『犬神家の一族』ネタバレ!スケキヨの正体や犯人を相関図と共に解説

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横溝正史による『犬神家の一族』は、これまで何度も映像化されてきた土着ミステリーの傑作です。そこで今回は、今なお探偵小説ファンを惹きつけてやまない『犬神家の一族』のあらすじと犯人ネタバレを相関図を交えて考察したいと思います。

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『犬神家の一族』あらすじを簡単に解説

事件のはじまり

そもそもの事件の発端は、犬神家の顧問弁護士を務める若林弁護士が、金庫にしまってあった犬神佐兵衛遺言状を盗み見たことに始まります。

遺言状の内容から、犬神家でただならぬ事態が起こる。いやすでに起こりつつあると察知した若林は、探偵の金田一耕助を那須に呼び寄せました。

【ネタバレ】若林に遺言状を確認するように指示した人物こそ事件の犯人となります。その内容を知った犯人は様々工作を行っていくことになります。

犬神家の一族の因縁

遺言状を遺して亡くなった犬神佐兵衛は生前、邸宅に住まわせた3人の妾たちにそれぞれ、 松子竹子梅子という娘を産ませました。

しかし、佐兵衛はなぜか3人の妾に冷たく当たり、血を分けた3人の娘にも愛情を注ぐことはありませんでした。

佐兵衛はかつて孤児でした。

17歳のときに着の身着のまま那須に流れついた佐兵衛は、那須神社の神主である野々宮大弐に拾われます。

美男子だった佐兵衛は、大弐と衆道の契約を結び、彼の寵愛を受けました。

佐兵衛は、その恩を一生忘れないようにと胸に刻み生きてきました。

そんななか大弐の妻・晴世が、祝子という娘を産み、祝子は珠代を産み育てました。

数年後、大弐、晴世、祝子が相次いで亡くなり、天涯孤独になった珠世を佐兵衛は引き取り、溺愛しました。

【ネタバレ】3人の娘を愛さなかった佐兵衛が、なぜ珠世を溺愛したのか?それは祝子が、佐兵衛と晴世の間に出来た子どもだったからです。男を知らない晴世を不憫に思った大弐が、佐兵衛と晴世の関係を容認していたのです。
また、佐兵衛が3人の娘に愛情を注がなかったのは、晴世への愛を貫き、妾たちに情が移ることを恐れたからでした。

『犬神家の一族』相関図

※無断転載ご遠慮下さい。

第一の事件

金田一が犬神家に到着するやいなや、珠世が乗ったボートに穴があけられていることが発覚。

さらに、若林弁護士が何者かによって命を奪われてしまいます。(後にタバコに仕込まれた毒が原因で亡くなったと判明)

金田一は、犯人が若林を買収して遺言状の内容を知り、珠世の命を狙っていると推測します。

遺言状の内容

佐兵衛が遺した犬神家の遺言状の内容は以下の通りです。

犬神家の全財産・全事業を意味する三種の家宝、斧(ヨキ)、琴(コト)、菊(キク)は次の条件の下に野々宮珠世に譲られるものとする
①野々宮珠世は、配偶者を3か月以内に佐兵衛の孫である 佐清佐武佐智のなかから選ぶこと。ただし珠世が 他の配偶者を選ぶ場合は、相続権を失う
②3人とも珠世との結婚を拒否し、あるいは3人とも亡くなった場合は、珠世は誰と結婚してもよい
③珠世が3か月以内に亡くなった場合は、全財産を5等分し5分の1ずつを佐清佐武佐智に与え、残り5分の2は青山菊乃の息子・静馬に与える
珠世佐清佐武佐智のいずれかが亡くなった場合は、その分与額は静馬にいくものとし、4人とも亡くなった場合は、犬神家の全財産は静馬が享受する
⑤行方不明の青沼静馬の消息が不明もしくは亡くなったことが確認された場合は、犬神家の全事業、全財産は犬神奉公会に全納される

これを知った犬神家の人々は、ただの恩人の娘である珠世が、なぜ遺産相続するのか納得がいきません。

珠世に遺産を相続させないためには、

佐清佐武佐智の誰かが珠世と結婚する
②珠代が結婚をせず、相続を放棄する

となります。

ちなみに犬神家の全財産は、28憶円ほどとされていますので、珠代が相続を放棄し佐清、佐武、佐智が5分の1受け取れるとなれば5憶6千万円ほどになりますね。

当時の会社員の平均月収は1万円ほどなので、佐兵衛はいかに莫大な財産を遺したかが分かります。

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戻ってきた佐清

金田一は、遺言状の内容を見て遺産を巡る骨肉の争いが起こるのではと懸念します。

それは…

珠世の命が狙われる
珠世が佐清、佐武、佐智の命を奪う

ということです。

そんななか、松子の長男・佐清がビルマから復員してきます。

しかし、佐清は顔に大けがを負っており、見る影もなくなっていました。

そこで松子は、佐清に仮面をかぶせました。これが、かの有名な白塗りの「スケキヨマスク」です。

佐清の正体を疑う珠世

以前より佐清に好意を抱いていた珠世は、仮面をかぶった男が佐清ではないと疑っていました。

そこで、佐清からもらった金時計の指紋を確認させたり、那須神社に奉納していある彼の手形を照合しようと試みました。

また母親の松子も、心のなかで佐清が偽物ではないかと思っていたので、手形の照合も「失礼だ!」との理由で断っていました。

第二の事件 佐武が犠牲に

竹子の息子・佐武が生首が発見されました。

菊人形の首と佐武の首がすげ替えられ、別の場所で胴体も見つかります。

事件が起こる少し前、佐清を疑っていた珠世は、佐武に佐清の指紋がついた時計を渡し調べてもらおうとしていました。

時計について語る珠世の言葉から、彼女が佐清に恋心を抱いていると知った佐武は、珠世に襲いかかりました。

しかし、そこに犬神家の下男・猿蔵が助けに入り、二人は佐武を置いてその場所を後にしました。

本物の佐清

佐武が何者かに命を奪われた夜、犬神家の近くの「柏屋旅館」に、山田三平という男がやって来ます。

この山田三平という男こそ、本物の佐清でした。

実は戦地に行っていた佐清は、自分のミスで隊を全滅させてしまったため、犬神家に傷がつかないように山田三平という偽名を使っていました。

しかし、引き揚げ船で日本に戻ったとき、新聞報道で偽物の佐清が犬神家に潜入していることを知り、様子を伺うため「柏屋旅館」に宿泊していたのです。

そして、佐清は、偽物の佐清が青沼静馬ではないかと考えていました。

青沼菊乃と静馬の恨み

静馬の母・青沼菊乃という女性は、佐兵衛が五十歳を過ぎた頃の妾です。

佐兵衛は心から歳の離れた菊乃を愛し、息子・静馬を授かりました。

そんなこともあり、佐兵衛が菊乃を正妻に迎えいれ、娘の 松子竹子梅子を追い出すのではという噂が流れました。

母親を子を産む道具として扱われ、愛情を受けることがなかった松子、竹子、梅子たちは、到底許すことができません。

そこで3人は、菊乃の家に押しかけ、激しく罵り、彼女を追い出すことに成功します。

しかし安心したのも束の間、佐兵衛が犬神家の全財産・全事業を意味する三種の家宝、斧(ヨキ)、琴(コト)、菊(キク)を菊乃に渡していたことが判明します。

3人はすぐに菊乃を探し出し、赤ちゃんの静馬に火箸を押し当て、菊乃を暴行しました。

そして、「静馬は佐兵衛の子どもではない」と一筆書かせ、三種の家宝を奪ったのです。

このとき、菊乃は

「いつまでもおまえたちに、よきことばかりは聞かしておかぬ。いまにその斧、琴、菊がおまえたちの身にむくいてくるのじゃ」

と呪いの言葉を吐きました。

犯人

佐清と静馬は、偶然ビルマの戦地で一緒になり、お互いの顔がソックリであることを確認し、過去の因縁は水に流して戦友になろうと話していました。

そんなこともあって静馬が自分になりすましていると感づいた佐清は、夜中にこそっり犬神家に潜入します。

そして、やはり偽佐清が静馬だと分かると、2人は話し合いをすることになりますが、ちょうど佐武が珠世に乱暴しようとするところに出くわしてしまいます。

珠世は猿蔵に助けられ事なき得ましたが、なんとそこで松子が佐武の背中を刺すところを目撃してしまうのです。

母親が犯行を犯す場面を見てしまった佐清は驚きます。

そして静馬は佐清に「お前の母親のことは黙っておいてやるから、俺の言うことを聞け」と脅し、佐武の遺体をボートで運んでナタで首を切り落とし菊人形とすげ替えたのです。

【ネタバレ】ここまで佐清と静馬が手の込んだ仕掛けをしたのは、これは女の力では難しいことと警察に思わせ、松子を捜査線上から消そうとしたからです。松子が佐武の命を奪ったのは、珠世の配偶者を佐清に絞りこむためです。

第3の事件 佐智が犠牲に

佐清(静馬)は、本物の佐清が現れたため、拒否していた手形合わせを急きょ行うことにしました。

手形を押すときだけ、本物の佐清が仮面をかぶって行ったため、もちろん手形が一致しました。

これで、マスクの男が佐清だと証明されましたが、このトリックで金田一は第3、第4の犯行を許してしまうことになるのです。

松子は琴の練習を抜け出し、佐智の首を帯紐で絞めて命を奪いました。

その後、静馬と佐清が屋根の上に遺体を運び、琴の糸を巻き付けました。

静馬は、積年の恨みを晴らすべく、母が松子たちに奪われた斧、琴、菊の三種の家宝にならって、見立て殺人を行いました。

佐智の通夜のあと、珠世は兵隊服を着た男と鉢合わせします。

男は猿蔵と揉み合った際に仮面が外れ、無残な顔をさらしてしまいます。

珠世はそこに佐清の顔をハッキリ見ることができました。

第4の事件 佐清(静馬)が犠牲に

静馬は、「珠世が言った通り、自分は佐清ではない。あんたの大事な佐清さんは、とっくにどっかに消えてしまった。」と松子に明かしました。

逆上した松子は、近くにあった斧を振り下ろし、静馬の命を奪いました。

静馬はこれまで三種の家宝になぞらえて犯行を見立てきましたが、皮肉にも偶然あった斧で亡くなってしまいました。

本物の佐清は、静馬の遺体を湖に逆さに立てました。

↓有名なこの状態です。

金田一は、逆立ちしている様子から、佐清(スケキヨ)名前を逆にして「ヨキスケ」、また遺体が半分沈んでいる状態から「ヨキ(斧)」だと説明しました。

佐清の工作

第4の犠牲者が出た夜、松子の琴のお師匠さんである宮川香琴が犬神家を訪ねてきました。

そして、香琴は自分が行方不明になっている青山菊乃で、息子の静馬と佐清が顔がソックリだったと証言します。

先程、遺体の指紋をとったとき、指紋は佐清のものではなかったため、皆 亡くなったのが静馬だと察しました。

その後、本物の佐清は母の松子を庇うため、珠世の首を絞めるフリをして山に逃げ込みという派手な捕り物を演じました。

それを聞いた松子は、若林弁護士を毒殺したことを発端とする、すべての罪を告白しました。

すべては愛する我が子・佐清のため。

松子は自分が死刑になる覚悟を決めていました。

そして、珠世に「佐清が罪を償うまで、待っていてほしい」と願いました。

結末

その後、三種の家宝は珠世の手に渡り、珠世はそれを佐清に贈りました。

松子はすべてを償うため、毒を仕込んだタバコを吸いました。

松子は亡くなる直前、竹子の娘・小夜子がお腹に宿した子どもに、「財産を半分譲り、男の子であれば犬神家の事業に参加させてやってほしい。」と珠世に言い遺しました。

最後に

『犬神家の一族』の事件をまとめてみると、

すべての殺人(若林、佐武、佐智、静馬)の実行犯は松子。
しかし、松子が知らない裏で、犬神家の犠牲者の見立て(証拠隠滅、死体遺棄)を行っていたのは佐清だった。

ということです。

『犬神家の一族』ネタバレ相関図

※無断転載ご遠慮下さい。

それにしても、金田一は第4の事件までに何も出来ずに、あげくに松子の自死まで許してしまいました。

名探偵なのに結局 一人も救えなかったことは、なかなかの失態www。

犯人が誰か?という推理の他に、佐兵衛と大弐の男色関係、夫公認の晴世との不倫関係、跡継ぎだけに利用された3人の妾、若き菊乃との最後の恋愛など、男女の愛憎劇が面白かったです。

また、スケキヨマスクや逆さの水死体、菊人形などインパクトのある情景が、事件のおどろおどろしさをさらにパワーアップさせてくれました。

『犬神家の一族』は小説も良いですが、何といっても1976年の市川崑監督の映画が秀逸です。

ぜひ、格調高く哀愁を帯びた邦楽屈指の傑作『犬神家の一族』を楽しんでみて下さいね。

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