『悪女について』ネタバレ!犯人や子供の父親は誰か相関図付きで考察

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謎を残したまま亡くなった女実業家・富小路公子。彼女に関わった27人の人物の証言から浮かび上がったのは、稀代の悪女かそれとも女神か?今回は何度も映像化された有吉佐和子による小説『悪女について』のあらすじ~結末を相関図付きでご紹介いたします。

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『悪女について』登場人物と相関図

登場人物

富小路公子(鈴木君子)・・・謎の死をとげた女性実業家。彗星のように実業界に現れ、一代で巨万の富を築いた才女。
尾藤輝彦・・・公子が居候をしていた家の長男で彼女の二人の隠し事の父とされる。
浅井雪子・・・輝彦の妹で公子の小学校の同級生。
渡瀬義雄・・・公子の戸籍上の一人目の夫。一流商社マンで実家は静岡の旧家。公子から妊娠したと聞かされ逃げるように出ていく。
渡瀬小静・・・義雄の母。
富本寛一・・・公子の二人目の夫。公子に子どもがいると知り離婚する。
富本宮子・・・寛一の母。
沢山栄次・・・小さなラーメン屋と宝石店を営む。経営の勉強のために簿記学校に通い15歳の公子に出会う。
大内三郎・・・沢山の営む宝石店の従業員。後に公子が持つ宝石店の専務となる。
林梨江・・・洋品店の女店主。公子が着用する全ての服をデザインする。後に公子が持つビルにプレタポルテの店を出す。
菅原ふみ・・・公子の家の家政婦。
烏丸瑶子・・・戦前の宮様の血筋に生まれた女実業家。ガラッパチで下品な話し方をする。
小島 誠・・・公子が経営する東京レディス・クラブの支配人で彼女の婚約者。
渡瀬義彦・・・公子の長男。成績優秀。
渡瀬義輝・・・公子の次男。
鈴木タネ・・・公子の母。公子が寛一と結婚している間、孫の義彦・義輝の世話をした。

相関図


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『悪女について』簡単なあらすじ

物語は、彗星のごとく現れ一代で巨万の富を築いた女実業家富小路公子が謎の死を遂げたことで、記者が彼女の生前を知る人々にインタビューするという形で展開していきます。

八百屋えお営む甲斐性なしの父親と盗難癖のある母親・鈴木タネに育てられたた鈴木君子(後に改名して富小路公子と名乗る)は、自分はやんごとなき華族出身の貰い子だと嘘をつき、周囲の同情をひいていました。

15歳になった公子は、男ばかりの夜学の簿記学校に通い、そこで知り合った沢山栄司から宝石店での仕事を紹介されます。

そんななか、公子は沢山の経営するラーメン店でアルバイトする渡瀬義雄と同棲して妊娠しますが、彼は公子と結婚する気はなく、姿を消してしまいます。

そこで公子は大きなお腹で、渡瀬の実家に乗り込み、慰謝料として5千万円を受け取ります。

昭和34年の5千万円は、現在で換算すると3億円

公子は、その5千万円を元手に土地を転がし、目をつけていた宝石のブローカーとして起業。

その後、二人目の夫・富本寛一を利用して田園調布の土地を手に入れ、事業を拡大します。

田園調布の土地に豪邸を建てた公子は、母のタネに預けていた子ども・義彦義照と呼び寄せ、一緒に暮らしはじめます。

莫大な富を手に入れたた公子は、お座敷犬の華子を溺愛し、専属衣装デザイナーやメイクアップ師、コックなどを従え、テレビのコメンテーターとして活動。

若い婚約者も手に入れ、まさに絶頂期を迎えていた公子でしたが、あるとき自社のビルの7階から転落して亡くなってしまいます。

果たして公子の死は、自殺か、他殺か、それとも事故か?

彼女に関わった27人の人物の証言から浮かび上がった真実はー。

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『悪女について』ネタバレ!犯人の考察

子どもの父親は誰?

複数の男性と関係を持っていた公子には、二人の息子がいますが父親は誰なのでしょうか。

公子と関係を持った男性たちは、「迷惑」、「男の甲斐性」など思いは様々ですが、皆「あぁあれは私の子供です。ソックリでしょう。」と証言しています。

これについては、公子自身が亡くなっているので断言できませんが、長男の義彦の父は、10代のころから亡くなるまで親交のあった尾藤輝彦だと思います。

華族さま出身の尾藤は、家柄コンプレックスのあった公子にとっては憧れの存在ですし、彼も本気で公子を愛していました。

また、義彦は尾藤に似て成績も優秀で端正な顔立ちをしている点も彼が父親であることを示唆しています。

一方、次男の義輝の父は、尾藤、沢山…読者も知り得ない誰かでしょう。

その次男は出来が悪く、母の公子からなんの期待もかけられませんでしたが、彼女を信じ、一番愛していた人物で「ママは悪女なんかじゃない。夢のような一生送った可愛い女だった」と語っています。

次男はどちらかというと、粗野な祖母の雰囲気に似ており、「素」の自分を嫌う公子にとっては複雑な感情を持って接していたのかもしれません。

それにしても、渡瀬と尾藤の名前を一字ずつとって子供につけた公子のしたたかさは流石ですし、公子から沢山の愛情をかけられた長男が、粉飾した母を嫌い、祖母に愛情を感じているのは皮肉でしたね。

犯人は一体だれか?

公子の死は、自殺なのか他殺なのか事故なのか明かされないまま終わります。

ここからは、私の考察になりますが公子はズバリ、東京レディス・クラブの支配人で婚約者の小島誠に命を奪われたのではないかと思います。

13年下の小島は、とにかく公子にぞっこんで強引に求婚し、入籍こそはしないまでもハワイでの挙式を予約していました。

(当時、小島本人は4歳差だと思っていた)

しかし公子は、小島に結婚式で着用する真紅のドレスを披露した直後、10代の頃から付き合いがあり、ニューヨーク在住の尾藤輝彦に電話をかけます。

そして、「10日後ハワイに行き、そのあと一人でニューヨークに行く」と彼に伝えています。

この言葉をこっそり聞いてしまった小島が逆上し、入籍してくれない恨みもあって、公子を突き落としたのではないでしょうか。

悪女か女神か?

27人が好き勝手に語る富小路公子は、とても同じ人物とは思えないほどバラエティ豊かです。

彼女もビジネス、友人、恋人、妻、母と必要に応じて仮面を使い分けており、本人でさえ「素」と「虚像」の境が曖昧になっていきました。

また、物語の「宝石」が象徴するように、彼女は偽物に混ざって時折「本物の宝石」つまり「素の自分」を相手に見せます。

公子は、そのタイミングを見極める才能があり、か細い声と上品な物言いで相手を信用させてきました。

本当にアッパレとしか言いようがありません。

結局「悪女」とは、一体なんなんでしょうか。

公子は、人の命を奪ったわけではなく、犯罪を犯したわけでもありません。

ただ貧乏から這い上がり、夢を現実にするために一人必死に生きてきただけです。

騙されたという人たちも、騙されたことにさえ気づかなかった人も、彼女によって良い思いをし、彼女を利用しようという打算的なところがあったでしょう。

公子が「悪女」かどうかは、読者それぞれの胸の内にあり、正解はありません。

白黒つけたい方には納得ができないかもしれませんが、異常なまでに美しいものに執着し、好きなことを貫き通した女性の一代記としてとても面白い作品です。

富だけでは手に入れられなかった彼女の淡い哀しさが漂う読後感も良いので、ぜひおすすめしたい一冊です。


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