映画『母性』相関図キャストと原作(少し)ネタバレ!胸糞悪い母娘の愛

「母親は娘を愛し、幸せを願うことが当たり前」という思い込みを覆す、湊かなえさん著『母性』が2022年に映画化されます。そこで今回は、社会問題にもなっている“毒親”にスポットを当てた「母と娘」を巡るミステリー『母性』のキャスト、相関図、原作からの見どころをご紹介いたします。
映画『母性』キャスト一覧
ルミ子◆戸田恵梨香
主人公。母から永遠に愛され、いつまでも擁護される娘の立場でいたいと願う。
清佳◆永野芽郁
ルミ子と哲史の娘。母親のルミ子から愛されたいと願う。
母親◆大地真央
ルミ子や孫の清佳を愛し、無条件に愛情を与える存在。
田所哲史◆三浦誠己
ルミ子の夫。実家は片田舎の大地主。長男。絵を描くのが上手い。工場で働く。次第にルミ子や娘に無関心となる。
田所◆高畑淳子
田所の母で、ルミ子の義母。口が悪く、ルミ子に辛く当たる。
田所◆未発表
田所の父。ルミ子の義父。
森崎憲子◆未発表
哲史の姉。森崎という家に嫁いだが、息子・英紀の子育てに悩み実家に戻る。
英紀◆未発表
憲子の息子。気性が荒い子ども。
田所律子◆山下リオ
哲史の妹。大阪の女子大を卒業し実家の田所家に戻ってくるが、ある男性に夢中になり…。
黒岩克利◆未発表
律子の恋人。
中谷亨◆高橋侃
清佳の恋人となる男性。
神父◆吹越満
佐々木仁美◆中村ゆり
ルミ子の親友。訳知り顔でアドバイスする。
映画『母性』相関図
映画『母性』あらすじ
女子高校生が自宅の中庭で倒れているのが発見された。
母親は「愛能(あた)う限り、大切に育ててきた娘がこんなことになるなんて信じられません」と言葉を詰まらせた。
母性ある母親がみだりに“愛”という言葉を口にするだろうかー。
母親のこの言葉に世間は騒ぐ。これは事故か?自殺か?
11年前の台風の日ー。
彼女たちを包んだ幸福は、突如奪い去られた。
母の手記と娘の回想が入り混じり、浮かび上がる真相。
持つものと持たないもの。欲するものと欲さないもの。二種類の女性、母と娘。
圧倒的に新しい、「母と娘」を巡る物語(ミステリー)。
映画『母性』見どころ
◆異常なまでの母への愛
自分の母親に依存し、誰よりも母を愛するルミ子。
幸せな家庭に育った彼女は、いつまでも子どものままでいたい、「母親」の娘として擁護されていたい、「母」であるよりも「娘」であり続けたいと思っています。
だから、そんなに好きでもなかった男性と結婚した、赤ちゃんを気味悪がっていたのに出産するなど、すべて母親が喜ぶ、母から褒められる方の人生を選択していきます。
娘が誕生しても、娘にはおばあちゃんが喜ぶような言葉を選び、行動することを間接的に強いるルミ子。
いつまでも精神が未熟で、母親だけしか見ていないルミ子は、マザコンを通り越して、気味悪さがあります。
小説では、殺人や暴力は出てこないのに、ジメーッとした湿度高めの恐怖を感じさせてくれましたが、映画ではどのように表現するのか楽しみです。
◆愛を乞う娘
自分よりも母親を愛するルミ子に育てられた娘の清佳は、母親から愛情を向けられたいと願う少女です。
彼女は、父の実家で奴隷のようにこき使われる母親を庇い、代わりに家事を請け負ったりして、自分なりに母親を守ろうとします。
しかし、その気持ちはルミ子には伝わらず、それどこかルミ子は「娘が義母に口ごたえするせいで、私が義母に叱られるではないか」と疎ましく思うのです。
清佳が、健気に頑張れば、頑張るほど、大好きな母は自分から離れていってしまう。
「良い子でいたい」「母を喜ばせたい」「愛されたい」と思うのは、子どもなら普通のこと。
それだけに、娘から母への一方通行の愛情には、胸がしめつけられます。
◆食い違う母の手記と娘の回想
小説では1つの思い出を、
●母性について
●母の手記
●娘の回想
という3つの視点から描いています。
しかし、母親が神父にあて、自分と娘とのことを順を追って書いた「手記」と、その母に愛されずに育った娘が過去を振り返る「娘の回想」は、おなじ出来事であるはずなのに、食い違い、ベクトルが違う方向に向いています。
例えば、ルミ子は「娘の頭を撫でようとした手を拒否された」と記し、娘の清佳は「母にやさしく触れて欲しかった」と言っています。
本作の解説で「語り手が本当のことを言っているとは限らない」というものがありましたが、それぞれの言い分が食い違ったり、思い込みの裏をかいたどんでん返しというのは、『告白』『少女』でも見られた湊かなえ作品の特徴でもあります。
読者は、この一人称の語りにより、実の親子の関係、夫婦の関係、嫁姑の関係を知っていきますが、徐々に違和感を感じ始めます。
そして、勘違いに気づいたときには、落とし穴に落とされてしまいます。
さて、自分の理想と現実のズレを、かたくなに認めないのは、母と娘どちらでしょうか?
その結末は、映画でぜひ確かめてみて下さい。
湊かなえ小説『母性』のあらすじから結末ネタバレは⇒こちら

映画『母性』公開日
「母親になる女性の誰もが母性を持ち、母になれるとは限らない」というテーマで、“毒親”という問題を描いた『母性』は、2022年秋に公開です。
詳しいことはまだ明かされていませんが、情報が解禁され次第、追記していきます。
この記事へのコメントはありません。