『ある男』相関図・キャスト・原作!他人を生きた男の正体は?
平野啓一郎さんの傑作で累計19万部を超える『ある男』が、妻夫木聡さん、安藤サクラさん、窪田正孝さんにより映画化されます。「自分が愛していた夫は、全くの別人だった。」という衝撃の事実から始まる本作は、「愛に過去は必要か?」と問う珠玉の感動ヒューマンミステリーです。そこで今回は、映画『ある男』のキャスト相関図とあらすじ、原作をご紹介いたします。
映画『ある男』あらすじ
愛したはずの夫は、まったくの別人であった ー
弁護士の 城戸は、かつて離婚裁判で担当した 里枝から、夫だった男性について身元調査をして欲しいという奇妙な相談を受ける。
里枝は、前夫と離婚をしたあと、地元で夫・ 谷口大祐と再婚して新しく生まれた女の子と4人で家庭を築いていた。
幸せの中にいた里枝だったが、ある日突然 不慮の事故により最愛の夫を亡くしてしまう。
一家は悲しみに暮れるなか、大祐の法要の日、大祐の兄・谷口恭一から「この遺影の男は大祐じゃない」と夫の「大祐」がまったくの別人だったという衝撃の事実がもたらされる。
「大祐」として生きた「ある男」は、いったい誰だったのか。
なぜ過去を変えて、別人として生きていたのか。
里枝から夫の辺調査を依頼されるた城戸は、過去を変えて生きた「ある男」の人生を追いかけていき、衝撃の事実にたどり着く。
『ある男』キャスト一覧
城戸章良◆妻夫木聡
弁護士。かつての依頼者である里枝から亡くなった夫の身辺調査を依頼される。
これまで『愚行録』『乱反射』など、これまでにも数々のミステリー小説の実写映画化に出演してきた妻夫木さん。本作では初めて弁護士役を務めます。
谷口里枝◆安藤サクラ
城戸が担当したかつての依頼者。亡くなった夫「大祐」の身辺調査を城戸に依頼する。
『百円の恋』『万引き家族』などで圧倒的な存在感を見せつけてきた安藤サクラさん。今回は、数奇な運命に翻弄される女性を演じます。
谷口大祐◆窪田正孝
里枝の再婚相手。林業に従事していたが事故で命を落とす。実は大祐ではなく別の男だった。
過去を偽って生活した男を演じるのは、朝ドラ「エール」で主演を務めるなど、映画だけでなく幅広いジャンルで活躍する窪田正孝さん。優しいけれど、どこか影のある難役に挑んでいます。
後藤美涼◆清野菜名
本物の谷口大祐の恋人。失踪した大祐を忘れられないでいる。
谷口恭一◆眞島秀和
大祐の兄。実家の旅館を継いでいる。遺影を見て「大祐」が自分の弟ではないと気づく。
谷口大祐(本物)◆仲野太賀
本物の谷口大祐。旅館を営む家の次男坊。
城戸香織◆真木よう子
城戸の妻。
小見浦憲男◆柄本明
「大祐」と名乗った男の何らかの事情を知る人物。
中北◆小籔千豊
弁護士。城戸の同僚で相談相手。
里枝の息子・悠人◆坂元愛登
里枝の母親・初江◆山口美也子
大祐の働く林産会社の社長・伊東◆きたろう
「大祐」の過去を知る人物◆河合優実、カトウシンスケ、でんでん
『ある男』相関図
『ある男』の原作
映画『ある男』は、第70回読売文学賞を受賞し、累計19万部を超える平野啓一郎さんによる同名小説を原作に制作されています。
平野さんといえば、福山雅治さん&石田ゆり子さんで映画化された『マチネの終わりに』の作者としても有名ですね。
『ある男』は、“自分が愛した男は全くの別人だった”という奇想天外な幕開けで始まります。
依頼人の里枝にとって「大祐」はとても大切な夫でしたが、彼は名前も過去もすべて他人になりかわり嘘をついていたのです。
本作は、「ある男」とは誰なのか?というミステリー要素もありますが、「自分とは一体誰なんだろう?」「自分らしさ、自分の存在とは一体何なんだろう?」という哲学的なものが軸になった作品です。
そのため、文学的な言い回しや、差別問題、死刑制度など社会的問題も絡んでくるので、本好きでない人には少し難解な部分もあります。
難しい表現は多いものの、他人になりかわって生きた男というテーマはとても面白く、何を伝えたいかというのは明確なので、最後まで読めば誰でも理解できると思います。
映画で興味を持たれた方は、ぜひ原作も読んでみてはいかがでしょうか。
小説『ある男』あらすじから結末までをネタバレは⇒こちら
『ある男』見どころ
◆『ある男』とは誰のことか?
タイトルの『ある男』が指しているのは大祐になりすましていた理枝の夫を指していることはすぐ分かります。
しかし、原作では弁護士の城戸という人物も、在日韓国人三世という出自を持ち、妻との問題を抱えている複雑な人物です。
そして城戸は、ある男の人生を追っていくうちに、他人として生きた男への複雑な感情を抱くようになっていきます。
さらに、本物の谷口大祐も兄弟や家族の確執に悩み、過去をリセットするために、ある方法を選択します。
観る人の受け取り方次第で、『ある男』がXにも、城戸にも、大祐にも見えてくる。
平凡だけれでも、実に深い意味が込められているタイトルを意識して観ると面白いかもしれません。
◆愛に過去は必要か?
里枝は離婚を経験し、田舎に戻って大祐を名乗る“X”と再び家族を作るのですが、夫の死と共に別人であることが発覚。
原作では、究極の状態に置かれた里枝が「一体、愛に過去は必要なのだろうか?」と自問します。
夫には別の名前があり、偽りの過去を話していたけれど、人間の本質は変わらない。
つまり「大祐」と名乗る男は本物ではなかったけれど、夫を愛したことはは事実だったと里枝なりに昇華していきます。
もし大切な人が他人になりすまし自分に嘘をついていたら、許せないと感じる人もいると思います。
しかし、そこに理由があり、自分に向けられるものが悪意ではなく優しさや愛だったとしたら….。
「自分だったら、それでも許せないのか?」と考えさせられる作品となりそうです。
『ある男』公開日
「愛した夫が別人だった」という謎めいたストーリーから、壮大な愛の物語へと進行していく映画『ある男』は、
◆2022年公開予定
原作:平野啓一郎
監督:石川慶
脚本:向井康介
です。
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