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『エゴイスト』ネタバレと衝撃の結末!愛とは自分を救うエゴなのか?

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マツコ・デラックスさん、ミッツ・マングローブさんとも交流があった高山真さんの自伝的小説『エゴイスト』が映画化されます。そこで今回は愛とエゴイズムの葛藤を描いた『エゴイスト』の原作の結末ネタバレとキャストなどをご紹介いたします。

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『エゴイスト』あらすじ

14歳のときに病気で母を亡くした斎藤浩輔は、その死を侮辱した同級生への憎しみから「こいつらのいない世界で生きてゆく」と上京する。

浩輔は東京で開放的な生活をおくるなか、ガンを患う母と暮らす美形の青年・中村龍太と恋に落ちる。

自分と自分の母との日々を、龍太と龍太の母に重ねる浩輔は、彼らを救いたいと金銭的な援助を始める。

最初は戸惑う龍太だったが、浩輔から差し伸べられた手を受け入れる。

しかし、突然 龍太との別れを経験した浩輔は、自分がこれまで「愛」だと思ってきた行動が自己満足で、彼らを追い詰めていたのではないかと自問自答する。

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『エゴイスト』結末ネタバレ

龍太との別れ

浩輔と龍太の別れは、ある日突然訪れます。

次に会う約束した翌日、布団のなかで龍太は亡くなっていたのです。

そういえば浩輔には思い当たるフシがありました。

あるときから龍太の目の周りにクマが出て、部屋に来ても10分でいびきをかいて眠りこけてしまう。

車での座席でのびをしたとき、顔をゆがめていたこと。

龍太の不調に気づいていたのに救えなかった浩輔は、人目もはばからず泣き崩れるのでした。

龍太の母は二人の関係を知っていた

浩輔は龍太が亡くなり恋人として悲しみたい浩輔でしたが、龍太の母の前では「友人」として取り繕ろわなければいけません。

しかし龍太の葬式の日、龍太の母は「ごめんなさい」と謝る浩輔に「謝らないでお願い。あなたが龍太のこと愛してくれていたこと知っているから」と言いました。

実は龍太の母は、龍太が浩輔に出会ってから明るい笑顔を見せはじめたことから、浩輔と恋人同士であることに気づいていました。

龍太の母は、相手が男でも女でも息子に大事な人が出来たことを喜んでおり、応援していたのです。

結末

龍太に代わり、そして自分の母への思いを重ねるように、ガン末期の龍太の母を見舞う浩輔。

そんな浩輔の過去を知った龍太の母は、自分の息子のように浩輔に接するようになっていきます。

そして、龍太の母の最期に浩輔は立ち合い、自分と自分の母との日々を取り戻すことができたのでした。

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『エゴイスト』感想

『エゴイスト』は、純愛をエモーショナルに描いた作品ではありますが、とても悲しい鎮魂歌のようなお話です。

BLというよりも息子目線で書かれる亡き母への感情が痛いほど伝わる親子愛を描いています。

特に、浩輔が亡くなった母に「ごめんなさい」と謝るシーンには胸がつまります。

母親の立場なら子が元気に生きてくれているでけで幸せなのだから、自分が亡くなったあとも息子が贖罪の気持ちを抱え生きているとしたら、親としてはとても辛い。

浩輔は恋人が亡くなってからは、「無償の愛」を伝えてきたつもりが、実はそれが「自己満足」だったかもしれないと自分を責めます。

確かに、浩輔は自分の母親への後悔を、龍太と龍太の母に重ね、救いを求めていました。

それははエゴかもしれませんが、龍太と龍太の母がそれを「愛」と捉えてくれるなら、浩輔の思いは間違いではなかったということ。

相手を大事に思い、大事な人のために何かしたい、と真剣に考えて行動することが「エゴイスト」なら、人間はみんな「エゴイスト」。

極論を言えば、親が子を思う気持ちだって自己満足なんじゃないでしょうか。

この小説の軸はタイトルの通り「愛とは、自分を救うためのエゴなのか」ということ。

同性同士の「愛」ということよりも、疑似家族を通して親と子の因果や運命を強く感じさせてくれる作品でした。

『エゴイスト』キャスト一覧

登場人物とキャスト

斎藤浩輔鈴木亮平

14歳のときに病気で母を亡くす。同性愛者のため田舎の町イジメを受け、逃げだすように上京。しがらみのない東京では洗練された高級ブランドに身を包み出版社で働いている。

龍太宮沢氷魚

癌を患った母の治療費を稼ぐため体を売って生活している美形の青年。自分の美しさに無頓着で素朴な性格。

浩輔の親友マサキ / ドリアン・ロロブリジーダ

浩輔の親友。

浩輔の友人小杉紘太

浩輔の友人。

龍太の母・妙子阿川佐和子

龍太の母。病気を患う。

浩輔の父 義夫柄本明

離れて暮らす浩輔の父。妻を病気で亡くし、男手ひとつで息子を育てた。

浩輔の母 しず子中村優子

浩輔の母。病気で亡くなる。

映画『エゴイスト』公開日

エッセイスト高山真の自伝的小説を、鈴木亮平さん、宮沢氷魚さん出演で映画化した『エゴイスト』。

本作は、親密な時間を過ごす恋人との甘美な世界と共に、「愛とは、結局エゴなのか」という主人公の問いが観るひとに突き刺さる内容となっています。

公開日は2023年。お楽しみに。

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  1. 大吾

    愛着問題が基礎であることに同感です。
    生活のたもとはいえ売りという自傷行為や過労までして母の救済者になろうとする隆太、その救済者になろうとする浩輔、三角ドラマのが二重に展開しました。
    結局、浩輔が救われたのは、隆太の母に、無条件に受け入れられたから、ですかね。
    金を出してあげて得られる承認欲求とは異質のもの。
    これは無意識に近い願望だったのでしょう。
    親に無条件の愛を求めること、それはエゴイストですが、本人は気づいていないのかもしれません。