『流浪の月』あらすじネタバレ!少女と誘拐犯の結末は?

映画

少女誘拐事件の被害者と加害者の言葉では表せない特別な関係性を描いた凪良ゆう著の『流浪の月』が、2022年に広瀬すずさん、松坂桃李さんW主演で映画化されます。そこで今回は、本屋大賞も受賞した『流浪の月』の相関図、あらすじから結末までをネタバレ有りでご紹介いたします。

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『流浪の月』登場人物と相関図

登場人物

家内更紗・・・9歳の時に誘拐事件の被害者となる。現在24歳。
佐伯文・・・19歳のときに更紗の誘拐犯として逮捕される。中世的な容姿をしている。
中瀬亮・・・更紗の恋人。営業マン。実家は山梨で農家を営む。
安西佳菜子・・・更紗のアルバイト先の同僚。
梨花・・・安西の一人娘。8歳。

『流浪の月』相関図

※無断転載ご遠慮ください。

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『流浪の月』あらすじから結末

誘拐事件

主人公の 家内更紗(9歳)は、浮世離れした母と優しい父のもとで伸び伸びと育っていた少女だった。

しかし、父が病気で亡くなったことをきっかけに家庭は崩壊し、母は彼氏と共に更紗の元から消えてしまう。

伯母の元に引き取られた更紗だったが、普通を押し付ける伯母夫婦と、いやらしことをしてくる従兄弟の 孝之がいる家庭に馴染めずにいた。

家に帰りたくない更紗が ある日公園で読書をしていると 、佐伯文という男子大学生(19歳)から「うちに来る?」と誘われ、付いていくことにした。

文の家は更紗にとって、夜ご飯にアイスクリームを食べても、好きなDVDも見ても、何もしなくてぐうたらしても文句をいわれない とても居心地のいい場所だった。

一方、教育熱心で育児書通りに育てられた文にとっても更紗の奔放さは新鮮で、互いに影響しながら楽しいひとときを過ごしていた。

そんな生活をして数か月たった頃、パンダが見たいと言う更紗を文は動物園に連れていくことにした。

しかし、その動物園で更沙と一緒にいた文は通報され、誘拐犯として捕まってしまう。

文は警察で「文から怖いことは何もされていない。文は自分を助けてくれた恩人。本当に私の身体に触ったのは…」と証言しようとするが、うまく伝えることができなかった。

大人たちは、分かったように頷き勝手に「ストックホルム症候群※」と判断し、それが事実として処理された。

※ストックホルム症候群とは・・・誘拐や人質になった被害者が犯人に信頼、愛情あるいは同情の感情を抱くこと。

伯母の家にまた戻った更沙だったが、またしても孝弘がわいせつ行為をしようと部屋に入ってきた。

更沙は、とっさに近くにあった花瓶で孝弘を殴ってしまい、「誘拐により情緒不安定」という診断をされ養護施設に入れられ高校まで過ごすこととなる。

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『流浪の月』ネタバレ結末

再会

事件から15年後ー。

24歳になった更沙は、恋人の 中瀬亮(29歳)と同棲しており、飲食店でアルバイトとして働いていた。

ある日、更紗は亮から結婚したいから両親と会って欲しいと言われる。

正直、更紗は亮と結婚したいと思っておらず、孝弘からの行為で体を重ねることにも抵抗があった。

逮捕時の映像がネットで拡散され顔や名前が知られている更沙は、どこにいっても「傷ものにされた可哀そうな女性」として見られることに違和感を覚えていたが、亮も更沙を 「かわいそう」「守ってたりたい」と勝手に思っている一人だった。

そんななか、バイト先の同僚と入った喫茶店で「いらっしゃいませ」という声を聞いた更沙は、その人物が文であることに気づいた。

文。私のこと覚えてる?」更沙は、文に話しかけたいと思ったが、文の人生をめちゃくちゃにしたのは自分で、きっと嫌われているという気持ちから声をかけることはできなかった。

誤解

それからというもの更沙は、文に会いたい一心でカフェ『calico』に通い始め、ストーカーのように文を尾行することもあった。

更沙が、仕事帰りの文の後を追っていくうちに分かったことは、文には大人の女性の恋人がいることだった。

更沙は、ロリコンだった文が大人の女性を愛せるようになっていたことを知り「文が幸せになっていて良かった。」と胸をなでおろした。

しかし、そんな更沙の様子に疑いの目を向けていたのは恋人の だった。

亮は更紗の浮気を疑い、容赦ない暴力=DVを行い、血だらけになった更沙の服をめくりあげてきた。

更沙は幼少期に孝弘からされた行為がフラッシュバックし、花瓶で亮の頭を殴りつけて家を飛び出した。

傷ついた更沙が向かったのは『calico』。しかし、更紗は「文に助けを求めるわけにはいかない」と店を見上げることしかできなかった。

そんな更沙に気づいた文は、 「店にくる?」とあの日のように声をかけ、静かに招き入れた。

文は、初めて更紗が店を訪れたときから更沙があのときの少女だと気づいていたのだった。

久しぶりに言葉を交わしている二人の元に、亮が 「もうあんなことしないから」とDV男の常套句を言いながら追いかけて来た。

更沙は一旦亮の元に戻ったが、亮は更沙がストックホルム症候群にかかっていいると思いこんでいるため話し合いは平行線のまま。

更沙の心はますます亮から離れ、文の元へと向かっていくのだった。

引っ越し

それからさらに亮の束縛はひどくなり、更紗の職場へ電話をかけ、シフトにまで口出しするようになった。

一方 更紗は、文と再会したときの会話や、ありのままの自分を受け止めてくれたことを思い出すだけで生きる力が湧いてきた。

そして、バイト仲間の安西加菜子に頼み、夜逃げを手伝う引っ越し業者を手配してもらい、亮と暮らしていた部屋を出た。

引っ越した先は、なんと 文の部屋の隣

そんなストーカーまがいの更沙の行動も、文は笑って受け入れ、二人は再び近い距離で生活をすることになった。

そんななか、更紗は文に「大人の女性を好きになることができたんだね。」とそれとなく恋人について尋ねた。

すると文は「俺は昔と変わらず、彼女とは繋がれない。 谷さん(現在の彼女)とは別れた方がいいと思っている」と答えた。

てっきり文が幸せだと思っていた更沙にとって文の告白は辛く、もう少女ではない自分に、文は救えないと思うと悲しくなった。

さらに文は、刑期を終えた後 実家の離れに監禁され、常に監視された状態で過ごしていたことを話した。

更紗と同じように文も、あの事件から15年間は辛く苦しい時間だった。

疑惑の目

以前より、バイト仲間の安西の9歳になる娘を預かっていた更沙は、また安西が彼氏と旅行に行くというので梨花のめんどうをみることになった。

梨花はとても良い子で更沙とも気が合い、今回は文も一緒に3人であちこち出かけた。

そんななか、亮の仕業によって「calicoの店主は誘拐事件の犯人・佐伯文で、被害女性は洗脳からまだ解けていない」「被害女性は、知人女性の子どもを佐伯に会わせている」という事実とは違う情報が週刊誌で報道される。

記事には、わざと文が梨花と一緒にいるように、亮が隠し撮りした写真も添えられていた。

そんなこともあり、タイミング悪く梨花を預かっていた更沙と文は警察に呼ばれ、取り調べられることになった。

警察は文に「梨花ちゃんになにかしたんじゃないか?」という疑惑の目を向け、更紗には「まだ洗脳されている?自分の身代わりに梨花ちゃんを差し出しているのでは?」と憐れむような質問をしてきた。

最終的には、連絡を受けた佳菜子が旅行先から戻ってきて、梨花を引き取ったことで騒動は収まった。

今回の取り調べで、文は再び精神的なダメージを負ってしまった。

週刊誌の記事を見た恋人の谷が、文に会いにくると、「僕は幼い女の子が好きだから、君を抱かなかったんだ。」とわざと悪者になることで、別れを告げた。

告白

文と更沙は、週刊誌の記事と今回の騒動で、再び好奇の目に晒され限界がきてしまう。

更紗が文に「これからも文とずっと一緒にいたい。だから文がいくところに、わたしもついていく」と言うと、文は「俺のことを何も知らないくせに。」と答えた。

そして「わたしは文の何を知らないの?教えて」と言う更紗に、文は「いつまでたっても 俺だけ大人になれない」とある秘密を明かした。

文は実は、第二次性徴がこない病気だった。文がつるんとした肌をしており中世的で実年齢のわりに容姿が若々しいのも、この病気のせいだった。

性が子供のまま発達しない恐怖と屈辱のなか、文は性愛の対象とならない少女たちを見ることだけが安らげる時間だった。

そして男性として欠陥品の文が、9歳のときのであったのが更紗だったー。

女性を愛せないという秘密を抱え孤独に生きてきた文は、更紗の自由奔放さに自分も解放された気持ちになった。

そして刑期を終え、監禁された実家を出た文は、ネット情報を頼りに更紗の大まかな住所知り、そこでカフェを開いた。

店の名前 『calico』は、日本語で更沙という意味だった

つまり、文も同様に更紗をずっと忘れられず必要としていたのだった。

結末

5年後ー。

ファミレスで文、更紗、13歳になった梨花が楽しそうに話している。

ネットで現在の情報が晒された文と更沙は、仕事を辞めて現在は長崎県でカフェを開いている。

しかし、この長崎での生活も長くは続きそうもない。

二人は身バレするたびに引っ越しを繰り返し、生活が変わるごとに梨花と会っていた。

誘拐事件から20年経ったいまでも、世間は文と更沙を解放させてくれない。

しかし、こんなときも更沙は前向きで「今のところが駄目になったら、今度はどこにいきたい?」と楽しそうに文に相談する。

すると文は「どこでもいいよ。どこへ流れていこうと、ぼくはもう、 ひとりではないのだから。」と静かに答えるのだった。-END-

『流浪の月』感想

性的被害、DV、ストーカー、痴情のもつれ…と聞くとドロドロとした物語を想像しますが、衝撃的な展開はなく、基本的には美しい言葉で綴られたストーリーでした。

「性犯罪者」「可哀そうな少女」というレッテルを貼られ、どこまでも監視され白い目で見られる文と更沙。

そんな価値観の押し付けに翻弄されながら、二人は大人になっても周囲と交流し馴染むことができません。

それゆえに、更紗と文は親子、夫婦、恋人どれでもない、密で強い結びつきを感じてしまうのです。

事件後も「いつかどこかで会えるんじゃないか?」と互いに探し続ける二人。

たった2か月の生活だったけれど、あの日々を忘れられない二人は、必然的に再び出会います。

恋でも愛でもない。ただ必要としている加害者・文と被害者・更沙の関係は、許されないものなのでしょうか?

本作を読み進めるうちに、テレビやSNSの記事のある側面だけを見て、知ったようになってしまう自分も考え直さないといけないな。と感じました。

文は更紗の嫌がることをしておらず、更紗も自分の意思で文と一緒に居たという真実を知ると、二人に向けられる世間の目に腹立たしさも感じますが、ニュースや週刊誌の記事だけを読んでいる人が「この関係性は、普通じゃないでしょ。」「性犯罪者にはGPSをつけるべき」などと考えてしまうことも理解できます。

世の中にねじまげられ、伝えられたことは事実ではないけれど、真実は当事者にしかわからない。

周囲に理解されず、傷つけてしまう二人は出会うべきではなかったかもしれません。

しかし、それでも一緒にいたいという気持ちには圧倒されました。

他人の物差しでは測れない二人の関係ではありますが、これが幸せじゃないならなんなのか?

生きていく決心を固めた二人の結末が明るいもので少し救われた気持ちになりました。

最後に

「事実と真実はちがう」けれども誰も二人を理解してはくれない。

周囲の善意や優しさを捨てて、茨の道を進んでいく決意をする更紗と文。

『流浪の月』は、広瀬すずさん、松坂桃李さんW主演で2022年に映画が公開されます。

愛での恋でもなく、ただ必要とする二人の関係性が映画でどう描かれるのかも楽しみです。

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