドネシアの工場を取り仕切る。
◆増谷哲成・・・「モリミツ」の総務課長。寺の息子で高野山大学を卒業。施設管理と正彦の雑用係を引き受ける。
◆祖父江・・・神戸の宝石商。「聖泉真法会」の支部を作るため自宅の土地を提供する。
◆井坂・・・かつて「萩尾敬」というペンネームで芥川賞を受賞した作家だったが、現在は落ちぶれ住む家もない男。
◆石坂一光・・・ヴィハーラ商会社長。インド、ネパールの工芸品を扱う美術商。
◆回向法儒・・・恵法三倫会の教祖。政財界ともつながりが深く、底知れない権力を持つ。正彦に宗教法人の購入を持ち掛ける。
◆安藤靖久・・・週刊誌記者。
◆相関図
※無断転載ご遠慮ください。
『仮想儀礼』ネタバレと結末
◆巨額な金銭授受
食品加工会社「モリミツ」の社長・森田が信者になった頃から、正彦と矢口が立ち上げたエセ宗教は飛躍的に成長します。
森田は自社の土地に「聖泉真法会」礼拝所を建立し、多額の献金を行い、社員にも入信するように勧めました。
正彦は想像を超えて大きくなる教団にとまどいを感じながらも、教祖・桐生慧海としてまやかしの教えを広めつつ、金にならない信者を矢口に任せていました。
そんななか、信者の一人だったオカルトマニアの男子高校生・竹内由宇太が他のカルト教団の殺人事件に加担したうえ、冬の高野山を逃走中に亡くなってしまうという事件を起こします。
金儲けのために起こした自分の教団でしたが、一人の若者を救えなかったことに悪者になりきれない正彦は苦悩するのでした。
◆没落
あるとき巨大新興宗教団体・恵法三倫会の教祖・ 回向法儒が、急成長している「聖泉真法会」に目をつけ、法人化して自分の傘下に入らないかと打診してきます。
しかし正彦は、教祖・回向法儒の悪評や彼の言いなりになることを警戒し、この申し出を断ります。
それから間もなく正彦は回向に嫌がらせを受けるようになり、「聖泉真法会」の脱税がマスコミによりセンセーショナルに報じられてしまいます。
「暴力カルト教団」のレッテルを貼られた「聖泉真法会」は、次々と信者が離れ、追徴課税もあって教団の財産も底をついてしまいます。
そして教団に残ったのは、他に行き場のない訳アリの爆弾を抱えたような女性信者ばかり。
正彦はすぐにでも「聖泉真法会」を解散し、逃げ出したい衝動に駆られますが、狂信した者たちはそれを許してはくれません。
女性信者たちは、自分たちで家を手配し、正彦や社会に馴染めない男性信者も転がりこみ共同生活をおくることになります。
◆一人歩きする教団
女性信者たちは「占い」ビジネスや風俗で生計をたてながら、「勤行」という祈りの儀式を勝手に執り行うようになります。
モクモクと香が焚かれるなかでトランス状態となり、集団催眠でもかかったように狂信的になっていく女性たち。
もともと何の信念もない正彦は、女性たちの姿を危険に思いながらも、その行いを正すカリスマ性もありません。
一方、外の世界では信者の家族たちが「カルト教団に家族を奪われた」として訴えはじめます。
女性信者の一人である雅子は有名代議士の娘ということもあり、政治的な力もあってマスコミは「カルト教団」とセンセーショナルに報道しました。
正彦も女性を洗脳しハーレムを作り上げた教祖として激しいバッシングを受け、彼はついに教団閉鎖を宣言します。
◆暴走
教団がなくなっても帰る家がない女性たちは、「自分は詐欺師だ」とカミングアウトする正彦の言葉も無視し、彼を拉致してワゴン車で逃走することに。
常軌を逸した信者たちは各地を転々とし、金が亡くなれば売春をする生活をおくっていましたが、あるとき雅子の兄が妹を取り返しにやってきます。
しかしトランス状態の信者たちは雅子の兄に激しいリンチを行い、ついに命を奪ってしまいます。
ビニールシートに包まれた遺体をゴミのように捨てる信者たちを見て、正彦はかつて自分が救えなかった少年・由宇太を思い出し、祈りを捧げました。
そして正彦の相棒ともいえる矢口までもが持病が悪化し、病院に行く間もなく皆に見守られながら息をひきとりました。
◆結末
翌朝 正彦のもとに週刊誌記者・安藤から、雅子の兄の遺体が発見されたと連絡が入りました。
捕まるのも時間の問題だと感じた正彦は、周辺を警戒していたパトカーに大人しく自首をしました。
裁判で正彦は、雅子の兄の殺害はすべて自分が指示して女性たちを洗脳し、実行させたと証言したことで、懲役14年の判決を受けました。
安藤は、これまでの取材をもとに「漂流 聖泉真法会2190日の軌跡」という本を刊行し、社会に議論を巻き起こしました。
かつて聖泉真法会に多額の献金をしていた総菜屋の社長・森田は、新たに高齢者向けの給食サービスをはじめ、そこで元女性信者たちは働き始めます。
新たな一歩を踏み出したように見える信者たちでしたが、日々働きながらも「仏は我が心の内にあり」という信仰心を忘れず、教祖が出所する日を待ちわびるのでした。-おわりー
『仮想儀礼』感想
篠田節子さんによる長編小説『仮想儀礼』は、日本人の「信仰」を現代の視点で真正面から描ききった怪作です。
空虚なニセ・新興宗教が、それを必要とする者によって中身を埋められ、本物の信仰となっていく展開は、まさにジェットコースター。
金儲け目的でつくったということもあり、そのシステムが崩壊するという展開は予想通りでしたが、そこから信者が狂信的になり、暴走する「その後」が描かれていたのは斬新でした。
上巻で積み上げたダイナマイトを、下巻で恐ろしいまでに爆破させていく落差は爽快感さえ感じます。
それに加えて、信者たちの厄介なことといったら!
問題が解決しないまま、次のトラブルを持込んでくるので、常に教団内部はしっちゃかめっちゃか。
一人の人間としては弱小なのに、集団が信仰によって強さを手に入れ、血と死にまみれた巡礼にいくラストは圧巻でした。
一方 主人公の正彦は、一貫して良識を失わない平凡な人物。
悪人にもなりきれないがゆえに、自ら作った宗教に取り込まれ翻弄されながらも、信者を守るハメになり…やがて本物の教祖となっていく姿は滑稽そのもの。
人の信仰心を弄ぶと取り返しのつかないことになるという教訓、そして皮肉たっぷりに人間の醜さ、愚かさをこれでもかとみせつけてくれました。
十数年後、女性信者と出所した教祖が再会すればば、何かが起こる予感しかしません。
よく必要悪として極道が語られますが、宗教もまた社会からはみ出した者を「救済」するという点においては必要悪なのかもしれませんね。
『仮想儀礼』は、「触らぬ神に祟りなし」を体現した作品です。
宗教の恐ろしさはさることながら、そこから生まれる本物の信仰心もユーモアたっぷりに描かれ、新しいエンターテイメントとして楽しめる1冊でした。
なお本作は、NHKで青柳翔さん、大東駿介さん出演でドラマ化され、2023年12月3日(日)~放送されます。お楽しみに。
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