『エルピス』ネタバレ!最終回までのあらすじと結末を相関図付きで

『エルピス-希望、あるいは災い-』は、落ち目の女子アナとポンコツADが、冤罪事件を調べるうちに「自分の価値」「本当の正義」を取り戻していく社会派ドラマです。今回は2022年にカンテレで放送された『エルピス-希望、あるいは災い-』の最終回までのあらすじを相関図付きで振り返ります。
『エルピス』キャスト&相関図
◆登場人物
◆浅川恵那(長澤まさみ)・・・大洋テレビの女子アナウンサー。「路上キス写真」を週刊誌に撮られ報道番組から降ろされバラエティー番組『フライデーボンボン』でのコーナーMCに回される。
◆岸本拓朗(眞栄田郷敦)・・・大洋テレビの若手ディレクター。ヘアメイクの大山に脅され、八頭尾山連続殺人事件の犯人とされる死刑囚・松本が実は冤罪かもしれないと恵那に相談させられる。
◆斎藤正一(鈴木亮平)・・・大洋テレビ報道局のエース記者。官邸キャップ。恵那の元恋人で路チューの相手。拓朗の新人研修のときの講師。才能あふれるデキル男。
◆村井喬一(岡部たかし)・・・『フライデーボンボン』チーフプロデューサー。かつては報道番組を担当していたが。あることをキッカケにバラエティー番組に左遷される。
◆大山さくら(三浦透子)・・・ヘアメイク。通称「チェリーさん」。拓朗がボンボンガールのあさみを口説く証拠をつかみ、彼を脅して恵那に死刑囚・松本の冤罪疑惑を調査させるよう仕向ける。
◆名越公平(近藤公園)・・・プロデューサー。元スポーツ局ディレクターが不倫問題で飛ばされた。上の顔色を常に窺っている。
◆海老田天丼(梶原善)・・・『フライデーボンボン』MC。
◆川上美咲(川瀬莉子)・・・・進行アシスタント。大洋テレビの女子アナウンサー。
◆篠山あさみ(華村あすか)・・・ボンボンガールズメンバー。拓朗が自分を口説く様子を録音し、降ろされそうになるのを防ぐ切り札として利用しようとする。
◆滝川雄大(三浦貴大)・・・報道部の記者。恵那の同期。
◆大門雄二(山路和弘)・・・副総理。元警察庁長官。八頭尾山連続殺人事件が起こった八飛市出身。
◆笹岡まゆみ(池津祥子)・・・「首都新聞」政治部の記者。八飛市出身であったことから八頭尾山連続殺人事件を追跡取材している。
◆松本良夫(片岡正二郎)・・・死刑囚。元板金工。八頭尾山連続殺人事件の被疑者として逮捕され一旦自白するも、その後一転して無罪を主張。最高裁より死刑判決を受けている。
◆木村 卓(六角精児)・・・松本死刑囚の裁判を担当する弁護士。
◆西澤 正(世志男)・・・12年前の八頭尾山連続殺人事件の不審人物の目撃者。
◆岸本陸子(筒井真理子)・・・拓朗の母親。年収1億円を稼ぐ敏腕弁護士。和歌山県出身の成金。夫を亡くし、女手一つで拓朗を育てた。
◆大門 亨(迫田孝也)・・・大門副総理の娘婿で秘書。正義感があり、父の大門によるある出来事を告発しようとするが…。
◆本城 彰(永山瑛太)・・・八飛市のシャッター商店街にある怪しい雑貨店の店主。
◆相関図
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『エルピス』最終回までのあらすじ
1話◆「冤罪とバラエティ」
大洋テレビのアナウンサー・浅川恵那(長澤まさみ)は、かつてゴールデンタイムのニュース番組でサブキャスターを務め、人気、実力を兼ね備えた女子アナだったが、週刊誌に路上キスを撮られて番組を降板。現在は、深夜の情報番組『フライデーボンボン』でコーナーMCを担当している。ある日、番組で芸能ニュースを担当する新米ディレクターの岸本拓朗(眞栄田郷敦)に呼び止められた恵那は、ある連続殺人事件の犯人とされる死刑囚が、実は冤罪かもしれないと相談される。
両親が弁護士という裕福な家庭で育った拓朗は、持ち前のルックスも手伝って、仕事の実力とは裏腹に自己評価が高く、空気が読めない男。とある理由で報道、ましてや冤罪事件とはもう関わりたくないと思っている恵那の気持ちなどお構いなしに、事件の真相を追うために力を貸してほしいと頭を下げる。拓朗がそこまで躍起になるのには、ある事情があり…。
拓朗によれば、冤罪疑惑はある有力筋から得た情報だという。だが、かつて自分が報道したこともある事件だけに、にわかには信じられない恵那。そのうえ事件が起きたのは10年近くも前で、犯人とされた男の死刑もすでに確定している。恵那は、すでに風化した事件を掘り起こすことは得策ではないと一蹴するが、それでも拓朗は懲りずに、報道局のエース記者・斎藤正一(鈴木亮平)を頼る。そして、事件当時の話を一緒に聞きに行こうと無邪気に恵那を誘うが…。出展元:「カンテレ」
2話◆「女子アナと死刑囚」
「真犯人は野放しになっている」―、岸本拓朗(眞栄田郷敦)の言葉がまるで何かの合図だったかのように、行方不明になっていた中学2年生の女子生徒が遺体で発見される。かつて世間を騒がせた連続殺人事件と同じ手口で殺害され、遺体発見現場も同じ神奈川県八頭尾山の山中。これは偶然か、それとも―。
当時犯人として逮捕・起訴された、松本良夫死刑囚(片岡正二郎)の冤罪を訴えていた拓朗の言葉に、わずかな可能性を見た浅川恵那(長澤まさみ)は、番組で過去の事件を調査報道したいと考える。しかし、プロデューサーの村井喬一(岡部たかし)に取り合ってもらえるはずもなく、恵那はひとまず、一人で事件を洗い直す事に。そして、当時14歳で、逮捕当日に松本の家で保護されたヘアメークのチェリーこと大山さくら(三浦透子)が書きためた裁判記録をもとに、松本が殺人を犯したとされる日の足取りを確認すると、検察側のある主張に違和感を覚える。
一方、事の重大さに気づき、一度は真相究明から手を引いた拓朗だったが、恵那が本格的に動き出した事を知り、自分も手伝いたいと申し出る。中途半端な覚悟にあきれつつも、とりあえず戦力として拓朗の力を借りる事にした恵那。するとその矢先、担当弁護士の木村卓(六角精児)を通して面会を申し込んでいた松本死刑囚本人から、恵那宛てに手紙が届く。さらに、思いもよらない人物から1本の電話がかかってきて…。出展元:「カンテレ」
3話◆「披露宴と墓参り」
浅川恵那(長澤まさみ)は、一刻も早く松本良夫死刑囚(片岡正二郎)の冤罪を証明しなければと焦りを募らせる。そんな中、弁護士の木村卓(六角精児)から新聞記者の笹岡まゆみ(池津祥子)を紹介された恵那と岸本拓朗(眞栄田郷敦)は、新聞社が保有する当時の事件資料を手に入れることに成功。まゆみは政治部の記者だが、聞けば、一連の殺人事件の現場となった八頭尾山に思い入れがあり、事件について個人的に調べたところ、真犯人による犯行の可能性に行きついたという。
強力な助っ人の登場に勢いづいた恵那は、早速、資料をもとに12年前に事件の捜査に関わった八飛署の刑事・平川勉を訪ねる。しかし平川は、すでに最高裁で判決が下されていることを理由に、「犯人は松本で間違いない」の一点張り。実際に取り調べを行った刑事にも話を聞こうとするが、すでに退職して所在は不明だった。ところが2週間後、拓朗が思わぬ方法で居場所を突き止め、恵那は松本の自供を引き出したとされる山下守元警部にインタビューを敢行。核心をつく質問に、どこか歯切れの悪い返答をする山下の様子を見て、恵那は当時の取り調べに、ある疑念を抱く。そして、撮影した映像を拓朗と編集していると、編集室のドア越しに、斎藤正一(鈴木亮平)が中の様子をうかがっていて…。出展元:「カンテレ」
4話◆「視聴率と再審請求」
浅川恵那(長澤まさみ)の画策により、被害者遺族ら事件関係者にインタビューした映像が『フライデーボンボン』で放送された。岸本拓朗(眞栄田郷敦)すら知らなかった恵那の“奇襲”に、村井喬一(岡部たかし)たちスタッフはぼうぜん。オンエア後、放送不適切と判断されたVTRを独断で流した恵那は、名越公平(近藤公園)から厳しい叱責(しっせき)を受ける。
一方で、特集への反響は想像以上に大きなものとなっていく…。恵那たちが次に着目したのは、犯人逮捕の決め手にもなった重大な目撃証言。事件当時、目撃者の西澤正は、「男が慌てたように山道から駆け降りてきて、自転車で立ち去る様子を見た」と証言したが、恵那らが申し込んだ取材にはかたくなに応じようとせず、拓朗は西澤の言葉にどこかうさんくささを感じる。そして、証言がうそなら再審もあり得るはずだと息巻くが、そこには“開かずの扉”と呼ばれる司法の高い壁が…。
そんな矢先、恵那は弁護士の木村卓(六角精児)から、松本良夫死刑囚(片岡正二郎)に関する衝撃の事実を聞かされる。出展元:「カンテレ」
5話◆「流星群とダイアモンド」
松本良夫死刑囚(片岡正二郎)の再審請求が棄却され、責任を感じたチェリー(大山さくら/三浦透子)が自殺を図る。
しばらくすると、岸本拓朗(眞栄田郷敦)たちも特集の続編を制作することを禁じられ、あらがえない大きな力に脅威を感じた浅川恵那(長澤まさみ)は、制作中止の理由も問わぬまま、上層部の決定を静かに受け入れる。だが、世間の反響が大きく視聴率も良かっただけに、拓朗はどうしても納得できない。
行き場のない正義感をまとった拓朗は、単独で、事件の目撃証言をした西澤正の身辺を調べ始める。すると、西澤がかつて、事件のあった八頭尾山のふもとの町に住んでいたことが判明。さらに現地で聞き込みを続けると、西澤の息子・健太の親友だという男が現れ、西澤の新たな顔が浮かび上がってくる。そこに、いちるの望みをかけた拓朗は、男を介して、ある人物に接触を試みることに…。
一方の恵那は、元恋人の斎藤正一(鈴木亮平)と再び良好な関係を築き始めていた。その矢先、同期で報道部の滝川雄大(三浦貴大)から、斎藤が警察に多大な影響力を持つ、とある大物政治家と親密な関係であることを聞かされて…。出展元:「カンテレ」
6話◆「退職届と異動辞令」
西澤正が「松本良夫死刑囚(片岡正二郎)を見た」というのはうそだった―。逮捕の決め手となった目撃証言が覆された事で、再審は現実味を帯び、浅川恵那(長澤まさみ)は再び奮い立つ。さらに、岸本拓朗(眞栄田郷敦)がつかんだこの事実は、かつて報道局に在籍していた村井喬一(岡部たかし)の魂にも火をつけ、事が事だけに報道部に任せるべきだという恵那や名越公平(近藤公園)の言葉をよそに、村井は『フライデーボンボン』で大々的に報じると宣言する。
オンエア後、日本の司法を揺るがす新事実に世間の反応はすさまじく、あらゆるメディアが動き出し、情報提供者である西澤の元妻・吉村由美子も不安を隠せない。さらに、恵那たちの考えがいかに甘かったかを思い知らされる取り返しのつかない事態が起きてしまう。
社内では緊急幹部会が行われ、この大事な局面に、恵那が局の看板番組である『ニュース8』に“事件を追っていた記者”として出演する事が決まる。
本来なら古巣への凱旋出演を喜ぶところだが、恵那の中には、斎藤正一(鈴木亮平)が副総理大臣の大門雄二(山路和弘)とつながっていると知ったときから、ある疑念が。その不安を払拭するべく、恵那は出番を待つばかりであった…。出展元:「カンテレ」
7話◆「さびしい男と忙しい女」
副総理大臣の大門雄二(山路和弘)が八飛市出身だと気づいた浅川恵那(長澤まさみ)は、新聞記者の笹岡まゆみ(池津祥子)に大門の身辺調査を依頼。かつての斎藤正一(鈴木亮平)の言動から、警察に対し絶大な力を持っていた大門が、事件に何らかの形で関与しているのではないかと考えたのだ。
一方、経理部へ異動した岸本拓朗(眞栄田郷敦)もまた、引き続き事件を追っていた。しかし、新たな手掛かりは何も得られず、調査は八方ふさがり。このままでは松本良夫死刑囚(片岡正二郎)を救い出すどころか、事件は風化してしまう――。落ち込む拓朗が村井喬一(岡部たかし)に愚痴をこぼしていると、そこへ、とんでもないニュースが飛び込んでくる――!
やがて、まゆみの協力により大門に関わる重要人物のリストを手に入れた恵那は、ある仮説を立証すべく、多忙な自分に代わってその人物たちを調べてほしいと拓朗にリストを託す。局の看板アナウンサーに返り咲き、もはや自分とは違う世界の住人となった恵那の態度に、不満とどこか寂しさを感じる拓朗。するとその矢先、拓朗のもとに意外な人物から電話が掛かってきて…。出展元:「カンテレ」
8話◆「少女の秘密と刑事の工作」
かつて迷い込んだ商店街で、暗がりのなか、えたいの知れない雰囲気と危険をはらんだ瞳で浅川恵那(長澤まさみ)を惑わせた男――。その人物こそが、大門雄二副総理(山路和弘)の有力な支援者である「本城建託」社長の長男・本城彰だという。
あの男には何かある――。そう直感した恵那に頼まれ、岸本拓朗(眞栄田郷敦)が調べると、彰に対する地元の評判は上々。だが一方で、その存在があまり知られていないことも分かった。八頭尾山で3人目の女子生徒が殺されてから、再び犠牲者が出るまでの12年間、彰は海外を転々としていたという。
連続猟奇殺人の犯人について、ある“仮説”を立てた拓朗は、再び八飛市で聞き込みを行い、最後に殺された中村優香と親しかった高岡ひかるにたどり着く。ひかるは、亡くなった優香をどこか快く思っていない様子だったが、拓朗がある質問をすると、当時のことをぽつりぽつりと話し始めた…。さらに、ひかるの携帯電話に残されていた写真が、拓朗をさらに突き動かすことになる。事件の真相に近づこうと突き進み、興奮気味に報告をしてきた拓朗に対して、恵那の反応は妙に鈍かった。強いいら立ちを隠せない拓朗はついに、恵那に“本心”を問い詰めたが、返ってきた言葉は…。出展元:「カンテレ」
9話◆「善玉と悪玉」
DNA鑑定の結果をもってしても、本城彰が真犯人である事実は公にすることが許されず、行き場のない憤りを抱えた岸本拓朗(眞栄田郷敦)は、さらに、刑事の平川を脅迫した疑いで会社を解雇されてしまう。この一件で、背後に真実を闇に葬ろうとする巨大な力を感じた浅川恵那(長澤まさみ)は、無力な自分になすすべもなく、再び心身のバランスを崩していく――。
一方、大門雄二副総理(山路和弘)の娘婿で秘書の大門亨に接触を図った村井喬一(岡部たかし)は、拓朗にジャーナリストを名乗らせ、亨と引き合わせる。村井によると、亨は真面目で正義感が強く、決して政治家の秘書に向いているとはいえない男。実際、過去には村井の力を借りて大門の告発を試みたこともあるという。結局、最後は権力と忖度(そんたく)に屈したという当時の話を聞いた拓朗は、志こそ違えど、村井も今の自分と同じように、目の前にある真実を握りつぶされたことがあると知り、驚く。そして、自分はこのまま終わらせるわけにはいかないと、本城逮捕の最大の壁である大門を排除する作戦に打って出る。亨もまた、いずれ大門の右腕となるであろう斎藤正一(鈴木亮平)の存在が決め手となり、ある覚悟を決めていて…。出展元:「カンテレ」
『エルピス』最終回の結末
10話◆「希望あるいは災い」
大門亨が死んだ。大門雄二副総理(山路和弘)の娘である妻と離婚し、事務所も退職し身ひとつになった亨が、命を懸けて大門に対するレイプ事件“もみ消し”疑惑を告発しようとしていたことを知る岸本拓朗(眞栄田郷敦)は、その死の意味を理解し、言葉を失う。
一方の村井喬一(岡部たかし)は、亨の正義を踏みにじり、自らの保身のため、身内の死をもってすべてに終止符を打とうとする大門のやり方、さらに、権力という名の悪から目をそらし、平然と報道を続けるマスコミのあり方に怒りを爆発させる。
『ニュース8』のスタジオに殴り込んできた村井のただならぬ様子を見た浅川恵那(長澤まさみ)は、その真意を知りたいと、拓朗の元を訪ねる。しかし、亨を死に追いやったことに責任を感じ、かつての村井の忠告の意味を嫌というほど思い知らされた拓朗は、恵那の言葉に虚無感といら立ちを覚え、今度こそ、この一件から手を引くと宣言する。深い失意と恐怖に襲われる拓朗の言葉に、恵那が出した答えは…!?出展元:「カンテレ」
恵那は、亨のインタビューを放送することを滝川(三浦貴大)に報告しますが、滝川は猛反対して斉藤(鈴木亮平)にこの件を伝えました。
ニュース8の本番直前に斎藤がスタジオに姿を現しました。
斉藤は10分だけ時間をもらい「国が崩壊する……約束する。時間をくれ」「お前の命なんて簡単に奪える」と恵那を説得するどころか脅迫までしてきました。(自身の保身のためだけでなく、恵那を守るための言葉でもありますが…)
すると恵那は、真犯人である彰(永山瑛太)を逮捕させてくれと迫りました。
斎藤は、恵那を説得することをあきらめ、大門や彰のことはオフレコなら放送しても良いと許可を出し、彰の顔に編集してモザイクをかけたテープを手渡しました。
そしてオンエア。
恵那は、10代女性連続殺人事件の真犯人の存在と、死刑囚男性が冤罪であることを放送しました。
その反響は大きく、世論によって松本死刑囚の再審開始が実現しました。
一方、大門副総理(山路和弘)は、後援会会長・本城家との親密な関係性と事件の隠蔽について厳しい追及を受けました。
時は経ち2020年ー。
恵那は、ニュース8のキャスターを続投し、村井(岡部たかし)は「村井映像企画」という会社を立ち上げ、拓朗(眞栄田郷敦)も一緒に働いています。
そしてついに松本の罪が晴らされ、釈放されました。
チェリーさん(三浦透子)は、松本に誕生日を祝ってもらった思い出の食事であるカレーライスとケーキを用意して、彼の釈放をお祝いしました。
恵那「どっちが善玉で、どっちが悪玉とか、本当はないらしいよ。この世に本当に正しいことなんてたぶんないんだよ。」
拓朗「マジっすか? じゃあ、僕はどうすればいいんですかね?」
恵那「だから正しいことをするのはあきらめて、代わりに夢を見ることにしようよ」
拓朗「そっか…」と思ったけど、いったいどんな夢を見ればいいのかが、僕にはまだわからない。
『エルピス』感想
本当の「正義」とは何かを問うような社会派ドラマ『エルピス』は、最近の民放ドラマにはない良作で、この題材を地上波でできたことが凄い。
調べたら『地面師』を手掛けた大根仁さんが演出を手掛けているではありませんか。そりゃ攻めてるわけだわ。
最終回も勧善懲悪ではなく、副総理の名前を出さない代わりに、真犯人逮捕の邪魔はしないという条件で手を打つのもリアル。
キャストでいうとボンボンのポンコツAD役の眞栄田郷敦さんのコミカルで鬼気迫る演技が良かった。恵那じゃないけど、目力すごい。顔が濃ゆいw
鈴木亮平さんのデキル男の色気も半端ない。女性なら沼るし、そりゃ恵那もコロッと落ちてヨリを戻すよね。
岡部たかしさんも本作で知って、味のある役者さんだなと認識。
天下の長澤まさみをババア呼ばわりするのは頂けないけれど、なんだかんだ正論を貫く村井のキャラがよく合ってました。
一方で、違和感を覚えたのがコロコロ変わる恵那のキャラクター。
正義感を振りかざしているかと思えば、闇落ちし、そして再び浮上する過程がよく分からなかったので、その理由をもう少し丁寧に描いたらもっと良かった。
現実でも、ジャニーズの問題や政治家の裏金問題…など様々なニュースが取り沙汰されていますが、政治やマスコミの世界では、スキャンダルや不祥事が起こるたびに裏で様々な駆け引きがあり、落としどころを探っているのでしょうね。
長いものの巻かれるとかではなくて、「正義」を貫くには綺麗ごとはいってられません。
「正義」と「悪」は表裏一体で、私達だって「善人」と「悪人」のなかを行ったり来たりしながら、生活しています。
物語では、死刑囚の冤罪を暴くためにパンドラの箱を開けてしまった恵那と拓朗。
その箱から出てきたものは災いも多かったけれど、最後に残っていたものは希望であって欲しいと願わずにはいられないラストでした。
なお、映画『エルピス』はamazonプライムビデオで配信されています。
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