『夏目アラタの結婚』ネタバレ!最終回までの結末を相関図付きで!

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乃木坂太郎さんによる漫画『夏目アラタの結婚』は、獄中結婚からはじまるノンストップラブサスペンス作品です。今回は柳楽優弥さん主演で映画化も決定した『夏目アラタの結婚』のあらすじから結末をご紹介いたします。

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『夏目アラタの結婚』あらすじ

児童相談所で働く夏目アラタは、荒んだ家庭環境で育ったため結婚に夢を抱いたことのない30代独身。

そんななか、担当した子どもである山下卓斗から「自分の代わりに父を殺した死刑囚に会いに行って欲しい」と頼まれる。

卓斗は、未だに見つかっていない殺された父の首を探すため、アラタの名を借りて犯人と文通していたのだった。

その死刑囚の名は品川真珠

品川ピエロ”として世間を騒がせた、女性連続殺人鬼。

当初 卓斗は、父を想って純粋に犯人と連絡をとっていたが、次第に文通を面白がるようになり「悪」への一線を越えようとしていた。

アラタはそんな卓斗を心配し、遺体の隠し場所を探るため拘置所にいる真珠と面会することに。

しかし、そこに現われたのは太った醜いピエロではなく、とても21歳とは思えないような幼く、痩せた女だった。

真珠はアラタが文通相手の偽物だと気づき、一目見て立ち去ろうとするが、アラタは情報を引き出すために咄嗟に「結婚しよう」と獄中結婚を申し込む。

「どうせ死刑囚が釈放されることはない」と踏み、真珠にプロポーズするという大胆な手段をとったアラタだったが、頭がキレる真珠は、再審での無罪を勝ち取ろうと動き出す。

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『夏目アラタの結婚』登場人物

登場人物

夏目アラタ・・・児童相談所勤務の30代独身。荒んだ家庭環境で育ったため結婚に興味がなかったが、ひょんなことから死刑囚・品川真珠と面会し、彼女の気を引き止めて情報を得るために咄嗟に「結婚しようと」持ちかけてしまう。
品川真珠・・・連続殺人鬼“品川ピエロ”と呼ばれる死刑囚。21歳。犯行時は太っていたが、現在は痩せて少女のように幼く見える。歯並びが悪い。
宮前光一・・・真珠の弁護士。幼い頃に虐待されている真珠に会ったことがあり、彼女の無罪を信じ、裁判では情状酌量を勝ち取ろうとしている。真珠の母・環に好意を抱いていた。
桃山香里・・・アラタの職場児童相談所の同僚。通称“桃ちゃん”。アラタの好みのタイプで年上でぽっちゃり体型。真珠の無実を信じアラタとの結婚を応援している。
大高利郎・・・児童相談所の所長。問題児だったアラタのことを息子のように思っている。
山下卓斗・・・14歳。真珠に殺された1人目の被害者・山下良介の息子。遺体の隠し場所を知るため真珠と文通を始めたが、アラタに止められる。
周防沙菜・・・真珠が命を奪ったとされる3人目の被害者・周防英介の妹。ブラコンでアラタに好意を抱く。
相沢純也・・・品川ピエロの2人目の被害者。大手進学塾の人気講師。当時30代。真珠と交際していた。
藤田・・・死刑囚アイテムコレクター。離婚後、新聞屋を営む。
品川 環・・・真珠の母。石川県出身。真珠を出産後三島と別れて女手ひとつで真珠を育てる。
三島正吾・・・真珠の父と名乗る男。環とは高校の同級生。ホームレスで真珠が看護学生のときに研修生として勤めていた病院に入院してきた。
神波・・・真珠の控訴審の裁判長。

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相関図

※無断転載ご遠慮ください。

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『夏目アラタの結婚』結末までをネタバレ

父親が犯人?!

真珠に結婚を申し込んだアラタでしたが、肝心の卓斗の父の遺体の一部を見つけることができずにいました。

真珠は、焦りを感じるアラタに次々と駆け引きを仕掛けて、ついに二人は婚姻届けを提出して正式に夫婦となりました。

そんなか控訴審がはじまり、真珠はアラタと生活するため黙秘から一転、無実を訴え始め「事件の真犯人は自分の父親だ」と衝撃の発言をしました。

真珠の母の品川 環は、かつて高校の同級生だった三島正吾という男と交際していましたが、その頃に妊娠。

環は、入籍しないまま真珠が生まれてすぐに三島と別れました。

真珠は、裁判で父と名乗る三島に付きまとわれ、金や身体を要求され、あげくに真珠が交際していた男性達を次々と殺害したと告白しました。

しかし、DNA鑑定の結果、三島正吾が真珠の父親ではないことが判明し、真珠の証言の信ぴょう性が問われました。

裁判長も、真珠の過去の記録と目の前の真珠の印象がかけ離れていることを指摘しました。

真珠は本当の真珠ではない?!

実はアラタが結婚した真珠は、本物の品川真珠の妹にあたる人物でした。

小学校の文集に書かれていた環の将来の夢は、可愛い赤ちゃんを産んで「素敵なお母さん」になること。

しかし、産まれた真珠(姉)は1歳頃に亡くなってしまい、環の夢は崩れてしまいました。

そこで環は真珠の身代わりとして真珠(妹)を産み、戸籍を提出することなく「真珠」として育てました。

環は真珠を2歳年上の姉に偽装するため、ネグレクトにもかかわらず食事だけはパックごはんとツナ缶を与え、太らせました

真珠の歯並びが悪いのも、乳歯から永久歯への移行状態によって年齢がバレてしまうため、歯の治療をさせなかったためです。

また、アラタは拘置所で初めて真珠と面会した際、幼少期は愚鈍ないじめられっ子と言われていた真珠が非常に頭がキレる女性という印象を受けました。

しかし、小学校時代はいくら頭が良くても2歳の年の差があれば、理解力や発達面でどうしても差が出てしまいます。

だから真珠が6歳くらいに8歳として受けた田中ビネー知能検査が低く出たのは当たり前のことで、逮捕後に田中ビネー知能検査を受け指数が30以上高くなったのもうなずけます。

結末

真珠の住んでいた部屋から発見されていた血痕の持ち主は、やはり三島正吾のものでした。

三島は、赤ん坊だった真珠(姉)を事故とはいえ殺したこともほのめかし、うらぶれた生活をおくるなか真珠と出会い執拗に金と身体を求めてきました。

そして真珠は、初めて三島にだけ殺意を向けて命を奪ったのです。

結局、真珠は3件の自殺ほう助と、1件の殺人の罪に問われ、懲役12年が確定しました。

9年後ー模範囚として過ごしていたと思われる真珠は出所しました。

場面は変わり、真珠はコタツに入って新聞屋の藤田を「おとうさん」と呼び、またみかんが欲しいとLINEを送信しました。

すると「主任になると仕事が大変」と愚痴りながらアラタが帰宅。

真珠は「おかえり」と出迎えるのでした。-おわりー

なお、この結末はかなり省略してまとめていますので、細かな伏線の回収や真珠の生い立ち、被害者の家族のエピソードなど詳しく知りたい方は、ぜひ原作の方で楽しんで下さいね。

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『夏目アラタの結婚』感想

不気味なピエロ姿の猟奇殺人鬼のイメージとは全く違う女性として現れた真珠。

もうこの時点で掴みはオッケー、読者は真珠の狂気に呑まれてしまいます。

本心を隠し、騙し、時に本音を吐露する真珠の姿に翻弄され、「本当に彼女は殺人を犯したのか?」と違和感だけで最後までグイグイと読ませてくれます。

真珠は好きな人への愛情が強すぎるあまりに精神が不安定になってしまういわゆる「ヤンデレ」なのですが、ここまで歯並びが汚いヒロインというのは衝撃的。

真珠は真珠でも最高ランクの「花珠」ではなく、「バロック真珠」のような歪つさが彼女の魅力ということなんでしょうか。

やがて悪魔のような知性を持ち合わせた真珠の過去が明らかになるにつれて、なぜこんな歪んだシリアルキラーになったのかが丁寧に解明されていきます。伏線回収もバッチリ。

確かに真珠は、遺体をバラバラに解体するなど狂気的な部分もありますが、母やアラタへの愛憎入り混じる様子を見ていると、情深い女性なんだなと感じました。

また真珠は、出廷のたびに映画『レオン』のマチルダの服装やセーラ服など一見コスプレのように衣装チェンジするのですが、それがアラタにだけ伝わるメッセージというのもいじらしい。

結末は最後まで読めない展開となり、破滅願望がある二人には心中しかないのかなと思っていましたが、意外や意外のハッピーエンド。

アラタが交通事故で亡くなるかもというとき、真珠が初めてアラタへの愛に気がつくシーンや、アラタが真珠との別れを惜しみアクリル板越しに触れ合い、泣きじゃくりながらキスをする姿などが印象的でした。

9年後ーアラタは普通のおじさんになってしまいますが、真珠と出会い自分の弱さを受け入れたからこそ、彼女と幸せになることができました。

周到な伏線を散りばめた、良質のノンストップラブサスペンスである『夏目アラタの結婚』は、柳楽優弥さん主演で映画化されることも決定しています。

一足先に作品の世界観に浸りたい方は、ぜひ見ごたえのある原作の方も堪能してみて下さいね。

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