日本アカデミー賞が“やらせ”“意味ない”と言われる胡散臭い理由

メディア

日本で一番有名な映画の祭典といば「日本アカデミー賞」を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。

しかし、「やらせで賞を与える意味がない」「出来レース」などと厳しい意見が多くあります。

本当に「日本アカデミー賞」では不正が行われているのでしょうか?

そこで、「日本アカデミー賞」は誰がどのような方法で優秀賞や最優秀賞を決定しているのか、という点から公平性を探ってみたいと思います。

Sponsored Link

日本アカデミー賞が“やらせ”“意味ない”と言われる理由

日本アカデミー賞とは

日本アカデミー賞とは、1978年より日本の映画製作者の投票によって決まる 映画人による映画人のための賞のことです。

毎年テレビで放送され、キネマ旬報ベストテンともに、日本では最も注目される映画賞です。

しかし、「日本アカデミー賞」創立当初から「出来レースでは?」「公平性をかく」など指摘され続けてきました。

そこで、その選考方法から「やらせ」などという噂を検証してみたいと思います。

日本アカデミー賞の選考方法

日本アカデミー賞は 日本アカデミー賞協会員による投票で、受賞作品数本と俳優数人にまで選定していきます。

(1)日本アカデミー賞優秀賞選考投票方法
協会員全員が全部門(新人賞を含む16部門すべて)を投票します。
郵送された投票用紙は公正なる第三者機関によって集計され、正賞15部門の優秀賞受賞者及び受賞作品(各5名または5作品)並びに男女各3~5名の新人賞を決定します。

その後、先に選ばれた作品や俳優を、もう一度 日本アカデミー賞会員によって厳選され優秀作品、最優秀秀作品などが決定されます。

(2)日本アカデミー賞最優秀賞決定投票
先に決定いたしました15部門優秀賞受賞者及び受賞作品を対象に協会員全員が最終投票を行い、郵送された投票用紙は公正なる第三者機関によって集計されます。

つまり「日本アカデミー賞」は、 日本アカデミー賞会員によって決定されるということです。

日本アカデミー賞会員になるには?

日本アカデミー賞会員は、誰でもなれるわけではありません。

会員になれる条件は、

・映画にかかわる業務に3年以上従事していること
・運営・実行委員会、または賛助法人より推薦されている人

という条件を満たす人となっています。

日本アカデミー賞会員の内訳

2019年度の会員数3,959名の内訳です。

俳優/マネージャー 129
プロデューサー 62
監督 111
脚本 64
音楽 15
外国映画輸入配給協会 9
日本映画テレビ技術協会 66
録音 31
美術 31
照明 51
撮影 69
編集 36
松竹 298
東宝 298
東映 281
日活 54
KADOKAWA 133
興 連 8
フリースタッフ 297
賛助法人 1,631
受賞者特別会員 他 285
合計 3,959名

引用元:日本アカデミー賞公式ページ

松竹、東宝、東映の大手3社は877名で、 全体の22%占めており、日活、KADOKAWAを含めても1,064名で全体の26%にしかなりません。

全体の26%なら、意外に少ないから公平じゃん?と思いがちですが、注目すべきは、“賛助法人”という 全体の41%を占める1,631名という数字です。

“賛助法人”とは、株式会社アミューズ、エイベックス株式会社、株式会社オスカープロモーションなどの芸能事務所、ギャガなどの独立系映画会社、テレビ局、出版社など200社以上からなる票です。

この“賛助法人”1,631名の 内訳は公表されておらず、これは少し不透明な印象ですよね。

決まった会社に、投票権が多く振り分けられていれば、 組織票を投じることも可能ということです。

-Sponsored Link-

実際に最優秀作品の配給会社をみてみよう

では、実際に東宝・東映・松竹の大手3社が配給したものが、最優秀作品に選ばれているのか過去10年のデータから見てみましょう。

実写作品 アニメ作品
2009年 『沈まぬ太陽』/東宝 『サマーウォーズ』/ワーナー
2010年 『告白』/東宝 『借りぐらしのアリエッティ』/東宝
2011年 『八日目の蝉』/松竹 『コクリコ坂から』/東宝
2012年 『桐島、部活やめるってよ』/ショウゲート 『おおかみこどもの雨と雪』/東宝
2013年 『舟を編む』/松竹 『風立ちぬ』/東宝
2014年 『永遠の0』/東宝 『STAND BY ME ドラえもん』/東宝
2015年 『海街diary』/東宝 『バケモノの子』/東宝
2016年 『シン・ゴジラ』/東宝 『この世界に片隅に』/東京テアトル
2017年 『三度目の殺人』/東宝 『夜は短し歩けよ乙女』/東宝
2018年 『万引き家族』/ギャガ 『未来のミライ』/東宝

近年の最優秀作品の配給会社をみてみると、ショウゲートの『桐島、部活やめるってよ』や東京テアトル、『この世界に片隅に』など意外な作品が選ばれることもありますが、 大半は映連(東宝・東映・松竹・KADOKAWA)関連の作品が多いことが分かりますね。

著名人も苦言

この偏りに対して、著名人が苦言や暴露をしたこともあります。

樹木希林

樹木希林が「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」で最優秀主演女優賞を受賞したときのスピーチでは、

「私なら違う作品を選ぶ」「半分くらいしか出演していないのに(最優秀主演女優)賞をいただいてしまって申し訳ない」「帰りたい」「もう酔った」「この賞が、名実ともに素晴らしい賞になっていくことを願っています」

と語り、その後のインタビューでも、

「これは組織票だ、この結果はおかしい」「あの結果は私も納得していない」

と批判しました。

その年に多くの賞レースで賞を総なめにしていた「それでもボクはやってない」が無視され、「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」が賞のほとんどをほとんどを独占したことに対する皮肉だったのでしょうか(笑)。

北野武

2014年のトークショーでは、北野武監督が、

「日本アカデミー賞最優秀賞は松竹、東宝、東映、たまに日活の持ち回り。それ以外が獲ったことはほとんどない。(賞を選定する)アカデミー賞の会員なんてどこにいるんだ。汚いことばっかやってる」

と痛烈に批判しています。

ちなみに、北野監督が言う日活は受賞したことはないのですが、歴代の受賞作品を見れば、持ち回りといわれもおかしくないものになっていますね。

山本晋也

日本アカデミー賞の設立当時に、創立メンバーとして呼ばれた山本晋也監督は、

「まず大賞を五社持ち回りでと言われガッカリした」

と語っています。

現在は、フリー会員も増えているので、ここまであからさまな不正は行われていないとは思いますが、“賛助法人”の内訳が知らされていない以上、多少の忖度が疑われるのも無理はありません。

なぜ大手配給作品に賞が固まる?

アカデミー会員は3,959名存在することを先ほど述べましたが、この会員が1年間に上映された映画作品をすべて鑑賞することは不可能です。

一定以上の興行収入がない作品は、そもそも鑑賞すらされず評価の対象とならないのです。

そのため、新進気鋭の監督やインディペンデントの映画よりも、実績のある監督作品や、すでに名の知れた俳優が出演する作品に偏ってしまうのです。

アメリカのアカデミー賞のように、「アッ!」と驚くような作品や、無名の俳優が選ばれるなど、意外性が全くないのは、このためだったのです。

日本アカデミー賞で、同じ俳優が複数のノミネート作品に出演しているのも、よく見かけますしね・・・。

つい最近の米アカデミー賞では、韓国の「パラサイト」が快挙を成し遂げました。

一昔前は、世界の名だたる監督が「羅生門」「東京物語」「七人の侍」などの日本映画を絶賛し、韓国などが追いつけないほど良作を生み出していました。

しかし、現在の日本映画界はどうでしょう。

アニメ原作作品やアイドル映画ばかりで、日本で評価?されても、世界で戦える映画は、ほぼありません。

「壁ドン」映画は、もうウンザリです(笑)。

日本映画界は、ほんとうに質の高い作品を評価しようとする環境がないので仕方ありませんね。

そうはいえ、公開館数が少ない映画でも質の高い映画もいっぱいあります。

これからは、観客である私たちも、もっと多くの映画をみて、目を肥やしていくことも大切ですね。

↓日本アカデミー賞2020予想!ノミネート一覧と最優秀作品の結果↓

最後に

毎回、胡散臭い噂が流れる「日本アカデミー賞」。

今年こそは、映画ファンが納得できるような結果で終わって欲しいものです。

-Sponsored Link-

関連記事一覧

  1. この記事へのコメントはありません。