『ガラパゴス』ネタバレ!犯人や結末を相関図付きで解説

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ガラパゴス化した日本社会の矛盾と派遣業界の闇を暴いた相場英雄さんによる社会派ミステリー『ガラパゴス』のあらじ~結末を相関図付きでご紹介いたします。

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『ガラパゴス』登場人物と相関図

登場人物

田川信一・・・捜査一課継続捜査班。切れ者。
木幡祐司・・・鑑識課の身元不明相談室に配属された田川の同期。
矢島達夫・・・特命捜査班の理事官
鳥居勝・・・捜査一課。業務上過失の捜査を行うSITに所属。
森喜一・・・人材派遣会社パーソネルズ社長。鳥居の高校時代の先輩。
高見沢紅美・・・森の愛人で秘書。元クラブのママ。
松崎直樹・・・トクダモータース社長。
根来・・・城東美容クリニック院長。鳥居が先輩刑事の天下り先として利用。
仲野定文・・・沖縄県出身の派遣労働者。
有吉宏二郎・・・仲野の高校時代の友人。ソラー電子の係長。
清村仁・・・仲野の死の直前に彼と働いていた派遣労働者。現在はパーソネルズ社員。
長内保・・・仲野と一緒の工場のラインで働いていた派遣労働者。

相関図


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『ガラパゴス』あらすじ

警視庁捜査一課継続捜査班の田川信一は、同期で鑑識課の木幡祐治に頼まれ、身元不明者リストに目を通すうちに、ある男が他殺だったことに気づく。

二年前に遺体が発見された団地を訪れた田川と木幡は、浴槽の下の隙間から、

と書かれたメモを発見する。

殺害された男は、沖縄県出身の派遣労働者・仲野定文と判明。

仲野は、高専を優秀な成績で卒業しているにもかかわらず、なぜか派遣労働者として日本全国を転々とする生活をしていた。

なぜ心優しい青年は遠く故郷を離れ、古い団地の一室で自殺に見せかけて殺されたのか?

そこには、現代の生き地獄とも呼べる社会のシステムがあったー。

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『ガラパゴス』結末ネタバレ

生前の仲野

田川と木幡は、仲野が勤務していた自動車部品の下請け工場を訪れ、彼を知る人間に話を聞きました。

仲野は、過酷な労働環境のなかでも常に明るく、ふさぎがちな仲間を励ましていたと言います。

彼を悪く言う人間はおらず、「人から恨まれるような人間ではない」と皆口をそろえて証言しました。

犬となった警察官

物語では、田川と木幡の捜査状況を、人材派遣会社パーソネルズの社長・森喜一に流す刑事・鳥居勝が登場します。

鳥居は、汚名を着せられ自殺した父のようにならないと心に決め、高校時代に救ってくれた先輩の森の助言通り、刑事になりました。

森は、人材派遣会社パーソネルズを一代で立ち上げ業界大手にのし上がり、後輩で刑事の鳥居から情報を得ながらうまく立ち回っていました。

鳥居の方も、先輩警察官たちの天下り先を森に斡旋してもらうことで、警察組織のなかでじぶとく生き抜いてきました。

派遣社員の実態

労働者派遣法により規制緩和が行われ、トクダモータースの社長・松崎直樹は人件費削減のため、人材派遣会社パーソネルズから労働者を斡旋してもらっていました。

派遣社員は首切りがしやすいということで、彼らは人件費ではなく外注加工費として部品や備品と同じように扱われていました。

そんななか、トクダモータースは燃費向上とコストカットを実現するため、部品を薄くした車を生産し、市場に出しました。

しかし、それは安全面からみるとかなり危険であり、理系出身で工場に勤務する仲野は、トクダ車の欠点にいち早く気づきました。

ガラパゴスの意味

タイトルの「ガラパゴス」とは、家電製品やアイデアなどが、日本独自の機能やサービス、制度などにこだわった結果、海外では受け入れられにくくなっている状態のことを言います。

液晶テレビは高精細、高機能を求めますが、中国やアジアの新興国ではそこまでのハイスペックは求めません。

画像再生の品質が変わらないのであれば、安い新興国メーカーの方が売れるのは当然で、海外市場で日本のメーカーは取り残されていきました。

それはトクダモータースも同じで、世界シェアの1割にも満たないハイブリッドに傾倒するあまり、日本でしか売れないメーカーとなりました。

また、被害者の仲野は、掲示板に「俺たちは“ガラパゴス”の最前線にいる」と書き込みをしていました。

優秀な仲野は、日本製の携帯やテレビがいずれ売れ行き不振になると予見していたようです。

仲野はなぜ消されたのか

正義感の強い仲野は、トクダ車の欠陥をインターネットの掲示板で告発しました。

それを察知したのは、同じ派遣労働者で同じ工場のラインで働いていた清村仁でした。

派遣会社パーソネルズには、派遣社員の相互監視があり、仲間の業務には関係ない生活態度を会社に報告すれば、次の仕事で有利な立場に置かれるシステムを構築していました。

清村という男は常に周囲を探り、チクりをすることで警戒されていた人物。

仲野の怪しい行動をすぐにパーソネルズの社長の愛人である 高見沢紅美に告げ口をしました。

高見沢は事の重大さに気づき、社長の森に報告。

狡猾な森は、有力な取引先であるトクダモータースに恩を売るために、仲野を消すことを引き受けました。

事件当日

森は鳥居の助言を受けながら、(警察の捜査が手薄になるため)無差別通り魔事件が起こった同じ日に仲野を消す作業を決行します。

まず、高見沢が清村に指示をして、工場で仲の良かった長内保を呼び出し犯行計画を告げました。

協力すれば正社員にしてもらえると聞いた長内は、偶然を装って仲野を呼び出しました。

そして、青酸化合物を酒に混ぜて彼に飲ませ、殺害しました。

亡くなる直前すべてを悟った仲野は、長内に「貧乏の鎖は、俺で最後にしろ。」と言い、故郷の子守歌を歌いながら息絶えました。

その後仲野は、長内が逃げるように去ったあと、最後の力を振り絞って「新城 も 780816」のメモを遺したのでした。

メモの意味は?

仲野が書いたメモの意味は、「新城」は彼の故郷の地名。

「も」は模合とよばれる地元住民の相互扶助のことです。

彼はこの模合で集められた金で進学をさせてもらったため、返済が滞っていたことを気にかけていたのです。

そして「780816」は、トクダの欠陥車の車体番号でした。

結末

田川の執念の捜査により、清村、長内、高見沢は逮捕されました。

しかし、事件そのものの原因となったトクダモータースへの捜査は上の命令で中止されます。

実は、捜査一課のOBとトクダの総務部長は仲が良く、そこに経産大臣と森が結託し、警察に圧力をかけたのです。

田川は、派遣労働者を食い物にしてきた森と松崎を「絶対に許さない」と心に誓い、証人として法廷に呼ばれた暁には洗いざらいすべてを話そうと思うのでした。-END-

『ガラパゴス』感想

殺人に加担した派遣労働者の「正社員になるために」という、とてつもなく哀しい動機。

いつから日本は普通に暮らすことが、こんなにも難しくなったのでしょうか。

非正規のため結婚もできず、その日を生きるために必死に働く労働者たちは、現代の「蟹工船」といっても間違いではありません。

そして、底辺の人間を部品のように扱う、人材派遣会社がどんなシステムで成り立っているのかを知ると、奴隷制度とほとんど変わらないなと感じました。

当時から政府は、労働者にとってメリットがあるように言っていましたが、派遣切り、働き方改革、中流危機などのニュースを耳にすると、結局は企業に有利になる制度なんですね。

上級国民が甘い汁を吸っているのは分かっていましたが、それを裁けないシステムには心がざらつきます。

今の日本は、少しでもつまずくと這い上がれない社会。

殺された仲野はとても優秀でしたが、世話になった友人・有吉に大手企業への入社を譲ってしまったばっかりに、待遇や収入は雲泥の差になってしまいました。

有吉が「あいつと俺が入れ替わっていてもおかしくなかったんだ」と言った通り、いま正社員として安定した生活を得ている人は、ラッキーだっただけかもしれません。

また本作では、2000年代に起こった小泉政権の派遣労働の規制緩和やリーマン・ショックの派遣切り。

そして、三重県の世界の亀山と言われたシャープの液晶テレビ工場、岐阜県の美濃加茂市のソニーの工場、一人あたりの所得が低い宮古島など、現実とリンクするニュースや地名も登場するので説得力があります。

作者が経済ジャーナリスト出身なので、ただのフィクションとは思えないですし、ある種 告発本のような感じもします。

こんなタブーを暴いた小説が、NHKでドラマ化されることにも驚きです。

それにしても『ガラパゴス』が出版されたのは2016年ですが、2022年なった今も、日本の働く環境は良くなったとは言えません。

残念ながら貧しい国になった日本ですが、多くの人が『ガラパゴス』を読み、社会のからくりを「知ること」で何かが変わればいいなと思いました。

ドラマ『ガラパゴス』キャスト相関図は⇒こちら

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