映画『さがす』ネタバレ!実話を元にした衝撃作の結末とラストシーンの意味は?
映画『さがす』は、「指名手配犯を見た」と言い残し失踪した父と、その父を必死に探す娘の姿を描いた作品です。時系列を無視して父、娘、犯人の視点から展開するストーリーは実際の猟奇事件のエピソードが盛り込まれ、目を覆いたくなるような衝撃的な内容となっています。今回はノワール作品としても秀逸な『さがす』のあらすじから結末をネタバレ有りでご紹介いたします。
『さがす』あらすじ
ある日、大阪の下町に住む原田智は、「お父ちゃんな。指名手配の連続殺人犯を見たんや。捕まえたら300万もらえるで。」と話すが、娘の楓は、またいつもの冗談だと思い相手にしなかった。
翌日、楓が目を覚ますと智は失踪していた。
心配した楓は、学校を休んですぐに探しに出かけ、智が日雇い労働の現場に出勤していることを突き止め工事現場に向かった。
しかし、現場で”原田智”と名乗り働いていたのは、長身で痩せた眼鏡をかけた青年だった。
戸惑いながら現場を後にした楓だったが、町に貼り出された指名手配犯のポスターのなかに、先ほど父と同じ名前で工事現場で働いていた男とそっくりな顔写真があるこに気づく。
その名も連続殺人犯・ 山内照巳。
山内は、SNSを通じて自殺希望者と連絡を取り、「安楽死の希望を叶える」と称して快楽殺人を行っている凶悪犯だった。
楓は、山内と父との関係を探り始め、かつて父が借金のために手放した卓球教室を訪れるが、そこで寝ている山内を発見する。
山内はすぐに逃亡するが、楓は壁をよじ登ろうとする彼のズボンを離さなかった。
山内はズボンを脱がされたまま逃げてしまうが、楓がズボンのポケットから父の携帯電話と神戸港~果林島の往復乗船券を見つける。
楓はクラスメイトの花山豊と共に果林島に向かうが、警察が駆けつけていた島の一軒家で、血を流した父を発見して取り乱してしまう。
なぜ山内は父の携帯電話を持っていたのか。そして父はなぜ何の所縁もない島で倒れていたのかーー。
『さがす』登場人物&相関図
◆登場人物
◆原田 智(さとし)・・・1年前に妻が亡くなってから一人娘の楓と二人暮らし。妻が病気になる前は卓球教室を経営していたが、現在は定職に就かず日雇いで働いている。
◆原田 楓・・・智の中学生になる娘。母が亡くなってから投げやりになる父に呆れながらも慕っている。
◆山内照巳・・・SNSを通じて自殺希望者と連絡を取り、「人助け」の名目で快楽殺人を行う。指名手配中の連続殺人犯。
◆ムクドリ・・・山内に自殺幇助を依頼した女性。ムクドリはSNS上のハンドルネーム。山内に殺される直前に警察が現場に立ち寄ったことで助かる。
◆花山 豊・・・楓のクラスメイト。楓のことが好き。楓に交際する代わりに山内の行方を追うため果凛島に一緒に行ってくれと言われ承諾する。
◆蔵島みどり・・・楓の担任。父が失踪したという楓に親身に寄り添うが、彼女から「偽善」だと言われてしまう。
◆原田公子・・・智の妻で楓の母。筋萎縮性側索硬化症を発症し、自力では動けなくなり安楽死を願っていた。ほどなく卓球教室で首を吊って亡くなっているのが発見された。
◆馬淵・・・果凛島に住むみかん農家。逃亡中の山内を家に招き入れ保護するが…。
◆相関図
※無断転載ご遠慮ください。
『さがす』衝撃&胸糞の結末をネタバレ
映画『さがす』は、時系列がバラバラで物語が進行し、娘→殺人犯→父という順序で視点が変わっていきます。
そのため少しだけ混乱してしまうのですが、逆にそれが結末に向かってパズルのピースのようにはまっていくのでミステリーとしても良く出来ています。
また、世間を騒がせた「座間9人殺害事件」「ALS患者嘱託殺人事件」「リンゼイ・アン・ホーカーさん殺人事件」…など実際にあった事件のエピソードが織り交ぜられており、目を覆いたくなるようなショッキングなシーンもたくさん出てきます。
しかし、社会派映画という堅苦しさはなく、父のブラックジョークや娘との軽妙な掛け合いなどシリアスななかにユーモアも散りばめられ独特な世界観を醸し出している作品でした。
ここからは、分かりやすいように時系列順に結末までを解説していきます。
ネタバレが含まれますので、未視聴の方はご注意下さいね。
◆島への逃亡で目覚める
山内は以前、瀬戸内海に浮かぶ果林島という小さな島を訪れたことがありました。
そこでみかん農家を営む老人に保護され家に案内されますが、その老人は部屋の一室をアダルト部屋にしているという変態でした。
動く女性には興味がないという山内に、老人はSMビデオを見せますが、山内はいたぶられる女性の白いスクールソックスに異常な興奮を覚えました。
そして、部屋にあった日本刀を持ち出し老人を斬りつけて命を奪い、遺体に白い靴下を履かせ性的興奮を得ました。(人を殺めたあとで、アイスを頬張る山内。ここは世田谷一家殺人事件び犯人がとった行動と重なります)
◆父・智と山内の出会い
物語の後半で父・智の視点で明らかになる、智と山内との出会い。
山内は介護士として、筋萎縮性側索硬化症を患う智の妻・公子のリハビリを担当していました。
そんななか妻の苦しむ様子に耐えられずうずくまる智を見つけ、「無理矢理に生かすのはお金と時間の無駄。息を止めて楽にしてやるのがいい」と安楽死をそそのかします。(智は、公子がSNSで安楽死を希望していたことも知っています)
そして、追い詰められていた智は、20万円で山内に安楽死を依頼します。(山内にとっては快楽を得るための殺人だった。その証拠に公子に白い靴下をはかせていた描写がある)
金ももらえて自分の欲求も満たされることを知った山内は、智にSNSを通じて自殺志願者とコンタクトを取り、楽に死なせてあげる手伝いをして欲しいと依頼します。
役割分担は、智がSNSアカウントの運用して山内と引き合わせ、山内が自殺ほう助の実行役です。(山内は危なくなったら智にすべて罪を被らせるために、彼を誘い被害者とやりとりさせていました)
最初は、戸惑っていた智ですが、根が真面目なのか、次第に苦しんでいる人を安らかに逝かせてあげることに使命感のようなものを感じていくのでした。
◆ムクドリ
山内と協力者の智が、次々と自殺志願者の命を奪っていくなか、車いす生活を送る「ムクドリ」という女性から300万円で依頼が入ります。
ムクドリは、かつて山内に殺されかけましたが寸前で、警察に見つかったことで生き延びることができました。(山内は警察官をフォークで刺し逃亡。その潜伏先が果林島だった?)
しかし、その後もムクドリは死にたいという願望が消えず、あるときビルから飛び降り、下半身不随になったのでした。
智はムクドリと落ち合い、彼女を着替えさせたりして世話をしますが、闘病中の妻の姿が重なり涙を流してしまいます。
智は、自分が経営していた卓球場で山内に引き渡しムクドリの希望を叶えようとしますが、そこに父を探す娘の楓がいたため断念します。
そこで山内は、果林島のみかん農家の家に場所を変更すると智に連絡しました。
◆小さな島で起こった事件
みかん農家の老人を殺害して乗っ取った家で、ムクドリは山内に首を絞められ、力尽きました。(ムクドリは亡くなったように見えたが息はあった。だから山内は自慰行為をするも興奮しなかったと思われます。)
そんななか、見張り役の智は「誰か来た」と山内に嘘をついて部屋に入り、包丁を山内に手渡しました。
応戦しようと山内が外を伺っている隙を見計らって、智は金づちで山内の頭を殴打しました。
揉み合う二人の傍でクーラーボックスが倒れ、中からは老人の遺体ではなく、氷と共にプレミアムモルツの缶が飛び出しました。
(山内は、次第に智に仲間意識が芽生え、一仕事終えたあとに酒を酌み交わし楽しもうとしていていました。その証拠に、殴られた後の山内の目には涙が浮かんでいました。異常者のなかに人間らしさが見えたシーンでした。)
山内をようやく殺害できた智は、彼にすべて罪を被らすため、自分の腹を刺して被害者を装い警察に通報。
やがてパトカーのサイレンの音が聞こえました。
しかし、まだ息のあったムクドリが突然起き上がり、智に「お願い。絞めて。」と追いすがります。
「ちゃうねん。ちゃうねん。」そう言いながら、智は仕方なく首を絞めたのでした。(その表情が亡くなった妻と重なります。)
ムクドリが息を引き取ると、智は血だらけで横たわります。
外に目を目を向けると、娘の楓が「あれ、私のお父ちゃん!!」と警察に制止されている姿が目に入ります。(ここで前半の娘の視点の最後と繋がるようになっています。)
◆結末
智の腹の傷は命に別状はなかったうえ、犯人検挙の報酬として警察から報奨金をうけとりました。
しかし、ムクドリは一枚上手で300万の札束はフェイクで、智は6万しか手に入れることができませんでした。
なんとか卓球場を再会したものの、お客さんは全然入らず、また潰れるのも時間の問題でした。
そんななか智はレジの奥から、自殺志願者と連絡をとっていたアカウントが書かれたコースターを発見しました。
金に困っていることもあり、智は山内の犯行を引き継ぎ、アカウントを再開してメッセージのやり取りを始めました。
楓はそんな父の様子に気づき、自殺志願者のふりをしてSNSで智が運営していると思われるアカウントにメッセージを送ります。
そして、楓が待ち合わせ場所に向かうと、やはりそこに父の姿が…。
自殺志願者(楓)にすっぽかされた智が卓球場に戻ってきました。
二人はラリーをしながら会話を始め、楓は智に「お父ちゃんが何者か知ってる。」と告げました。
智の携帯電話を卓球台に置いた楓は涙を流しながら「うちの勝ちやな」と言い、智は「なんの勝負やねん」返すことしかできません。
二人はピンポン玉無しのエアーラリーをはじめるなか、外からはパトカーのサイレンが聞こえるのでした。-おわりー
『さがす』感想
「なんだか、凄いものを見てしまった…」
片山慎三監督といえば自閉症の妹に売春をさせて生計をたちようとする兄という胸糞設定の前作『岬の兄妹』が話題になりましたが、今回の『さがす』も強烈な作品でした。
妻を苦しみから救ってやりたい一心で自殺ほう助を依頼し、娘との生活を守るために犯罪に加担してしまう智の転落プロセスが、本当に苦しかったです。
最初は単純に失踪した父を探していた楓でしたが、その過程で人間の道を踏み外した智を探し当ててしまうのも悲しい。
そして、大事なシーンで登場する卓球。
卓球というのは原田家にとって幸せなときの象徴で、ピンポン玉は命のメタファーようなもの。
公子が亡くなったとき山内は、くしゃりとピンポン玉を踏みつぶした。何の罪もなく人の命を奪うように。
そしてラストシーンでは、かつての父娘に戻ったように卓球のラリーをしながら小気味よい会話をする智と楓。
サイレンの音が聞こえると、
「お迎えがきたで」
「なんでやねん」
と冗談を言い合う。(泣き顔だけど)そして、ピンポン玉は床に落ちて止まってしまう。その後二人はエアラリーを始める。
(一線を越えてしまった父と娘の絆がなくなったことを隠喩している)
このシーンでも、佐藤二朗さんと伊東蒼さんの演技が秀逸でした。
コミカルな演技を得意とするアドリブおじさん佐藤二朗さんですが、今回は、ALSに罹患した妻の自殺ほう助に加担しまうという救いようのない役。
正直、シリアスな演技が出来るのだろうか。と心配でしたが、佐藤さんの笑っているのに泣いているような、可笑しみと悲しみが混じった演技が刺さりまくりました。
悲劇と喜劇は紙一重と言いますが、佐藤さんのお芝居はまさにそれを体現しています。
そして佐藤さんに負けず劣らず、娘役の伊東蒼さんの演技も素晴らしかった。
楓は中学生でありながら父が失踪するという過酷な状況に置かれても、その現実に対峙し行動していく、とてもクレバーな少女です。
だらしないお父ちゃんに呆れながらも、慕い、必死に捜索して連続殺人犯にも立ち向かっていく強さ持った役でした。
二人とも緊張感のような怖さがあるなかでの、クスッと笑ってしまう演技が印象的でした。
人が見たくないもの、見ようとしない人間社会の闇を、嫌というほど炙り出した『さがす』は、不快感とやりきれなさで感情を揺さぶられ、胸にくさびを打たれるような描写の連続でした。
重たすぎてもう一度見ることは出来ないかもしれませんが、ずっと記憶に残るであろう作品となりました。
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