『蛇の道』ネタバレ!あらすじ~結末を相関図付きで考察

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1998年に公開された黒沢清監督の傑作サスペンス映画『蛇の道』がセルフリメイクされることになりました。そこで今回は、一味違った復讐ものともいえる『蛇の道』のあらすじから結末をご紹介します。

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『蛇の道』あらすじ

10歳になる小学生の娘を無残にも殺された宮下辰雄(香川照之)は、ひょんなことで出会った新島直巳(哀川翔)に手助けしてもらいながら、関わったであろうヤクザを監禁して復讐しようとしていた。

ヤクザたちは、少女を誘拐して凌辱し殺害した様子をビデオに撮影し、販売していたのだ。

最初に拉致した組織の幹部・大槻(下元史朗)に拷問し、強引に口を割らせると組長・檜山(柳ユーレイ)の存在が明らかになる。

実は、宮下はかつて檜山の下で働いていたことがあったのだ。

果たして、真犯人は本当に檜山たちだけなのか?

さらに新島は、なぜ宮下を助けるのか?その目的は?

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『蛇の道』登場人物&相関図

登場人物&相関図

※無断転載ご遠慮ください。

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『蛇の道』結末をネタバレ

宮下もビデオ販売に加担していた

スナッフビデオの餌食となった娘の違法ビデオを闇で販売してきた組織に対し、恨みを持っていた宮下。

しかし、宮下は大槻と同じ組織に属し、撮影には関与していないものの違法ビデオの販売に加担していたのです。

それを知った新島は、続けて拉致した檜山と大槻に「宮下はイカているから、誰か適当な真犯人をでっちあげよう。そうしたら逃がしてやる。」と取引きを持ちかけました。

一方、ゴルフ場で檜山が連れ去られるところを目撃した、「スナッフヴィデオ」製作グループのコメットさんは、檜山の行方を探し始めます。

新島の正体

これまで献身的に宮下の復讐を手伝ってきた新島は一体何者なのか。

実は新島の娘も、闇の組織に惨殺されており、宮下を利用して組織全体に復讐しようとしていたのです。

新島は、檜山が拉致されている廃工場に駆けつけたコメットさんと弟を殺害しました。

この廃工場は、あのスナッフビデオの撮影場所であり、少女たちが犠牲になった場所でした。

新島は宮下を殴って鎖につなぎ、自分の正体を明かしました。

そして、宮下の前にモニターを持ってきて「新島エミ。8歳ー」と話しながら、新島の娘が殺される様子を映像を見せ始めました。

宮下は耳を塞いで、目をつぶるも、好奇心に負けて画面に釘付けになります。

新島は「お前のことが一番嫌いだった」とつぶやき、宮下が壊れる様子を見るのでした。

結末

レンガが敷き詰められた道に、チョークで数式を書く新島と少女のもとに宮下が現れ、しゃがんで数式を見ます。

新島は「あなたも興味がありますか?」と問い、宮下が視聴者を見つめるシーンで物語は終わります。

『蛇の道』感想

本当に、本当に陰惨で胸糞が悪い映画でした。

大勢の人間が亡くなるというのに、じめじめとした感じではなく、どこか淡々とした乾いた印象を受けたのは、ループしているような構成にあるのかもしれません。

中盤で宮下が塾帰りの少女(新島の娘に似ている)に遭遇したときの表情を観ると、宮下がビデオの販売だけでなく加害していたのは明らか。

宮下も犯罪組織の同類(仲間)ということですね。

蛇の道は蛇・・・同じ仲間のやったことならば、他人には分からなくても、その仲間たちにはすぐに分かるというたとえ。同類の者はその社会のことなら、何事にも通じていることをいう。

そして、ズルズルと幾度も同じシーンが繰り返されるのは、新島は何度も過去に戻って娘を救おうとしている演出かなと思いました。

新島が生徒に質問に「そんなことしたら空間が裏返って時間が逆に流れることになる」と答えていたのも、ループを暗示していますね。

また、ヤクザが全然怖くないところや、コワモテの哀川翔が塾講師という意外性のある配役も狙ってのことなんでしょうか。

ビデオ制作会社の女性「コメットさん」。名前も不思議だし、脚が悪いバックボーンも描かれない意味不明な設定。

この最後まで全貌が明らかにならない「分からなさ」が、この作品の不気味さを際立てているような気がします。

キャストでいえば、宮下を演じる香川照之さんの狂った演技が、とてつもなく恐ろしかった。人間おかしくなると、こんな鼻の下伸びるんですねwww。

あと、黒沢清監督が話していた通り、哀川翔さんの立ち姿が美しい。

香川さんとは対照的に静かな狂気を潜ませた「無」の演技に唸った作品でした。

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