ドラマ『運命の人』ネタバレ!最終回までのあらすじと結末を相関図付きで解説
ドラマ『運命の人』は、“沖縄返還”の裏側に潜む日米の密約を巡る新聞記者、政界、外務省の攻防から、「国民の知る権利」と「沖縄の問題」を描いた作品です。今回は、2012年にTBSで放送されたドラマ『運命の人』の最終回までのあらすじを相関図付きで振り返ります。
『運命の人』キャスト&相関図
◆主要 登場人物
◆弓成亮太(本木雅弘)・・・毎朝新聞社政治部記者。三木昭子から託された機密文書をもとに記事を書いたことで国家公務員法違反の疑いで逮捕され…。
◆弓成由里子(松たか子)・・・弓成亮太の妻。仕事に邁進する夫を支えていたが…。
◆三木昭子(真木よう子)・・・外務審議官付き事務官。沖縄返還で日米間で進められている密約が記された機密文書を弓成に渡す。
◆山部一雄(大森南朋)・・・読日新聞社政治部記者。弓成の良きライバル。
◆佐橋慶作(北大路欣也)・・・内閣総理大臣。密約文書の存在を問い詰められるが一向に認めず、弓成に報復する。
◆相関図
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『運命の人』1話~最終回までのあらすじ
◆1話
1971年、東京。沖縄返還を一年後に控え、総理官邸や外務省は連日たくさんの記者で溢れかえっていた。佐橋慶作総理がアメリカと、米軍基地の永続的使用を認める合意を交わしたのではとの噂がまことしやかに流れていたからだった。佐橋総理の会見で鋭い質問を浴びせたのは毎朝新聞政治部のエース記者・弓成亮太(本木雅弘)。弓成は傲岸ともいえる自信と情熱に溢れ、政治記者としての道を走り続けていた。ぶしつけともいえる態度で社内にも敵が多いが、数々のスクープをあげ、次期総裁候補といわれる自由党・小平正良と家族づきあいを許されるほどの弓成には、社内も他紙の記者も一目置かざるをえなかった。そんな弓成とスクープを競う読日新聞の政治部エース記者・山部一雄。山部は政治家に人脈を持ちフィクサー的存在として一目置かれている存在で、弓成とはまったく違うアプローチで政治と関わり、スクープをモノにしてきた。ライバルでありながらも認め合い、情報交換をしあう盟友でもある二人は抜きつ抜かれつ、しのぎを削っていた。(写真)「聞いた通りに書くのは単なる“聞屋(ぶんや)”だ。本物の記者はテーマを持って本質を問い続ける“問い屋”でなければならない」と信条を語る弓成はまた、「記者に必要な正義は情報源の秘匿だけ」と自信を持って言い切る。自分の記事でこの国の未来を変えたい、と記者として大きな野心を持つ弓成を支えるのは妻の由里子(松たか子)だった。由里子は新聞記者の妻として二人の男の子の母として、仕事に没頭する夫に結婚以来献身的に尽くしていた。ある日、弓成は昵懇(じっこん)の間柄である外務省ナンバー2の安西傑審議官に対米交渉状況を聞くため審議官室を訪れる。弓成の熱く鋭い問いにしばし思案した安西だが、手元の資料を机の引き出しに押し込んで部屋を出る。落胆する弓成に蠱惑的(こわくてき)な眼差しでコーヒーを差し出す女性がいた。事務官の三木昭子(真木よう子)である。独特な雰囲気を持つ彼女と言葉を交わしている最中、弓成は安西の引き出しからはみ出している書類が自分が知りたがっていた「米軍基地返還予定リスト」であることに気付く・・・。出展元:(C)TBS
◆2話
沖縄返還に関する政府の密約疑惑を追っていた弓成亮太(本木雅弘)の手に舞い込んだ外務省の極秘電信文。それは、返還協定ではアメリカ側が支払うことになっている軍用地復元補償費を、実際には日本側が負担するという両国間の密約を文書化したものだった。文書自体を掲載し一面でぶち上げようと主張する整理部の荻野デスク(梶原善)。(写真)しかし弓成はニュースソースを守るために文書の掲載はせずに解説記事を書き世論を動かしてみせる、と上司の司政治部部長(松重豊)と荻野の前で豪語する。世論に訴え政府に密約の存在を認めさせたい弓成は、三木昭子(真木よう子)から極秘文書の提供を受け続ける。「力になりたい…」と熱いまなざしを向ける昭子に弓成は引き込まれそうになっていた。一方、由里子(松たか子)は弓成の書斎で極秘文書を見つけ不安に駆られる。そんな時、山部一雄(大森南朋)が弓成を訪ねてやってくる。出展元:(C)TBS
◆3話
情報源を守るために極秘文書を紙面に掲載できないジレンマを抱え、弓成亮太(本木雅弘)は焦っていた。文書の使い方はいくらでもある、という山部一雄(大森南朋)に対し「自分のやり方で日本の未来を変えてみせる」と豪語した弓成。しかし、いくら解説記事で密約疑惑を書いても佐橋政権を追い詰めることはできなかった。そんな時、国会で密約文書の存在を佐橋慶作総理(北大路欣也)に問い詰めた横溝宏議員(市川亀治郎)は一向に認めない総理に業を煮やし、弓成から預かった文書そのものを衆目に晒してしまう。出所が発覚してしまう、と焦る弓成は文書そのものを横溝議員から取り戻そうと走り回る。(写真)一方、外務省でも機密漏えい捜査が始まり、文書を持ち出した人物の特定が進められていた。焦った三木昭子(真木よう子)は深夜、弓成の自宅に電話をかける。由里子(松たか子)が夫の不在を告げると電話の切り際に昭子がちっと舌打ちする音が聞こえ、由里子は不安を覚える。その数日後の深夜、弓成は一本の電話を受ける…。出展元:(C)TBS
◆4話
横溝議員(市川亀治郎)が晒した外務省の極秘電信文は、自分が漏洩した物だ、と認め出頭した三木昭子(真木よう子)。弓成(本木雅弘)も機密文書を持ち出すよう”そそのかした”罪で逮捕され、屈辱の取調べが始まる…。その頃、毎朝新聞内では“報道の自由を守ろう”という気運が高まっていた。記者たちは今回の件を「沖縄返還に関する密約を追求した新聞への佐橋総理(北大路欣也)による報復で、弓成は見せしめにされた」と捉えたのだ。司政治部長(松重豊)の発案で、他の新聞社も巻き込んでの一大キャンペーンが展開され始める。一方、由里子(松たか子)は突然のことに戸惑いながら、家宅捜査にも気丈に対応。拭い去れない不安に押し潰されそうになりながら、夫の帰りを待ち続けていた。(写真)連日の取り調べでも弓成を責める供述をしない昭子に、検察は責めあぐねる。そんな中、接見に訪れた弁護人の坂本(吹越満)は、「悪いのは弓成で、貴方は被害者だ」と巧みに吹き込んでいく。取り調べが佳境に差し掛かる中、黙秘を貫く弓成に検察はあるモノを差し出す。それが弓成を揺さぶることに…。出展元:(C)TBS
◆5話
「被告人 弓成亮太(本木雅弘)は、被告人 三木昭子(真木よう子)と密かに情を通じ…」争点の本質を密約問題から男女問題に巧みにすり替えた起訴状は各方面に多大な衝撃を与えた。 知る権利を訴えて政府に抗議キャンペーンを張っていたマスコミは手のひらを返したように弓成を責め始め一大スキャンダルに発展、夫の裏切りに傷ついた由里子(松たか子)は、子供達を連れて家を出て行く。 そんな時、マスコミに追いかけられる由里子を助けたのは海外から帰国した従兄妹の鯉沼(長谷川博己)だった。鯉沼は由里子への秘めた思いを胸にしまい込んで、由里子を温かく支える。 (写真) 昭子の弁護人・坂元(吹越満)は「戦うべき相手は国家ではなく弓成記者だ」と昭子と夫・琢也(原田泰造)を言葉巧みに誘導していく。 一方、毎朝新聞は言論の自由に関する第一人者である大野木(柳葉敏郎)に弁護を依頼、反撃に打って出ようとしていた。 そんな折、弓成は山部(大森南朋)から、真実とかけ離れた昭子の証言内容を聞かされる。 「 “ あの夜 ” にいったい何があったのか?」そう問い質す山部に、弓成はついに真相を語る…。 夫婦の絆が引き裂かれる最大の試練を弓成と由里子は乗り越えられるのか?!出展元:(C)TBS
◆6話
弓成(本木雅弘)と昭子(真木よう子)の裁判が開始、愛情が憎しみへと転化した昭子の復讐が始まった。あらゆる“真実”を暴露し、世論を見方につけていく昭子。それに対し弓成側は、男女関係を強要したという事実はなく機密文書を手に入れたのは記者による取材活動の一環だったと、両者は真っ向から対立する。しかし法廷に現れた昭子のあまりに痛々しくやつれ果てた様子に弓成側の主張は消え、男女関係こそがこの事件の本質であるかのように世間に印象付けられていった。次第に不利になっていく弓成を見て山部(大森南朋)は、昭子に真実を話させるべきだと忠告する。(写真)その頃、週刊誌やワイドショーでは弓成が昭子にした仕打ちとして事実無根の報道が相次ぎ、弓成と由里子(松たか子)はいたたまれなくなる。そんな由里子を支えたのは、彼女に想いを寄せる鯉沼(長谷川博己)だった。次男の純二が学校で「ハレンチ記者だ」と同級生に言われたことが原因で喧嘩をしたことを聞き、事態の悪化を痛感する弓成。責任を感じた弓成が下した苦渋の決断は…!?出展元:(C)TBS
◆7話
弓成(本木雅弘)と三木昭子(真木よう子)の裁判は佳境に入っていた。外務省前アメリカ局長の吉田(升毅)を証人として引っ張り出し、弓成側の弁護人・大野木(柳葉敏郎)が「沖縄返還に際して密約があったはずだ」と厳しく追及するが、秘密主義を貫かれ追い込み切れない。弓成は最後の切り札として、山部(大森南朋)に証人出廷を依頼する。しかし山部の出廷には様々な困難が待ち受けていた。そんな時、弓成は佐橋前総理(北大路欣也)に”ある動き”があると知り、怒りに震える。(写真)一方、由里子(松たか子)は悲壮な決意で、昭子のウソを暴く証拠を大野木に託し、夫の裁判に立ち会う。裁判所前で出会い、言葉を交わすことなく激しく見つめあう由里子と昭子。鯉沼(長谷川博己)はそんな由里子をひたすら見守っていた。鯉沼の想いを知っている由里子の母・加代(高林由紀子)は娘に鯉沼と人生をやり直したら…と告げる。そして、ついに判決の時が訪れる。“沖縄返還に密約があったかどうか”を争点に本質論で裁判の流れを作る弓成側。男女関係をもとにした“そそのかし”を争点に、スキャンダラスに裁判を進める検察側。弓成、そして昭子に下された、運命を分ける判決とは!!出展元:(C)TBS
◆8話
自分自身だけでなく、三木昭子(真木よう子)の無罪をも勝ち取らなければ本当の勝利とはいえない、と言い続けてきた弓成(本木雅弘)。しかし「弓成無罪、昭子有罪」という判決は明暗を分ける形となった。マスコミは「知る権利の勝利」と弓成を讃える。しかし昭子は、弁護士である坂元(吹越満)に「自分のやり方で闘い続ける」と宣言し、週刊誌に弓成との赤裸々な告白手記を発表する。それは機密文書を弓成に渡した日の二人の関係を詳細に語ったものだったが、その内容はウソと誇張で溢れ、弓成への憎悪と悪意に満ちていた。しかし、その効果は絶大で、弓成を見る周囲の目は手のひらを返したように侮蔑に変わり、夫を信じようと懸命に耐えてきた由里子(松たか子)は絶望的な気分になる。妻に何も説明できず、向かい合うことさえ出来ない弓成。由里子の様子を見かねた鯉沼(長谷川博己)は弓成に抗議するが…。(写真)一審の判決を受けて新聞記者復帰の希望を強くしていた弓成だが、昭子の告白手記によりその願いも遠ざけられる。山部(大森南朋)は、そんな友人・弓成の姿を痛ましく見守る。そして控訴審を控えたある日、弓成が消えた・・・。暴走し続ける昭子の執念が、弓成を逆転有罪判決へと導くのか!?出展元:(C)TBS
◆9話
ついに終幕へ――控訴審の逆転有罪判決は「新聞記者に復帰して家族とやり直したい」という弓成(本木雅弘)の希望を打ち砕くものだった。悔しさに震える弓成。判決に到底納得のいかない大野木弁護士(柳葉敏郎)は最高裁に上告する。新聞記者の妻として最後まで夫を支えると決意していた由里子(松たか子)も悔しさでいっぱいになる一方で、今なお三木昭子(真木よう子)をかばい続ける夫へのわだかまりも消えずにいた。そんな折、自分を信じ心配をし続けた父・正助(橋爪功)が危篤状態に陥った、との連絡が入る。九州の実家・弓成青果の経営が厳しいことを知った弓成は、父のためにも会社を再建したいと決意。由里子との距離は埋めがたい程に広がっていく…。裁判への不安、記者として記事が書けない苛立ちを振り払うかのように事業再建に没頭する弓成。その頃東京では、折りにふれて由里子の相談に乗っていた鯉沼(長谷川博己)が、子供たちと一緒にボストンに来ないか、と由里子にプロポーズする。(写真)政局は日々動き、ついに福出総理が誕生する。山部(大森南朋)は、かつて外務大臣として「沖縄返還に密約はなかった」と国会で答弁した福出が日本のトップになったことで裁判の行方に影響が出るのでは、と考える。最高裁が上告をどう判断するのか心配した山部は昭子に会い、真実を話して欲しいと説得を試みる。その後、昭子が足を向けた先は、弓成の自宅だった。由里子と対峙する昭子。二人がこれまで秘めてきた思いが、押さえ切れずにぶつかり合う。そして、ついに最高裁の決定の日が訪れる。弓成に下された最後の審判とは!?弓成に待ち受ける運命の結末とは――出展元:(C)TBS
『運命の人』最終回の結末ネタバレ
◆最終回(10話)
あれから5年…全ての過去と決別した弓成(本木雅弘)は、沖縄で様々な人に出会いながら、静かに時の流れに身を任せて暮らしていた。 自らも沖縄を象徴する事件がきっかけで心に大きな傷を抱えるが故に、孤独な弓成の姿に癒しを感じ、淡い思いを抱く謝花ミチ(美波)。戦争中にガマ(洞窟)で起こった壮絶な真実、30年以上封印されてきたその歴史を、涙ながらに語る渡久山朝友(泉谷しげる)。弓成に沖縄の現実に向き合うよう、熱く投げかけ続ける琉球新聞の記者・儀保明(津田寛治)…。 (写真) そんな中、日常に基地があるが故の理不尽な事件が次々に起きる。アメリカ兵による強盗事件。小学校への米軍ヘリ墜落事故。さらには小学生への婦女暴行事件…。 これまで知らなかった沖縄の姿を目の当たりにした弓成は “自分は沖縄の本当の痛みを何も知らずに、沖縄を救えと息巻いていただけなのではないか?”と自らに問い続ける。 やがて、弓成は大いなる決意の元、ある行動に出る――。出展元:(C)TBS
弓成は沖縄の人々が辛い過去に向き合っている姿をみて、自分も過去に向き合うため由里子に手紙を書いた。
そして、これまでの感謝と共に「亭主のことは忘れて自由に生きてほしい」と綴った。
その後 弓成は、生き恥をさらしてでも沖縄の現状を伝える覚悟を決め、沖縄が過去も現在も痛みを抱えていること、そして沖縄だけに痛みを押し付けてはいけないことを記事に書いて訴えた。
一方、謝花ミチは、中学生の頃に米兵から暴行を受けた耐えがたい過去を背負っていたが、それを乗り越えるため沖縄基地反対運動に参加した。
そして、同じ被害にあった小学校6年生の少女に、自分が作った琉球ガラスの作品を手渡し、部屋に飾って欲しいと伝えた。
ミチは同じ孤独を抱える弓成とずっと一緒にいたいと思っていたが、彼のなかにまだ由里子という愛する存在がいることに気づき、身を引くことにした。
ミチから連絡を受けた由里子は、弓成のいる沖縄に向かうことにしたが、空港で故郷の北海道に戻る三木昭子と対峙する。
二人はしばらく見つめ合ったあと、お辞儀をして別れた。
由里子じゃ、沖縄にやって来た頃の弓成の孤独な様子や今も取材しているという話を聞き、彼がまだ新聞記者であることを理解した。
そして弓成に対峙し、沖縄の海を前に息子たちの様子を伝えた。
弓成はまだ東京には戻らず、沖縄の現実を本土に伝える仕事をして、この島の未来を変えたいと語った。
それを聞いた由里子は、これからは弓成と一緒に沖縄に住むと宣言。
そんななか、ワシントンの国立公文書簡で沖縄返還に関する密約を裏付ける公文書が発見されたというニュースが飛び込んできた。
弓成がかつて記者生命をかけて国を追及したスクープは真実だった。
弓成と由里子は抱き合い喜んだが、政府はここまでの証拠がありながら密約を認めないどころか、その後 文書を破棄したことも明らかになった。
平和が訪れた現在でも、不都合な真実は必ずしも国民に伝えられることはなく、沖縄の空には今日も米軍機が飛び交っている。-おわりー
『運命の人』感想
沖縄返還における日米の密約文書をスクープした西山太吉氏をモデルとした『運命の人』は、山崎豊子さんが生前に発表した最後の小説です。
山崎さんらしい社会派な作品ですが、小難しさはなく、機密文書漏洩を巡る一大スクープを巡る、新聞記者、外務省、政界の攻防を裏からのぞき見しているような緊迫感を味わえます。
まずは、キャストから。
山崎豊子さん指名で主演した本木雅弘さん、蠱惑的な真木よう子さん、夫を支えた芯のある妻を演じた松たか子さん、実在の政治家をモデルにした人物になりきったベテラン俳優たちの演技合戦は骨太の社会派ドラマにぴったりなキャスティングでした。
政治的なお話には関係ないけれど、束縛する粘着質な夫を演じた原田泰造さんも良い味で出してます。
ストーリーでいえば、『大地の子』『不毛地帯』『沈まぬ太陽』などと比べて壮大さはあまりないですが、国家権力に立ち向かっていくジャーナリストの精神が最後まで貫かれたお話。
そして山崎豊子さんの作品に共通するのは、原点に「戦争」があるということです。
戦争が遺した爪痕を追って、アメリカと日本のいびつな従属関係に切り込んだ主人公でしたが、政界や検察の思惑によって男女の関係にすり替えられ、完膚なきまでに叩きのめされてしまいます。
そして、この物語の本質を描いているのは、やはり沖縄の厳しい現状を伝える最終回にあると思います。
かつて新聞記者として「沖縄のためだ」と息巻いていた弓成でしたが、仕事も家族も失い沖縄にたどり着いたとき、自分は何も理解していなかったことに気づきます。
彼が目の当たりにしたのは、今も沖縄の空に轟音を響かせながら飛び交う軍用機と、米兵の被害にあう女性や子どもたち…。
私もこのドラマを観るまで、テレビで米軍基地の問題が取り上げられ、デモが起こっていることは見聞きしていましたが、なぜ基地が沖縄にあるのか?そこに住む沖縄の人々がどんな想いで暮らしているのか?については、深く考えることがありませんでした。
本ドラマは、リアルタイムで視聴率は伸びなかったようですが、戦後の暗部をベースに、国民の知る権利、ジャーナリズムのあり方など現代とリンクするテーマを扱っていいる興味深い作品ですので、ぜひ視聴してみてくださいね。
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