『十二単衣を着た悪魔』キャスト・相関図・あらすじ!名言だらけの超大作!

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何をしても一流の弟に比べ、59社の就職試験に落ち、日雇いバイトをする冴えない主人公が、ひょんなことから千年前の『源氏物語』の世界へタイムスリップする映画『十二単衣を着た悪魔』。

今回は、『十二単衣を着た悪魔』のキャスト・相関図・あらすじ・原作をご紹介いたします。

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『十二単衣を着た悪魔』相関図

現代

源氏物語の世界


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『十二単衣を着た悪魔』キャスト一覧

伊藤家

伊藤 雷
演・伊藤健太郎
二流大学を卒業したものの就職試験59連敗し、フリーターになった冴えない主人公。フリーターが理由で彼女にもフラれてしまう。優秀な弟にコンプレクスを抱いている。
伊藤明子
演・戸田菜穂
雷と水の母親。優秀な弟を贔屓でずに、分け隔てなく育ててくれた優しい母。

伊藤 水

演・細田佳央太
京大医学部に現役入学した雷の弟。勉強だけでなくスポーツも出来、顔も良いため女性にモテる。落ちこぼれの兄もバカにせず、懐いてくれる優しい弟。

ご近所さん


山下元子
演・LiLiCo
雷の隣に住む。あだ名は“ヤマンバ”。おせっかい。

バイト先の人々


責任者
演・兼近大樹
雷がバイトする「源氏物語と疾患展」の設営責任者。バイトたちに源氏物語のパンフレットと薬を渡す。
木村
演・村井良大
バイト先のリーダー。

源氏物語の人々


弘徽殿女御
演・三吉彩花
桐壺帝の正妃。頭がキレるうえ、男勝りで言いたいことはハッキリ言う性格。息子の春宮を帝位につけるため、陰陽師の雷鳴を登用する。

倫子
演・伊藤沙莉
雷鳴の若き妻。器量がイマイチだが、愛嬌があり純粋。雷鳴もその健気さに惹かれ愛し合う。

春宮

演・田中偉登
桐壺帝と弘徽殿女御の間に産まれた息子。出来は悪くないが、光源氏と何かにつけて比べられ、悩む。

光源氏
演・沖門和玖
桐壺帝と桐壺更衣の間に産まれた息子。眉目秀麗で何をしても超一流。“神の子”とも言われる。女性関係も派手で、母の面影がある藤壺女御と関係を持ったり、六条御息所に手を出したりする。

藤壺女御
演・MIO
桐壺更衣に瓜二つだったことから、桐壺帝の寵愛をうける。義理の息子の光源氏と関係を持ち子を授かる。

桐壺更衣

演・YAE
光源氏の母。桐壺帝の寵愛を受けていたが病気により亡くなってしまう。

六条御息所
演・手塚真生
前東宮(前坊)の妃で、光源氏の最初の恋人。光源氏に捨てられて未練がある。嫉妬心から光源氏の正妃・葵の上を呪う。
桐壺帝
演・伊勢谷友介
春宮、光源氏の父。弘徽殿女御よりも桐壺更衣や藤壺女御を可愛がる。次の帝位には光源氏を就かせたいが…。

右大臣
演・ラサール石井
右大臣の弘徽殿女御の父。権力者。下品で声が大きく桐壺帝からは嫌われている。

梅命婦

演・山村紅葉
弘徽殿女御の身の回りの世話のすべてを任されている。
良喬
演・笹野高史
弘徽殿女御の警護一切を引き受けている。雷鳴の世話も行う。

『十二単衣を着た悪魔』あらすじ

「参ったな…。現役京大医学部現役合格かよ。すごすぎねぇか… 超一流の弟に、一段低い二流の兄貴か……

日雇いバイトで働く伊藤雷はつぶやいた。彼はバイトで「『源氏物語』と疾患展」の設営に参加し、会場で流れる「超一流の弟・二宮(光源氏)」と「下風に立つ兄・一宮」の関係を知り、親近感を抱く。

なぜなら、弟の水は、モデル並みのスタイルと顔を持っているうえに、スポーツ万能、あきれるほど勉強ができる誰もが認める超一流の人間。一方、兄の自分は、就職試験59連敗しフリーターとなり彼女にもフラれてしまった。

弟の水との仲は良いのだが、コンプレックスを一層こじらせる日々を送っていた。

そのうえ、バイトの帰宅途中に、幼少期から良く知る隣人のヤマンバに、水が現役で京大医学部に現役合格をしたと知らされてしまう。

日雇いハケンの自分が、弟の合格をどう喜んでいいものか。雷は、バイトでもらったパンフレットを持ち、家の周囲をアテもなくうろついていた。

その時ー。

雷は、激しい雨に打たれ不思議な光に吸い込まれ気を失ってしまう。

目覚めると…そこは千年の時空を超えた 源氏物語の世界にタイムスリップしていた。

現代の恰好をした雷は、当然のことに不審者とみなされ牢屋に閉じ込められてしまう。

しかし、桐壺帝の正妃・弘徽殿女御を、現代の薬で救ったおかげで、“雷鳴”と名乗り、陰陽師として登用された。

弘徽殿女御は右大臣と呼ばれる高い身分の父を持ち、桐壺帝の正妃だったが、桐壺帝は低い身分の桐壺更衣に夢中で、煮え湯を飲まされる日々をおくっていた。

おまけに、弘徽殿女御が生んだ一宮は、弟の二宮(後の光源氏)より劣っていたため、弘徽殿女御は雷鳴の力を利用して、「一宮」である息子を帝にしようと野心を燃やした。

雷は、自分の境遇と似た「二宮」にシンパシーを感じながら、辣腕で逞しい弘徽殿女御に触発され、運命を共にしようと決心していく。

『十二単衣を着た悪魔』結末・ネタバレは⇒こちら

『源氏物語』とは

源氏物語とは

源氏物語とは平安時代の中期に、藤原道長が娘・中宮彰子が一条天皇の中宮になったが、その彰子の家庭教師を務めていた紫式部によって書かれたのが『源氏物語』です。

全54巻から成り立つ長編小説であり、400字詰め原稿用紙で2千数百枚を超え、登場人物は500人を越えます。

・第1部 光源氏の誕生から栄光(1巻「桐壺」~33巻「藤裏葉」)
・第2部 光源氏の苦悩と老い(34巻「若菜」~40巻「幻」)
・光源氏の死を示唆(41巻「雲隠」)
・第3部 光源氏の亡くなった後(42巻「匂兵部卿」~54巻「夢浮橋」)

前半は、光源氏の誕生から、彼と多くの女性(藤壺、葵の上、紫の上、六条御息所、空蝉、夕顔、末摘花、朧月夜、他)との恋愛模様を中心に描かれ、准太上天皇の座にまで登り詰める栄華から没落するまでが描かれています。

後半は、光源氏の没後が描かれ、光源氏の子とされていた女三宮と柏木の密通で生まれた薫や薫と関わっていく女性たち恋愛と苦悩が描かれています。

『十二単衣を着た悪魔』の主役は男前の女!

『十二単衣を着た悪魔』で雷の上司となる弘徽殿女御は、『源氏物語』では帝や光源氏、藤壺など主要人物と関わる時のチョイ役でしか登場しません。

一般的には、藤壺、葵の上、紫の上、六条御息所、浮船、女三宮などの女性の方が人気が高く有名で、弘徽殿女御という名前さえ知らない人も多いほどです。

しかし、『十二単衣を着た悪魔』での弘徽殿女御は、恐ろしくも魅力的な人物として描かれています。

帝の寵愛を受けていた桐壺更衣が亡くなったあと、自分と同じ「女御なみの位」を与えられたことを知っても「好きなだけ格上げすればいいのよ。 この世は生きてる者勝ちよ!」と言い、周囲から、自分が「トゲトゲして恐ろしい女」と噂されていることを知ると 「“可愛い女”はバカでもなれる。しかし、“怖い女”になるには能力がいる。」と断言するのです。

「女らしさ」をブチ壊す弘徽殿女御の名言の数々を聞いていると、生まれてくるのが千年早すぎたと思ってしまうほどカッコイイ(笑)。

『源氏物語』では知名度の低い弘徽殿女御が、『十二単衣を着た悪魔』という作品で、新たに脚光を浴びることは間違いないでしょう。

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『十二単衣を着た悪魔』の原作

映画『十二単衣を着た悪魔』の原作は、『義務と演技』『昔の男』『年下の男』など恋愛小説を多く描いている 内館牧子さんの同名小説です。

『源氏物語』の光源氏や藤壺などを主人公にせず、光源氏の兄の母・弘徽殿女御にスポットを当て、美女や美男子をコテンコテンにこき下ろすのは痛快そのもの。

内館さんにかかれば、光源氏は、色好みの変態男として描かれています(笑)。

「女が幸せな人生を勝ちとるのに、必要なものは二つだけ。決断力と胆力だ。それさえあれば、たいていのことはどうにでもなるわ」

など、辛辣でグサッと刺さるような弘徽殿女御の名台詞も、本当にタメになります。

美しい『源氏物語』をコメディタッチで人間臭く描いた本作は、『源氏物語』に苦手意識がある人にも、語り口が軽くて読みやすいのでオススメです。

映画に興味を持った方は、ぜひ手にとってみてはいかがでしょうか。

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