『ゲームの名は誘拐』ネタバレ!あらすじ~結末を相関図付きで

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東野圭吾さんによる『ゲームの名は誘拐』は、野心あふれる広告マンと副社長令嬢が狂言誘拐を企てることころから始まるミステリーです。今回は、二転三転する展開が魅力の『ゲームの名は誘拐』のあらすじから結末をご紹介します。

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『ゲームの名は誘拐』あらすじ

敏腕広告プランナーの佐久間俊介が手掛けていた新車キャンペーン企画が、「日星自動車」の副社長の葛城勝俊によって白紙に戻されてしまう。

プライドを傷つけられ納得のいかない佐久間は、酒に酔った勢いで葛城宅を見ようと訪れるが、そこで塀を乗り越えて出てくる女性を目撃する。

女性を尾行して話を聞いたところによると、彼女は葛城勝俊の樹理で家出をしてきたらしい。

継母や異母姉妹のいる家には居場所がなく、帰りたくないという樹里は、葛城家から金を巻き上げたいと考えていた。

そこで佐久間は雪辱を果たすため、樹理に狂言誘拐を持ちかけ、葛城から3億円を奪い取ろうと計画する。

仕事も人生も恋もすべて“ゲーム”だと考える佐久間は、完璧な勝利を信じて誘拐ゲームを楽しむことにした。

しかし、人質と誘拐犯が仕掛けた狂言誘拐は、意外な展開を見せていく…。

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『ゲームの名は誘拐』登場人物&相関図

登場人物

佐久間俊介・・・敏腕広告プランナー。クライアントである葛城に企画を白紙に戻されプライドを傷つけられる。
葛城樹理・・・「日星自動車」の副社長の勝俊と以前の愛人の間にできた娘。大学2年生。勝俊に引き取られてからは継母と異母妹と同居している。
葛城勝俊・・・自動車会社「日星自動車」の副社長。
葛城千春・・・勝俊と現在の妻の娘で樹里の異母妹。高校3年生。
小塚 茂・・・佐久間が勤める広告会社サイバープランの社長。45歳。

相関図

※無断転載ご遠慮ください。

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『ゲームの名は誘拐』結末までをネタバレ

ストックホルム症候群

狂言誘拐を成功させるために協力し合う佐久間と樹里は、次第に親密になっていきます。

それはまさに、テロリストと人質が一緒にいると早く事態を解決したいという共通の思いから、連帯感が生まれてくるストックホルム症候群という心理状態ににていました。

そして二人は証拠隠滅のため訪れた横須賀で、海に面した崖の上に車を停め、結ばれました。

行為のあと樹里は、ゴミを捨ててくると外に出ると、崖の下の海を見ながらしばらく佇んでいたのでした。

3億円を手に入れた二人

その後、佐久間と樹里は、掲示板を利用して葛城とやり取りをし、見事に3億円を奪うことに成功しました。

事前に話し合った通り、2憶7千万円は樹里、残りの3千万は佐久間が受け取りました。

そして佐久間は樹里に、家に帰ったあと警察からの取り調べで、女が可哀想な被害者を演じきれるように、受け答えのレクチャーしました。

身代金強奪から2日経過し、警察も動いていないことから、二人は今後一切 連絡を取らないことを約束し別れました。

別人

身代金強奪からしばらくたった頃、佐久間は驚くべきニュースを目にします。

あれから樹里は家に戻っておらず行方不明となっており、しばらくして横須賀で遺体となって発見されたようなのです。

しかも、テレビに映し出された樹里は、佐久間が一緒にいた樹里ではなく、全く知らない別の顔をしていました。

どうやら、佐久間と一緒にいたのは樹里ではなく、次女の千春だったようなのです。

そして、樹里だという遺体の亡骸には、男の体液が残されており、警察は横須賀周辺で聞き込みを行っていることも分かってきました。

佐久間はそこで自分が犯人に仕立て上げられようとしていることに気づいたのでした。

結末

佐久間は自分の仮説を確かめるため、葛城にメールを送りました。

翌日、佐久間が仕事からマンションに戻ると、ソファーに樹里と名乗っていた千春が座っていました。

樹里を殺害したのは千春でした。

あの日、千春は化粧クリームを勝手に使われたことで樹里と口論となり、とっさに近くにあったハサミで樹里を刺してしまったのです。

大騒ぎになることが面倒になった千春は、玄関の防犯カメラに映らない塀の上から家を出たのでした。

そして千春は、偶然出会った佐久間から狂言誘拐に話を持ち掛けられ、事件を隠蔽する方法を思いついたのでした。

それからはこっそりと、父・葛城と連絡をとり、佐久間の計画を報告。

横須賀で肉体関係を持ったのも、佐久間の体液を手に入れ、樹里の遺体に付着させるためだったのです。

葛城家の計画を知ってしまった佐久間は、これから消される運命にありました。

佐久間は、ワインに睡眠薬を盛られたせいで意識が遠のくなか、ある証拠がパソコンのなかに保存されていることを葛城と千春に知らせました。

葛城と千春が佐久間のパソコンを調べると、千春が佐久間のマンションで料理を運ぶ姿を撮影した画像が発見されました。

姉・樹里を誘拐した犯人・佐久間の家で、妹・樹里が手料理を振舞っている事実が分かれば、葛城の筋書きは狂ってしまいます。

こうして佐久間は、最後の切り札のおかげで“ゲーム”に勝ち、命を奪われることはなかったのでした。-おわりー

『ゲームの名は誘拐』感想

主人公の男がなかなか鼻持ちならないヤツなので、誘拐成功後に腰を抜かすほどビックリして焦る様子が面白かったです。

佐久間という男は、複雑な家庭環境のなか、その年代にあった悪戯っ子、反抗期、思春期、将来に悩む青年の仮面をかぶって生きてきました。

そして、広告クリエイターとなった佐久間が、人生経験によってキャラクターの顔が微妙に変化していく「青春のマスク」というゲームを完成させたというエピソードが登場します。

『ゲームの名は誘拐』は「青春のデスマスク」から改題されたそうなので、「経験が顔を作り、その顔が運命を決める」と言うのが本作のテーマだったのかなと感じました。

この社会では、ほとんどの人が仮面を着けて生活していますが、何重にも仮面を重ねている佐久間の生き方には、どこか虚しさも漂います。

そして、この作品の見どころは、何といっても最後のドンデン返しですね。

したたかで頭が良い者同士の騙し合いは、爽快感があってラストまで一気読みでした。

完璧に練られたプランが面白いように筋描き通りに進行していくなかで、何度も「おかしい」と感じる部分がありましたが、絶妙にそれが「何か」が特定できないところは、さすが東野圭吾作品だなと思います。

なお、亀梨和也さん主演のドラマ『ゲームの名は誘拐』は、WOWOWで配信される予定です。

登録方法は以下のリンクに詳しく記載していますので、ご覧ください。

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