『ノースライト』ネタバレ!あらすじから結末まで

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小説家の横山秀夫による、家族の再生を描いた感動的な建築ミステリー『ノースライト』。

一家失踪事件という静かな謎の上に、現在と過去の社会的・家族的・親子的・恋愛的葛藤が美しく積み重ねられ、やがて温かな結末を迎えてゆく…。

そんな緻密で上質な描写が魅力の傑作『ノースライト』のあらすじ・結末ネタバレを簡単にご紹介いたします。

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『ノースライト』登場人物

青瀬稔(あおせ みのる)・・・1級建築士。父がダム工事の型枠職人だったため「渡り」として全国を転々とし過ごしてきた。父は稔が大切にしていた九官鳥を探しに行き崖から転落し亡くなった。

ゆかり・・・稔の別れた妻。インテリアデザイナー。稔との間に産まれた一人娘の日向子と暮らしている。

岡嶋昭彦(おかじま あきひこ)・・・青瀬の建築事務所の社長でかつては同級生だった。妻との間に11歳の一人息子がいる。

吉野陶太・香里江夫妻・・・青瀬に家のデザインを依頼してきた夫妻。2人の子供を含め4人家族。新居には入居せず行方知れずになっている。

ドラマ『ノースライト』キャスト・相関図・あらすじは⇒こちら

『ノースライト』あらすじ


ノースライト [ 横山 秀夫 ]

「すべてお任せします。あなた自身が住みたい家を建てて下さい。」

そう言って、1級建築士の青瀬稔に依頼してきた吉野夫妻のY邸は、「平成すまい200選」にも選ばれ絶賛された。

望まれて設計した新築の家。依頼主の一家は、新しい自宅を前に顔をほころばせあんなに喜んでいたのに…Y邸はもぬけの殻だった。

吉野一家がそこに越してきた形跡もなく、電話機以外には家具もない。

ただ1つ北側の大きな窓から浅間山を望むように置かれた 「タウトの椅子」を除けば…。

吉野一家はどこに消えたのか?何もないY邸になぜ一脚の椅子だけが残されていたのか?

その椅子を頼りに、一家の行方を追っていく青瀬だったが…思わぬ結末が待っていた。

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『ノースライト』結末ネタバレ

Y邸

青瀬稔は、雇われの建築デザイナーの仕事に就いている。

幼少期より腕の良い型枠職人の父に連れられ、一家で「渡り」として全国のダムを転々とする生活をして過ごし、悟りを開いたかのように遠慮がちに降り注ぐノースライトの光のもとで本を読んだり絵を描いたりすることが好きな少年だった。

建築関係の大学を出て就職したときはバブル期、六本木の高級マンションに住み、高級車をカタログ買いするなど裕福な暮らしをしていいた。

しかし、バブルが弾けた後は職を失い、生活はひっ迫していった。

インテリアデザイナーをしていた妻・ゆかりも、懸命に夫を支えていたが、酒浸りになっていく青瀬に耐えられず離婚届をつきつけた。

離婚してからは、怪しげな住宅メーカーで設計の仕事をしていたが、「才能を安売りするな。」と同級生だった岡嶋の事務所に入った。

ゆかりは中学生になる娘・日向子と一緒に暮らしており、日向子とは月に一度のペースで面会が許されていた。

まともに働ける岡嶋の事務所に移った青瀬だったが、それでも施工主の顔色をみながら、おざなりに仕事をこなす日々を送っていた。

そんな頃、吉野陶太と香里江夫妻が青瀬を訪ね「あなたが住みたい家を建てて欲しいんです。」と依頼してきた。

創作意欲をかきたてる依頼に青瀬は興奮し、夜を徹してプランを練り夢中で図面を引いて完成したのが「平成すまい200選」にも選ばれ絶賛されたY邸だった。

しかし、自分の代表作ともいえるY邸には誰も住んでいないことが分かり、青瀬はいてもたってもいられず現地を訪れた。

すると玄関がこじ開けられ、何者かの靴跡や、電話はあったものの入居した形跡はみられなかった。

唯一、吉野が持ち込んだものは、北側の窓からノースライトが降り注ぐ部屋にある一脚の椅子だけだった。

一家蒸発

住宅の打ち合わせの時から、完成まで仲睦まじい吉野一家に変化は見られなかった。

三千万の予算内で出来上がった画期的な家に喜んでいた吉野夫妻は、住民票も移さずどこに消えたのか。

青瀬は、吉野夫妻が、家を建てる前に住んでいた家の大家から話を聞いたが、吉野夫妻は離婚し妻が子どもを連れて出ていき、吉野陶太はしばらく独り暮らししていたという。

そして、吉野夫妻を追う、柄の悪そうな男がいたことも確認された。

一方、Y邸近くの蕎麦屋では、吉野陶太が妻・香里江ではない背の高い女性と一緒にいるところが目撃されていた。

青瀬は、夫妻には離婚話が持ち上がっていたが、Y邸で一緒に住むことで関係を修復しようと考えていたのでは?とも考えたが、少し無理があるようにも思えた。

とりあえず、唯一の手掛かりである一脚の椅子を頼りに吉野一家の行方を捜すことにした。

岡嶋が亡くなる

青瀬が働く設計所の所長である岡嶋は、市が建設を予定している「画家・藤宮春子メモワール」の指名業者コンペに参加できる権利を獲得していた。

岡嶋は「自分の作品を残し、一人息子に見せたい。」という一心から、市長派に接待を繰り返していた。

それが記者に嗅ぎ付けられ、市のコンペには癒着があると糾弾されてしまい、コンペは辞退し、岡嶋は心労から入院することになった。

岡嶋のやり方は、すこし強引だったが、真相は政治家同士の政争に巻き込まれたとばっちりだった。

青瀬が岡嶋の見舞いにいくと、岡嶋は珍しく自分の家族の話をし、愛息子は、自分とは血の繋がりがなく、妻と他の男の間に出来た子だったが、大切に育ててきたと話した。

その後、青瀬が病院を去ったあと、岡嶋は病院の窓から転落し亡くなってしまった。

青瀬は、岡嶋の前後の様子から自殺ではなくタバコを吸っていたときに誤って落ちてしまったのだと感じていた。

そして、岡嶋が最後に病室で描いていた案をカタチにして、競合他社に譲り岡嶋の代表作をこの世に残すことを決め、その競合会社の所長に「もし、この案が選ばれたら岡嶋の息子に、これはお父さんが建てたんだと話すことを許してほしい。」と頼んだ。

タウトの椅子

Y邸の残された椅子はナチスの迫害から逃れ、妻・エリカと共に日本に滞在していたドイツの建築家※ブルーノ・タウトがデザインした椅子であることが判明した。

青瀬はタウトに詳しい記者と知り合い、その椅子の行方を追っていくと、タウトが住んでいた民家に同じ椅子があることが分かった。

おどろくことに、タウトの家を、吉野陶太も訪れ「私は仙台にルーツがある。この椅子の設計図を持っているんですよ。」と言っていたという。

仙台を訪れた青瀬は、タウトが吉野の父・伊佐久(いさく)に椅子の設計図を渡していた事実を知り、吉野家の墓をお参りし、手紙を置いて帰った。

※ブルーノ・タウトとは、ドイツの建築家で、昭和初期にナチス政権による迫害から逃れるためベルリンを脱出し、日本に渡ってきた。桂離宮の建築の美しさを再発見し、日本の工芸品の普及とデザイン向上に尽力した人物。

吉野夫妻からの手紙

青瀬の元に吉野夫妻から手紙が届いた。

吉野夫妻だと思っていた陶太と香里江は、実は兄妹であり、その名前もタウトと妻・エリカを逆から読んだものだと分かった。

ある日、父の伊佐久は山で九官鳥を見つけ家に連れ帰ってきた。

それは、青瀬が飼っていた鳥で、まもなく青瀬の父が伊佐久のところにやってきて「捕まえてもらったお礼です。」とお金を取り出した。

しかし、伊佐久はプライドからそれを断り、青瀬の父は九官鳥を受け取り帰っていったが、陶太や香里江があまりにも悲しむので、家で大切にしていたタウトの椅子と交換しようと伊佐久は青瀬の父を追った。

伊佐久は「この椅子と九官鳥を交換してくれ」と頼んだが、青瀬は「これは息子の稔の大切な鳥だから。」と断り、そして青瀬の父は「じゃあ1万円で、その椅子を買わせて欲しい。」と言った。

それを聞いた伊佐久は、「貧乏人」とバカにされたようで腹が立ち、「このタウトの椅子はあんたみたいなもんが座れる代物じゃないんだ。」と青瀬の父ともみあいになった。

その拍子に、青瀬の父が足を踏み外し崖から転落し亡くなってしまった。

伊佐久は長年、その事件を胸にしまっていましたが、亡くなる直前に兄妹に何らかの形で青瀬家へ詫びて欲しいと懇願した。

淘太と香里江は、興信所を通じてゆかりと連絡を取ったが、「青瀬は、きっとお金を受け取る性格じゃない。」と言われ、考えた末、青瀬にY邸建築を依頼することに決めた。

その際、協力していたのはゆかりで、Y邸近くで淘太と一緒にいるところを目撃されていた背の高い女性もゆかりだった。

また、吉野夫妻を追っていた男は香里江の元夫だった。

吉野夫妻は、青瀬を騙していたこと、父がしたことを詫び、Y邸を青瀬に譲った。

青瀬は、「いつか淘太さんと香里江さんを必ずY邸にご招待します。遊びに来て下さい」と言った。

そして青瀬は、父との思い出をたくさん詰め込んだノースライトの光が溢れる家で、家族の再出発を決意した。

最後に

北向きの窓から差し込む柔らかな光のように迎える、優しく美しい結末は、読了後も幸せな気分にさせてくれること間違いなし。

傑作『ノースライト』は、2020年12月に西島秀俊さん、宮沢りえさん、北村一輝さんによってNHKでドラマ化されます。

警察もので有名な横山秀夫が、建築家を主人公に「家族」を描いた美しいミステリー。

この作品が映像としてどのように描かれるのかも楽しみに待ちたいと思います。

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