『有罪、とAIは告げた』結末までのあらすじをネタバレ

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中山七里さんによる『有罪、とAIは告げた』は、裁判所に人工知能が試験導入され、人を裁くという神の領域をAIに委ねても良いのかという問題を扱ったミステリーです、今回はドラマ化も決定した『有罪、とAIは告げた』のあらすじをネタバレ有りでご紹介いたします。

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『有罪、とAIは告げた』あらすじ

クールジャパンに失敗した内閣府と日中関係を強固にしたい外務省の利害が一致し、日中間の技術交流の一環として「AI裁判官」が提供された。

新人裁判官・ 高遠寺 円は、東京高裁総括判事・ 寺脇貞文と共に、AI裁判官「法神」の有用性を確かめることになった。

すると過去の裁判記録データを入力された「法神」は、ほぼ全ての案件で実際に下された判決と同じ結果を出し円たちを驚かせる。

「法神」の能力を目の当たりにした寺脇は「法神」の導入を勧めるが、円は警戒心を拭えない。

人の運命や国家の在り方をも左右する法の場で、果たして「法神」はもう一人の裁判官になるのかー

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『有罪、とAIは告げた』登場人物

登場人物

高遠寺 円・・・東京地方裁判所の新人裁判官。名の知れた女性裁判官・高遠寺静の孫。祖母の静に育てられる。AI裁判官に警戒心を抱く。
檜葉・・・裁判官。AI「法神」に強い関心を示す。
寺脇貞文・・・東京高裁総括判事。退官まであと四年のベテラン。円が新人だったときの指導官。中国が開発した「法神」の有用性について判断を任される。
崎山・・・裁判官。円の先輩。
高村貢賢・・・東京高裁長官。
姫村美礼・・・書記官。
葛城公彦・・・刑事。円の交際相手
萬田美知佳・・・ソフトウェア開発会社「マンダソリューション」代表。葛城の紹介で「法神」の検証を行う。
高円寺 静・・・円の祖母。日本で二十番目の女性判事。在任期間も長く教え子も多く司馬

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『有罪、とAIは告げた』

寺脇の勧めによって中国が開発した「法神」のリース導入が各裁判所に受け入れられると、日常業務の効率化はもちろん、通常なら一晩かかって作成する判決文も数分で仕上げることが可能になった。

しかし円は自分の経験や学んできた知識を数値化されることに気が乗らず「法神」を使うことをためらっていた。

そんななか円は、恋人で刑事の葛城公彦が逮捕した18歳が少年が父親を刺殺した事件を担当することになった。

【事件概要】大学受験に失敗した少年は、以前から働かず、酒を飲めば暴力を振るう父と口論の末にメッタ刺しにして命を奪った。その後 少年は逃走し、警察に取り押さえられる際の抵抗した。

18歳であれば再び罪犯すことのないような量刑がなされるところだが、親、祖父母などに手をかけた専属殺人となれば、古いタイプの裁判官は厳罰を下す可能性もあった。

今回の裁判長が檜葉。檜葉は定年を控えた古いタイプの判事だった。

かねてよりAI裁判官に興味を示していた檜葉は、今回の少年の事件で「法神」を試してみることにした。

円は指示通り檜葉の過去5年間にわたる裁判記録を入力。

当初 檜葉は無期懲役か実刑を予想していたが、「法神」が導きだした答えは死刑で、判決文は檜葉の考えに沿ったものだった。

檜葉はえらく感心した様子だったが、少年の精神鑑定に立ち会った円は更生の余地があると考え、どうにか死刑回避できないかと考えた。

そんななか葛城の紹介でソフトウェア開発会社の萬田美知佳が「法神」の検証を行ってくれることになった。

萬田は「法神」は、過去のデータの寄せ集めでしかなく、新しい概念を生み出すものではないと説明し、アルゴリズムのなかに奇妙な点があることを見つけたと言う。

迎えた初公判当日ー

検察側が死刑を求刑し、傍聴席はどよめいたが、檜葉から「法神」の存在を知らされた裁判員はその性能に感嘆した。

円が檜葉の判断に誘導させられた裁判員に危機感を抱いているなか、事件当日に少年が着ていたTシャツから新たな発見があった。

証拠として提出されたTシャツには被害者である父親の返り血、少年の汗、そして第三者の汗が付着していた。

そして第三者の汗は、少年の弟のものでああることが判明する。

事件の日ー日常的に暴力を振るわれていた弟は限界がきて父親に反撃し恐怖心から15か所も刺して命を奪った。

かねてより弟を可愛がっていた少年は弟の将来を守るために、咄嗟に返り血がついた弟のTシャツを着て逃走したのだった。

新たな証拠により少年は無罪となり、弟には保護処分となった。

裁判官の崎山はこの件を受け手、AIがいくら高性能でも裁判官は悩むことを放棄してはいけないと告げ、その言葉を聞いた檜葉は何も言うことができなかった。

その後、萬田から「法神」のアルゴリズムの欠陥について説明があった。

「法神」は専属殺人が重罰に傾くように設定されており、中華思想が反映された危険なソフトであることが分かったため、東京高裁は導入しないことを決定した。

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『有罪、とAIは告げた』感想

高い処理能力を持つAIは、フェイクニュースの作成、株の自動売買、サイバー攻撃、自爆ドローン…すでに日常から有事まで様々な場面で活用されています。

一方でその危険性も指摘されており、頼りすぎれば人間の思考力や判断力、想像力は落ち、不正な目的で使用されれば大きな脅威となることが分かっています。

確かに、事務処理の効率化に置いてはかなり有益ですが、人の運命を左右する判決において使用するとなれば円と同じく抵抗を感じます。

その違和感は本書でも描かれており、Tシャツの交換に気づかなかったら死刑になっていたという展開には背筋が凍るような怖さを感じました。

神の代行をする裁判官の仕事は、より慎重になる必要があり、裁く側も裁かれる側も、心を砕いて悩み苦しまなくてはならない。

その過程が無ければ、本当の「公平性」「正義」を追及し、人が人を裁くことはできないのではないか。

ラストの崎山さんの「人間は悩むことから逃げてはいけない」という血の通った意見は、これからの人間とAIの関係に一石を投じるものでした。

また他にも、中国がAIを通じて、中華思想を植え付け日本の精神を支配するかもしれないという問題に触れていたのも興味深いものがありました。

タイムリーなテーマのなかにミステリーをうまく融合させた『有罪、とAIは告げた』。

NHKのドラマ化で興味を持った方はぜひ原作小説の方も手にとってみて下さいね。

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