『となりのナースエイド』ネタバレ!あらすじ~結末を相関図付きで
知念実希人さんの小説『となりのナースエイド』は、患者さんの心に寄り添うプロであるナースエイドの奮闘を描いた医療ミステリーです。今回は川栄李奈さん主演でドラマ化も決定した『となりのナースエイド』のあらすじから結末をご紹介いたします。
『となりのナースエイド』あらすじ
◆ナースエイドとは?・・・患者さんの身の回りの世話や介助、伝票やカルテなどを病棟内で受け渡しするなど看護師のサポーター的な役割を担う役割のこと。特に資格は必要ないが、採血や注射といった医療行為には携わることができない。
桜庭澪は、名門・星嶺医科大学附属病院統合外科に配属され、ナースエイド(看護助手)として勤務することになった。
医療行為は一切許されないけれど、患者さんに寄り添うプロとして澪は誇りを持ち、患者の心を救っていく。
しかし 患者を助けたいという強い想いと、医療オタクということもあり、医者の診察に首を突っ込んでトラブル連発。
澪は配属早々に「厄介なナースエイド」として一部の医師や看護師から煙たがられてしまう。
そんな澪のまえに天才的なオペの技術を持つ外科医・竜崎大河が現れるが、実は彼は澪のお隣さんだった。
最高の技術を提供することが医師の役割だと断言する竜崎と、患者に寄り添い気持ちを汲み取ることが最優先だと思う澪は何かと対立するが…。
さらに澪は、最愛の姉に起こった凄惨な事件の秘密を抱えていることで、怪しい影が忍び寄るーー。
『となりのナースエイド』登場人物&相関図
◆登場人物
◆桜庭 澪・・・星嶺医科大学附属病院の新米ナースエイド。医療オタク。ある秘密を抱える。
◆竜崎大河・・・35歳の天才外科医。総合外科で火神教授に次ぐナンバー2の実力を持つ。プラチナランク。
◆早乙女若菜・・・若いナースエイド。看護師になるため浪人中
◆遠藤剛史・・・元陸上自衛隊のナースエイド。シングルファーザーで小学生の娘がいる。
◆園田悦子・・・30年以上ナースエイドの仕事に携わるベテラン。澪の教育係。
◆定森恵理子・・・主任看護師。
◆火神郁男・・・星嶺医科大学附属病院の教授。ゴッドハンドと呼ばれる天才外科医でノーベル賞を受賞することが噂されている。
◆火神玲子・・・火神郁男の娘。総合外科の外科医。ゴールドランク。
◆壷倉・・・総合外科の医局長。ゴールドランク。
◆大垣・・・総合外科のベテラン外科医だが手術の腕はイマイチ。ゴールドランク。
◆定森恵理子・・・主任看護師。
◆桜庭 唯・・・澪の2歳上の姉。新聞社の記者をしていた。シムネスという病を患い澪が執刀するも、術後に病院の屋上から飛び降りて亡くなった。
◆橘 信也・・・新宿署の刑事。唯の恋人だった。
◆相関図
※無断転載ご遠慮ください。
『となりのナースエイド』結末と犯人をネタバレ
※以下ネタバレありますので、未読の方はご注意ください。
『となりのナースエイド』では、悩みを抱えた患者さんのエピソードがありつつ3つの謎が浮上してきます。
◆澪の抱えている秘密と正体
◆姉が亡くなった事件の黒幕は
◆火神教授が開発したオームスという機器の秘密
ここからは、物語のキーともなるこれらの謎についてネタバレしていきますので、未読の方はご注意下さい。
◆澪が抱えている秘密
澪がナースエイドの仕事に就いたのは、姉が亡くなったある事件に関係していました。
新聞記者をしていた澪の姉・唯は、全国で年間に数十例しかないシムネスという病気を患っていました。
がん細胞にシムネスウィルスが感染することで発症するこの病気は、全身の臓器に散らばり腫瘍ができるという厄介なものでした。
最期までジャーナリストとして仕事をしたい唯のために、澪は手術を提案しますが、術後は人工肛門を造設しなければなりません。
最初は難色を示していた唯ですが、澪の必死の説得により手術を行うことになりました。
無事に手術は成功しましたが、唯の会社は人工肛門だと取材先に迷惑がかかるとして、取材の許可を許しませんでした。
さらに肺に腫瘍ができたことで唯は再入院しますが、病院の屋上から飛び降りて亡くなってしまったのでした。
◆澪の正体
かつて澪は、優秀な外科医でした。
唯の手術の執刀を務めたのも澪でしたが、姉の事件に責任を感じて以来、医療行為を行うたびに姉の亡くなった場面がフラッシュバックしてパニック障害を起こすようになりました。
医者としての道が絶たれた澪でしたが、星嶺医科大学附属病院の教授・火神郁男が彼女の外科技術を高く評価して、ナースエイドとしてスカウトしたのです。
澪は外科医の腕はもちろん、火神が開発したオームスという医療機器を唯一扱うことができる人物でした。
火神は天才的なオペ技術を持つ竜崎に期待していたのですが、彼をもってしても最先端のシュミレーションに脳がおいつかず、オームスのオペレーターにはなり得ませんでした。
火神は自分の夢を叶えるべく、特別な才能を持つ澪に目を付けたのでした。
◆姉の事件の真相
自分が手術を勧めたせいで姉が自ら命を絶ったと思いこんでいた澪でしたが、唯の婚約者で刑事の橘 信也により、姉は自殺ではなく何者かに殺されたことが判明します。
唯は取材を通してある危険な情報を手に入れ、口封じとして命を奪われた可能性があったのです。
そして危険を感じていた唯は、自分が何かあったときのために、その情報をSDカードに収めて澪の聴診器にこっそり隠していました。
澪のアパートが何ものかに荒らされていたのも、そのSDカードが原因でした。
ちなみに、澪のアパートに侵入したのはナースエイドの仲間であるベテランの悦子、看護師を目指す若菜、シングルファーザーの遠藤でした。
ナースエイドの仲間の3人は、それぞれ犯人に弱みに付け込まれ澪のアパートに侵入していました。
悦子→孫を星嶺大学に入れるため口利きをしてもらう
若菜→看護大学の奨学金免除
遠藤→起こした事故の治療費を無料にする
最初は、医局費を横領していた壷倉という外科医を疑っていた澪でしたが、壷倉にナースエイド3人を動かせるほどの権力はありません。
◆黒幕は?
姉の命を奪った犯人は、火神教授でした。
火神はある日、澪が以前勤めていた病院を仕事で訪れた際に、唯から絶対に知られてはいけないことを指摘され動揺してしまいました。
唯は取材させてくれるなら釈明を聞くという条件を出して、屋上で二人は話をすることになりました。
しかし唯は事実を公表すると譲らず、もし自分に危害を加えても信頼している人にデータを預かってもらっていると言いました
混乱した火神は取り乱し、唯と揉み合いになった末に、はずみで彼女を突き落としたというのです。
火神が罪を犯してもで守ろうとした秘密は一体何だったのでしょうか…。
◆結末
火神は秘密を教えるかわりに、竜崎に自分の胸にできた腫瘍を取り除いてくれと頼みました。
実は火神も唯と同じシムネスを患っており、手術を行わなければ余命1カ月という状態でした。
手術を行うことになった竜崎と助手の澪は手際よくオペを行いますが、腫瘍を切除したはずの心臓から目にみえる速さで増殖する赤黒い細胞を目にします。
その染みは みるみる心臓を覆い、術中に火神は亡くなってしまったのでした。
火神は、秘密が暴かれると多くの人の命が奪われてしまうとして、結局秘密を明かすことなくこの世を去ってしまいました。
しかし、火神は身をもって異常増殖をする腫瘍を竜崎と澪に見せることにより「秘密」を説くヒントを2人に残したのでした。
執刀した竜崎は火神の手術失敗と過去の違法手術を問われ、病院を辞めてアメリカに渡ることになりました。
澪は火神に「真実を知りたいなら外科医に戻り、オームスのオペレーターになりなさい」と言われたこともあって、ナースエイドをしながら、オームスの試験オペレターとして働くことになりました。-おわりー
『となりのナースエイド』感想
姉が亡くなった原因となった「秘密」が明かされることなく結末を迎えてしまった『となりのナースエイド』。
最初は、ほのぼのとした医療ものだと思っていたのですが、殺人事件や医療の闇、新興宗教など不穏な出来事が次々と発生するジェットコースターな展開に驚きました。
事件の核心にまで迫りますが結局 真相には辿りつかず、火神が遺した大きな謎はそのままでした…。
姉と火神が患っていたシムネスという病気、オームスという最先端医療機器に秘密を説くカギはありそうですが、ヒント止まりでした。残念。
アメリカ発つまえに竜崎が澪に「外科医という狭い世界でお互い前に進み続けていれば、どこかで会える」と言っているので、続編は絶対にあると考えていいでしょう。
続編は今よりさらに技術を磨いた竜崎とオームスを使いこなす澪がタッグを組んで、事件を解決していくという展開になりそうです。
なお記事ではあらすじから結末までかなり省略してまとめていますので、ドラマで興味を持った方はぜひ見ごたえのある原作も読んでみて下さいね。
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