『ギバーテイカー』ネタバレ!最終回までのあらすじと結末
女性警察官と美少年サイコパスの攻防を描いたクライムサスペンス『ライフ2 ギバーテイカー』のあらすじ~結末までを、相関図を交えながらお届けしたいと思います。
『ギバーテイカー』登場人物
◆倉澤樹
23歳の女性警察官。当時弟のようにかわいがっていたルオトに妹の命を奪われたことえをキッカケに刑事となる。医療少年院を退院したルオトから「大切なものを再び奪う」と宣言され…。
◆倉澤穂乃花
樹の妹。11歳のときに同級生のルオトと祭りに出かけ、彼により命を奪われた。
◆貴志ルオト(小林一真)
11歳のときに樹の妹・穂乃花の命を奪い、その後 少年院に送致される。17歳で退院したあとは、“小林一真”と名前を偽り、パン屋「グリュックエーレ」で働く。中世的な美少年で、精神は未熟。人を物のように扱う。世間からは「殺人騎士」と呼ばれる。
◆貴志茉莉絵
不倫の末にルオトを出産し、彼に経済的援助を受けながら一人でルオトを育てた。当時1歳の娘でルオトの妹・リリがいたが、彼により命を奪われる。ルオトの数々の事件で精神に異常をきたし、現在は軽井沢で愛犬リリと暮らす。
◆聡美
児童養護施設「若草ひかり園」で育ち津山に引き取られるが、彼から性的虐待をうけていた。ルオトと共にパン屋で働き、彼に心酔している。ルオトの示唆で、パン屋の店主だった養父の津山の命を奪う。
◆津山善行
聡美の養父。パン屋「幸せの穂」店主。一見穏やかそうに見えるが、窃盗や暴行の前科があり、聡美に対しても性的虐待を行う。住み込み従業員として貴志ルオトを雇うが…。
◆谷部 誠
ルオトが「パパ活」をした相手。元教師で優しく穏やかな性格。樹の先生でもあった。ルオトに利用され、「藤村詩乃」と名乗ってやって来た女装したルオトに騙され…。
◆金田 佑
パチンコ&スロット店のバイト店員。17歳の頃、窃盗で捕まり、医療少年院に入ったときにルオトと知り合う。その後退院するが、ルオトの指示でスーパーで万引きし、追いかけて来た有坂洋介刺した。
◆有坂洋介
スーパーの副店長をしている。娘と二人暮らし。店で万引きをする金田佑を追いかけたところ、もみ合いになり、刃物で刺されて亡くなった。
◆有坂弥生
有坂洋介の高校生になる娘。万引きをしている金田を見つけ父親に知らせたが、その後金田に刺され父親は亡くなった。自分のせいで洋介が命を落としたと思いショックで会話ができなくなくなるが、次第に、同じく家族を失った樹に心を開くように。
◆笹本加奈
スペインバルで働く22歳の女性。父が遺した家のことで兄と口論になり、その兄により命を奪われる。
◆笹本亮介
笹本加奈の兄。鉄工所勤務。ある日、父の家のことで泥酔した加奈と口論になり、衝動的に加奈に睡眠薬を飲ませてしまう。その後、加奈のスマートフォンを操作して自ら命を絶ったように見せかける。
◆椿 理子
樹の同級生。生活安全課少年係に勤務。樹とは親友で、姉的存在としてもつねに案じている。優しい性格が災いして、ルオトの策略にはまり絶縁となる。
◆今井要
樹の先輩刑事。クールに見えるが、実はスイーツが好き。樹の相棒として、ルオト逮捕を目指す。
◆篝(かがり)
元警視庁捜査一課の刑事。多国籍パブ「レディユニバース」を経営。通称「S」と呼ばれ、銃の所有や不法滞在する外国人を働かせているなど違法行為を行っている。樹とは警察の情報を教える代わりに、貴志茉莉絵に関する情報を調査するなど取引をしている。
◆湊
交番で働く警察官。仕事はやる気がないが、樹が必死に貴志ルオトを追っている事を知り協力するようになる。
『ギバーテイカー』相関図
※無断転載ご遠慮ください。
『ギバーテイカー』あらすじ
刑事の倉澤樹は、妹・穂乃花を、当時弟のようにかわいがっていた11歳の貴志ルオトに命を奪われた過去を持つ。
その後 樹は、犯罪者を許さぬ思いを持ち警察官になった。
ルオトは医療少年院に送致され、6年後 17歳になって退院するが、樹に「あなたの大切なものを、もういちど奪います」と宣言。
樹を弄ぶように、ルオトは様々な事件を起こしていく。
懸命に捜査する樹だったが、なかなかルオトの尻尾をつかめない。
そんななか、ルオトを捕らえる足掛かりとして彼の過去を調べはじめた樹は、ルオトが8歳のときに実の妹であるリリの命を奪ったという恐ろしい事実を知る。
ルオトは良心も罪悪感も全く持ち合わせていない、正真正銘の“モンスター”だった。
ルオトを追うなかで、樹は彼の策略にはまり、親友の理子が亡くなったと勘違いして、誤認逮捕という失態を犯してしまう。
これにより、警察内で居場所を失った樹は、仕事を辞めることも考えたが、先輩の今井要に諭され警察に留まることにした。
そして、改めて「必ずルオトを捕まえてやる」と決意するのだった。
『ギバーテイカー』最終回ネタバレ
◆ルオトの生い立ち
ルオトの残虐性は、生まれつきなのか?それとも環境によるものなのか?
その秘密は、彼の生い立ちにありました。
ルオトは、母・貴志茉莉絵と妻子ある男性とのあいだに生まれた子どもでした。
その後 茉莉絵は、その男性と関係を続け、待望の女の子を授かります。
彼女は、娘をリリと名付け、ルオトよりもリリを可愛がるようになっていきます。
次第に妹を敵視していったルオトは、リリが1歳のときに命を奪ったのです。
そのとき、ルオトが口ずさんでいたのがフランス民謡の「アマリリス」。
その事件以来 茉莉絵は、その曲に強い恐れを抱くようになり、リリのことが事故で片付けられた後は、軽井沢ひっそりと暮らすことになったのです。
母から避けられるようになったルオトが、また「渇き」を覚えるようになったころ、彼は折り畳みナイフを手に入れます。
そのナイフを弄びながら、妹を壊したときの感覚を思い出すルオトは、またあの快感を得たいと思うようになっていきます。
そのとき、出会ったのが「アマリリス」を弾く、樹と穂乃花 姉妹だったのです。
◆運命の選択
穂乃花が亡くなる少しまえ、11歳のルオトは河原でナイフを持ち、ウサギで予行演習をしようとしました。
しかし、ちょうどそこに樹が通りかかり、ルオトはそっとナイフをポケットにしまって「右と左のポケットどっちがいい?」と質問しました。
右にはキャンディ、左にはナイフが入っています。
樹は「右」を選び、ルオトは彼女にキャンディを渡しました。
「樹は、キャンディを選び、僕にナイフをくれた。“このままの僕でいい”っていってくれた…」
ルオトは、こんな勝手で幼稚な解釈をして、穂乃花の命を奪ったのでした。
◆ルオトと樹の最後の対決は?
小学校で行われる樹のクラスの同窓会に現われたルオトは、子どもを人質にとって銃を乱射します。
樹は木刀を握りしめてルオトと格闘しますが、足を撃たれて動けなくなってしまいます。
どうにか、ルオトを追い詰めた樹は、ルオトにトドメを刺そうとしますが、そこに先輩刑事・今井要が現れ、樹を止めました。
ルオトの命を奪えば、樹はこの先ずっとルオトの呪縛から逃れないと思ったからです。
思い留まった樹は、ルオトをようやく捕まえることができました。
◆結末
ルオトは3か月の間に、17人もの人間の命を奪っていました。
ルオトの面会に行った樹は、
「わたしは極刑を望む。せめて命をもって償え。もし生まれ変わることがあったなら、必ずわたしのところへ来い。」
と告げました。
この事件は、日本中を騒がし、ルオトは精神鑑定にかけられますが、矯正・更生の見込みはないとして死刑判決が下されました。
事件後、樹はルオトをモンスターにしたのは自分のせいだと責任を感じ、刑事に復帰することができずにいました。
そんな樹に今井は、「ルオトは樹に罪悪感を植え付け、自分が描く物語に組み込みたかっただけだ」と言いました。
その言葉に救われた樹は3年後、今井と結婚。
子どもも誕生し、家族3人で仲良く暮らすのでした。ーEND-
『ギバーテイカー』感想
作者のすえのぶけいこさんといえば、壮絶ないじめに立ち向かう少女を描いた『ライフ』が有名ですが、本作も『ライフ2』とあってかなり重たい内容でした。
天使のような美少年が、次々と残忍な犯行をおこなっていきますが、途中まで動機はわからないまま。
主人公の樹に異常に執着し、裏で事件を起こしながら、表で平然とパンを売っているギャップが恐ろしかった…。
ルオトを追い詰めるはずが、主人公が逆に追い詰められてピンチに陥る展開はドキドキ、ハラハラさせられました。
そーいえば、『死刑にいたる病』の犯人も、人気のパン屋店主だったなぁ。サイコパスはパン屋をやりがちwww。
物語では事件の残忍性やルオトの生い立ちなどセンセーショナルな部分が目立ちますが、少年犯罪をテーマにしているだけあって、更生の難しさ、法の裁きの矛盾、被害者家族の葛藤など社会的な問題もきちんと描かれています。
2023年に放送される中谷美紀さん主演のドラマ『ギバーテイカー』では、主人公が「妹を殺された刑事」ではなく、「娘を殺された元小学校教諭の刑事」という設定になっています。
個人的には、サイコ美少年ルオトを、誰が演じるもか?非常に気になります。
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