『あのこは貴族』ネタバレ!あらすじから結末や登場人物相関図

邦画

東京生まれの箱入り娘と地方出身の雑草系OLという生まれも育ちも全く違う二人が、同じ男性に恋をする山内マリコさんによる『あのこは貴族』。

30歳を間近に結婚に焦る東京生まれのお嬢様の華子と、地方に生まれ男と10年間もだらしない関係を続ける美紀が出会い、自分らしく生きることを模索するストーリーは多くのアラサー女性の共感を得ました。

そこで今回は、映画化も決定している『あのこは貴族』の原作あらすじ、結末ネタバレをご紹介いたします。

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『あのこは貴族』あらすじ

『あのこは貴族』相関図

東京のお嬢様・華子

榛原華子(はいばら はなこ)は、東京生まれ、東京育ちの26歳。自分のテリトリーでぬくぬくと無菌状態で暮らしてきたが、最近彼氏にフラれ落ち込んでいた。

父が整形外科の開業医で家柄もよく、かわいらしい顔立ちのため男性にモテたが、自分をうまく出せない性格から“つまらな女”として、男性に飽きられ別れ話をされるのが常だった。

「30歳までに結婚しなければ…」という焦りから、父や友人に紹介された男性に片っ端から会ったが、お嬢様の華子に合う人は見つからない。

そんな時、一番上の姉・香津子の夫・真の紹介で出会ったのが青木幸一郎だった。

弁護士の幸一郎は、政治家を輩出している名家の御曹司なうえ、ハンサムで感じのいい男性だったため、華子は一目ぼれし、付き合い始めた。

華子は、生まれや育ちや家柄、行動エリアも似ている幸一郎に、幼なじみに合ったような安らぎを感じていた。

そして、数か月後には初めてベッドを共にし、プロポーズを受けた。

トントン拍子に結婚が進み、有頂天の華子だったが、夜遅くに時岡美紀という女性から、幸一郎の携帯にLINEで連絡がきていることを目撃してしまう。

さらに、華子の友人の相楽逸子が参加したパーティーに、時岡美紀と幸一郎が恋人のように一緒にいるところを見たという。

地方出身の美紀

地方の漁師町に生れた時岡美紀(ときおか みき)は、猛勉強の末に慶応大学に合格し上京してきた。

美紀は、幼稚舎からエスカレーター式で大学まで上がってきた華やかな内部生と、地方から苦労して出てきた外部生との間に見えない壁のようなものを感じていた。

さらに、不況で実家の父が働いていた工場が閉鎖され、仕送りを減らされた美紀は、ホステスとしてアルバイトを始めた。

頭の回転が早く努力家の美紀は、水商売でそれなりに稼げるようになり、容姿もどんどん洗練されていった。

ある日、美紀が店で接客中に、慶應大の同級生がたまたま店にやってきた。その中には、美紀が かつて一度ノートを貸したことのある青木幸一郎がいた。

その偶然をキッカケにして二人は、10年間、友達のような恋人のような中途半端な関係を続けていた。

それから美紀は、大学を中退し、ホステスの人脈を使い、IT企業に就職し、OLとなった。

幸一郎は、何でもハッキリ言う美紀を気に入っていたが、決して友達や仕事仲間には美紀を紹介することはなかった。

いくら楽しく旅行したり、寝たりしても、幸一郎と美紀の間には見えない壁があった。

そして、美紀も居心地がいいことを理由に、幸一郎との生ぬるい関係を断ち切れずに32歳になっていた。

美紀は、ある日、六本木のパーティーに、幸一郎の体のいいホステス代わりとして参加していた。

そこで、ヴァイオリニストの相楽という女の子と話す機会があり、「こんど、ご飯いきません?会わせたい子がいるんです。」と誘われたのだった。

以下からネタバレを含みますので、まだ作品を見ていない方や結末を知りたくない方はご注意下さい。

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『あのこは貴族』結末ネタバレ


あのこは貴族 (集英社文庫(日本)) [ 山内 マリコ ]

華子VS美紀

日本橋にあるマンダリンオリエンタル東京で、美紀と華子、そして華子の友人・相楽逸子は対面した。

美紀は幸一郎が婚約していたことなど何も知らなかったため、ここに華子が来ることに驚いていた。

逸子は、「私は華子の友達なので味方しなくちゃいけないけれど、美紀さんのことを一方的に敵視はしたくないんです。どう考えても悪いのはモラルコードゆるゆるの青木幸一郎なんで。」と言った。

その言葉に美紀は吹き出し、悪いのはいつも男なのに、どうして女同士が喧嘩しなくちゃいけないのか。と妙に納得する気持ちになった。

そして逸子は、美紀は 女同士の義理が分かる人だと言って近松門左衛門の浄瑠璃の話をし始めた。

奥さんがいる、ある男が遊女と心中しようと約束していた。あるとき、遊女は本心では心中したくないから「私のことを諦めさせたいの」と他の客に言っているところを男に見られてしまう。でも「諦めさせたい」というのは遊女の芝居で、実は男の奥さんが遊女に手紙を送り「夫に死なれては困ります。別れてくれませんか。」と書いていたためだった。奥さんの手紙に心を動かされた遊女は、「あの男とは本気じゃない。」と嘘を言い、奥さんの気持ちを汲んで男と手を切ろうとした。一方の奥さんも、このままじゃ遊女が命を絶ってしまうのでは…と心配し、女同士の義理を立てるため家の着物を売って遊女を身請けする金を作り、旦那に「遊女を助けてやってくれ。」と懇願した。

この話に感動したという逸子に、美紀は「女同士って仲良くできないようになっているんだよ。でも、男が絡んで話が通じなくなる女じゃないと見られたことは嬉しい。」と答えた。

一方で、美紀は目の前の優雅な華子の立ち振る舞いを見て、自分の世界とは隔てられている壁を感じていた。それは、幸一郎と一緒にいるときに味わう感情と同じだった。

教育、文化、金銭感覚どれも、一般人とはかけ離れているけれど、それを「普通」と信じて疑わない華子の天然ぶりに、美紀は「このての金持ちは、憎めなくて困る。」と感じた。

そして美紀は、「自分は幸一郎のステイタスに惹かれていただけなのだ。」と気づき、幸一郎との関係を断ち切るのは自分にとっても素晴らしい決断になると思った。

美紀は、「華子さん。幸一郎との婚約おめでとう。」といい、携帯を取り出し幸一郎の連絡先を消去し、今後一切会わないことを約束した。

それは、さっき逸子から聞いた近松門左衛門の浄瑠璃の話と似て、とてもカッコイイものだった。

結婚式

一方的に美紀から縁を切られた幸一郎は、逆に美紀への執着を見せ「会いたい」とガッツき、美紀を失望させた。

幸一郎に美紀を諦めさせるため、逸子と相談して、幸一郎と華子の結婚式に、美紀も華子の友人として参加することを計画した。

結婚式当日ー。

経済界で名の通った名家の御曹司と、代々整形外科医院を営む令嬢との組み合わせは、絵に描いたように釣り合うものだった。

そしてキャンドルサービスの時間になり、美紀と逸子のいるテーブルに新郎新婦がやってきた。

幸一郎が美紀を見つけると「え…なんで…」と絶句した。華子はそのリアクションに怒りを感じ「来てくれてありがとうございます!」と美紀に笑顔を向けた。

女同士の義理が成立した瞬間だった。

離婚

結婚生活をスタートした華子だったが、幸一郎はそっけなく「まだ子供の作る気はないよ。」「記念日なんてやる意味ある?」などという言葉を平気で言った。

華子は、怒りをぶつけようとするものの幸一郎は忙しく、うまく言いくるめられケンカにもならないのだった。

この状況に危機感を覚えた華子は、幸一郎のことを良く知る美紀に相談するため会うことにした。

華子は美紀に「幸一郎さんってどんな人ですか?」と単刀直入に質問した。

美紀は、「人当たりのいいお坊ちゃんだけど、本質的には情が薄く冷たい人。モテるから、女を舐め切ってる部分はあると思う。」と答えた。

華子は、美紀の分析を聞き、自分が幸一郎に主張を一切してこなかったため足元を見られ、舐められていると気づいた。

美紀はそんな華子を見て「もっと自我を出して、幸一郎に自分の気持ちを話しなよ。」と背中を押した。

半年後、華子は幸一郎に離婚届を突き付けた。

華子は義理母や、実の両親からも「酷い嫁だ!」と非難されたが、全く後悔はしなかった。

結末

離婚した華子は、逸子のマンションに一緒に住みマネージャーの仕事をするようになった。

誰かのために世話をし、尽くすという仕事は華子に合っているようだった。

これまで、東京以外に興味がなかった華子だったが、ヴァイオリニストの逸子の演奏会で日本各地に行くたびに感動した。

それは、いつか美紀が「東京はきらきらして見えた。」と言っていたことと同じ感覚に思えた。

ある日の地方の演奏会でのこと。打ち上げで、華子と幸一郎が偶然にも一緒になった。

幸一郎は「華子ごめんな。でも、華子にマネージャーできるなんて。」と言いい、華子は「私のほうこそごめんなさい。これでもマネージャー向いてるんですよ。ギャラ交渉のふっかけてます。」と笑って答えた。

それから二人は、出会ってから初めて本音でいろいろな話をした。

一方、美紀はIT企業を辞め地元と東京を往復する日々を送っていた。

同じ故郷で、慶應大学時代の同級生・平田佳代と、地元の観光客を増やすために、街の案内アプリを開発したり、イベントを企画する会社を起業したのだ。

華子と美紀の二人は、東京と地方を行き来しながら、自分らしさをみつけ、新しい道へ進んでいくのだった。-END-。

映画『あのこは貴族』キャスト・相関図・あらすじは⇒こちら

最後に

特権階級の世界も、田舎の狭いコミュニティでも閉塞感は同じ。

華子と美紀も一見、繋がりがなく正反対に見えますが、男性をきっかけに自分が持つコンプレックスに気づき、最後は自分らしく生きる2人の姿に、晴れやかな気持ちになれるお話でした。

女同士のマウンティングやドロドロした描写はほとんどなく、むしろ形をかえた友情を描いているので読後もスッキリします。

『あのこは貴族』は2021年に映画化が決定しており、門脇麦さん、水原希子さんという役柄同様にタイプの違う役者さんが演じることになっていますので、そちらも楽しみにしたいと思います。

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