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『ある男』あらすじから結末までをネタバレ&相関図!夫の正体は?

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「自分が愛していた夫は、全くの別人だった。」衝撃の事実から始まる平野啓一郎さんによる小説『ある男』。「夫の正体は誰なのか?」という謎解きもありながら、「愛に過去は必要なのか?」という哲学的な側面ものぞかせる『ある男』のあらすじから結末までをネタバレありでご紹介いたします。

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『ある男』登場人物と相関図

登場人物

城戸章良・・・弁護士。かつての依頼者である里枝から亡くなった夫の身辺調査を依頼される。在日三世。
谷口里枝・・・城戸が担当したかつての依頼者。亡くなった夫「大祐」の身辺調査を城戸に依頼する。
谷口大祐・・・里枝の再婚相手。林業に従事していたが事故で命を落とす。実は大祐ではなく別の男だった。
後藤美涼・・・本物の谷口大祐の元彼女。美人で大祐を忘れられないでいる。
谷口恭一・・・大祐の兄。実家の旅館を継いでいる。遺影を見て「大祐」が自分の弟ではないと気づく。
小見浦憲男・・・戸籍交換のブローカー。
中北・・・弁護士。城戸の同僚で相談にのる。
城戸香織・・・城戸の妻。

相関図


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『ある男』あらすじ


ある男 (文春文庫) [ 平野 啓一郎 ]

愛したはずの夫は、まったくの別人であった ー

弁護士の 城戸は、かつて離婚裁判で弁護した 里枝から夫だった男性について奇妙な相談を受ける。

里枝は、2歳の次男を脳腫瘍で失い、そして離婚という苦労を乗り越え、地元で夫・ 谷口大祐と再婚して新しく生まれた女の子と4人で家庭を築いていた。

幸せの中にいた里枝だったが、ある日突然 林業従事していた最愛の夫を事故で亡くしてしまう。

悲しみに暮れる里枝のもとに、大祐の兄・谷口恭一から「この遺影の男は大祐じゃない」と夫の「大祐」がまったくの別人だったという衝撃の事実がもたらされる。

里枝から夫の辺調査を依頼されるた城戸は、過去を変えて生きた「ある男」の人生を追いかけていく。

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『ある男』ネタバレ

“ある男”の正体

城戸は、谷口大祐になりすまし里枝と結婚していた“X”の調査に奔走するうちに、Xの悲しい出自戸籍売買という闇のネットワークを突き止めた。

まず城戸は、過去の戸籍交換事件から、詐欺罪で捕まっている小見浦憲男に面会にいった。

その後、城戸は死刑囚の絵の展覧会で、Xが描いた絵のタッチと似ている死刑囚の絵を見つける。

その死刑囚は、小林兼吉という一家惨殺放火事件を起こした犯人で、顔写真を見るとXにソックリだった。

小見浦の証言や過去の事件の詳細により、Xの正体は死刑囚・小林兼吉の一人息子 原 誠という男であることが判明する。

小林姓から母親の姓になった原は、殺人犯の息子として、幼少期からいじめを受け、成人してからも差別を受け続けていた。

どこに行っても“殺人者の息子”という偏見の目で見られることが嫌になった原は、戸籍交換で過去を消したたいと考え、小見浦に仲介を頼んだ。

戸籍交換の経緯

まず原 誠は、最初にヤクザの息子・ 曽根崎義彦と戸籍交換を行い生活した。

一方、死刑囚の息子・原 誠という やっかいな戸籍を引き取った本物の曽根崎は、知的障害を持つホームレス・田代正蔵と原 誠の戸籍を交換。

その後、曽根崎を名乗っていた原は、何らかの理由でその戸籍が気に入らず、旅館の次男坊だった谷口大祐と二度目の戸籍交換をした。

(大祐も兄弟や家族の確執から、過去を捨て新しい人生を歩みたいと思っていた。)

谷口大祐となった原は、そこから宮崎県に渡り、里枝と結婚したのだった。

『ある男』ネタバレ相関図

後半の謎解きでは、戸籍交換により名前がどんどん入れ替わっていくので混乱していきます。そこで、分かりやすく図にしてみました。

結末

Xの正体と、本物の大祐が曽根崎と名乗って生活していることが分かった城戸は、本物の大祐の恋人・後藤美涼と一緒に大祐に会いにいった。

大祐は、今の生活は経済的に不満はあるようだが、二度と実家に戻らないと断言した。

それから、城戸は里枝に調査結果を報告した。

報告書を受け取った里枝は、夫だった男の境遇をつくづく可哀そうだと思ったと同時に自問した。

一体、愛に過去は必要なのだろうか?

この問いの答えは里枝には分からなかったが、かつて二人は愛し合い、娘を授かり、幸福だったことだけは事実だった。

『ある男』の感想と考察

人を性別、出自、人種、などを抜きにして、純粋に中身だけで判断するということはとても難しいことです。

勝手に人を色眼鏡で判断し、無意識にカテゴリーを分けてしまうこともありますよね。

また、誰しも今の自分を捨て他人として生きてみたいと思ったこともあるでしょう。

『ある男』は、別人になりすましたXの調査を通して、愛や社会問題を浮き彫りにしていく物語です。

それゆえに、難しい社会問題、城戸のルーツ、彼と妻とのギクシャクした日常も多く描かれ、Xの正体が早く知りたい私は、読み飛ばしたいと正直思う部分もありました。

しかし、最後まで読み終えると、一見 事件には関係ない日常のシーンがあるからこそ、「愛とは何なのか?」と自分にあてはめて考えを巡らせることができました。

『ある男』とは一体だれのことか?

タイトルの『ある男』が指しているのは大祐になりすましていたX(原 誠)であることはすぐ分かりますね。

一方で、在日三世という一つの側面だけで判断されることに違和感を持つ城戸、兄弟、家族の確執に悩み過去を捨てた本物の大祐も『ある男』だと言えます。

読み手の受け取り方次第で、『ある男』がXにも、城戸にも、大祐にも見えてくる。平凡なタイトルだけれど、実に深い意味が込められていると思いました。

語り手も、調査依頼を受けた城戸ではなく、彼から話を聞いた小説家というのも面白い設定です。

愛に過去は必要か?

里枝は、夫を失っただけでなく、過去には離婚、子どもの死を経験し、田舎に戻るというヘビーな環境にいます。

そして、大祐を名乗る“X”と出会い、再び家族を作るのですが、夫の死と共に別人であることが発覚。

究極の状態に置かれた里枝が「一体、愛に過去は必要なのだろうか?」と自問し、「大祐」と名乗る男は本物ではなかったけれど、夫を愛したことはは事実だったと昇華していくラストにはジーンとしてしまいました。

「人は何をもって人を愛するのか?」ということを哲学的に考えさせてくれるテーマですね。

社会派な側面もあり

物語では、在日問題、ヘイトスピーチ、死刑制度などの社会問題が登場します。

これらの考え方は、作者の平野 啓一郎さんの思想が色濃く出ているので、抵抗感がある方もいるかもしれません。

また、問題の伏線が回収されずモヤモヤすることもいるかもしれませんが、現実で問題がすべて解決することはありませんよね?

そのリアルさが、いま社会に起きていることに対して、自分がどのような立場に立ち、行動するのか想像させてくれる作品でした。

映画『ある男』相関図・キャストは⇒こちら

最後に

『ある男』は、戸籍を交換することにより人生をやり直し、最後は幸せに暮らして死んでいった男の話だけでなく、在日、死刑制度、血縁、夫婦など結論が出ない問題を多く盛り込んだ物語。

そんな、人間の存在と愛をテーマに描いた『ある男』は妻夫木聡さん、安藤サクラさん、窪田正孝さんで映画化もされる話題作。丁寧に美しく描かれたストーリーは、ぜひ一文字一文字噛みしめながら読んで頂きたい作品です。

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