『リボルバー・リリー』あらすじ~結末を相関図付きでネタバレ!

邦画

「最も排除すべき日本人」と呼ばれた美人スパイと、家族を皆殺しにされ陸軍資金の鍵を握る少年との逃避行を描いた長編アクション小説『リボルバー・リリー』、大正ロマン漂う日本を舞台にし、血沸き肉踊りっぱなしの展開には圧倒されました。そこで今回は、『リボルバー・リリー』のあらすじから結末までを相関図付きでネタバレしたいと思います。

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『リボルバー・リリー』登場人物と相関図

登場人物

小曽根百合・・・水野寛蔵の情婦となり、幣原機関で訓練を受け16才から活動している元諜報員。三十七件の事件に関わり、五十七人を殺したとされる。大型拳銃リヴォルバーを愛用。
水野寛蔵・・・実業家で財界ヤクザ。
細見慎太・・・13歳。陸軍資金の鍵を握るため帝国陸軍の精鋭たちに追われる。
細見恭太・・・11歳。慎太の腹違いの弟。
細見欣也・・・慎太と恭太の父。
筒井国松・・・元陸軍軍人で勲章をもらうほど優秀だった。
ルパ・・・国松が飼っている日本狼。
那珂(奈加)・・・中国の元馬賊で漢人とウイグル人との混血女性。水野寛蔵に仕えていた。
岩見良明・・・弁護士。百合に助けられたたことを恩義に感じ、逃避行に協力する。
津山ヨーゼフ清親大尉・・・帝国陸軍大尉。母はドイツ人で、栗色の髪と瞳を持つ。冷酷非道な人物。
南 始 特務少尉・・・陸軍の諜報員。百合と同じ幣原機関出身。小柄で子どものような容貌を持つ。
水野武統・・・水野寛蔵の息子。水野組の五代目。
小沢・・・陸軍大佐。
山本五十六・・・海軍大佐。岩見に頼まれ、百合と慎太を保護する。

相関図


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『リボルバー・リリー』あらすじ

あらすじ

舞台は関東大震災直後の大正時代。

焼野原になった東京の一画で、元諜報員 小曽根百合(おぞねゆり)と元馬賊で漢人とウイグル人との混血女性の那珂(なか)は、陣痛の始まった妊婦を保護していた。

そこに弁護士・ 岩見良明を拉致する4人のヤクザがやってきたが、百合は華奢な手には不似合いなS&WM1917リヴォルバーで、あっという間に男たちを追い払った。

命を救われた岩見は、百合に必ず恩返しすると約束する。

場面は変わり13歳の細見慎太と11歳の恭太の兄弟は、父の都合で名前を偽って秩父に引っ越してきた。

学校でいじめられ、居場所がない兄弟は、老狼・ルパと暮らす筒井国松という男と親しくなる。

そんななか突然父・細見欣也が帰ってきて、慎太の腹にさらしを巻き封筒を挟み込む。

そして、兄弟に「逃げろ!」と指示した。

しかし、慎太たちは家族が気になり床下から様子を伺うと、男たちに父、母、姉、女中二人が殺されるところを目撃。

自分たちも命の危険を感じ、国松のところに逃げた。

国松から「小曽根百合を頼れ」と百合の住所が書かれた写真と拳銃を受け取った兄弟は、駆けだした。

その直後、国松は慎太を探しにきた陸軍に殺された。

一方、百合の元に国松が亡くなったことが知らされ2枚の写真が届けられた。

1枚は、赤ん坊を抱く百合と水野寛蔵、国松、もう1枚には見知らぬ少年2人の顔と名前、住所「助けてください」という文字が記されていた。

百合の過去

百合は、かつて財界ヤクザ・水野寛蔵(みずのかんぞう)に育てられた諜報員であり、彼の情婦だった。

那珂からナイフや拳銃の使い方を徹底的に叩きこまれ、何か国もの言葉を習得。

6歳から20歳まで諜報員として、三十七件の事件に関わり、五十七人を暗殺した敏腕女スパイとして、その名が知られていた。

百合はあるとき水野の子を妊娠し、息子を出産したが、間もなく水野は亡くなった。

主が亡くなったとたん、何者かが百合と息子を狙って襲撃してきた。

百合は形見に水野の薬指を切り取り、息子と那珂、国松と共に逃走するが、敵が仕掛けた爆弾に当たり息子は亡くなり、百合を助けようとした国松は腕を失った。

そんなことから、国松に命を救われた百合は、彼が守ろうとした慎太を助けようと決意する。

逃避行

黒煙が昇る工場で、百合は慎太を発見したが、弟の恭太は焼死してしまう。

すぐに百合は慎太を連れて逃げるが、慎太の父から渡された封筒を狙って追っ手が次々と襲いかかってくる。

百合と慎太を追うのは、3人の男たち。

津山ヨーゼフ清親(きよちか)・・・ドイツ人ハーフの帝国陸軍大尉
南 始(はじめ)・・・百合と同じ機関で育てられた陸軍の諜報員
水野武統・・・水野寛蔵の息子でヤクザ組長

百合の依頼で細見欣也について調べていた岩見は、細見が莫大な財産を海外の口座に隠し持っていることを突き止めた。

細見は「榛名作戦」で軍と関わっていた。

「榛名作戦」とは・・・アジア諸国に武器を売りさばき利益をあげるための軍の作戦。

この「榛名作戦」で細見は、軍に大きな利益をもたらし、横領した金で自分の個人資産も膨らませていた。

その額、1憶6千万円。

当時の日本の国家予算の十分の一にあたる金額だった。

細見は集めた資金を、スイスやアジアの銀行に預けて、バニシング契約をしていた。

「バニシング契約」とは・・・資産を純金・純銀化して相場以下で安く売りだして、財産を次第に減らしていく契約。

彼は、3人子どもの指紋を登録しており、同じ指紋を持ち、暗証番号を知る者だけがバニシング契約を停止し財産を引き継げるように手配していた。

もし、生き残った慎太が亡くなれば、銀行は契約に基づき財産が消滅するため資産運用していくことになる。

そのため、陸軍や水野は慎太の命を奪うことはしなかった。

つまり、細見が残した隠し資金で慎太は生かされていたのだった。

激しい戦い

慎太は津山に連れ出されるが、激しい攻防のあと百合が救いだして、トラックを奪い逃げ出した。

一方、岩見は山本五十六海軍大佐と面会して慎太を保護してくれるように頼み、那珂は水野の母の大姐に人質になって息子を止めて欲しいと持ち掛けた。

ついに工場で、正面から戦うことになって百合&慎太と津山。

死闘の末、慎太が家族と国松の仇を討つため津山を銃剣で刺し殺した。

その後、屋形舟に飛び乗った二人だったが、そこに南 始が待ち伏せをしていた。

ここでも激しい攻防を繰り返し、最後に百合は南の不意を突いて、目にアンモニアを思い切り吹き付けた。

南は狂ったようにもがき、海の底に沈んでいった。

結末

海軍に保護してもらうため、百合と慎太は傷だらけの体を引きずりながら海軍省に向かった。

しかし、二人が乗った車を陸軍兵士やヤクザが執拗に追いかけてきたが、なんとか裏道から洋装店に逃げ込んだ。

店で着替えた二人は、水野寛蔵や筒井国松と懇意だった弁護士の日永田の助けで、百合と慎太は緊急閣議に向かう大臣の乗る公用車に乗車することに成功。

その間にも、陸軍の発砲は止むことがなく、南も再び現れた。

ついに慎太は南に銃を突きつけられるが、岩見が駆けつけ南を銃で撃った。

岩見が敵の気を引いているうちに、百合と慎太は海軍省まで走り、山本五十六に引きずり込まれ、なんとか助かった。

1年後ー。

おしゃれをした百合は、山ほどの駄菓子を持って慎太のスイス行きを見送った。

慎太は、山本五十六の計らいでスイスに行って英語・ドイツ語・フランス語を学んだあと寄宿学校に編入することになっている。

「七年後に必ず、百合さんに会いに来る。だから待っていて。」

百合は慎太に、バニシング契約を解除する番号が刺繍されたレースハンカチを手渡した。

慎太はそれを受け取ると、笑顔で旅立った。

その帰り道、かつて襲ってきた関東軍の連中が百合を尾行していた。

百合は息を整え、バッグの中のリボルバーを握りしめた。-ENDー

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『リボルバー・リリー』感想「映画のような小説」とはまさにこの作品のこと

華奢な体でリボルバーをぶっ放す美人スパイ、錬金術師の息子で13歳の少年、片腕を失った元軍人、ハーフの陸軍大佐、少年にしか見えない特務将校、日本狼など、個性的でカッコイイ登場人物のオンパレード。

彼らは敵味方に別れ、関東大震災後の日本を舞台に臨場感溢れるドンパチシーンを繰り広げます。

大正ロマンと汗臭いヴァイオレンスを組み合わせた設定は、まさに映像向き。(2023年に行定勲監督で映画化もされることが決定しています。)

荒唐無稽な設定ながらリアルに感じるのは、当時の軍の内部事情、風俗描写、武器、戦闘シーンが緻密に描かれているから。

それにしても、逃げる、戦う、逃げる、戦うの繰り返しが続き、ハリウッドばりのラストまでの畳みかけは、お腹いっぱいwww。

息もつかせぬ展開がずっとなので、最後の海軍省脱出の頃には、読み手もヘトヘトです。

しかし、間違いなく面白い作品であるのは確か。

エンタテイメント小説でありながら、まっとうな文学としても成立しており、完成度はもの凄く高い!

映画では『ニキータ』『ドラゴンタトゥーの女』といった作品より、泥臭くした感じになるのかしら?

ちなみに、百合さんのことを誰も「リボルバーリリー」とは呼んでなかったな~。

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