『雪煙チェイス』ネタバレ!あらすじから結末を登場人物&相関図つきで解説

東野圭吾さんによる『雪煙チェイス』は、スキー場を舞台に、身に覚えのない殺人の容疑を掛けられた大学生が、アリバイ証明のため警察に追われながら美人スノーボーダーを探す追走劇です。今回はNHKでドラマ化も決定した『雪煙チェイス』のあらすじから結末をご紹介します。
『雪煙チェイス』あらすじ
東京都三鷹市N町の一軒家で福丸陣吉が殺害され、20万円の現金がなくなるという強盗殺人事件が発生する。
現場に残された指紋や凶器から容疑者として浮上したのは、以前 福丸家の犬の散歩のアルバイトをしていた大学生の脇坂竜美。
身に覚えのない罪で自分が警察に疑われていると知った脇坂は、事件当日に遠く離れた新月高原スキー場で出会った正体不明の美人スノーボーダーにアリバイ証明をしてもらおうとする。
警察の手が迫るなか、脇坂は美人スノーボーダーとの会話の手がかりから、友人の波川省吾とともに里沢温泉スキー場に向かう。
一方、福丸老人殺しの捜査を担当することになった所轄の小杉敦彦は、上司の南原から本庁より先に脇坂を確保するように命じられ、部下の白井とともに里沢温泉スキー場へ。
その頃 里沢温泉スキー場では、町おこしのためスキー場を会場にしたゲレンデウェディングの準備が進められていた。
正体不明の女神を追いかける脇坂と、それを追いかける二人の刑事。
スキー場を舞台にした追跡劇の結末は?
『雪煙チェイス』
◆登場人物
◆脇坂竜実・・・開明大学経済学部4年。強盗殺害事件の被害者・福丸の家に犬の散歩係のアルバイトをしていたことから、容疑者として疑われる。
◆波川省吾・・・開明大学工学部四年生。脇坂の友人。開明大学法学部4年。
◆松下広樹・・・脇坂のアパートの隣の部屋に住んでいる。
◆藤岡・・・脇坂が所属するサークル「マウンテン・モンキーズ」の後輩でリーダー。脇坂と波川に車を貸す。
◆小杉敦彦・・・所轄の刑事。南原に命じられ容疑者・脇坂の行方を追って里沢温泉スキー場へ向かう。
◆南原・・・小杉の上司。係長。
◆白井・・・小杉の後輩。小杉と共に脇坂の行方を追う。
◆大和田・・・所轄の警部。花菱とは同期
◆花菱・・・警視庁捜査一課七係の係長。
◆福丸陣吉・・・80歳。三鷹市N町にある一軒家の主人で強盗殺人の被害者。
◆福丸加世子・・・陣吉の妻。
◆福丸秀夫・・・陣吉の息子。
◆根津昇平・・・里沢温泉スキー場のパトロール隊長。
◆瀬利千晶・・・スノーボードクロスの元選手。莉央とは昔ライバルだった。
◆長岡慎太・・・根津の後輩パトロール隊員。ゲレンデウェディングで新郎を務める。
◆成宮葉月・・・慎太の婚約者。ゲレンデウェディングで新婦を務める。
◆成宮莉央・・・葉月の妹。スノーボードクロスの元選手。ゲレンデウェディングのプロデューサーを務める。実家の旅館『板山屋』を手伝いながら、地元のタウン誌を作っている。千晶の親友。
◆川端由希子・・・里沢で旅館「きなし」と「お食事処 きなし」を営む。葉月と莉緒のことを良く知る。元アルペンスキーヤー。
◆相関図
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『雪煙チェイス』結末と犯人をネタバレ
携帯の電話を切り、追跡されないように後輩の車にを借りて、下道を使って里沢温泉スキー場にたどり着いた脇坂竜美と波川省吾は、ゲレンデで働く根津などに尋ねながら女神を探し出そうとします。
◆美人スノーボーダー探し
脇坂がアリバイ証明のために探している美女スノーボーダーの特徴は
●ホームグラウンドは里沢温泉スキー場
●白地に赤の水玉のウェアを着用
●ヘルメットにピンクの星型シールをたくさん貼っている
●勝気な猫を連想させる大きな瞳
というものでした。
途中、ピンクの星型シールを貼ったヘルメットをかぶる瀬利千晶の描写がありミスリードされるが、彼女は女神ではなかった。
脇坂を追って里沢にやって来た小杉たちは、現場の状況や脇坂たちの様子から、彼らは犯人でないと確信して逮捕はしなかった。
そして小杉と白井は、捜査から独自で外れて東京に戻って真犯人の逮捕に向かった。
そんななか脇坂たちは、町おこしのためスキー場を会場にしたゲレンデウェディングで、スタッフたちが白地に赤の水玉のウェアを着用することを知り、女性ライダーのなかにお目当ての美人スノーボーダーがいないか確認することにした。
そして瀬利の協力のもと、皆にヘルメットとゴーグルを外してもらうが、該当する女性はいなかった。
脇坂は落胆するも、瀬利のヘルメットにピンクの星型シールを発見する。
このシールは、瀬利とスノーボードクロスのライバル・成宮莉央と一緒に作ったものだと話し、莉央は姉がモデルとなるのゲレンデウェディングのプロデュースを務めているため、この会場にいると言う。
早速、脇坂は莉央に会いにいき、ゴーグルを外してもらうが、彼女も脇坂が見た女性とは違っていた。
するとそこに、本庁からやってきた刑事の姿が…
◆女神の正体
警察に連行される脇坂だったが、波川の助けでゴンドラから逃げ出し、もう一度莉央に会いに行った。
そして莉央の顔をまじまじと見て目元や鼻筋が、女神に少し似ていることに気づき、千晶はその女性が莉央の姉の成宮葉月ではないかと指摘した。
脇坂は、警察の追っ手が来る前に葉月の顔を確認しにいくが、実は彼女は妊娠しておりゲレンデウェディング開始直前に腹痛のため倒れていた。
しかし葉月は千晶から事情を聞いて、病院に行く前に脇坂のアリバイを証明するため会いに行くことにした。
やはり美女スノーボーダーは成宮葉月だった。
葉月は体調が回復して、脇坂と事件があった日に新月高原スキー場で会ったこと、その時に撮影した写真があることを証言した。
あの日 葉月は妊娠が分かってから莉央からプライベートで滑ることを禁止されていたが、どうしても我慢できずに部屋にあった白地に赤の水玉のウェアを手にとって、こっそり一人で新月高原スキー場を訪れていたのだった。
警察はまだ完全に脇坂が無罪と認めたわけではなかったが、脇坂は女神をみつけられたことに安堵したのだった。
◆真犯人と結末
東京に戻った小杉と白井は古い一軒家を訪れていた。
チャイムを鳴らして出てきたのは岡倉貞夫という老人で、彼こそが強盗殺人の真犯人だった。
囲碁会で福丸とかなり親しかった岡倉は、頼まれた囲碁番組の録画DVDを持って、借金を頼みにいった。
しかし、借金を断られ息子に連絡をすると言われ、とっさに首を絞めてしまったのだった。
そして証拠隠滅のため囲碁DVDを取り出して持ち帰り、福丸が酷評していたとも知らずに囲碁の教本を仏壇に置いたのだった。
犯行の裏も取れ岡倉は逮捕。
本庁よりも先に犯人を見つけたことに上司の南原もご機嫌だった。
その後、小杉は里沢温泉の女将に会いにいき、事件解決を報告して一緒にお祝いをした。
するとそこに、言い合いをしながら千晶と根津が店に入ってきた。
二人はゲレンデウェディングの代役を引き受けたことで急接近し、婚約をしたのだった。
一方、脇坂もサークル「マウンテン・モンキーズ」のメンバーと共に里沢温泉スキー場を訪れ、思う存分パウダースノーを楽しんだのだった。-おわりー
『雪煙チェイス』感想
タイトルほどの緊迫感はなかったですが、脇坂が警察に見つかり、莉央が「女神」ではなかったところからの、大逆転は爽快に感じました。
容疑者として追われる主人公、追う警察、スキー場の関係者を通してニアミスするシーンは、どこかコミカルで映像化向きなので、ドラマ化には納得です。
背広と革靴で観光地をウロウロする刑事はの絵面は面白い。
ただ真犯人の逮捕が呆気なかったし、犯人も最後にしか出てこない老人で「誰やねん」感が否めなかったのは残念。
小難しいトリックなどがない本作は、ミステリーというよりは登場人物のキャラやドタバタ劇を見せるエンタメ要素が強い印象。
本作は『白銀ジャック』『疾風ロンド』からのシリーズ3作目。
根津や千晶など共通の登場人物が出てきて、恋は成就するので、シリーズ前二作を読んでる方なら綺麗な着地に満足できる作品だと思います。
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