『問題物件』ネタバレなしのあらすじ!不動産物件で起こる奇々怪々な事件の真相は?

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小説『問題物件』は、不動産会社の地味なOLと犬のぬいぐるみの化身・犬頭が、曰く付きの物件の謎を次々と解決していくユーモアミステリです。今回はドラマ化も決定した『問題物件』のあらすじをネタバレ無しでご紹介いたします。

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『問題物件』登場人物

主人公の若宮恵美子は大島不動産販売に入社しますが、前社長の息子で難病に苦しむ大島雅弘の世話係を命じられます。

しかし現社長の高丸が、雅弘を追い出そうとクレーム対応専門部署・販売特別室を新設し、恵美子はそこに異動させられることに…。

突然、問題物件の調査を任された恵美子は途方に暮れますが、そこに探偵を名乗る男・犬頭光太郎が現れるところから物語が始まります。

登場人物

犬頭光太郎・・・謎の探偵。雅弘のために恵美子と共に事件を解決していく。
若宮恵美子・・・大島不動産販売に就職し、雅弘の世話を任されるが、会社の派閥争いの思惑で販売特別室に異動となる。
大島雅弘・・・大島不動産販売 販売特別室室長。「大島不動産グループ」二代目社長・信昭の遺児。難病を患い屋敷で寝たきりの生活をおくる。
片山・・篠崎の上司。高丸派で恵美子に無理難題を押し付けてくる。
篠崎・・・大島不動産販売部長。雅弘を指示する反高丸派。
大島高丸・・・二代目社長・信昭の弟。信昭が飛行機事故で亡くなり社長に就任した。
犬太・・・雅弘が幼少期より大切にしている犬のぬいぐるみ。難病に苦しむ雅弘の心の拠り所となっている。

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『問題物件』ネタバレなしのあらすじ

居座られた部屋

マンション一室に居座る占有屋の調査と部屋の受け渡しの交渉を命じられた若宮恵美子の前に、黄色いジャケットを羽織った細身の男が現れた。

彼の名前は、 犬頭光太郎

謎の男・犬頭は、マンションに居座る猪俣広巳の部屋に乗り込み、何もない部屋のなかに新興宗教が発行する新聞の束を発見する。

新聞屋に問い合わせると、この近辺であの新興宗教の新聞を取っているのは猪俣ただ一人。

配達の道中には暴力団の組事務所があり、組長クラスの者がやってくると警護のため道路はせき止められるが、この新聞屋は顔なじみのため特別に通してくれていた。

さらに、猪俣が居座っているマンションは、この組事務所と対立する組織が管理していることが分かった。

なぜ猪俣は、読みもしない新興宗教の新聞を契約し、小汚いアパートに居座っているのか…。

恵美子の前に突然現れた犬頭は、足腰が弱った老人の患部に手を当て治したり、木の葉をお金に変えたりと不思議な力を発揮します。また、恵美子は雅弘が大切にしている犬太のぬいぐるみと犬頭が同じ服装であることに気づきました。この男の正体は犬太が化けたものなのでしょうか?

借りると必ず亡くなる部屋

これまでの借主5人が亡くなったという曰く付きの部屋の謎を解くように命じられた恵美子。

5人のうち、部屋のなかで自ら命を絶ったのは二人で、どちらも青酸カリを酒に混ぜた形跡があり、施錠された状態で発見された。

早速、須貝という男が所有するマンションに向かい、部屋を案内してもらうと、背後に白髪を振り乱した老婆が立っていた。

聞けば、須貝は地域のボランティアをしており、自殺者を助長するような違法サイトの取り締まりも熱心に行っていた。

そして5人も亡くなった部屋に、また入居を希望する者がいるという。

それは、須貝の学生時代からの友人で、フリーのライターの相田という男だった。

相田は体を張った取材で、新興宗教施設に潜入したり、不法就労の実態を暴いたりというルポルタージュを書いていた。

今回は廃墟やパワースポットを取材しようとしていたところ、ちょうど友人の須貝から曰く付きのマンションの一室を紹介され、入居することになっていた。

犬頭は、事件を捜査した刑事、過去に部屋で亡くなった人物の関係者を尋ねるうち、この事件はオカルトめいたものではなく、ある人物の仕業だと見抜いた。

果たして、犯人は一体誰なのか?その目的は?

2話目も犬頭の不思議パワーがさく裂。ついに自分は「犬だ」と宣言し、恵美子も犬太=犬頭と認識したようです。

ゴミだらけの部屋

恵美子は、都心の郊外にあるゴミ屋敷の調査を命じられた。

所有者は72歳になる前島四毛で、以前は息子も一緒に住んでいたがリストラされ地方に再就職をしたため現在は一人暮らしをしている。

恵美子は早速 異臭を放つ前島の家の前で声をかえるが「帰れ!」と怒鳴られるだけで、挨拶さえさせてもらえない。

そこに近所に住む、元警察官の倉岳庄一が恵美子を心配するように声をかけてきたため、恵美子は犬頭と共に、この辺りやゴミ屋敷になった経緯について話をきかせてもらうことにした。

一年以上前からゴミ屋敷はあの様子だったが、臭いが酷くなったのはここ最近のことらしい。

さらに倉田は、一昨年に交番の警察官で相棒だった多田 寛をホームレスに射殺され、事件の責任をとったのか退職していることが分かった。

そんななか犬頭は、前島宅を含む一帯にマンション建設計画があることを知り、ゴミ屋敷の異臭の原因が地上げ屋が雇った暴力団の仕業であることを突き止める。

そして犬頭と恵美子は、ようやく前島のゴミ屋敷に入ることに成功するが、古新聞や漫画雑誌が積み上げられた壁を見て驚く。

犬頭はこの壁を作ったのは、前島四毛ともう一人の人間によるものだと指摘した。

なぜ前島はゴミ屋敷を作ったのか?もう一人の人物とは?そして倉岳が関わった警官殺し事件との関係は?

ゴミ屋敷と警官殺しの繋がりが分かったときに真相が明かされる面白いお話でしたが、大体の扉は壊し、力技で解決に導く犬頭さんの奇想天外な能力が光る回でした。

騒がしい部屋

低層マンションの最上階に住む男が妙な騒ぎを起こし、近隣住民が怯えているため、調査を命じられた恵美子。

しかし、マンションを訪ねると、その部屋の住人・ 滝野 高は、違法薬物を使用して大騒ぎして警察に沙汰になり、病院に搬送された後だった。

滝野は、最近 勝手に付いたり消えたりする照明や勝手に倒れる食器棚、勝手に鳴るラジオなどに怯えていたという。

犬頭と恵美子は、滝野の職場に話を聞きに行くと、彼は薬物に手を出す人間ではなかったということが分かった。

さらに、滝野が騒ぎを起こした日は、いずれも金曜日だと分かり、その日はいつも最近できた彼女の店に足を運んでいたことが分かった。

果たして、滝野は薬物を使用していたのか?彼が証言したポルタ―ガイスト現象の真相は?

話が進むごとに、犬頭の能力に遠慮がなくなっていきますねwそれにしても「犬」をバカにされたときの犬頭が発する「キエエエッ」という叫び声は、どのような発音なのか気になります。

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誰もいない部屋

部屋を借りたものが、この3年間で女性3人が原因不明の失踪を遂げている呪われた部屋の調査を命じられた恵美子。

恵美子がマンションの外から様子を伺っていると、自称探偵の坂井学という男が近づき、最近 呪われた部屋に入居した石浜夕子という女性が失踪したと告げた。

これで、この部屋から居なくなった女性は4人目。

石浜夕子は恋人の会社の金を持ち逃げし、坂井は依頼者の恋人に頼まれ行方を追っていたのだった。

犬頭は、早速 大島不動産販売の管理データをハッキングして、過去に住んでいた3人の女性についての情報を得た。

最初の失踪者は、スーパーの従業員をしていた館石邦子という女性だったが、収入的にこの部屋の家賃を払うのは難しいと思われた。

続いてスナックのママ・清水正子、化粧品セールスレディ・鈴木真弓が契約し、いずれも突然 行方が分からなくなっていた。

そんななか、犬頭は呪われた部屋の隣に住む、若い女性に話を聞くことにした。

女性は、館石、清水、鈴木3人とも、自分に親切で、母親の顔もしらずに育った女性にとって特に館石は母親のような存在だったという。

さらに、ここの引っ越してきてからライターとしての仕事も順調でラッキーだったとも答えた。

一通り話を聞いた後、最後に彼女の名刺をもらった恵美子は驚いた。

彼女の名は木川絵里。坂井が調べた情報によると、館石邦子の娘だったのだ。

母親であるということを伏せて娘の隣に引っ越してきた館石邦子は、なぜ失踪したのか?残る3人の女性の行方は?

事件解決後、雅弘はアメリカに行って本格的な治療を行うことになり、犬太の人形も一緒に送られました。販売特別室に一人残された恵美子に、今度は社長が趣味で購入したアリゾナ州の家の調査が命じられます。渡米した恵美子は、悪魔の棲む家に恐る恐る向かいますが、そこに犬頭の姿が!この続きは『天使の棲む部屋 問題物件』という続編で描かれます。

犬の化身?無敵の犬頭が問題物件を、超人的な力でバッサバッサと解決していくコメディミステリ『問題物件』。

犬太の化身なのは公然の秘密ではあるもの、惜しみなくその能力を発揮して謎を解く姿は実に痛快でした。

設定はファンタジーでも事件そのものは本格的。

推理ものとしてもよくできているので、続編も楽しんで読みたいと思います。

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