『わるいやつら(米倉涼子版)』ネタバレ！最終回までのあらすじと愛憎劇の結末

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松本清張による『わるいやつら』は、色と欲のために女を食い物にする医師を愛した女性の業を描いた作品です。今回は2007年に米倉涼子さん主演でドラマ化された『わるいやつら』の最終回までのあらすじ結末をご紹介します。

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『わるいやつら』登場人物＆相関図

◆登場人物＆キャスト

【戸谷病院】・・・横浜で三代続く総合病院。信一が引き継いでから経営状態は悪化の一途を辿る。
◆寺島豊美(米倉涼子)・・・冷静に仕事をこなす中堅看護師。割り切って仕事をし、打算的にみえる結婚には興味がない。
◆戸谷信一(上川隆也)・・・戸谷病院院長。医師としての情熱が薄く、女性からの金で病院の赤字を補う。容姿端麗で口が巧く複数の女性と関係を持っている。
◆葉山耕太(平山浩行)・・・経験の浅い新人医師。当直のバイトで急患が来てとまどう。
◆沼田看護師長(朝加真由美)・・・粕谷と共に先代から仕えてきたベテラン看護師長。その自負から信一に厳しい。
◆粕谷事務長(伊武雅刀)・・・病院の経理を担当。赤字経営の病院に頭を悩ます。信一を見下している。
【その他】
◆槇村隆子(笛木優子)・・・新進気鋭のデザイナー。優れた経営手腕と美貌で財を築く。
◆横武龍子(小島聖)・・・材木問屋の社長夫人。寝たきりの夫の目を盗み、戸谷と肉体関係を結ぶ。
◆藤島チセ(余貴美子)・・・名古屋の料亭の女将。病弱な夫に代わり料亭を切り盛りする。戸谷に入れ込んでいる。
◆下見沢作雄(北村一輝)・・・弁護士。コネクションが有り、カモになりそうな女性を戸谷に紹介する。

◆相関図

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『わるいやつら』第一話から最終回までのあらすじ

1話◆「医師と看護師の危険な情事」

大晦日の夜、寺島豊美（米倉涼子）が勤める戸谷病院に、心臓発作の急患が運ばれてきた。慣れない夜勤の新人医師・葉山（平山広行）の処置に業を煮やした豊美は、敷地内にある院長である戸谷（上川隆也）の自宅へ行き、戸谷本人を呼び出す。病室ではこの患者とは不釣合いに若い妻・横武龍子（小島聖）が付き添っていた。この3人の出会いが、後に豊美の運命を大きく狂わせることになるとは、豊美自身、思いもよらないことだった。出展元：TBS

戸谷は瀧子との情事に際に、夫を警察に疑われずに殺害するために、薬を手渡した。

しかし、その薬は毒物ではなく整腸剤で、戸谷は単に瀧子の興奮する様子を見て楽しんでいただけだった。

そんななか、瀧子が病院に乗り込んできた。

瀧子の夫は急死し、解剖の結果遺体から毒物が検出されたと言うのだ。

「話が違う」と錯乱する瀧子に、戸谷と瀧子は鎮静剤を注射するが…。

2話◆「悪党VS白衣を脱いだ悪女」

豊美（米倉涼子）と戸谷（上川隆也）の手にかかり、昏睡状態で眠り続けている龍子（小島聖）のもとに義理の弟・誠二（でんでん）がやってきた。死んだほうが有難い、とすら思っているような誠二の態度に、胸をなでおろす戸谷。そして、豊美は看護師長・沼田（朝加真由美）の目を盗み、龍子の腕にさらなる注射を打つ･･････。出展元：TBS

戸谷に利用されていたことを知った瀧子が目を覚ませば、戸谷病院の評判は地に落ち、このままでは本当に病院が潰れてしまう。

豊美は戸谷のを救おうと、瀧子にさらなる注射を打ち、彼女は永遠に目を覚ますことはなかった。

戸谷はすぐに死亡診断書を書き、遺体を遺族に引き渡すが、火葬されるまでは気が気でない。

そこで豊美を瀧子の葬儀に向かわせて様子を探らせるが、そこに料亭の女将で戸谷と関係を持つ藤島チセも参列しており、豊美がいることを不審がる。

3話◆「悪女が牙をむく!」

戸谷（上川隆也）との距離を置くことを決意した豊美（米倉涼子）は、戸谷に弁護士の下見沢（北村一輝）と付き合うと宣言。だが、下見沢とデートに出かけた場所で、デザイナーの隆子（笛木優子）と一緒にいる戸谷と鉢合わせてしまう。出展元：TBS

隆子から戸谷と結婚すると聞いた豊美。

一方、病院に戸谷の妻・慶子が現れ、離婚届けと共に戸谷と豊美の浮気写真を見せつけ、慰謝料を請求すると言ってきた。

そんななか、戸谷がさらなる金を求めてチセの夫を殺害を計画していると知り、豊美も協力する素振りをする。

名古屋の料亭でチセの夫に注射を打つ豊美。

しかし、注射の中身はインスリンではなくブドウ糖で、チセの夫・春彦は息を吹き返す。

4話◆「誘惑と愛憎の果て」

戸谷（上川隆也）を裏切り、チセ（余貴美子）の夫・春彦（笹野高史）の殺害を阻止した豊美（米倉涼子）は、戸谷に「これからは敵同士」と宣戦布告。怒りを露にしたチセに頬を打たれ、チセの料亭を後にする。自宅に戻った豊美は辞表を書き始めるものの、思いとどまるのだった。出展元：TBS

5話◆「決別…悪女の最期」

チセ（余貴美子）の夫・春彦（笹野高史）が戸谷病院で死亡した。戸谷（上川隆也）とチセが共謀して殺害したに違いないと確信する豊美（米倉涼子）は戸谷を責めるが、戸谷は「死因は心筋梗塞」とあくまでも殺害を否定する。出展元：TBS

6話◆「大逆転悪女のワナ」

豊美（米倉涼子）を殺害し、山中に埋めた戸谷（上川隆也）は、翌日何食わぬ顔で出勤する。そして、隆子（笛木優子）に謝りの電話を入れるが、一方的に切られてしまったため、手紙を書いて届けるのだった。出展元：TBS

しかし、発見された遺体は豊美ではなかった。

7話◆「三億円を奪う!!」

戸谷（上川隆也）が水上駅で男連れのチセ（余貴美子）を目撃した数日前―戸谷から婚約指輪を贈られ、すっかりその気になっていたチセのもとに、なんと戸谷に殺されたはずの豊美（米倉涼子）が訪ねてきた。出展元：TBS

戸谷は、チセの茶碗を勝手に持ち出し、売り払った窃盗容疑で逮捕された。

その後、豊美は警察に乗り込み、戸谷に殺されたかけたと告発した。

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『わるいやつら』最終回の結末ネタバレ

最終回(8話)◆「最後に笑う女」

チセ（余貴美子）の自宅から持ち帰った茶碗の窃盗容疑で拘束された戸谷（上川隆也）は、下見沢（北村一輝）の詐欺に遭った自分こそ被害者だと訴えるが、取り調べの担当となった井上警部補（大杉漣）は、まずはこちらが呼んだ用件からと、茶碗を持ち出した経緯について質問を始める。出展元：TBS

チセは夫の殺害への関与は免れたものの、豊美と下見沢にハメられ借金を返済できず、料亭を売ることになった。

戸谷は警察の取り調べをうまくかわしているようにみえたが、事件が発生した日を知らされていないのに「その日はアリバイがある」と発言してしまい、すべての犯行がバレてしまう。

下見沢は、豊美の首のアザの写真を警察に提供し、戸谷が犯人であることの後押しをした。

こうして戸谷は、龍子らの殺人容疑と豊美の殺害未遂容疑で逮捕された。

裁判に出廷した豊美は、「私は、先生に山に連れていかれたとき、先生に殺されると思いました。そして、自分を殺して欲しいと頼みました」と証言。

豊美の衝撃の発言に裁判は混乱し、検察官も弁護士も驚きを隠せない。

これにより、戸谷には嘱託殺人の判決がおり、刑期は大幅に縮小された。

下見沢は呆れて豊美に別れを告げ、豊美は下見沢から約束の万円を受け取らずに去った。

戸谷が護送車に揺られながら、ぼんやりと外を見ていると、とあるビルの服飾専門学校の看板が目に入った。

そこには、学長・下見沢作雄、理事長・槇村隆子の名が記されていた。（戸谷が借金した3憶円は、この学校の資金になっていた）

3年後ー

服役を終えて出所した戸谷を豊美が迎えにきた。

豊美は戸谷と共に山中へ…。

「先生は、ついに私だけのものになりました」

その後、豊美は一人で山を下りるのだった。－おわりー

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『わるいやつら』感想

米倉涼子が演じる松本清張三部作のひとつで『黒革の手帖』『けものみち』に続き、最終章を飾った『わるいやつら』。

物語の序盤では、医師の戸谷が「わるいやつ」だと思いきや、話が進行するうちに登場人物ほとんどが「わるいやつ(ら)」と判明していきます。

結果的に騙し合いに勝ったのは、下見沢と隆子ですが、一番歪んでいるのは豊美なんですよね。

惚れた男のために犯罪を犯し、最後は「自分だけのものにしたい」という欲望から、己の手で男の命を奪う。

なぜそこまでして戸谷に執着するのか、理解不能すぎて豊美というキャラにゾクゾクしました。

キャストで一番印象の残ったのは、上川隆也さん。

上川さんといえば、これまでで実直で真摯な役を演じることが多かったように思うのですが、今回の役は真逆のベクトルにある人物でした。

金目的で女を利食い物にする最低な悪徳医師なんですが、ボンボンだからかどこか憎めない脇の甘さがあり、一番のババを引かされる哀しさがよく表現されていました。

一方、対照的だったのは米倉涼子さん演じる看護師・豊美。

淡々と仕事をこなし良識ある純白の看護師だったのが、次第に挑戦的な目つきになり、生き返った後は見た目も派手になっていく。（刑務所に迎えにきたときの姿は、お水の女性そのもの）。

名古屋弁でまくしたてるクセ強な女将を演じた余貴美子さんも良い味出してます。

今回ご紹介した『わるいやつら』は視聴率的には振るわなかったようですが、原作とは一味違って女性の情念と業を丁寧に描いた愛憎劇で、ドロドロ好きにもおすめです。

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