『ドクター・デスの遺産』ネタバレと原作のあらすじ結末

映画

2020年11月に綾野剛さん、北川景子さん出演で映画化される『ドクター・デスの遺産ーBLACK FILE-』。

安らかな最期をもたらす白衣の訪問者は、悪魔か聖人なのか?

警察と終末医療の問題をあぶり出す『ドクター・デスの遺産ーBLACK FILE-』の原作のあらすじ・結末ネタバレをご紹介いたします。

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『ドクター・デスの遺産』のあらすじ

警視庁に少年から「悪いお医者さんが来て、お父さんを殺しちゃったんだよ。」という通報が入った。

捜査一課の犬養隼人と高千穂明日香が、少年から事情を聞くと、頭のてっぺんが禿げた特徴のない医者と看護婦がやってきて、父親に注射をしたとたん、亡くなってしまったという。

刑事・犬養隼人が捜査をすると、少年の母親が “ドクターデスの往診室”というサイトにアクセスしていたことが判明した。

末期患者らの安楽死を二十万円で請け負う「ドクター・デス」とは何者なのか?悪魔、それとも聖人か?

犬養隼人刑事と部下の高千穂明日香の執念の捜査をよそに、日本各地で類似する事件が次々に発生していく。

『ドクター・デスの遺産』ネタバレ!原作の結末

ドクター・デスの手口

「ドクター・デス」に依頼をした被害者や、その家族たちは、

①治る見込みがない病気やケガを患っている
②耐え難い苦痛が亡くなるまで続く
③家族は精神的、肉体的、経済的にも苦しんでいる
④本人に安楽死の明確な意思がある

という共通した状況にあった。

余命いくばくもない患者は「早く楽になりたい….」、家族たちは「苦しみながら死を待つ家族をこれ以上みたくない」と行き場のない悩みを抱えていた。

そんな終末医療に悩む患者や家族に「ドクター・デス」のサイトは、スイスやアメリカの一部の州では安楽死が合法であり、「生きる権利」だけでなく「死ぬ権利」が認められていると説き、たった20万円で「貴方の大切な人に安らかで苦痛のない死を請け負います。」と誘うのだった。

ドクター・デスの行為は罪か?

通報をした少年の母は、事情聴取で、「違法だからと言って何だというのだ。主人と家族は、お金、体力、気力を消耗し続ける日々だった。

もう限界だという時に、あのお医者様が現れ、主人が安らかに亡くなる姿をみて、私は本当にうれしかった。」と答えた。

逮捕されてもなお、亡くなった家族は皆、 後悔もせず「ドクター・デス」には感謝しているのだ

介護、高額医療、終末医療という問題に「安楽死させ認められていれば…」と願う声があることも、難病を抱える娘を持つ犬養にとって理解できる。

しかし 現在の日本では、たとえ患者の苦痛を取り除く行為で、本人が望んでいたとしても、 ドクター・デスの行為は違法であり、罰せられるのだ。

犬養の上司の麻生は、「患者に薬物を注射し、現金を受けったら風のように消え去る。カネで雇われた殺し屋と一緒だ。おまけに、安楽死の費用が20万という安さというのも問題だ。これは見せかけの金であり、ドクター・デスは殺人を楽しんでやっている」と嫌悪感をあらわにした。

今回は、少年の通報で事件が発覚したものの、ドクターデスの往診室のアクセスを見る限り、類似した事件はもっとあると考えた犬養たちは、捜査を開始した。

ドクター・デスの目撃情報

ドクター・デスのサイトにコメントを書き込んだ人物を探っていくと、次々と同じような事件が発覚していった。

ドクター・デスに依頼した人間の目撃情報によれば、

・看護婦を連れて二人でやってきた。
・背が低く頭が禿げている
・顔に特徴がない

という証言が得られた。

しかし、実際にドクター・デスと顔を合わせていても、肝心の顔の特徴が得られないと、似顔絵を作成することができない。

おまけにドクター・デスは非常に慎重な人間で、サイトは複数の海外サーバーを経由し、発信元にたどり着けないようになっていた。

いくら、過去の事件を掘り起こしてもドクター・デスの正体を暴くのは難しいと判断した犬養は、 おとり捜査を提案した。

おとり捜査

警察は、「ドクターデスの往診室」のサイトに末期患者を持つ家族として接触し、おびき出したところで逮捕するという計画をたてた。

ドクター・デスの調査能力からして、嘘の患者や家族を用意してもバレてしまう。

そこで、犬養は難病で入院している自身の娘を、おとり捜査で利用することにした。

犬養は、真実を織り交ぜながら巧妙な依頼メールを作り上げ、ドクター・デスに送信すると…、すぐにドクター・デスは食いつき返信してきた。

そして、犬養は娘の入院先とは別の病院を指定し、誰もいない病室でドクター・デスを待つことにした。

しかし、約束の時間がきてもドクター・デスは姿を現さず、監視カメラにもそれらしき人物は見当たらない。

「やられたぞ!」

ドクター・デスは、犬養のパソコンをハッキングし、おとり捜査を見抜き、実際に犬養の娘が入院している病院に、安楽死に使用する塩化カリウムの点滴バッグを送りつけてきたのだった。

犬養の娘は無事だったものの、ドクター・デスにしてやられた警察の面目は丸つぶれ。

そして、犬養の元にドクター・デスからメッセージが届いていた。

自分の娘を使ってまで、私を逮捕しようとしたことは感嘆するしかありません。しかし、個人のパソコンを使用して時点で過去の記録や個人データがハッキングされるとは思わなかったのですか。私には、あなたの娘さんの本名や居場所を特定するのは朝飯前でした。あのまま娘さんの点滴剤を塩化カリウム製剤にすり替えることは、簡単だったのですよ。

これまで、狡猾で凶悪な犯罪者を相手にしてきた犬養だったが、自分の家族が巻き込まれ、危険にさらされたことに恐怖を感じた。

看護婦が判明

捜査の進展がないなか、ドクター・デスの依頼人の一人から「ドクター・デスの付き添いの看護婦の顔なら覚えている。」という証言が得られた。

すぐに似顔絵を作成すると、ショートボブで目が小さい30~40代の女性の顔が浮かび上がってきた。

各警察署に似顔絵の該当者がいないか捜査協力を頼むと、「似顔絵ソックリの元看護婦がいる」との情報が入った。

その女性は、 雛森めぐみ 37歳

めぐみは、ドクター・デスにバイトとして雇われ、1回6万円で処置を手伝っていた。

ドクター・デスの医療行為が安楽死を招くものとは知らず、痛みをやわらげる治療をしているものだと思っていた。

めぐみは、ドクター・デスの自宅や勤務先などの素性は知らなかったものの、 寺町亘輝(てらまち のぶてる)という名前だけなら知っていた。

逮捕

寺町亘輝という名前が判明したものの消息を掴めずにいた捜査本部のもとに、鑑識課から有益な情報が入ってきた。

それは、ドクター・デスが事件現場に残していった 「土」だった。

土には藻が含まれており、その藻が含まれる土地は関東に3か所ある河川敷しかなかったのだ。

「これなら狩れる」

そう考えた犬養は、河川敷にいるホームレスたちに目をつけ、ドクター・デスもホームレスに紛れて生活しているのではと考えた。

刑事たちは、NPO法人になりすまし、テント生活をするホームレスたちに、それとなく寺町亘輝について聞いて回っていた。

そんな時、刑事が持っていた隠しカメラに、寺町亘輝に似た、頭のてっぺんが禿げた小柄の男が映っていた。

依頼人たちに、画像を見せると「確かに、こんな人だった。」と確認もとれた。

捜査員たちは、寺町が住むテントを包囲し、突入。あっさりと逮捕したのだった。

寺町亘輝を事情聴取すると、 「俺は命令されて医者の恰好をしていただけ。注射はあの看護婦がやっていた。俺は横から見ていただけだ。」と言った。

やられた!

つまりドクター・デスは、寺町亘輝ではなく、付き添いの看護婦と思われていた 雛森めぐみだったのだ。

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ドクター・デスの動機

ドクター・デスこと雛森めぐみから犬養に電話がかかってきた。

犬養は「あなたは真っ当な看護婦だったのに、なぜ倫理観が180度も違うドクター・デスになったのか?」と聞いた。

すると、めぐみは「私は、中東で無国籍医師団の一員だった。戦争で致命傷を負った患者は、苦痛にのたうち回りながら亡くなっていった。手の施しようがないなか、患者たちは“苦痛の無い死”を望んでいたのよ。」と言った。

そして、日本ではドクター・デスとして働きにくくなったから、また海外に行くことにしたという。

犬飼は、「また、他の国で犯罪を繰り返すのか?」と聞いた。

めぐみは、「私は、医療器具の乏しい国では、安楽死は正当な医療行為だと思っている。無意味で高額な延命治療が発達した日本では、これから安楽死を望む声はますます高くなるでしょうね。私は患者の苦痛を取り除くために、安楽死を推進していく。それが私の正義よ。さようなら。正義のおまわりさん。」

という言葉を残して、めぐみは姿を消した。

結末

犬養に渡航することを告げためぐみだったが、最後の仕事をするため、まだ日本にいた。

末期がんで、本人自ら依頼してきた出雲市の患者・久津輪博信に安らかな死を与えるためだ。

しかし、患者の自宅に到着しためぐみを待っていたのは、犬養と高千穂だった。

「待ってました。雛森さん。」

どうして、ここに来ることが分かったかと問われた犬養は、「あなたが無国籍医師団にいたという来歴から、あなたが参加していた頃のメンバーを調べました。あなたは、ブライアン・ホールというアメリカ人医師に心酔していましたね。あなたのサイトの訪問者の中で、久津輪さんは異彩を放っていました。何しろ ブライアンさんにソックリでしたから。

ブライアンとは、めぐみが無国籍医師団で看護婦をしていたときに補助をしていた医師で、めぐみにとって憧れでもあり、異性として意識していた人物だった。

しかし戦争が激化するなか、ブライアンが助かる見込みのないケガを負ってしまう。

そしてブライアンは、「死ぬ権利を与えてくれ」と注射器をめぐみに渡し、めぐみは彼に安らかな死を与えた。

一番大切な人物を、自分の手で葬ってしまった以上、めぐみにとって、法律の壁を超えることなど簡単だった。

そんな大切な思い出を、見抜かれてしまっためぐみは、犬養に張り手をお見舞いしようとした、 その時!轟音が鳴り響いた。

家が土砂崩れに巻き込まれたのだった。

犬養、高千穂、めぐみは無事だったが、依頼者の久津輪は天井の梁の下敷きになり、瀕死の状態だった。

めぐみは、「久津輪さんは、絶命するまで耐えがたい苦痛を味わい続ける。」と注射器を取り出した。

犬養は「警察官である以上、見過ごすわけにはいかない。」と言うと、

めぐみは「ほんの一瞬だけ警察官でいることをやめなさい。呼吸自体が拷問になっている久津輪さんの身にもなりなさい。警察官として、久津輪さんがもがき苦しむ姿を指を咥えて見ていることの方が罪じゃない。」と言い、久津輪の腕に針を刺した。

犯人は捕まえたが、罪を捕まえられなかったー。

犬養と高千穂は、連続殺人犯を逮捕したにもかかわらず、敗北者のような顔をするのだった。

めぐみは「これはわたしが背負う罪よ。あなたは関わらなくていい。」とは言ったが、久津輪に安楽死を選択させることは違法行為であることを知りながら黙認した犬養は、己の十字架として背負っていこうと決めた。

事件後、犬養は、闘病を続ける娘に「もし、どんな治療での治らず、苦しさは増す一方だったら、安楽死を選ぶか」と聞いた。

娘は「私は安楽死というのは、まず考えない。最近はとことん治療をやったれと思う。諦めの悪い誰かさんの娘だから…」と答えるのだった。END。

映画『ドクター・デスの遺産』キャスト一覧・あらすじは⇒こちら

最後に

最近でもALSを患う女性が亡くなり、安楽死を請け負う医師が逮捕される事件が起こりました。

積極的安楽死は果たして殺人なのか救済なのか?法律で認められていないからといって、犯罪と決めることは簡単ですが、この小説を読むと、正直、分からなくなってしまいました。

一人一人の正義が違うように、きっと皆が納得する正解はなかなか出ることはないのでしょう。

難しいテーマを扱いながら、伏線やトリックなどが巧妙に仕掛けられていますので、ミステリーとしても読みごたえ十分です。

映画で興味を持った方も、ぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。

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