『世紀末の詩』最終回ネタバレ!結末までをキャスト相関図付きで解説

ドラマ

男女の愛、親子愛、家族愛、夫婦愛、自己愛など様々の「愛のかカタチ」をオムニバス形式で描いた『世紀末の詩』。野島伸司脚本ということで、各話の登場人物たちはハッピーエンドではなく悲劇的なラストを迎えますが、「究極の愛」を突き詰めた傑作です。今回は、ドラマ『世紀末の詩』のキャスト相関図と最終回の結末をご紹介いたします。

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『世紀末の詩』キャスト一覧

野亜 亘竹野内豊

結婚式の最中に婚約者に逃げられ自殺を図るが、向かいのビルで同時に自殺を図る教授と出会い、なぜか彼の潜水艦作りを手伝いはじめる。

百瀬夏夫山崎努

金を積んだのに教授選に落選し自殺を図るが、亘と出会いバラックで「旅に出るため」潜水艦を作りをはじめる。

ミア坂井真紀

ネコのような正体不明の少女。自分を死神だと言い、片言のような日本語で話す。野亜に拾われ、彼と教授と同居する。

羽柴里見木村佳乃

小学校の教師。ひょんな事から、バラックに遊びにくるようになる。婚約者との結婚を控えているが、野亜に想いを寄せられ揺れ動く。

百瀬祐香松本恵

百瀬の高校生の娘。初対面で野亜に一目惚れする。ミアと仲良し。その後ロンドンに留学する。

牧野千秋吉川ひなの

貧しい兄弟の長女。ノアがアイスや焼き栗を売っていると、幼い兄弟達と共に彼に食べ物をねだる。野亜に片想いをしている。実は百瀬と深い関係が…。

1話:小川すみれ広末涼子

10年前にバイク事故にあい、相手の男性をずっと待ち続けている。実は幽霊で、亘だけ彼女が見える、徐々に亘の生気を吸い取るが、百瀬の説得もあり一人天国に旅立つ。

2話:仁科 鏡子遠山景織子

盲目の女性。手術をうけ愛していた人がみすぼらしい中年男・一郎だと知りガッカリする。その後、手術したイケメン医師に誘われ…。

2話:興梠一郎斎藤洋介

冴えない中年のおじさん。プロポーズした鏡子のためにお金を貯めて目の手術を受けさせるが、振られてしまう。

3話:津田愛美小田エリカ

太陽に当たると命を落としてしまう難病にかかっている。同級生だった羽柴里見に憧れ、太陽の下で一緒に過ごしたいと思っている。そして一糸まとわぬ姿で海辺に飛び出し…。

4話:山内羽夢真柄佳奈子

貧しい無職の男に拾われ、男の子として育てられるが、捨てた親(布施博)に引き取られる。

5話:星野 守三上博史

車椅子の絵かき。留美の亡き親の形見であるエメラルドの指輪をミアに盗ませるが、それは偽物の石を本物にこっそり変えてあげるためだった。

5話:佐々木留美純名里沙

ダメンズに騙されてきた女性。星野に恋をするがまたしても裏切られたと勘違いして、車椅子の星野を踏切に放置する。

6話:広田 馨藤原竜也

才能あるピアニスト。若いころから英才教育を受けて育つ。コンクールで難曲をひきこなすが、指からは血が…。

7話:石田真紀子桜井幸子

夫とパン屋を営業していたが、先に亡くなってしまう。夫は彼女の遺体を冷凍保存しているが、娘(池脇千鶴)は知らない。

7話:石田 基大江千里

妻に先立たれれるが、その悲しみを受け止めきれず彼女の遺体を冷凍保存している。石田が妻を見て作ったパンは、食べた後最初に見た相手を好きになるという特殊な効果をもたらす。

8話:影山睦美持田真樹

家庭崩壊の末、高校生の時に見知らぬ男の子供を宿して自殺。再生後に道で倒れているところを野亜に拾われる。

9話:謎の男大沢たかお

3日以内に自分の名前を当てれば助けてやると、野亜たちのバラックに突如ピストルを持って侵入する男。彼は喜怒哀楽の感情を否定していくが…。

10話:牧野冬子永島暎子

20年前に百瀬が捨てた妻。その当時、別れに応じない彼女は百瀬に首を絞められ殺されそうになったことがある。千秋は、実は百瀬と冬子の娘。

11話:ピーターパンの少女伊藤歩

遊園地で働く女性。実は金持ちの娘のメイド。

『世紀末の詩』相関図

※無断転載禁止

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『世紀末の詩』あらすじ

結婚式の当日に、花嫁を奪われた野亜亘(竹野内豊)は、ビルの屋上から自殺を図るが、向いのビルにも学長選挙に敗れた百瀬夏夫(山崎努)という男が佇んでいた。

二人の眼が合ったとたん、子猫のような娘ミア(坂井真紀)が笑い出し、その声を聞いた二人は死ぬのが馬鹿らしくなり自殺を思い留まる。

そして、三人はバラック小屋で奇妙な共同生活を始めた。

そんななか教師の羽柴里見(木村佳乃)は、教え子が下校時に三人の隠れ家に集まっていることを知り、百瀬たちと出会う。

愛の存在を信じ続ける野亜をシニカルに否定する百瀬。

二人の世紀末の詩人が辿り着いた、真実の愛とは…。

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『世紀末の詩』最終回の結末ネタバレ

結婚式で花嫁を奪われた亘(竹野内豊)は、今度は自分が里見(木村佳乃)の結婚式で彼女を奪おうと考えます。

百瀬は娘だと分かった千秋に貝殻をプレゼントし、それは、千秋がネックレスにしている貝殻のカケラとピッタリ合いました。

百瀬の娘の祐香(松本恵)は、ロンドンに旅立ちました。

とうとう百瀬は、「愛とは何か?」を考えながら、キャバレーのトイレで女性の下着を握りしめて亡くなります。

里見の結婚式当日ー。

「迎えにいく」と言っていた亘は結婚式場に現われませんでした。

里見はあきらめて、婚約者との結婚を誓いました。

その後、亘は「潜水艦で冒険する」という百瀬の子供時代の夢を引き継ぎ、海にもぐって新天地を目指すことになったのです。ーEND-

『世紀末の詩』感想

様々な「愛の形」を、毎回ゲストを迎えオムニバス形式で描いた異色ドラマ『世紀末の詩』。

今のドラマのように万人受けするような分かりやすいストーリーではなく、野島伸司さんが「理想」と「現実」を突き詰めて創りあげた哲学的な作品です。

物語では、夫婦愛、親子愛、家族愛、自己愛…をテーマに金、容姿、権力に翻弄されながらも「愛」を求める多くの人物が登場しますが、印象的だったのは広末涼子さん演じる幽霊のすみれ。

主人公の亘は、恋人へを待つすみれを救うために「死」を覚悟します。

一見、彼の行為は自己犠牲の愛にみえますが、それは婚約者に捨てられた自分を癒す行為そのもの。

亘の行おうとしていることは美しいですが、それは「真実の愛」ではないのです。

すみれも、それに気づいて亘を黄泉の国へは連れて行かなかったのでしょう。

こんな風に、一話ごとに様々な「愛」を冒険しながら成長していく亘。

だから最終回では、「待っている」と言った里見を迎えに行かなかったのかなと思います。

里見さん。愛の形が見たくありませんか?
愛の形?
ええ。明日見せてあげます。約束します。

亘は里見のことを愛してはいたけれど、彼女の向こうにいる婚約者と自分を重ねてしまった。

里見があの日 自分を捨てた花嫁と同じ存在になってしまった。

だから亘は、別れを決意したんですね。

もし里見が「そんなことはやめて」と、迎えにくることを断っていたら違う結末になっていたかもしれません。

本作は、消費され続ける今のドラマとは違い、野島さんの想いの丈が詰まった細やかなドラマなんですが、過激さが控えめなせいか、忘れ去られている印象があります。

高校教師』『この世の果て』を経て、野島ドラマ集大成とも言える『世紀末の詩』。

究極の愛を模索した傑作ですので、ぜひ、今の若い方にも見てもらいたいです。

なお『世紀末の詩』は、動画配信されておらず、その過激さゆえに再放送の予定もありませんが、DVDは発売されているようです。


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