『流浪の月』相関図キャスト!誘拐事件の加害者と被害者の特別な関係とは?

本屋大賞を受賞した凪良ゆう氏の小説『流浪の月』が、広瀬すずと松坂桃李W主演で映画化されます。本作は、誘拐事件の加害者と被害者でありながら「ただそばにいたい」という一心で惹かれ合う男女の特別な関係性を描いた物語です。そこで今回は、「怒り」「悪人」で知られる李相日監督による映画『流浪の月』のキャスト相関図、あらすじ、見どころをご紹介いたします。
『流浪の月』キャスト一覧
家内更紗◆広瀬すず
9歳の時に誘拐事件の被害者となる。現在24歳になるが、「傷物にされた被害女児」という情報がネットから消えず、周囲から同情され“かわいそう”という目で見られている。
少女誘拐の被害者で複雑な生い立ちのある少女に抜擢されたのは広瀬すずさん。李相日監督とは『怒り』以来のタッグ。傷つきながらも、一人の男性を求め続ける女性という難役に広瀬すずさんが挑みます。
佐伯 文◆松坂桃李
19歳のときに更紗の誘拐犯として逮捕される。「小児性愛者で誘拐犯」という烙印を背負ったまま孤独に生きる。
真面目で繊細ながらどこか闇を抱える青年を演じるのは『新聞記者』で日本アカデミー主演男優賞を受賞した松坂桃李さん。中世的で不思議な雰囲気を持つ文という人物を、実力派俳優として名高い松坂さんがどう演じるのか期待が高まります。
中瀬 亮◆横浜流星
更紗の婚約者。更紗のことを愛してはいるが、更紗の言動にとまどいを覚える。やがて彼女の過去を受け止めきれなくなり…。
更紗を愛しているがゆえに、更紗と文の仲を疑い暴走していく亮を演じるのは、現在ブレイク中の俳優・横浜流星さん。これまでクールな役を演じることが多かった彼ですが、今回は泥くさく愛を求める人物を体当たりで演じます。
谷あゆみ◆多部未華子
心の傷が癒えない佐伯に寄り添う看護師。
安西佳菜子◆趣里
更紗が心を許せるバイト先の同僚でシングルマザー。娘を更紗に預ける。
梨花◆増田光桜
安西の娘。更紗になつく。
湯村◆三浦貴大
更紗を気づかうバイト先の店長。
阿方◆柄本明
文が営むカフェの階下にあるアンティークショップのオーナー。
佐伯音葉◆内田也哉子
文の母親。教育熱心で「育児書」通りに文を育てた。
幼少期の更紗◆白鳥玉季
文と出会った10歳当時の更紗。
『流浪の月』相関図
原作小説の登場人物や相関図は以下の記事にまとめていますので、ご覧ください。

『流浪の月』あらすじ
ある雨の日。公園でびしょ濡れになっている9歳の少女・家内更紗に、19歳の大学生・佐伯文は傘を差しだした。
両親がいない更紗は、引き取られた伯母の家には帰りたくないと言い、文は自分の部屋に入れた。
文の家は更紗にとって、とても居心地の良いもので、そのまま2か月を二人で過ごした。
しかし、そのことが原因で文は少女誘拐犯として逮捕されてしまう。
被害女児、加害者というらく印を押された更紗と文は、15年後思いがけない再会を果たす。
親子、夫婦、恋人どれでもない。ただお互いを必要として引かれ合っていく二人。
しかし、周囲の人々は更紗の言葉に耳を貸さず、理解してくれることは無かった。
愛ではない。だけどそばにいたい。新しい人間関係の旅立ちを描いたヒューマンミステリー。
『流浪の月』見どころ
◆事実と真実はちがう
世間は知っている文と更沙は、ロリコン加害者と傷ものにされた被害女児と言う関係で、それが事実として伝えられています。
しかし、その事実は当事者たちが思う真実とは違います。
文は更紗の嫌がることを一切しておらず、更紗も自分の意思で文と一緒に居たというのが真実なのです。
普段 私たちは、テレビやSNSの記事のある側面だけを見て、それを事実として受け入れ知ったようになっていることってありますよね。
本質を知ろうとせず、事実を見たいようにしか見ない。
そして自分の中の「普通」に押し込めて判断してしまう。
そんな現代社会の危うさも物語の軸となっています。
◆文と更沙が再会してから怒涛の展開
事件から15年後、思いがけず文と更沙。二人の止まっていた運命の歯車が再び動き出します。
二人は会えなかった時間を埋めるように接近しますが、それにより周囲の人々を傷つけ、翻弄していきます。
更紗は亮と婚約はしているもの、結婚することに疑問を持っており、文と出会ったことでその気持ちは強くなります。
そんな更沙の変化に気づいた亮は、更紗は文に洗脳されていると思いこみ暴走…更沙に暴力を振るうのです。
さらに、文もあることがキッカケで、再び世間から疑惑の目を向けられることになっていきます。
一般論から言えば、更紗と文は再会するべきではなかったかもしれません。しかし、それでも一緒にいたいという気持ちが抑えられません。
そんな二人に降りかかる、不幸で切ない展開に注目です。
◆ハッピーエンド?バッドエンド?
ネタバレになるので あまり詳しくは言えませんが、原作を読んだ直後は、静かで穏やかなハッピーエンドを迎えたな と感じました。
しかし、二人がいる現実や すぐに壊れてしまいそうな結びつきは、以前と何一つ変わっていきません。
更紗と文は何かを変えようとするのではなく、タイトルが示す通り、流浪の民のように、流されて生きていくのです。
果たしてこのラストは、ハッピーエンドなのでしょうかバッドエンドなのでしょうか?
小説では読み手に委ねる形の終わり方をしていますが、映画ではどのように表現されていくのか楽しみです。
最後に
「事実と真実はちがう」だけど誰も二人を理解してはくれない。
周囲の善意や優しさを捨てて、苦境の道を進んでいく更紗と文。少しでも触れると壊れてしまう儚い二人を描いた物語は、映像化にピッタリです。
映画『流浪の月』は、「悪人」「怒り」で知られる李相日監督により2022年公開です。お楽しみに。
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